教皇選挙のレビュー・感想・評価
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王道ミステリー映画!
物語をより楽しむために、公式HPに掲載されている登場人物の相関図を見るだけで良い。
カトリックの歴史は知っている方が良いと思うが、なくても全く問題はない。
10分に1度のペースでイベントが起きるから、全く飽きもせずに鑑賞!!
タイトルからは想像ができないかなりテンポの良い映画だし、ほとんどワンシチュエーションで盛り上げるのは中々の力技!
今年は映画が本当に豊作。映画好きは必ず観るべき傑作!!
既存の類似作品と本作の特徴
意外なラストが、胸にズーンとくる
このシブイ映画がバズる映画クラスタは最期の聖地感あるw 職業に貴賎...
面白い!そして意外と大袈裟でもない模様
面白かった!始まってすぐから不穏な雰囲気でドキドキが止まらず、最後まで飽きることなかった。
実際のコンクラーベは2013年が最後らしい、その時ニュースで見た程度の知識しかなかったけど、教皇の死から始まり指輪の破棄とか部屋の封鎖とかこんな細かい手順が決まってるんだ!とその謎の全容を垣間見れて、鍵のかかったシスティーナ礼拝堂の中を想像できただけでも興奮する。
アカデミー作品賞、少なくともアノーラよりはこっちでしょうとは思うものの、多くの反発をくらいそうな宗教批判とも取れる内容が選ばれるわけないか。。
ちなみに今の現実のフランシスコ教皇は初の米大陸出身でアルゼンチン発、質素で貧民寄り。その前もドイツ、ポーランドと三代続いてイタリア人がいないとのことで、映画のテデスコの純血保守派な発言やそれの反対姿勢で同性愛や中絶や女性登用といったカトリックでのタブー?の容認コメントを出そうとする革新派なベリーニ、アフリカ出身者などで競い合うのは意外と実情に近い派閥設定なんだなと思った。そういえば2019年あたりから法王とは言わなくなったらしい。知らなかった。
104人?の枢機卿が各国から集まり、隔離が始まる直前に怪しい情報や謎の候補者が届く、その後色々な候補者の秘密がでてきて、dean進行役?のローレンスが一人ずつ悪事を暴いて排除していく。
一応聖職者のトップであり、筆頭候補になりそうな人がそんな揃って致命傷抱えてるのはご都合主義かなとは思うものの、神に仕え強い信仰を持とうとも誰も完璧ではない、「私たちは理想を追うものであって理想ではない」「確信を持ってしまうことこそ罪。常に疑うことが必要」、そんな言葉を交えながら、不完全な人間をわかりやすく体現してくれる人たちとなる。
カトリックの人たちには到底受け入れられないのかもしれないが割とリアルな姿に見えた。最後まで面白かった!
*追記
そしてまさかの上映期間中のフランシスコ教皇の訃報。。
順番逆だったらちゃんと上映できたのだろうか。。。
ご冥福を祈ります。
----以下覚書----
枢機卿 Cardinal
大司教 Archbishop 司教 Bishop
Bellini アメリカ人、権力に興味はないと言うが、自分を売り込むなら自分はなんでも認める、同性愛も女性の起用も他の宗教もというリベラル派。日和見で権力に負ける。
Tedesco 来ないことを望まれていた過激保守派、イタリア人以外が教皇をやるなんて考えられない、ラテン語に戻すべき、攻撃してくるやつとは戦争だ!派。暴言で負ける
Adeyemi ナイジェリア人、多様性の象徴?昔の女性関係の罪を暴かれて負ける。トレンブレのせいだが前教皇の策略か?
Tremblay カナダ人だったらしい、無難な候補に思えるが収賄などで事前に解任されてたらしいという噂、教皇が手を回して落ちるように仕組んだのか?
ベニテス アフガニスタン人、国はイスラム教がメインのため正体を隠しており、誰も知らない枢機卿だった。貧困層に寄り添い平和を求める。しかし彼にもタブーがある。実在のフランシスコ教皇に一番近い貧民に寄り添う設定。
明快なエンタメ作品です!
まさに、これこそが「映画!」とガッツポーズしたくなる大傑作でした。原作を基に特異な世界を分かりやすく観客に伝える物語の展開力、赤が強調された枢機卿の装束や礼拝堂内外の色彩美、ローレンス役のレイフ・ファインズの苦悩を表現する演技力等々何もかも全て一級品です!何でこの作品がアカデミーは脚色賞だけに終わり、作品賞とか監督賞とか主演男優賞を獲れないでしょ(無冠に終わった「名もなき者」も同じだが)、。カトリック協会の総本山の内幕だから?衝撃のラストが受け入れられないから?どう考えても「アノーラ」より数段上でしょ、。
この映画が今、日本でかなりヒット(平日でも映画館はかなり混んでいる)し評価も上々なのは、実は「明快なエンターテイメント作品」だからなのだと思います。ローマ教皇の話など普通、宗教チックで説教くさい映画を想像するが、この映画は出来るだけ小難しい話は抑えポイントとなる所でわかりやすい珠玉の言葉が入る(選挙が始まる前のローレンスの挨拶、テロ後紛糾する議論の最後にベニテスが戦争と心のあり方を話すシーン)。物語は選挙を正しく収めようと奔走するローレンスの視点のワンテーマで進む。又同じ服装の同じおじいちゃんばかりが出てくるが、投票結果の度に得票を得た枢機卿の顔と名前を読み上げたりするので誰が誰で何をした人かすぐ理解でき映画に集中することができる。とっても上手な映画表現だと感服いたします。
いい映画観れたので今日はとっても良い日でした〜
ほどよい緊張感が続く
「万人に向けた言葉は無く、味方に向けた言葉ばかり」
表題の言葉がとても心に刺さった。当たり前の事を思い出させてくれた。
言葉って何なんだろうと考えさせられる映画。多様性やジェンダーレスは大切なことだと思う。しかし同じ言葉でも人によってその認識は様々。しかも最近は言葉と中身が釣り合わない物ばかりが目に付く。その不信感と圧の強さに対する反発が今噴き出ているんだろうなと思う。
しかし本当に難しいのは、そこに真面目に向き合う人程ほど、ラストの主人公のように矛盾にぶち当たるというところ。きっとこんな言葉に踊らされていなければ、後ろめたい思いをせずにでいられたことだろうにと思う。きっと目新しい言葉に踊らされる前に、ありきたりな言葉をもう一度思い出す事が大切なのではないか。
(寄生獣という漫画の最後でミギーが「私は地球に優しいという言葉が嫌いだ」と言っていたのを思い出した)
…
目新しいものは無い。だが、舞台設定や話の進め方がとても上手い。私も主人公同様に2つの価値観の板挟みにされた。
…
特に好意的に感じたのは、何ものにも善悪のレッテルを貼らないところ。聖職者だって所詮人であり、変わることができるという当たり前の事を前提にしているところ。
映画の醍醐味
起承転結の起承は平凡だが、転結はシビれる。
何から何までムダがない。
映画の醍醐味は、こういう面白さである。
理想を説いても理想を生きている人間なんていない。
そんな何気ない、意味深なセリフがいくつもあり光る。
都合よいクリスチャンを今まで何十人も見てきたので、
ほらヤッパリと僕には苦笑しかない。
自分の事は棚に上げて理想を上から説くことを、
そんなに欲することなのだろうか。
人が闘う対象は己か他人か。
そんなこと分かっているクリスチャンに今まで会ったことがないから、
その切り口もユニークだった。
(すみません、僕はクリスチャンとかキリスト教を軽蔑している。キリスト教の幼稚園に通い日曜学校も行ったけど。)
昔だったらこういう映画がアカデミー作品賞だったが、
現アメリカ大統領を考えると
(あの人はジェンダー問題に残酷だから)
「教皇選挙」や『エミリア・ペレス』よりスケベ大好き他はピーマンどんぶり勘定の『アノーラ』を選出しないと
おヘソ曲げて映画税とか取りそうだしなぁ。
とても良くできた茶番劇
音響や映像はとても良く作り込まれていて、構図や展開も見事。
脚本も視聴者の意識誘導が巧みで、終盤にかけて作者の掌で踊らされているような感覚になった。
とはいえ、内容は簡潔に言えばバチカンの内部闘争に終止し、カトリックないし宗教に対する強烈な皮肉を除いては、メッセージやテーマ性にかける。
一風変わった舞台で大量の金と技術をを動員して作ったサスペンス映画というあたりが妥当な評価ではないか。
選ぶ者、選ばれる者―『教皇選挙』に見る信仰と葛藤
あらゆる宗教儀礼には、「死と再生」の物語が繰り返されます。
映画は、カトリック教会において新たなローマ教皇を選出する厳かな儀式「コンクラーベ」を描いた作品です。バチカン市国の元首であり、信仰の象徴でもあるローマ教皇の座をめぐるこの選挙は、単なる宗教的な行事ではなく、さまざまな思惑が交錯する緊張感あふれるプロセス。伝統と革新、信念と策略、人々の心が複雑に絡み合う様子は、まさにミステリーの醍醐味といえるでしょう。
本作の美術や衣装はとても精緻で、システィーナ礼拝堂をはじめとするバチカンの荘厳な空気を見事に映し出しています。厳かな空間のなかで繰り広げられる駆け引きは、まるで一枚の絵画を眺めているかのような美しさ。その世界観に引き込まれ、思わず息をのんでしまうほどです。
物語のなかで描かれるテーマは、宗教に限らず、私たちが生きる社会にも通じるものばかり:
・どんな組織にもある「リベラルと保守」「伝統と革新」の対立
・指導者を選ぶ過程で浮かび上がる権力闘争と駆け引き
・「選ぶ者」と「選ばれる者」の間で揺れ動く人間の心理
・「女性には任せられない」という制度に疑問
・誠実な人ほど、実はトップに立ちたがらないという現実
・権力を持つ人でさえ、時に規律を破らざるを得ない状況
・誰も疑問を抱かなければ、時代遅れの慣習は続いていく
・異端視される人こそ、確信をもって新たな道を切り開く存在
・組織に属さない視点だからこそ、見えてくる新しい可能性
なかでも印象的だったのが、首席枢機卿ローレンスのスピーチ。「もし確信だけで疑念を抱かなければ、不可解なことは消え、『信仰』は必要なくなる」この言葉は、まるで信仰の本質そのものに切り込むような鋭さを持っています。決して冷たいわけではなく、人々の心にそっと問いを投げかけるような説得力がありました。
ラストシーンでは、音を消した演出によって、観る者の想像力に委ねられています。この余白の美しさこそ、近年の映画の魅力のひとつ。観る人それぞれの解釈が生まれ、作品の余韻がより深く心に残ります。ローレンスがシスティーナ礼拝堂で迷子になっていた亀を、広場の池に戻すシーン。その仕草には、彼の優しさや、抱えてきた重荷から解放されるような安堵感が感じられました。
そして、新たな視点を持つベニテス枢機卿が新教皇となることで、これまで閉ざされていた修道女たちと教会の未来に光が差し込むそんな希望の兆しが読み取れます。
『教皇選挙』は、宗教の枠を超え、権力のあり方や人々の信念の揺らぎを繊細に描いた作品。観る者の心を深く揺さぶる、奥行きのある傑作でした。
重いルックだけど…
閉鎖空間の会話劇が面白い!
教皇選挙は根比べ
と、オヤジギャグが言いたくなるぐらい、教皇選挙は面倒臭いことは知っていましたが、その内側は、まさに “cum clavi(鍵がかかった)”で、覗き見ることが出来ない世界。
きっと、昔から陰謀渦巻く選挙やったんやろな〜と、勝手に想像していましたが、今作はほんまある意味想像通り。
大体、決選投票とかしないで、永遠に規定の票を得るまで投票し続けるって、策謀しろと言ってるようなもんですよね。
その、鍵がかかった内側を、ほぼ、おじいさん同士の会話劇と音楽だけで、エンターテイメント作に仕立て上げた凄い映画でした。
最後、どんでん返しの上にさらに、返したどんでんを屋台崩しにしてしまうぐらいの展開には、びっくりしました。
首席枢機卿のローレンス枢機卿も、選挙を仕切りつつ、ベリーニ枢機卿を教皇にすべく動くのですが、なかなか上手く行かず、えっ?誰になるんやろ?と、新教皇になる人物を予想しながら観れたのも面白かったし、うわー…こいつが新教皇になんのはアカンやろ…と、思いながら観るのも面白かったです。
今までベリーニ枢機卿一択だった、ローレンス枢機卿が、自分の名前を書いて、投票しようとした瞬間、テロリストの爆破で礼拝堂の密閉してた窓が吹き飛ぶ場面、その後一気に、まったく有力候補でなかった人物が新教皇に選出され、そして…という、最後の怒涛の展開が、めちゃくちゃ面白かったです。
テロはあかんけど、爆破で吹き飛んだ窓は、カトリックの時代に合わないタブーやドロドロとした陰謀めいたところに風穴を開けるとともに、様々な宗教、人種、バックボーンとも向き合っていかなければならない…というか、向き合い共存すべきという、強いメッセージを感じました。
最後に選ばれた新教皇には、かなりびっくりしましたが、私もこんな教皇なら色々良い方向に変わって行くんやろな〜、と思いました。
風呂には入らないのだろうか?
「ダ・ヴィンチ・コード」とかこのジャンルは非キリスト教文化圏の私には基本的な部分で理解が及ばず楽しめないことが多いので迷ったけれど今年のアカデミー賞の中でやはりこれは外すことができなかった。結果的に宗教は形ばかりの政治的闘争劇で宗派関係なく楽しめるミステリーエンタテインメントに徹していてすごく面白かった。明らかにコンクラーベを茶化しており、積もった吸殻なめのシスティーナ礼拝堂内や水面下での陰謀、衝撃的な結末を敬虔なカトリック信者たちはどう感じるのか?かなり気になったが主役ローレンス枢機卿を演じたレイフ・ファインズもカトリックの家庭で育ち役作りのために実際の聖職者に会って話を聞いたというのだから神の心は途方もなく広くてすべてを許したもうのだろう。ほぼ全編礼拝堂内の密室劇なのだが音楽・衣装・美術がしっかりしており役者もそろって飽きさせることが無くクライマックスで封鎖された空間に外光が差し込むシーンはどの宗教画より美しく崇高に見えた。一時のアジテーション巧者が支配者となる怖さを思うとやはり多数決でいいんじゃないの?アーメン。
我々は、理想そのものではない
確信が欲しくて、右往左往の私です。だって確固たる確信があれば、もう迷わない。惑わされない。ヒトの話も聞かない。不寛容で、対立する世界にも、戦争していける。
そんな私になれたなら、この映画を観ることも、なかったでしょうね。
…天子とは、無条件に民を慈しみ、無条件で民に愛されるもの。私は、国家を睥睨する臣下の主席となろう。「蒼天航路」に登場する曹操の言葉です。魏の武王まで登り詰めても、帝位に就かなかったのは、どんなに民を愛しても、民に畏れられる存在だった自分を自覚していたからだとか。
そう、この映画のローレンスのように。
不正を糺す、間違いを修正する。組織の管理者として卓抜した才能は、ヒトを畏れさせてしまいます。管理する者がいなければ、組織は崩れます。しかし、組織に、夢と未来を託せなければ、組織は存在理由を失います。本当の戦争を知る者が望む世界、知りたいと思いませんか?。(現教皇、フランチェスコの世界を知りたい方は「ローマ法王になる日まで」をどうぞ。)
でもさ、自分だけは、特別。実は私には、私だけの天からの賜り物が用意されている人生だと、思いたくなりません?。だとしたら…。
誰よりも頑張った結果、何か与えられるとしたら…。
ここまで頑張った自分に、教皇としての名が冠せられるとしたら…。
コンクラーベと云う、根比べの先に、皆様は、何を求めますか?。
以上、確信と嫌疑の狭間から、呟いてみました。
「チェーザレ」
マキアヴェリが、君主論を執筆するきっかけになったと云われる、チェーザレ・ボルジアの青年期を描いた傑作マンガ。彼の父親が、コンクラーベに出馬する終盤戦が、けっこうスリリングです。因みに、チェーザレが、その後どうなったのか知りたい方は、まんがで読破「君主論」をお勧めします。面白いですよ。
驚くべき展開
最初はおじさんの選挙の話なんて興味ない…
と思っていたけど、えっ、ミステリーなの?と知って俄然観たくなって劇場へ。
オッペンハイマーの時も同じようなことを考えたけど、ひたすらおじさんたちが投票を繰り返してるだけの会話劇なのに何この面白さ!上質のエンターテイメントすぎる!
これは早くも今年のマイベストでは?!とかなり興奮して帰ってきた。
以下ネタバレ含む。
映像も音響もこの世界に没入するための手段として最高でした。枢機卿たちの衣装の赤が最初から最後まで印象的。音楽はストーリー展開をリードしてくれるしかなり観る人にとっては親切な作りでは?
おじさんばかりで女性の存在感薄すぎ…まあでもローマ教会の話だからそこは仕方ないよね、と思っていたら、まさかそれが伏線とは!!
文字通り教会に「風穴を開ける」シーンはかなり衝撃だったけど、それ以上の衝撃がラストに残っているとは想像しなかった… 私が鈍いだけかもしれないけど、まさかこんな展開になるとは思いもせず。現代社会への強烈な皮肉が続いた後に作り手が見せてくれたinnocenceと希望…いつのまにか涙が流れてました。
ネタバレ踏まずに観られたことに感謝。
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