劇場公開日 2025年3月20日

教皇選挙のレビュー・感想・評価

全738件中、541~560件目を表示

5.0あの窓から差し込む陽光に、各国の枢機卿は何を見たのか

2025年3月25日
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鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

知的

全世界に14億人以上の信徒を有するキリスト教最大の教派、カトリック教会。その最高指導者にしてバチカン市国の元首であるローマ教皇が、死去した。悲しみに暮れる暇もなく、ローレンス枢機卿は新教皇を決める教皇選挙<コンクラーベ>を執り仕切ることに。世界各国から100人を超える強力な候補者たちが集まり、システィーナ礼拝堂の扉の向こうで極秘の投票が始まった。票が割れるなか、水面下で蠢く陰謀、差別、スキャンダルの数々にローレンスの苦悩は深まっていく。そして新教皇誕生を目前に、厳戒態勢下のバチカンを揺るがす大事件が勃発するのだった……(公式サイトより)。

コンクラーベと呼ばれる教皇選挙が初めて行われたのは1271年だそうだが、その理由は「イタリア派とフランス派で合意がなされず、3年間空位が続いたから」とのこと。それから750余年を経てもなお、聖書に綴られた教義よりも、権力の頂点に登り詰める人間の野心こそが普遍的な真理である、とでも言わんばかりに本作でも同じような権力闘争が繰り広げられる。

要所に織り込まれるキリスト原理主義的視点、黒人蔑視と白人至上主義、根強いユダヤ人差別やイスラム教への偏見、権威主義、性的スキャンダル、女性蔑視ともとれる教義性、利権や権力に群がる野心や策謀など、各国の信仰を司る枢機卿でもこんなにも世俗的なのかと辟易させられつつ、複層的な伏線が幾重にも張り巡らされたストーリー展開は極上のミステリーで目が離せない。何よりその緊迫感を生み出している「鼻の呼吸音」は天才的な演出方法である。美術チームが10週間かけて作り上げたシスティーナ礼拝堂や枢機卿の衣装は抜群に美しく、どこか「落下の王国」を彷彿とさせる。

「わたしたちは理想に仕えてはいるが、わたし自身は生身の人間で理想そのものではない」というある枢機卿のことばと、「確信を持つと揺らぎや疑念がなくなり信仰が必要なくなる。つまり確信は罪である」という主人公の首席枢機卿の科白が印象的。それは、平和どころか戦争の火種になり得て来たカトリックそのものへの自己批判である。長きにわたり、キリスト教は、カトリックは、教会は、バチカンは何に祈り、何を守ってきたのか。そして、かれらはこれから何に祈り、何を守っていくのか、そのためにカトリックが変わるべきところはどこなのか。あの窓から差し込む陽光に、各国の枢機卿が何かを見てからの怒涛のクライマックスは爽快なカタルシスでもある。

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えすけん

4.0コンクラーベの闇と光

2025年3月25日
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鑑賞方法:映画館

「コンクラーベ」という特殊な環境で繰り広げられる“社内政治”のようなドラマがとても面白かったです。

票を集めるために暗躍する人々や、スキャンダルで失脚していく人物たち。物語が二転三転していく展開に、最後まで引き込まれました。

ラストの“秘密”についても素晴らしかったのですが、ああいった結末ではアカデミー賞の受賞は難しかったのかもしれませんね。それだけに、最優秀賞を逃したのが惜しく思えるほど面白い作品でした。

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む

5.0私たちはどこまで包容的になれるのだろうか?

2025年3月24日
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純粋に謎解きミステリー的な展開だけでも面白い。保守派と改革派の対立や、閉じられた世界で炙り出される人間の本質など、教皇庁だの、枢機卿だの、システィーナ礼拝堂などと言われてもピンとこないという人であっても、自国の政治家や自分の勤め先などの権力闘争などと重ね合わせてみることもできるので、普遍的な人間ドラマとして楽しむこともできる。そういえば、大文字にしない catholic という形容詞には「普遍的な、万人に共通な」という意味もあった。

そして、普遍的だからこそ、締切られた狭い空間の中だけの物語ではなく、テロや戦争、人種差別や性差別などの外の現実世界で起きていることとのリンクを意識せざるを得ず、教会ですら無関係ではいられないことを描いている。

本作の中身をヴァチカンが容認することはないであろうが、本作の伝えたいメッセージの方向に世の中の流れが向かっているのかどうか、実は逆流しているのではないか、と自分自身に問い続ける必要があるだろう。

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Tofu

4.5欠点が見当たらない映画

2025年3月24日
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ミステリーなので詳しくは書きませんが作品賞をとれなかったのが不思議なくらい面白いのでぜひ見てほしいです。
強いて言えば(ジャンル的には普通ですが)動きがないのが欠点というくらいでただただ引き込まれました。
誰が教皇になるのかには当然注目ですが、誰が教皇を選んだかに注目するのも面白いと思います。

ストーリーなんてどうでもいいからとにかく派手なアクションしか見たくない!、地味な映画は嫌い!という人以外にはおすすめです。

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おまけ

5.0多様性を認めつつも

2025年3月24日
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知的

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nakadakan

2.0おなかいっぱい食べた昼後の授業で、視聴覚室で歴史ビデオを見るような感覚🧑‍🏫

2025年3月24日
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えっとーーー、、、一言で言うと“退屈”🥱🫧
周りの評価は高いし、バチカンとか宗教とか、今にも関暁夫が出てきそうな題材は好きなだけに、ちょっと残念だったᥬ😭ᩤ

世界一小さな国の世界一権力を持つローマ教皇が突然死んじゃったから、次の教皇を決める選挙をしますと。そしたら世界中からおじさんおじいちゃんたちがいっぱい集まってきて、お互い足の引っ張り合いをしながら、薄暗い閉鎖的な空間で、投票しあうだけの映画。

この映画、ラストは衝撃的だったけど、それ以外はいたって平凡。
物語もただただずっと投票しては、誰それはあーだこーだの繰り返しで、ラストまでほぼほぼ物語に起伏がないから観ててもなんの感情も湧かない。
コンクラーベのやり方とか内容に関しては、目新しさはあったけど、そこまで💦
誰が次の教皇に選ばれるのか、ミステリー要素もあるけど、途中からもう誰選ばてもいいから早く終われ感←笑笑

おなかいっぱい食べた昼後の授業で、視聴覚室で歴史ビデオを見るような感覚🧑‍🏫
途中から眠くなっちゃうけど、先生に怒られないように頑張って起きてる時と一緒。

何がみんなそんな良かったの??
聞かせてくれ✋

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Nari

3.5登場人物相関図は要確認

2025年3月24日
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興奮

知的

予備知識なしで観たから、前半は人物が分かりにくかった。作品のHPに相関図があったので事前に確認しておけばよかった。
この選挙は完全秘密なので、それだけでも映画は観る価値あったなと思う。枢機卿になる時点で一廉の人物なはずなのに、陰謀だらけって、フィクションだけど、実際もそうなのかもと思えてくる。

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ネコノケ

4.0コンクラーヴェ(教皇選挙)は「根比〜べ」

2025年3月24日
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知的

難しい

...とは言い古されたダジャレですが、まさに地で行くストーリー

 コンクラーヴェが密室で長期間に亘って繰り広げられるドロドロの権力闘争だということは、(映画や創作の世界では)もはや周知の事実。当然、そういう"聖職者らしからぬ"抗争劇、騙し合い、アッと驚くどんでん返しを期待しましたが、期待に恥じぬ見事なサスペンスミステリー作品でした
 基本的に爺さん婆さんしかでてこないので、絵的には随分と地味な仕上がりですが、その分、重厚さや品の良さが漂う絶妙な塩梅です

 面白いのは、描かれる闘争の対立軸が、保守派(Conservative) or リベラル派(Liberal)、多様性(Diversity) or 画一性(Homogeneity)、受容(Inclusion) or 排除(Exclusion)、といった最近の世界情勢と全く同じだということ。そういう意図でアナロジーとして盛り込んだのか、実際のカトリック教会にそういう要素があるのか、はわかりませんが...

 ハリウッドや(日本の)マスコミによって、リベラルこそがあるべき姿、世界(≒欧米社会?)の主流派だ、と、日本人は永らく半ば洗脳のように教育(?)されてきましたが、昨今の世界情勢やニュースを見るに、それ(リベラル"派")が必ずしも(数的な意味で)世界の主流ではないかもしれないことが見えてきました。

 さて、この映画ではどうか?
"選挙"なので、投票で決着が着く訳ですが、この辺の"切り返し"は絶妙な感じです。必ずしもハッピーエンドとは言えないかもしれませんが、ある意味、ハリウッド的な結末と言えるかも知れませんね

(リベラル派≠リベラル の含みを持たせつつ...の)

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K2

4.5苦悩の管理職

2025年3月24日
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聖職者とは名ばかりの政治家かと思われるような幼稚で醜い足の引っ張り合い
ローレンス枢機卿の中間管理職の苦悩っぷりが同情を誘う
本気で教皇にはなりたくはないんだろうし、自分しかまともではないのかもと思ってしまうのもわからんではない
シスターの物申すはスッキリ
派手さはないけど話に引き込まれていく
なんだこれ面白い
「主席枢機卿」とか「猊下」って響きがかっこいいよね
コンクラーベって根比べってみんな思っちゃうよね
語学が堪能だとイタリア語とか英語とかいろいろセリフのところで楽しかったんだろうなあ残念

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ぱぴこ

3.5もう少し泥臭い何かが欲しい

2025年3月24日
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映像や演出が好みではなく、前半は余り入り込めなかった。ただ内容が自分的に新鮮で、各国の政局等普遍的なものを感じさせた。

話がミステリ調なので後になるほど面白く、楽しめた。Rファインズの安定感が心強い感じ。

黒人のアディエミはもう気持ち尊重して、高貴に描いて欲しかったかな。

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石岡将

4.0ミステリーサスペンスの新たな傑作の誕生

2025年3月24日
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楽しい

知的

とんでもなく面白い。
今年ベストを更新するほどに圧巻のストーリー。

映像美、音楽、演技、脚本はどれも一級品で非の打ち所がない。特に脚本の完成度は完璧で、どのような体制にも当てはまることができる汎用性を備えた上で、ミステリーサスペンスとしてすごく楽しめる内容だった。各登場人物がどのような考え方を持っていて、どんなバックボーンを持っているかなどが非常にわかりやすく描かれているため観客に優しい作りになっているのも好印象。登場人物の名前を覚えるのが苦手な自分にとってもすごく観やすかった。

ミステリーを楽しむのが醍醐味のため事前情報はできるだけ入れずに鑑賞するのをオススメしたい。

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Alejandro Gillick

5.0映画らしい映画

2025年3月24日
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トランプ大統領ならおそらく上映禁止にするような映画!だから、とても面白かった。お勧めです。

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北海の若鷲

4.5真に教会が必要としている教皇とは

2025年3月24日
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ゆきとう

4.0Condensed, profound, majestic mystery.

2025年3月24日
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興奮

知的

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Sue

4.5まだ早いけど今年のベスト1❗️

2025年3月24日
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泣ける

興奮

知的

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MOVIE FUN MAMIKO

4.0信仰を理解してなくても大丈夫でした

2025年3月24日
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興奮

知的

置き換えるなら政治思想でも個人の倫理でもいい。人には個々の「信条」があり、その正否が誰の目にも明白に判じられる例は多くはない。ただその信条を成すにあたり「誠実」であるかどうかを自他に問うことが重要だということ。

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くつむし

4.0おとなしめだけど

2025年3月24日
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今の時代に問いかけるものが多くないか。

追記
7割り方?の入り、年齢層高め。
NOBUさんにペンペンされる人は、いなかった。
派手な動きがない、心理戦。
主人公の息遣いが終始聞こえくる、
次の教皇の名乗りは、暴君となる宣言なのか。
コンクラーベの最後の煙の色を見せなかったのは、
意図があるのか?

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myzkk

4.0ジジィどもの見分けがつきません

2025年3月24日
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ジジィ好き、苦労性の中間管理職好きにはたまらない映画だと思います。
しかし、ジジィどもの区別がつきません。
あと主役の名前が最後の最後までわかりませんでした。

たぶん、ローレンスって名前が出てきたのって冒頭だけですよね。
選挙のたびにローレンスって誰だよって思っていました。
庵野監督っぽいテデスコ氏はわかりました。ベリーニとローレンスの区別は最後の最後まではっきりとはつきませんでした。

さて、映画の内容です。
ジジィとジジィがただただ悩んでいるだけです。
口やかましく怒鳴り散らすシーンはほとんどありません。思い通りにならなくて癇癪を起こすシーンもあんまりありません。
ただただ、どのジジィも自分なりに悩んでいて自分なりに苦しんでいます。
さすが聖職者というところでしょうか。

しかし、それだけなのに画面に目がすいこまれていく。
ただの選挙戦ではなく、裏でめんどくさい話がごちゃごちゃと折りかさなっている。
そこにいるジジィども全員がそのレベルの原黒さでもいいのに、映画の尺に収まる範囲での陰謀の量に収まったのはそこにいるのが全員枢機卿に選ばれるだけの聖人たちだからです。素晴らしい。

派手なシーンは一回だけ。
あとは対話と悩みと選挙です。
ものすごく狭い舞台で、ものすごく限られた事象に焦点をあて、映画という尺で完全にやりきった。
おそらく若者の絶賛を浴びることはなく、映画ファンではない人は金曜ロードショーに来ても見る事もない、それでも映画館で集中して見た人には「あの映画はいい映画だった」と思い返せる、非常に優れた作品だったと思います。
私、それほど気が長くないので金曜ロードショーやアマプラでこれを見ていたら最初の20分でやめている自信があります。映画館でしっかり集中して見られてよかった。

でもジジィの個性は出してください。庵野監督みたいなジジィ以外、白人やせ型しょぼくれジジィたちの見分けがつきません。

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call

4.5神の領域に触れる過程だが、そこには強烈な人間臭さを感じる。このコントラストにやられた。

2025年3月24日
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登場人物が多いので集中して観ないとついて来れなくなる。そんな心配を持ちながら鑑賞していた。
しかし、気がつくと作品に引き込まれ、そんな心配は杞憂だったことに終わってから気がつく。
ひとつのシチュエーションで展開される作品だが、退屈することはなく、ものすごい引力の作品である。
画づくりや色味にもこだわりを感じ、重厚で格式のある行為が行われているのだということを宗教への知識が薄い私でもしっかりと感じることが出来る。
神の領域に触れる過程だが、そこには強烈な人間臭さを感じる。このコントラストにやられた。

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モトコ

4.0ハラハラ、ドキドキ、そしてビックリ

2025年3月24日
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難しい

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