教皇選挙のレビュー・感想・評価
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コンクラーヴェ(教皇選挙)は「根比〜べ」
...とは言い古されたダジャレですが、まさに地で行くストーリー
コンクラーヴェが密室で長期間に亘って繰り広げられるドロドロの権力闘争だということは、(映画や創作の世界では)もはや周知の事実。当然、そういう"聖職者らしからぬ"抗争劇、騙し合い、アッと驚くどんでん返しを期待しましたが、期待に恥じぬ見事なサスペンスミステリー作品でした
基本的に爺さん婆さんしかでてこないので、絵的には随分と地味な仕上がりですが、その分、重厚さや品の良さが漂う絶妙な塩梅です
面白いのは、描かれる闘争の対立軸が、保守派(Conservative) or リベラル派(Liberal)、多様性(Diversity) or 画一性(Homogeneity)、受容(Inclusion) or 排除(Exclusion)、といった最近の世界情勢と全く同じだということ。そういう意図でアナロジーとして盛り込んだのか、実際のカトリック教会にそういう要素があるのか、はわかりませんが...
ハリウッドや(日本の)マスコミによって、リベラルこそがあるべき姿、世界(≒欧米社会?)の主流派だ、と、日本人は永らく半ば洗脳のように教育(?)されてきましたが、昨今の世界情勢やニュースを見るに、それ(リベラル"派")が必ずしも(数的な意味で)世界の主流ではないかもしれないことが見えてきました。
さて、この映画ではどうか?
"選挙"なので、投票で決着が着く訳ですが、この辺の"切り返し"は絶妙な感じです。必ずしもハッピーエンドとは言えないかもしれませんが、ある意味、ハリウッド的な結末と言えるかも知れませんね
(リベラル派≠リベラル の含みを持たせつつ...の)
苦悩の管理職
もう少し泥臭い何かが欲しい
ミステリーサスペンスの新たな傑作の誕生
真に教会が必要としている教皇とは
冒頭から、昔映画館で観た重厚なミステリー洋画を思い出し、カメラの撮り方が上手く引き込まれました。
ローマ教皇が亡くなったことによる教皇選挙で、室外でスマホを触っている人物がいたので、現代の物語ですよね。
首席枢機卿のフローレンスは、本当に教会が必要としている教皇候補者を求めているのがよく分かりました。
最終選挙で、フローレンスが自分の名前を書いているのがお茶目でした。
時々出ていたカメは、オスとメスの区別はつきにくいですね。
ラストの終わりかたも余韻があり、良かったです。
Condensed, profound, majestic mystery.
“Certainty” 確信、この言葉が脳裏に焼きつき、その意味を問い続ける私がいた。Cardinal LawrenceがConclaveの開始を告げるspeechで語り、映画ラストパートでも言致されるword. 人は物事に対し確信ありきと決断を下し行動に移る。しかし、確信と疑念のはざまで揺れ動き真の正当性に悩めるのが、人間の本質である。Ralph Finnes演じるLawrence、今自らがすべき正しい事とは何なのかと苦悩する姿は凄みすらある。“Manage!” と覚悟を決める彼の決断と責務は余りにも重い。
Sistina礼拝堂で彼が最後の票を投じたその時、爆音と共に天窓が破れ光と空気がCapelに流れ込み煙った静止場面は、まさに神が“最後の審判”を下した瞬間を捉えた中世の絵画のようであった。
聖職者達が、キリスト教頂点の権力の座を狙う様々な陰謀と策略の末に、ベニテス枢機卿が選出され、納得の結末かと思いきや、予想打にしない彼の真実。これも神の所業か、再度苦悩するLawrence。
Conclaveの終わりと共に平和な日常が戻り、無垢なsister達が明るい声を発し扉の外に出る姿を、窓から見降ろす彼の穏やかな表情が、安堵を与えてくれる。
素晴らしい、映画の醍醐味でした。
PS 世界24億人のキリスト教徒の最高権威である教皇の私室が、遥か予想外に質素で慎ましやかであることには、とても驚きました。
まだ早いけど今年のベスト1❗️
キリスト教物だとエクソシスト物や超大作は観ているけど、教皇選挙物、コンクラーヴェは初めて。公式サイトや拙い知識はある程度、予習しました。
密室劇のミステリーでめちゃくちゃ良かった❗️
まさに教皇選挙版、仁義なき戦い❗️
人は死ななくても権謀術数、泥臭い人間模様に120分の密度がぎゅっと濃厚❗️
レイフ・ファインズ、ジョン・リスゴーを初め役者たちの演技も見事❗️
途中、キーパーソンとなる枢機卿のセリフには涙が浮かんでしまいました…。
これでアカデミー作品賞が取れないとは…、残念。
確か天使は両性具有だから新教皇はまさに天啓❗️❓
信仰を理解してなくても大丈夫でした
ジジィどもの見分けがつきません
ジジィ好き、苦労性の中間管理職好きにはたまらない映画だと思います。
しかし、ジジィどもの区別がつきません。
あと主役の名前が最後の最後までわかりませんでした。
たぶん、ローレンスって名前が出てきたのって冒頭だけですよね。
選挙のたびにローレンスって誰だよって思っていました。
庵野監督っぽいテデスコ氏はわかりました。ベリーニとローレンスの区別は最後の最後まではっきりとはつきませんでした。
=
さて、映画の内容です。
ジジィとジジィがただただ悩んでいるだけです。
口やかましく怒鳴り散らすシーンはほとんどありません。思い通りにならなくて癇癪を起こすシーンもあんまりありません。
ただただ、どのジジィも自分なりに悩んでいて自分なりに苦しんでいます。
さすが聖職者というところでしょうか。
しかし、それだけなのに画面に目がすいこまれていく。
ただの選挙戦ではなく、裏でめんどくさい話がごちゃごちゃと折りかさなっている。
そこにいるジジィども全員がそのレベルの原黒さでもいいのに、映画の尺に収まる範囲での陰謀の量に収まったのはそこにいるのが全員枢機卿に選ばれるだけの聖人たちだからです。素晴らしい。
派手なシーンは一回だけ。
あとは対話と悩みと選挙です。
ものすごく狭い舞台で、ものすごく限られた事象に焦点をあて、映画という尺で完全にやりきった。
おそらく若者の絶賛を浴びることはなく、映画ファンではない人は金曜ロードショーに来ても見る事もない、それでも映画館で集中して見た人には「あの映画はいい映画だった」と思い返せる、非常に優れた作品だったと思います。
私、それほど気が長くないので金曜ロードショーやアマプラでこれを見ていたら最初の20分でやめている自信があります。映画館でしっかり集中して見られてよかった。
でもジジィの個性は出してください。庵野監督みたいなジジィ以外、白人やせ型しょぼくれジジィたちの見分けがつきません。
神の領域に触れる過程だが、そこには強烈な人間臭さを感じる。このコントラストにやられた。
ハラハラ、ドキドキ、そしてビックリ
世界で12億人以上が洗礼を受けていると言うキリスト教最大の教派・カトリック教会の最高指導者で、バチカン市国の元首であるローマ教皇が亡くなった。新教皇を決める教皇選挙・コンクラーベに世界中から100人を超える候補者たちが集まり、システィーナ礼拝堂で極秘の投票がスタートした。票が割れ、規定の票に達するまで何度も繰り返し投票が行われるが、水面下でさまざまな陰謀、スキャンダル、があり、選挙を執り仕切ることとなったローレンス枢機卿がスキャンダルの候補者に辞退を迫り、最後に教皇に決まったのは・・・という話。
ローレンス枢機卿役のレイフ・ファインズが素晴らしかった。
ハラハラ、ドキドキしながら観れた。
最後の新教皇決定後の告白にはビックリした。
何かベースになった事実は有るのだろうか?
確かに、女性がトップになっても良いよね。
知的好奇心を揺さぶる壮大なエンターテインメント
完全密室での教皇選挙だけを描く人間ドラマ。現代ローマの中心部にありながら、まるで中世の隔離世界であるかのようなバチカン内部、その様式美を見事な構図と色彩コントロールで描き、圧巻の重厚感と映画的興奮を湛える第一級の作品。加えて、サスペンスの熟成が素晴らしく、それを増幅させる弦の響きと効果音が素晴らしい効果を上げ、なにより品格に満ちている。名作「西部戦線異状なし」2022年で名を上げたエドワード・ベルガー監督の腕の確かさを証明したような作品でもある。
アンソニー・ホプキンスとジョナサン・プライス主演の「2人のローマ教皇」2019年ですでにコンクラーベの様相は描かれておりましたね。しかし本作は本当にバチカン内部と宿舎の往復による完全室内だけで描く、息苦しい程の閉塞感にも関わらず、スピーディな展開と的確な編集により、ハラハラドキドキ状態が続くのが凄いわけで、アカデミー賞ノミネートも至極当然の上出来作品。
ちょいと前までは法王だったけれど近頃は教皇に統一とか。その教皇が逝去し早々に新教皇を決めるために、世界中から枢機卿が招集され、バチカンに缶詰となり一切の外部との情報を遮断された閉鎖空間で選挙が執り行われる。それ自体を遂行する責任者でありかつ枢機卿の一人でもあるのが本作の主役であり、レイフ・ファインズが演ずる。降ってわいた重責役に苦しみながらも真っ当な選挙であるべく奮闘する姿を描く。
にも関わらず、次々と予想を覆す事態が勃発するから映画になったわけです。そもそも枢機卿の中で誰が立候補したとか、その方針とか、投票を導く手立ては一切なく、ただ漫然と「誰がいいとおもいます?」程度に投票を行ってゆく。これがルールなんですから受け入れるしかない、決選投票なんて考え方もない。その都度投票結果が読み上げられ、この結果を受けて次の投票に挑む。結果的に数日間を要し次第に対象者が絞られてゆく。よって有名な煙の色で未決定と決定を発表するわけですが、その燃料が投票用紙だったとは驚きであり、プロセスを一切消し去る術にも驚きます。
枢機卿のメンバーにスタンリー・トゥッチ、ジョン・リスゴーとハリウッド名優ですが非常にクセのある配役がなされており、本作のエンターテインメント度が高いことを示している。さらに男性ばかりの組織に唯一物言う女性が登場するのがカギなんですね。この役を父親は映画名監督のロベルト・ロッセリーニ、母親はスウェーデン出身の大女優イングリッド・バーグマンであるお久しぶりのイザベラ・ロッセリーニが扮し、あっさりとアカデミー賞助演女優にノミネートされる迫力演技を披露する。
数日間に渡るってことは互いに会っての情報交換は可能であり、陰謀・デマ・嘘・思惑が巡るわけで、こんな面白いドラマ設定が出来るわけ。当然に改革派と保守派の対立に、世の流れである多様性、そしてLGBTQの問題に皆悩む構図が示される。こうしてラストに明らかにされる驚愕の結果への梅雨払い描写が、うまく張り巡らされているから本作は上出来の一級作品なんですね。
バチカンの外で沸き起こるテロの一端がシスティーナ礼拝堂を襲撃するシーンはまるで宗教絵画の様相で、神の怒りの具現化のようで本作最大の見せ場でもある。逆に言えばまさか本物の礼拝堂ではなく、壮大なセットだと判る。著名なチネチッタスタジオ内に建てられた精緻なセット、ミケランジェロの「最後の審判」もしっかり描かれている、凄いものですよ。映画ってこうゆうところにこそ金をかけるとグレードがアップするものなのです。
全般に暗く沈鬱な背景に、こそこそと人物が囁きあう。それでいてセリフにある通り「これは戦争だ」と。カソリックの総本山のトップがこうして選ばれるわけで、一種の人間喜劇なんですね。
何の予備知識なく見たけどサスペンスやん
知らない世界を覗き見できる
近所の映画館では上映各回ともほぼ満席でした。
予備知識はほぼなかったけれど、どんなものかと鑑賞。
コンクラーベという言葉すら知らなかった私ですが概ねおもしろかったです。
密室の中で行われる崇高な選挙をこっそり覗き見る感覚は、私のような野次馬根性強い人間には楽しいもの。
しかし世の中、やましいことがある人に限ってトップに立ちたがるね。
いや、トップに立ちたい野心の持ち主だからやましいことができていくのか。
泣き落としたりワイロを配ったり密談に余念がなかったり、トップってそんなになりたいものかと地味に生きる身としては理解が及ばないが、ふと何人かの政治家が思い浮かんだりして納得。
あと、大切な教皇選挙、身辺調査がけっこうザルで笑った。
ベニテスが選出されておめでとう!と拍手を受けたあとになってこっそりいや実は彼は・・・って、こんな大切なことをこのタイミングで言う!?
ベニテスが選ばれるなんて思いませんでした、こんなことなら今朝言えばよかった、って、おい!と、ひとりツッコミ。
ま、映画ですものね。ストーリー上の都合もありますよね。
セットや衣装なども荘厳でとても興味深かったです。
神の御心とか神からいただいたとかキリストはとか、そういったセリフとともに異次元の世界に誘ってくれます。
スキャンダルが浮上するたびに苦悩の色が濃くなるローレンスの演技もよかった。
ぜんぜん違うけど、問題だらけの大きな会議の運営を任された中間管理職のような。
(我ながらスケールの小さい例えですが)
ひとつ。
ド近眼でさらに老眼も入ってきた身には、全体的に画面が暗くて見づらかったです。
で、-☆1。
極上のサスペンス映画
ミステリーなど比じゃない衝撃
基本予備知識なしで映画を観るので衝撃的な結末に顎が外れそうだった
下手なミステリーよりも驚かされたね
男女平等を叫ぶ時代を越えて、多様性が叫ばれる時代になっても女性の枢機卿など夢のまた夢だろう伝統を重んじる教会で密かに誕生していたトランスジェンダー枢機卿
そして彼(彼女)がまさかの教皇になるとは
女性の枢機卿など100%ないと言う思い込みが余計に衝撃を大きくした
こんな映画が生まれる時代がやってきたのか
抗う伝統を牛歩のごとくゆっくりと覆しながら少しずつ時代は進んでゆく
きっと「アノーラ」と「教皇選挙」はアカデミー賞の水面下で一騎打ちだった事だろう
テロに襲われる街で行われるコンクラーベはまさに世界の縮図
世界のそこかしこで、この映画と同じ戦いが繰り広げられている
世界にもっとたくさんのベニテス枢機卿のような思考をもつ人間が産まれなければ世界滅びの道へ進むだろう
平和ボケした社会からはきっと産まれにくい思考をもった人材をいかに産み出すのか
社会の重要な課題にすべきだ
最後の投票の場面
テロによって穴のあいた天井から風が吹き込む
閉ざされた部屋で枢機卿と言う権力者だけの密室で行われていたコンクラーベに外部からの新しい風
世界に必要ものは何なのか
あの場面が素晴らしいクライマックス
と、思いきやその後に明かされる衝撃の秘密
伝統をぶち壊す衝撃の事実の大きさに戸惑う彼の目が見るのは開いた窓の先を楽しそうに歩く若いシスター達
これから目の前にある大きな壁がぶち壊される衝撃的な時間がやってくる
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