教皇選挙のレビュー・感想・評価
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ラストにあまり衝撃を受けなかった日本人の私
カタカナ表記ですとなんだか威厳に欠けますが、原題の「コンクラーベ」のほうが、すんなり頭に入るくらい私の中では一般化された、カトリックのローマ法皇を決める時の秘密選挙のお話です。
法皇決定における難航度合いを考慮し日本語で当てるなら真面目に「根比べ」で良いのじゃないかとかれこれ30年以上思い続けています(笑)。
映画の内容が実際の選挙と同一がどうかは、正直よくわかりませんが、聖人の集いにあるまじき俗物的な描写(笑)が多用され、まるで汚れた社会の縮図みたいな印象を強く受けました。
もっと複雑で聖書の基礎知識が必要な宗教サスペンス?を想定して身構えておりましたが、各々の登場人物の演じ分け性格付けが見事で、ストーリー展開は把握しやすかったと思います。
最後のオチはカトリックの常識からしたらかなりショッキングな内容かもしれないですが、日本人の私からしたらそうでもないのは何故なんだろう、とちょっと不思議な感覚を持ちました。
予想よりのエンタメ
内容が堅苦しいイメージかもしれませんが、実際にはかなりドラマチックな展開で衝撃的な結末でした!
あまりにもコンクラーヴェについて知識がなかったので、会話の一つ一つ、何もかもが新鮮で、ずっと興味津々で観ていました。選挙の結果は早い段階で何となくそうなるだろうと予想していましたし、恐らくさらに裏があることも予想できましたが、それでも最後にはあまりにも衝撃的な事実で、思わず一瞬声が出ました。周りの人からも、映画館全体から驚きが伝わってきた。
実際のところはこんなに罪深い欲まみれの戦いだと思わない(むしろ思いたくない)ので、そういった部分には疑いを持ちながら観ていたが、一つの映画としては十分にエンターテイメント性があります。
ただ、もっと欲しかったのはカトリックにおける階級体系やその職務、またコンクラーヴェの全体的なプロセスの説明があれば助かると思う。
連続するどんでん返しに驚かされました
知識があれば…
コンクラーベという、名前は知ってるけど詳しくは知らないテーマ。
それをミステリー風に仕立て作品でした。
結論としては面白かった!
それぞれの陣営の思惑や、それに対しての対応など見応えもあり、現代の問題も取り上げていて楽しめました。
最後のオチは何となく読めたけど、十分面白かったですね。
そう、きたか~
1 教皇選挙を巡る虚々実々の人間ドラマを描く。
2 教皇が死去し、所定の手続きに則り新教皇を選出する単純なプロットであるが、全世界にいる枢機卿が一堂に集まる直接選挙の為、簡単には決まらない。肌の色といった外見の違いや言語や出自の違い、そして考え方が保守的か民主的かといった内心の違いがある。さらに野心の有りや無しやもある。このため、各グループは神輿に担ぐ人間を立て、票集めを行い、対抗馬の足を引っ張ろうとする。数日間の選挙の結果は・・・。
3 本作は、全体的に重厚な作品となっている。しかしながら、重くはなっていない。投票結果により、票数が動き、投票の合間に人や情報が行き来し、話が二転三転する。スリリングな展開で眠気を誘われる暇もなく興味が最後まで引っぱられる。脚本と編集、演技のアンサンブルによるものである。
4 この映画を見て、女性は枢機卿など上級の役職には付けれないことを知った。かの世界はなんらかの理由で男女差別が残っている。一般社会とはことなる特異な世界である。そうした中、本作の選挙結果は、現代社会とのバランスを保つ形を取った。かの世界の権力者の怒りを買わないような賢明な着地であったと思う。そのうえで、新たな教皇はテロや戦乱が続く困難な時代にリーダーとなる覚悟を平易な言葉で語った。ここに製作者の矜持を見た。
5 選挙を取り仕切ったローレンスを演じたレイフ・ファインズは、厳格にして冷静な役どころを演じきった。途中の演説において、自分のこととして語った確信の罪のくだりは申し訳ないが理解できなかった。ラストの一仕事をやり終えた安堵の表情が印象に残った。
現実はこうであって欲しくはない世界
世界中が注目するコンクラーベ。この作品はフィクションだけど、現世で問題になっている話題が多数盛り込まれ、また聖職者にも関わらず、権力への欲望剥き出しの会話に、ゾッとしたりして、閉鎖されている世界を覗き見してる感じのドラマとしては面白い部分は多い。
ラストのショックはなかなかのものだったが、良し悪しは別として、エンタメ性はとても高かった。セットや絵画、衣装の美しさはさらに世界観を盛り上げている。
一流サスペンス
なるほど……
枢機卿って街にいたらすっっごく偉くて
普通なら会うことすら出来ないくらいの人なのに
この映画では会社でいう定年間近のジジイ集団が、空気の読み合いで社長を決めるみたいな印象で
神やキリストへの信仰もあまり感じないし
本当にコンクラーベってこうなの?
何か思ってたのと違う( ̄▽ ̄;)
隔離からの解放のシーンは良かった
私も新鮮な空気が吸えた気がする
亀の意味はイマイチわからない
前教皇が持ち込んだのなら
すべては前教皇の掌の上でした
ってこと?
流石にバチカンに気を使って?
新教皇のお披露目シーンは無かった印象
(法衣も着せていない)
女性は聖職者になれないのに
新教皇は両性具有なわけで
いつかそのことを公表するのか
女性にも聖職者の道が開かれる可能性があるのか
いろんな可能性が未来にはあるよ
って伝えたかったのかな?
キリスト教徒の方々の感想を知りたいところです
不愉快に感じてない?怒ってない?
レイフ・ファインズは
ヴォルデモートの印象が強いので
この役は良かったと思う
公開している映画館
意外と少ないですね
これは戦争だ!
なかなか馴染みのないコンクラーベの駆け引きが観れるだけでおもしろい。
もちろんバチカンのシスティーナ礼拝堂で撮れるわけないので、全部セットなのだが、それが素晴らしい。荘厳で歴史感もある。セットなのでカメラの撮り方もカッコイイカットばかり。
もちろん美術もバッチリで枢機卿たちが着る衣服の美麗さ。たくさんの枢機卿たちを上から撮るショットで傘の色が前半と後半でかわるのも絵的ちもおもしろいし、ちゃんと意味を持たせてる。
ストーリーも伏線を張り、所謂聖教者と言えども権力闘争に身をやつす姿は、俗世と変わらないし、そりゃ様々な問題を引き起こすのは無理ないな。そして「これは戦争だ!」まあカソリックの頂点に立てるのであれば必死になるのでしょう。そして今までカソリックが行ってきた矛盾を回収するラストはそれはわからん!という落とし所に唸りました。
宗教は争いタネになる。本作が相互理解の材料に少しでもなればな、と思います
見応えあった!
『疑念』と『確信』
ジジィのチンチンチャンバラ
面白い
カトリックの世界の話で日本人には理解できないんじゃないかなと疑いながら鑑賞。
コンクラーベの意味や仕組みを理解している人は少ないはずなんだけど、ほとんど説明なしに話は進む。
偉そうな神父がぞろぞろ集合してきて狭いホテルにチェックインして宴会場でご飯食うって感じののんびりした前半はちょっと眠かった。
半分くらいからがぜん盛り上がってきて、爆発後は目が離せない展開に。
サスペンスとかミステリーとかのカテゴリに入る話だったのね。
感覚的には日本の皇室会議を映画化!ってことみたいなもんだろうから、制作側覚悟というか情念というかがすばらしい。
それにしても、「レッドドラゴン」とか「ザ・メニュー」で狂気の人って感じだったレイフ・ファインズが思慮深い信頼できる人になってるのに仰天。
俳優ってすごいね。
清らかなことは正しいことか
おもしろい
法王がなくなって、コンクラーベで次の法王を選ぶ数日間を描いているけれど、その中で陰謀や工作がはりめぐらされている緊張感あふれる内容。最後の最後まで目が離せない。アカデミー脚本賞納得のできです。
時事性も織り込んだ、傑作ミステリ
結論。
とっても面白いミステリでした。
一般常識的な知識があれば、予習も不要。
人の名前が少し多いので、ちゃんと覚えながら観るとより早く馴染めます。
(ここから先、ストーリーとネタバレに触れます。)
カトリック教会の「教皇」という、支持者の数で言えばアメリカ大統領を遥かに凌駕する影響力や名声を手にする権力者を決めるコンクラーベ。
こんなに興味深いテーマなのに、これまで映画などでもあまり取り上げられて来なかった気がする。ま、情報が無さすぎるからなんだろうけど。
閉じられた空間の中、「聖職者」が聞いて呆れる権謀術数。
その地位を手に入れるために、説得や駆け引きはもちろん、買収や謀略が繰り広げられていき、有力な候補者が次々と舞台を去ることに。
成り行き上(当初望んでいなかった)主人公が、先代の遺志を継ぐいわば「リベラル」派の代表としてついに立ち上がる意思を示した時、テロによる爆破事件が発生し、投開票の会場となる大聖堂の高い窓が破壊される。
密室でお互いが疑心暗鬼になりながら、自分と自分の仲間のことしか頭になかった彼らの前で、主人公の「リベラル派」、先代までの方針に批判的な「保守派」とは異なる第三者である、中東の紛争地域で活動する枢機卿ベニテスが放つ「敵は自分の中にいる」「教会は前に進まなくてはならない」という言葉。
まさに、破壊された窓の外から吹き込む外界からの風を感じた枢機卿らは、閉じられた場所で内向きな争いを続けてきた自分達を振り返り、外を向いて前に進むための選択をする。
ここまでは、コンクラーベをテーマにした物語として、「いい話」ではある。
しかし、ここで話はおわらず、本作最大のサプライズが明かされる。
選ばれた新教皇ベニテスは、インターセックスであったという衝撃の事実。
ベニテスは前教皇承知のもと、このコンクラーベに、あえて子宮や卵巣の摘出などを行わずに臨んだ。
「この身体も神の御業であるから」と。
まさにキリストのとなえた「神の前では皆平等」。
女性の枢機卿、ひいては女性教皇の何が問題なのか。
今回のコンクラーベで、30年前の女性への暴行で失脚した枢機卿は、アフリカ系の黒人という、西欧社会では差別されてしまう側にいながら、LGBTQに対しては差別的な思想を持っていた。
差別は、誰の中にでもある。
ベニテスが言った「戦う相手はいつも自分の中にある」という言葉は、そうやって他を排除してしまう自己を省みよという意味でもあり、また、ベニテスにとって自身のまさに「中」にある「女性としての自分」との向き合い方にも繋がっていく。
ベニテスが好きだと語った亀は、キリスト教世界においては「不動」「忍耐」「知性」のイメージで語られるらしい。
自らを外界から隔離し、視線を「中」に向け続けるコンクラーベというステージだからこそ、見えなくなるものがある。
自分たちがどうあるべきか。それは、外界との関係や立場を踏まえてこそ初めて答えが見えてくるのでなはいか。
そして、これはコンクラーベなどという特殊は場所だけでなく、世界の多く、我々の周りでもあちこちで見られる内向きで不毛な派閥争いを表している。
彼らは、テロリズムによって数十名の市民の命を失ったことでようやく前に進むことができたという皮肉でもある。
「私たちは教会につかえているのではない。神につかえているのだ」
「裏切り者、ユダめ」
印象的なセリフもたくさん。
普遍的な内容でありながら、「多様性」や「民族紛争」などといった時事的なテーマも織り込んだ、よくできたミステリ。
レイフ・ファインズの渋い演技に、ジョン・リスゴーの巨体悪役感も健在。
黒と赤と白の画面デサインも美しい。
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