劇場公開日 2025年3月20日

教皇選挙のレビュー・感想・評価

全739件中、701~720件目を表示

4.0アカデミー作品賞を逃した理由

2025年3月20日
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【アカデミー賞作品賞を逃し、脚色賞受賞の理由】

端的に言うと、
出世争いと聖なる世界、
両立していたら歴史的名作になっていた。

理解はできる、聖職者も人間、
それが狙い。
でも、もったいない。

以下蛇足。

宗教的テーマを扱いながらも、
そのアプローチが非常にユニークであり、
これまでにない視点で聖職者たちの物語を描いている。

この映画で思い出されるのは、『薔薇の名前』だ。
あちらもまた宗教的な背景を持ち、
聖職者がスクリーンいっぱいに埋め尽くされ、
荘厳な美術と厳粛な雰囲気を活かしてエンターテインメント性を保っていた。

14世紀の宗教的世界観ベースのキリスト教世界と、
21世紀の科学的世界観ベース(現実はテロやメディア、SNS対応)のキリスト教世界の矛盾を作品全体で背負えるのか。

しかし本作はその逆を行っている。

宗教的象徴や儀式を意図的に排除し、
聖職者たちを身近で人間味溢れる存在として描いている。

それが本作の狙いの一つであり、

聖職者という人物たちが聖なる存在である前に一人の人間であることを強調している点が、物語に新たな奥行きを与えている。

物語の舞台がコンクラベ(教皇選挙)の閉ざされた空間であるため、
伝統的な聖なる壮大な建物や荘厳な儀式が描かれることはなく、
代わりに日常的なシーンが強調される。

例えば、
スマホを操作する枢機卿、
没収されるiPad、
さらにはエスプレッソマシンの音までもが重要な要素として強調される。

これらの世俗的な要素が映画にリアルさを与え、
聖職者たちがどれだけ世俗的であるか、
またその生活の中でどれほどの人間的矛盾を抱えているかを浮き彫りにしている。

このように世俗性が強調されることで、

主人公であるレイフ・ファインズ演じる枢機卿の〈祈り〉に対する不信感が一層深まる。

その内面的な葛藤は、彼の精神的迷いをより強く感じさせる。

というような、

この映画が伝えたかったメッセージは理解できるものの、
物語の全体像、
特に「宗教」というテーマをより深く掘り下げるためには、

もう少しロングショットや象徴的な引きの絵が必要だったのではないかとも思える。

聖職者たちの権力闘争や内面の矛盾を描くために、
もっとシンボリックな場面があれば、物語の深みが増し、
視覚的なインパクト、
セカイ系的な示唆も強化されたであろう。

システィーナ礼拝堂に全てを押し込んでいる功罪でもある。

ラストの展開が予測可能であるという点も否めない。

しかし、その予測可能性にも関わらず、
物語の本質はラストの展開だけではなく、
登場人物たちが繰り広げる細かいセリフの積み重ねにある。

この小さなセリフの積み重ねが、
物語の中にある微妙な人間関係や内面的な葛藤を浮き彫りにし、
視覚的な演出よりも、むしろ心に深く残る。

登場人物のセリフが何気ない瞬間に意外な意味を持ち、
観客に感情的なインパクトを与える。

そして、最終的にあの枢機卿が教皇に選ばれる展開には、
物語としてのカタルシスが感じられる。

枢機卿が教皇にふさわしい人物であることを納得させるに足る、
内面の描写もなされており、

ただの消去法的な選択ではなく、
名実ともに教皇にふさわしい人物、
教皇の在り方への問題提起であることが示される。

その過程こそが、この物語の核心であり、

聖職者としての人間らしさを強調することで、
テーマの深さがより際立っている・・・
であれば、という所だ。

本作の狙いとして、
聖職者の人間性を描くことは理解できる。

しかし、その中で教皇選挙という大きなテーマをより象徴的に描く方法、
あるいは映画全体のトーンをもっと引き締めるための視覚的な手法があれば、
物語の深みがさらに増したことは間違いない。

もちろんそれは検討したうえで選択しなかったのだろう、
その辺りが作品賞を逃した理由なのかもしれない、
あるいは、
撮影はしたが編集で落としたのかもしれない、
全方位的に忖度をするとやむを得ない判断かもしれない、
その辺りが作品賞を逃した理由なのかもしれない。

それでも、
小さなセリフの積み重ねやキャラクターの微細な描写が、
最終的にこの映画の力強さを生み出しているのは、
脚色賞受賞の理由のひとつだろう。

イザベラ・ロッセリーニをキャスティングするという事は、
グッジョブをさせるという事・・・は納得。

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蛇足軒妖瀬布

4.0ベニテス枢機卿の言葉

2025年3月20日
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知的

クライマックスの展開は素晴らしかった。
キリスト教だけでなく、多くの宗教にたする強烈な批判と受け取りました。

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koji

4.5赤と白、の中は黒

2025年3月20日
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今年度のアカデミー賞関連では一番注目していた作品。
あらすじもだけどポスターなどのビジュアルが、ただならぬ事が起きそうなくらいに赤くて圧倒的に好き。
エドワード・ベルガー監督の過去作『ぼくらの家路』も、なんだかやんごとなき映画だった。

作中でも、枢機卿たちの衣装をはじめタブレットの縁だったり、壁の腰見切り(初めて知った名称)だったり、細かいところにまで赤が使われている。
爆発後の額の傷にまで血の赤を差し色にするとは気が利いてる。
目を引く色使いや緊迫感のあるアングルがちょっとデパルマっぽいかなと感じた。

聖職者とはいえ人間だし、以前には児童性虐待のニュースもあったから特段に驚くこともなく、むしろ教皇になるための蹴落とし合いがなかなか底意地が悪くて、もっとやり合えと楽しめたし、不穏な空気を煽るような弦楽器の音楽も良かった。
仕切り役に徹していたローレンスが、一瞬だけ野心を見せたところもなかなか良いアクセントになってる。
クリスチャンではないから、結果が教皇庁的にOKなのか分からないし、しれっとポリコレねじ込んだような素性にモヤっとしてしまったのが少し残念で−0.5。

イザベラ・ロッセリーニは年取っても綺麗だし、ジョン・リスゴーは年取っても顔面の圧がすごい。

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コビトカバ

3.5結末に驚きを隠せない

2025年3月20日
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知的

難しい

「バチカン」「カトリック教会」「ローマ教皇」等お騒がせのワードが連なる作品だし、主役のRファインズと脇役にSトゥッチが揃っているから癖のある内容だと思っていたけれど、ラストにびっくり。
「あぁ〜そ〜ゆ〜ことなんだぁ」の驚嘆だった。
容易に情報が入手できる現代に於いて、滞りなくコンクラーベを完了させることは大変だ。この先、継続させることはできるのだろうか。権力を欲しがる輩は沢山いるからなぁ。

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ちゃ坊主

3.0manage. 割と冒頭でローレンス枢機卿が呟く言葉 妙に印象に残...

2025年3月20日
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manage.

割と冒頭でローレンス枢機卿が呟く言葉
妙に印象に残っていた

管理する、以外にもニュアンスはあるわけだけど、
後半に向かう中で、本当にmanage.だな、これは
と思わされる
あらゆる意味でのmanage.

宗教の世界とはいえ、やはり政治色は消せない
ましてや、教皇ともなれば
私利私欲などとは、離れた場所にいる存在、と思いたいところだが、私利私欲しかない、むしろ
そりゃ生きて社会に属する人間だから仕方ないわけだが

そんな私利私欲、様々な人々の思惑が渦巻く中、次期教皇を決めるコンクラーベが進行していく

シスターたちの立ち位置、見えない存在
だが、絶妙なタイミングで、神がお与えになった目と耳が発揮される
よく考えてみれば、これでもかという男社会
その中にいる彼女たち

そして、思いがけない、予想もしてないラストだった、私にとっては

え?そうなるんだ…
ええ??そのエピソードいる???

だけど、そのエピソード、いるんだな
こうして感想を書いてみれば、そう思える

ただ、コンクラーベの投票用紙を燃やす意味と、煙の意味を知らないと、少しばかり伝わらないかもしれない、と思うシーンもあった

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yukarin

4.0そもそもがっていう─

2025年3月20日
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興奮

正直、この手の宗教ものは苦手です。この作品もどうせ信仰しているためのものだろうと・・・
評判通りの重厚な音源と厳粛な演出で、質的には申し分ない雰囲気。でもねーやっぱ信仰とかある意味超越したところがあって、自分にはよく理解できません。とっとと劇的に決めて終わりにしてくれーなんて思っていたんですけど、根本をついた結末で、自ら抱いていた作品への差別的な意識もぶっ飛んだ感じです。

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SH

5.0想像の上を行く結末に驚く

2025年3月20日
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自分的には物凄く面白かったのですが、原作があるのでしょうか?
何となくウンベルト・エーコの「薔薇の名前」を思い出しました。

カトリック教会に詳しくなくても全然楽しめる密室?ミステリーですが、ヴァチカンが現在抱えている問題や現教皇のリベラル改革の内容くらいは知っておくとより楽しめるのではないかと思いました。

当たり前ですが、リベラルと伝統の維持は相反するため、あまりに革新的であってもそのバランスを崩すことになり塩梅が非常に難しいのですが、あってはならない事の徹底排除、過去のあやまちの清算、多様性の受け入れ辺りは世界中に信者を抱え、世界に影響力を持つ大規模なカトリック教会であるがこその課題なのかなと思いました。
ただ本作ではリベラル派であっても受け入れるには相当の覚悟が必要と思われる結末であり、それを知った時の驚きはローレンスと同じくらい衝撃を受けw、つい声が出そうになってしまいました。

レイフ・ファインズ演じる主席枢機卿ローレンスは自身も候補の一人であるにもかかわらず管理人としてコンクレイヴ中は中立でいなければならず、一方で尊敬する前教皇のリベラル改革は引き継ぐべきと考える難しい役どころでしたが、意外や意外、妙なリアリティを感じる事ができ、役者の演技力と脚本の巧さが光りました。

あまり事前情報があると面白く無くなるので控えますが、観て損はない映画だと思いますのでおすすめです。

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カツベン二郎

4.5頭ぶん殴られたような衝撃的な結末。これだけはゼッタイネタバラししちゃ駄目。

2025年3月20日
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念のため、書いておきますが、おそらく演出効果を狙ってわざとカットされているようだけど、コンクラーベの結果、教皇が決まると、システィーナ礼拝堂の煙突から白い煙が出ることになっている。だから最後のひとつ手前のシーンでローレンスが空を見上げるショットがあるけどあの時彼の目には白い煙が映っているはずです。
そう、新教皇は決まります。
作品としては、前教皇が亡くなったあとの教皇選挙で、候補者たちの権謀術数の限りが展開されるというか、選挙管理者であるローレンスの身辺確認との争いが描かれている感じ。でも候補者たちが皆、小物というか、あまり魅力的でないのですね。だから映画が進むにつれて、だったらあの人じゃないか、みたいな予測ができて、結果、そのwhoっていうとこは予想通りになるんだけど。
最後の最後に驚天動地の仕掛けが用意されてました。(伏線はある)
ともかく観て!ビックリはするけど後味もそんなに悪くないです。

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あんちゃん

5.0なかなかでした。(少なくとも主要な候補者の顔と名前は確認してから見た方がいいですよ)

Mさん
2025年3月20日
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M

3.5凄い権力なんでしょうね〜

2025年3月20日
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悲しい

怖い

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トミー

4.0教皇にふさわしいのは誰だ!?

2025年3月20日
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知的

難しい

教会とは言え人間関係渦巻く選挙の裏側。
誰が教皇にふさわしく、ふさわしくないのか…
誰も言えない秘密を抱えた候補者たち。
推理サスペンスとして、よく出来ていると思います。

ただ…私は名前を覚えるのが苦手なんで、名前を言われても「これって誰だっけ?」状態。
後半、候補者の人数が少なくなって、やっと名前と顔が一致しました。
不安な人は人間関係を予習して行っても良いかも。

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キブン

4.5人間だもの

2025年3月20日
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41本目。
聖職者だって、人間だもの。
その辺が、面白い。
神の創造物。
神の元では平等ならば、選ばれるべき人間もそうでなければと言う事かなと。
まあ、そのタイミングで言うかってのも、あるけれど。

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ひで

3.0教皇

2025年3月20日
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服がいっしょなので、みんないっしょに見えました。

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完

4.0たくさんの仕掛けがある作品で、色抜き文字の解釈で論争が起きそうな気配がありますね

2025年3月20日
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興奮

知的

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Dr.Hawk

4.0教皇に相応しくない候補ばかりで笑

2025年3月20日
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笑える

知的

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Mejiro

4.5タイトルなし

2025年3月20日
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このような古い制度でやってるのかとうんざりした。男ばかりだし。ラストは感動的でもある。主人公が教皇になる気になりかけていながら、ラストで、新教皇の存在の前でたじろぐところは象徴的だった。

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えみり

4.0これは神の御心か 権謀術数の結実か

2025年3月18日
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知的

難しい

13世紀中期に確立されたといわれるローマ・カトリック教会の教皇を選出する選挙(コンクラーベ)。およそ750年間ベールに包まれてきた教皇選挙を舞台に展開されるローバート・ハリスの同名小説を映画化したスサスペンスに満ちた教会政治ドラマ。

神の御心を祈り求める言葉を唱える教皇選挙で、人間のエゴや権力への執着に人間の弱さが露呈する展開。信仰者に「信仰とは何か」との問いかけているようで動揺させられる。そして予想を超える結末は、現代への神の御心の現れとして作品が提示するクリスチャンへの本質的な問いなのか。真摯な問い掛けとして受け止めるべき作品といえる。

監督:エドワード・ベルガー 2024年/120分/アメリカ=イギリス/英語・ラテン語・イタリア語/映倫:G/原題:CONCLAVE 配給:キノフィルムズ 2025年3月20日[木・祝]よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー。

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JC-LORD

4.0第一級のミステリー映画であり、しっかり今日性も感じさせる人間ドラマ

2025年3月16日
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本作鑑賞にあたり、タイトルにもなっている「教皇選挙(コンクラーベ)」のことは知らなくても全く問題ない。というより、むしろ知らない方が話の展開にグイグイと引き込まれるだろう。これは、選りすぐりの名優たちの演技とともに堪能する「第一級のミステリー」なのだ。
たとえば、ここでポアロの探偵もの——そう、シドニー・ルメット監督の『オリエント急行殺人事件』などを引き合いに出しても、あながち外れてはいないだろう(ちなみに同作でアカデミー助演女優賞を受賞したイングリッド・バーグマンの役どころは、やや強引だが『教皇選挙』におけるイザベラ・ロッセリーニの立ち位置を連想させないでもない)。

ただし本作に「殺人事件」はない。また「謎」を解くカギ(?!)は「ダイバーシティ」と「寛容性」というのがユニークだ。旧態依然としたヴァチカン内部を舞台に、古典的なミステリー映画の体裁をとりながら、しっかり今日性も感じさせてくれて共感を覚える。

もうひとつ、本作ではヴァチカンという“特異な”社会環境の中で展開する人間関係が圧倒的リアリティをもって描かれるのだが、そこに浮かび上がってくるのは人間の“普遍的な”欲望の一つである「権力欲」というのもまた面白い。

映画の幕開けは、主人公が、急逝した教皇の枕元へ駆けつけるところから始まる。その「現場」に一緒に放り込まれた私たち観客は、おごそかな気分を打ち破るように聞こえてくる不穏な「音」の数々——教皇の印章を取り外すために指輪の台座を叩き壊す音/遺体収納袋のジッパーをジジジと引き上げる音/ストレッチャーへ遺体をドスンと移し替える音/ストレッチャーの車輪が軋む音——によって、暗雲立ちこめるこの先の展開を自ずと予見することになる…。じつに見事な導入部だ。

そんな本作の語り口自体はオーソドックスで、野心的な試みこそないが、作品のあちこちに過去の映画への敬愛も感じさせてくれる仕上がりとなっている。

たとえば——枢機卿たちが宿舎とするカーサ・サンタ・マルタの廊下に並ぶ各室のドアは、どこかルノワール監督作『ゲームの規則』のようだ。また投票会場となったシスティーナ礼拝堂の天窓を破壊する爆発は、フェリーニ監督の『オーケストラ・リハーサル』終盤で突如、轟音とともに聖堂の壁を突き破ってあらわれる巨大な鉄球を思い出させる。さらに最後、主人公が窓から見下ろす中庭の眺めは、シドニー・ルメット監督作『十二人の怒れる男』のラストシーンに描かれた雨上がりの戸外のように、希望と余韻を残すものだ。
そもそも本作の舞台である「システィーナ礼拝堂」と「カーサ・サンタ・マルタ」が、名門チネチッタ撮影所内に再現されたセットだと聞いただけでも、映画ファンの心をくすぐるに充分だろう。

キャストに目をやると、レイフ・ファインズ、スタンリー・トゥッチ、ジョン・リスゴー、セルジオ・カステリット、ルシアン・ムサマティといった名優、ベテラン勢が繰り広げる演技合戦から片時も眼が離せない。彼らはいずれも人を諭す立場にある枢機卿の役だからやり過ぎは禁物なのだが、ふとした素振りの中にバチバチ火花散らすような気配を漂わせたり、慇懃無礼や逡巡を覗かせて絶妙のひとこと。また、思わぬ伏兵となるイザベラ・ロッセリーニ、カルロス・ディエスの2人にはしてやられた(笑)。これまたお見事。

さて、最後のどんでん返しは、教会組織の内実に鑑みるとあまりに現実離れしており(※決して「教会組織内の現実」が正しいわけではないが)、しかも名探偵みずから事実隠蔽に加担するのであろう展開に一瞬戸惑いを覚えた。が、それに続く、修練女たちの喋り声のこだまする中庭とゆっくり自閉するドアの描写によって、アレは、やがてくる時の趨勢を見据えた映画ならではの「決着」なのだ、とストンと腑に落ちた。

以上、試写会にて鑑賞。上映後の晴佐久昌英神父のトークは実に示唆に富み、「ナルホド!」と何度も頷いた。大感謝。

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いたりきたり

4.0選挙って。。

2025年3月14日
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選挙のこと、宗教のこと色んなことを考えさせられました。
意外と面白かった。

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ぞの

4.58

2025年3月14日
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ブレミン
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