教皇選挙のレビュー・感想・評価
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音響がすごい
満席の劇場で鑑賞。
若い美男美女はいっさい出て来ず、かわりにいい顔のおじさんおばさんがいっぱい出て来て見ごたえある!
実際のコンクラーヴェにどれぐらい忠実なのかわかりませんが、今日どんな組織でも保守(伝統重視)とリベラル(多様性重視)が争っていることが描かれた現代的なストーリーでした。
音楽だけでなく、どうやって録音してるのか息づかいとかちょっとした物音が「ここまで強調しなくても?」というぐらいデカくて、サスペンスが否応にも盛り上がります。
投票の途中で聖堂が爆破(予告編にも出てくる)はちょっとやりすぎと思いましたが…
レイフ・ファインズ(内心の苦悩を静かに表すすばらしい演技!)はじめリベラル派枢機卿たちは多様性を称揚するが全員男性で、男たちの権謀術数のかげで料理とかを準備するのは全員女性、という非対称性がこれでもかと描かれなんだかなあと思っていたら、最後そう来たか! このエンディングはカソリックのあいだで賛否が分かれそう。個人的には、貧しいものは幸いなりというキリスト教の教えにもかなったものだという気がしましたが。
サスペンス・ミステリーとしてもとても面白いです。
候補者たちも人間なり。
パワーゲームと最後の展開が秀逸
小難しい内容かと思いきや、お話は「白い巨塔」のようなパワーゲーム。テンポも良く、最後の展開には唸ってしまいました。勘の良い人は読めるのかもしれませんが、私は「そうきたか」と興奮しました。オススメです。
宗教映画で最もパンキッシュな作品
普通に面白い お金のかかった一級のミステリー作品
コンクラーベ(教皇選挙)は『ダ・ヴィンチ・コード』に代表するダン・ブラウンさんの小説で概要は知っていましたが、当然ながらその内部や状況を垣間見ることはできないので、本作はとても興味深かったです
しかも選挙の候補者がそれぞれ都合の悪い黒歴史や事情があったりして、予想を超えた展開が次々に起こるストーリーが秀逸、広義の意味で閉じられた空間で起こるシチュエーションものなんだけど、目が離せず始めから終わりまで飽きることなく楽しめました
そんなサスペンスフルな作品を盛り上げるのがヴァイオリンなどでの素晴らしい音楽、そして重厚で格調高い映像美
そんな本作、先日の第97回アカデミー賞でも8部門にノミネートされるのも頷けますし、特に主演男優賞にノミネートされたレイフ・ファインズさんの演技が見ごたえがあり、とても良かったです
バチカン市国の国家元首
まさか!!システィーナ礼拝堂爆破!?
ミケランジェロの天井画は大丈夫なのか!
というところが一番ビックリでした。
が、あれは破片か何かがガラス窓を壊しただけで済んだようなので安心しました。
バチカン市国は歴(れっき)とした独立国家なので、CIAのように情報収集する組織もあるのですね。世界各国に散らばっている枢機卿の中には大使のような方、スパイのような方もいて、場合によってはローマ教皇の指示の下、ゴルゴ13に要人暗殺を依頼してたりして。
ラストでは、順位も入れ替わるほどの二度目のビックリ!!
投票用紙を燃やした煙突の煙によって、新教皇決定を一般市民へ知らせるまであと一時間。
というタイミングで、そうきたかっ!、と思わず膝を打った人も多いはず。
アノーラ同様、ラストで一気に心を掻っ攫っていくパターン。お見事です。
ミステリーとして静かに物語は迷走していく
映画の雰囲気や曲が重厚で、私は凄く好きな映画になりました。
とても面白かった。
もっとドタバタと展開する映画かと思っていたけれど、ミステリーとして静かに物語は迷走していく。
山場が来たと思っても、土俵際で二枚腰で粘られて、最後はすくい投げで決められる、みたいな感じ。
何となく思っていた予定調和を最後まで覆される心地よさが残りました。
タイトルなし(ネタバレ)
こちらの方がアカデミー賞に相応しい、なんて感想を見る度になんか保守的な映画の見方してるのではとか思ってましたが、実際観てみると現代世界のアクチュアルな問題を描いてるし、選挙の駆け引きもエンターテイメントとして面白いしとんでもない傑作でした。
アカデミー賞は尖った映画にはとりあえず脚本(脚色)賞だけあげとけて傾向はありますが、この映画もそんな感じの扱いされたのかもしれません。
※以下、ネタバレになるかもしれない余談
30年くらい前、コンクラーベて名前の競走馬がいたのですが、牝馬にこの名前つけるとは先見の明があったのかもしれません。
チャップリン「独裁者」を思い出した。
メッセージ性が強い作品でした。
トランプを想起させる教皇候補者の説教に
反対した弱者の説教には、
チャップリンの「独裁者」を思い出した。
米国での公開が昨年10月でしたが、
あと半年公開が早かったら、米国大統領選挙も変わったかも
と思わせる作品で、知性の高い方にはお薦めです。
他国性企業で働いていた私ですが、
キリスト教団体も、同じ多国籍組織なんだと感じた。
「多様性」が企業文化を支えている。
その多様性がトランプにより否定されている昨今、
当該作品の最後の何気ない女の子達の映像に
将来への希望を感じたのは私だけではあるまい。
トランプが何をしようとも、
世の中は確実に「変化」しているのだ。
PS : 正論を貫き通してきた主人公、皆が望むなら、
教皇になってもいいかと思った時、
なんと、女差別をしている自分に気が付き愕然とする。
自分が思っている以上に、世の中は進化していたんだと気が付く。
その気持ちを「亀」と「女の子」が表現していた。
Michi
認められる人、認めさせる人
カトリック教会の最高位聖職者であるローマ教皇を決める選挙「コンクラーベ」の裏側に迫るフィクション。
世界中から集められた枢機卿がバチカン宮殿に隔離され、根回し牽制し合いながら、3分の2以上の得票者が現れるまで投票が行われていくドロドロなドラマをみせていく展開で、何かと言えば死人に口なしな教皇は知っていた…。
早々に有力候補は数人に絞られた上で話しは進んでいくけれど、映画的に登場の仕方でピンと来てしまう人がいるし、いよいよ白煙というところから後も、問題が…の時点でなんとなくそんな気が…まあ流石に半陰陽的な感じだったのは意外だったけれど。
信仰心の強い方、特にカトリックの方にはショッキングだしセンセーショナルな作品なのかも知れないけれど。
映画とはいえこういう問題が、教皇にまで及ぶ様子を描いたのはなかなか良かったかな。
取り上げている問題は違えど、ゴッドファーザーPart3が何度も頭をよぎった。
知られざる世界を覗き見するような面白さ
ローマ法王を選出する選挙、いわゆるコンクラーヴェは世界中から大きな注目を浴びる伝統と格式に則った選挙制度である。これまでに数多くの法王が誕生したが、個人的には前々任者ヨハネ・パウロ2世の印象が強く残っている。在位期間が長かったというのもあるが、テレビなどでもよく目にしたので何となく馴染み深い。
そんなコンクラーヴェの内情に迫ったのが、この「教皇選挙」である。
外から見るのと中から見るのとでは大違いで、泥臭い駆け引きや陰謀、欲望渦巻く戦いが繰り広げられ、神聖なイメージとは程遠い骨肉の争いが展開される。当たり前であるが、聖職者だからと言って全員清廉潔白なわけではない。夫々に大なり小なり野心を持っているし、他者を陥れてでも頂点に立とうとする狡猾さも持っている。聖職者である前に一人に人間なのだ。
以前、オットー・プレミンジャー監督の「枢機卿」という作品を観たことがある。これは、情熱にあふれた若い神父がカトリック教会の実情を目の当たりにして信仰心が揺らいでいく…というドラマだった。そこにもコンクラーヴェは登場してきた。票集めに躍起になる取り巻きや、裏で駆け引きに興じるフィクサー的な存在が出てきて、やっていることは政治の世界と一緒で権力の座を巡る派閥争いである。
本作にも一癖も二癖もある個性的な枢機卿が登場して、激しい選挙戦が繰り広げられる。
リベラル派のベリーニ枢機卿、保守派のトランブレ枢機卿、初のアフリカ系教皇の座を狙うアデイエミ枢機卿、現在のカトリック教会に批判的な伝統主義者のテデスコ枢機卿。更に、ここに本作の主人公であるローレンス主席枢機卿、前教皇から直々に任命されてはるばるアフガニスタンからやって来た若きベニテス枢機卿が加わる。
教皇に選出されるためには全体の2/3以上の票が必要で、決まらなければ何度でもやり直すという方式だ。今回は急な選挙ということもあり、これだけ候補者が並び立つと票は当然、分散してしまう。そのため何度も投票が繰り返されることになる。その間、各候補者の思惑が複雑に絡み合いながら、票取り合戦はヒートアップしていく。中にはスキャンダラスな事実が発覚したり、ある種俗っぽさもあるのだが、そこも含めてエンタテインメントとして非常に上手く作られていると思った。
物語は終盤から意外な展開に突入していく。
カトリック教会という”組織”に仕えるのか?信仰の源である”神”に仕えるのか?この問題はローレンスの中で常に問われ続けられるが、それが”ある人物”の声によってついに解消される。
正直、このクダリはやや安易という気がしなくもなかったが、ただ本作はこの後にもう一段階どんでん返しが用意されていて吃驚した。ここにこそ本作の言いたいテーマがあったのか…と唸らされた。
これを”革新”と捉えるべきか、それとも伝統を破壊する”反乱”と捉えるべきか。それは観た人それそれが判断する所であろう。
現在、世界中に叫ばれている多様性にしてもそうなのだが、夫々の立場が夫々の思想を持っていて当たり前である。
こうした意見の対立は実は重要なことだと思う。但し、ただ一方的に自分の主張を言い合うだけではダメである。そこから何かを学び取らなければ意味がないと思う。夫々に自らを省みることで歩み寄る姿勢というのが必要なのではないだろうか。
劇中でローレンスが語る言葉。”確信”ではなく”疑念”を抱くことの重要性。その言葉の意味が身に染みる。
本作はコンクラーヴェの実情=”闇”に迫るだけに留まらず、既存の伝統的価値観を安易に鵜呑みにすることの危険性、時代と共にその価値観が刷新されていくことの重要性を訴えている。同時代性という観点から見ても、極めて普遍的なメッセージを言い放っているように思う。
尚、本作のローレンスは、最初から自分は教皇に相応しくないという立場を取っている。ローマ教皇ともなれば相当の重責を負うことになる。そのプレッシャーを嫌ってのことだと思うが、彼を見てナンニ・モレッティ監督の「ローマ法王の休日」という作品を思い出した。この映画は、誰も法王になりたがらず、小心者の主人公が半ば押し付けられる形で法王になってしまうというコメディだった。教皇の座に就くことは確かに名誉かもしれない。しかし、それが本人にとって本当に幸せなことなのかどうかは誰にも分からない。
荘厳な作品だが、トロい前半がマイナスに ★3.7 (途中からネタバレ)
荘厳なサスペンスだが、前半が起伏なくトロい印象でマイナスに。
(原作がある本作は脚本賞「Original Screenplay」に属さず脚色賞「Adapted Screenplay」となる)
教皇の死または辞任に伴い、世界から100名以上の枢機卿がバチカンに集まり、社会から閉ざされたエリア内で、次の教皇をその中から選出する。
3分の2以上の得票を得る者が現れるまで、何度でも再投票をするそのシステムがコンクラーヴェ。
本作はその一部始終を描いてる。
が、各枢機卿も人の子。 皆それぞれにその座に就くには難点を持つ。
●不正に他者のスキャンダルを煽ってまでその座を狙う狡猾者
●収賄を甘んじて受け入れてしまう者。
●その座に相応しい品格を持たない者。
●十分な資質を持ちながら、当人がその座を望まない者。
●その混沌とする状況の中、正論を説く者。
キャスティングはまずまずなので
誰がその役を演じているかは、想像してからご覧を♪
まるで政治家の選挙までのロビー活動が、コンクラーヴェでも行われていて、
根回し合戦が横行。 これがもっと面白く描かれてもよかったのではとも感じる
作品的には冒頭からやたら暗い映像が私の感覚では40分以上続く。
枢機卿の衣装や建物は本物?と感じるくらい作り込まれていて、(セットか現地ロケかはチェックしてないが)厳かな映像は流石ハリウッドと感じる。
が、物語も厳かににゆったり進行し、それほど起伏がない前半は暗い映像も相まって睡魔も醸す。 後の事件の伏線も描写しているが、さほどインパクトなく進行し中盤まではまあ我慢タイムか・・。
黒人シスターとある枢機卿のトラブルから、物語がようやく動き出し引き込む展開に。
犯罪サスペンスほどの緊迫感はないが、心理的に働きかける描写は通の映画ファンほど高評価するのではと感じる。
私が一番残念に感じる点は、各人物の行動の思惑は十分表現出来ているが、各自の人格や癖などの魅力が描かれてない点。
レイフ・ファインズは、苦悩する複雑な心境を巧く表す丁寧な演技は流石だが見てる方が気に入る様な描写がほぼない。
様々な謀略が暴かれている中盤以降は重厚な進展で引き込むが、前半のマイナスで私的には★3.7という評価に。
厳かな作品でも微笑ましいシーン等で、もっと寒暖を付けてほしかったと感じた。
ロッテンの評価は高い様だが、IMDbでは★7.4が示すとおり一般者の評価は「重い」印象を与えたのか、まずます止まりでアカデミー効果で上昇するはずが厳しい評価と言わざるを得ない。
ベルガー監督前作「西部戦線異状なし」も私的には違和感ある演出があり、あまり評価していない。
おなじ聖職者のサスペンスでも、ショーン・コネリー主演「薔薇の名前」(1987年)の方が私的にはもっと高評価。
ラストネタバレ↓
終盤の混沌状態でのカブール教区のベニテス枢機卿の、
本当の"聖職者たる言葉" は見事で聖人の様な容姿も相まって、意外だが適格者の登場にこの人こそ・・。と思わせる演出は見入る♪
見事に選出されるシーンにハッピーエンドかと喜ばせてからの、
よもやの LGBT !
またか!
しかもカトリック教会は女性司祭を認めていないので、それが教皇となるとあり得ないほどの大問題。
本作では、ベニテス枢機卿は完全な女性ではなく、
男性と女性の両方の身体的特徴両性具有者両性具有者かもしれないような曖昧な表現での結末。
それは人により「是」か「非」で評価が分かれるだろう。
さらなるテーマと深い余韻を与えようとの魂胆かもだが、
視聴者まかせのラストは私的に後者の判断。
「大奥」見ている感覚
私はクリスチャンではないので特にキリスト教に思うところがなく、「大奥」における権力争い、のような感覚で見ていた。
高貴で格調高く、上品な言葉遣い物腰振る舞いから本性をチラ見えさせながらのえげつない足の引っ張り合いにはぞくぞくするものがあるし、コンクラーベ会場のシスティーナ礼拝堂の内外、枢機卿たちの装いなど壮大で荘厳かつ色鮮やかで華やか、(おそらく)伝統にのっとった数々の「儀式」は様式美に溢れ、眼福です。それだけでもずっと見ていられる。
話自体はミステリーながら割とシンプルでさほどのひねりもなく(だからラストの衝撃が強調されるよう)、人物も分かりやすく整理されているのでストーリーが楽に追える。
教皇が突然亡くなり、次の教皇を決めるコンクラーベを仕切ることになったローレンス主席枢機卿が探偵役となり、教皇有力候補者の陰謀を次々に暴いて脱落させて、最後に残るのは誰か、なミステリーに並行して、旧弊で世俗に塗れたローマカトリック内部の実態を今更だが暴露していく。中年以上のおじさん、おじいさんだけが集まる異様な世界であることも分かる。尼僧は選挙に加わることは許されず、ただおじさんたちの世話をするのみだ。
ベニテス枢機卿が飛び入りしてくるところで、彼が次の教皇になるのではと予想しつつ、テロで爆破された窓ガラスから入ってきた風に内部のみんなが気づくところで、淀んだ世界に風穴を開ける存在の比喩に違いないと、それを確信した。体調が云々、海外の病院で云々、と言われていたので、もしかすると女性になりたかったのを断念した人なのかと思ったらそうくるか。
亡き教皇が次期教皇の有力な候補になりうる枢機卿たちを誰一人信用しておらず、信頼する尼僧アグネスの協力の元彼らの身辺を調べていたことが明らかになり、教皇の深慮遠謀が見えて来る。
コンクラーベをローレンスに仕切らせたのは、彼に野心がないのが分かったからだろう。辞任を願いに来る人は次期教皇になりたいとは思っていないはずだから。その彼ですら、自分にも目があるとわかればその気になって教皇名を考えたりする。それほど魅力的な座なのだ。
教皇はその死後に、満を持してベニテスを送り込んできた。
過激で知られる異教徒の中で自身の信仰を貫き、危険も顧みず戦乱の中、奉仕活動に身をささげてきたこの人には、集まった枢機卿たちが己の薄っぺらさに恥じ入らざるを得ない、本質的で、思索を巡らせ深化を進めてきたであろう宗教観がある。それはトランブレ失脚時の控えめながらも確固たる態度で示した言葉で明白となり、当然の流れでベニテスが次期教皇に選出される。(これが韓国映画だったら、だから何、で一番汚い奴が選ばれそう)ここまではほぼ、予想通り。
そこで終わるのかと思いきや、ここからが驚愕の展開。
教皇はベニテスが両性具有者であるということも知っていたが、女性の証を体から排除すれば参戦可能と考えていた。
しかし、ベニテスは、教皇の想定を超えてくる。
教皇の言葉に反し、「神から与えられた体を変えない」という選択を下したベニテスは、すでに教皇さえも超越した存在になっていないか。
世界最古の家父長社会と言われるバチカンにおいて、決選投票以前にベニテスが両性具有のままであることが知れたら教皇に選ばれることはなかっただろうが、ベニテスは聖職者として最も適任と認められたが故に選ばれた。それは女性でも男性でも両性具有でも、変わるものではない。結果的に最も旧弊と思われるローマカトリックが、多様性を一足飛びに、最も進歩的に認めたということになった。前代未聞の大改革になったのだ。このオチが大変鮮やかで予想がつかず、やられた。
最近の映画は多様性が多用され過ぎではないかと思っていたが、この映画に関しては必然性が桁違いだ。また、今だから作られた映画だと思う。
脚本が素晴らしく、アカデミー賞脚色賞は納得。
この映画はカトリック信者にはどのように映るのだろう、大きく物議を醸すことにならないんだろうか、上映禁止になったり、映画関係者が脅されたり脅迫されたりはないのか。
レイフ・ファインズ、スタンリー・トゥッチ、ジョン・リスゴー、とほぼおじいさんのおじさん俳優ががっつりぶつかり合い、その隙間を縫って、カルロス・ディエスがするすると持っていく。
いやもう、おじさん俳優たちの、その年齢でないと出せない加齢臭がむんむん臭ってきそうな(誉めてます)演技も眼福でした。
イザベラ・ロッセリーニは良い役だけどさほどのインパクトはなく、オスカーノミネートはサービスでは、と思ってしまった。
前教皇がかわいがっていた亀は、ベニテスのメタファーでしょうか
コンクラーベ終えて、礼拝堂からわらわら出てくる尼僧たちの未来も、開けてきそうなラストでした。
この大オチは意外性なのか?
画作りが素晴らし過ぎて目を見張る!
赤を基調とした色彩の鮮やかさ!
音楽、演技、演出のどれをとっても重厚であり、これぞ映画と言える。
ただ一方、お話はと言うとコンクラーベという知られざる世界を題材にしているが、中身は人間のやる選挙ということで、ロビー活動に蹴落とし合いの工作合戦。
神に仕える身がというだけで、目新しさはまったく無い。
結局、誰が選ばれるかは序盤で予測される人物で個人的には反則に思える大オチで落とす展開。
映画とすれば、この人物はミスリードに使うべきだし、レイフ・ファインズ演じるローレンスが地位というものに呑み込まれそうになる葛藤の話でよかったのではと思う。
その葛藤を目覚めさせる神の一撃として、あの爆破シーンを大オチにすればと思う。
あの爆破シーンの力強さと美しさは、それに相応しいインパクトをもっていた。
素晴らしい間の取り方
教皇選挙(コンクラーベ)の話。キリスト教最高権力者を決定する選挙なので、「白い巨塔」「清洲会議」のような被選挙人のストーリーを予想していたが、違うものでした。
選挙を執り仕切る人の苦悩を描いたストーリーで新鮮でした。
選挙が進むなかで、スキャンダル、陰謀、不正が発覚していき、選挙が難航する。
新しい切り口のストーリーも良かったが1番印象に残ったのは静寂の間が素晴らしく、その時の全体的構図もシンメトリーが意識的に使われていて美しいです。また、全体的に黒や灰色が多い中、赤い服や赤い絨毯など、まるで絵画の様な美しさがありました。
難点は
①人の名前が多い
日本人からすると外国人の名前がなかなか覚えられないものです。○○枢機卿が大量に登場するので誰が誰か分からなくなります。
②キリスト教のルールが分からない
キリスト教のルール、戒律が分からないので一部意味が分からない所があります。
全738件中、621~640件目を表示
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