教皇選挙のレビュー・感想・評価
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教皇選挙conclave英語の発音はコンクレイヴ。コンクラーベじゃないよ。
3月31日(月)
先週から観ようと思っていて、なかなか観られなかった「教皇選挙」をTOHOシネマズ日本橋で。
カトリック教会の最高指導者ローマ教皇が亡くなり、新教皇を決める教皇選挙が行なわれる。
教皇選挙は、定員120人以内の80歳未満の枢機卿によりに行なわれ、枢機卿団はサンタ・マルタ邸に泊まり込み外部との接触は断たれ、投票はシスティーナ礼拝堂で行なわれる。2/3以上得票をしたものが新教皇となる。
映画でも電話が全て取り外され、窓にはシャッターが取り付けられるシーンが有る。
物語は静かに展開するので眠気を誘われるというレビューがあったが、私はミステリー要素もあり緊張感を持って観たので眠くはならなかった。
バチカンではロケ出来ないため(そりゃあそうだ。教皇選挙の内容は公開されていない)、セットや既成の建物を使って撮影されているが、雰囲気は素晴らしい。
カメラの動き(動かないのも含めて)、構図、色調、音、編集、衣装デザイン、美術全てが素晴らしく、見終わった後は映画を観たと言う感じを強く持った。
教皇選挙を取り仕切る首席枢機卿ローレンスを演じたレイフ・ファインズが見事である。オジさんばかりの中での紅一点?のイザベラ・ロッセリーニは儲け役での助演ノミネート。
投票が繰り返され票が割れる中、有力候補に次々とスキャンダルや不正が明らかになり、脱落して行く(買収で票を集めるのがジョン・リスゴー)。ローレンスも自分に教皇の目が出て来て色気を持ったりするが、テロによる爆破(それこそ神の怒りのような演出が凄い)で投票は中断。ここでの枢機卿の発言で状況が大きく動く。
テロによる爆破でシスティーナに光と風が差し込み、新たな投票で新教皇が決まる。
第1回目の投票で1票しか得票がなかったものが新教皇になると言う意外な展開だが、更にその後に衝撃的な展開が待っている。
全ては前教皇の思いどおりに運んだと言う事か。前教皇は八手先を読む男だった。深謀遠慮とはこういう事を言うんだな。
無事に教皇選挙を終えたローレンスは、空を見上げ安堵とやすらぎと満足感に満ちた表情を見せる。
シスターが3人出て行く。教皇選挙中の緊張感はない。3人が出て来たドアが閉まる音とともに映画は終わる。
いや、映画ってこれでしょ。
主演男優賞は、レイフ・ファインズが相応しいな。(シャラメは若いからまだチャンスは有る)
作品賞と編集賞は「アノーラ」から「教皇選挙」に変更出来ませんかね、アカデミー様。
脚色賞だけと言うのが何とも惜しい映画であった(個人的意見ですが)。
おまけ
亀は卵のうちは雌雄が決まらないそうです。原作には亀は出て来ないとの事。(又聞きです)
亀は、オスの精子を生きたまま体の中にため込むことができるため、数年間交尾をしなくても有精卵を産むことがあります。この特殊な能力は「遅延受精」と呼ばれます。
「教皇選挙」で亀について勉強してしまった。
おまけ その2
本当に教皇が亡くなりましたね!
この映画を観た後では、どう教皇選挙が行われるのか(行われて決まったのか)、が気になりますね。
おすすめ
おじさんばかりで、最初は誰が誰だか見分けるのが大変でした。どの世界...
極上密室エンターティメント
「教皇選挙」というタイトルから日本人だとキリスト教の話は身近で無いのでわからないのでは、とか選挙の話で硬いのでは、と思い観るのを躊躇う人がいたら、騙されたと思ってぜひ観てほしい。
実際のところこの映画はとてつもなくエンターティメントなサスペンス映画なのだ。
ローマ教皇が急逝し、首席の枢機卿ローレンス(レイフ・ファインズ)が教皇選挙を取り仕切ることになる。
各国の枢機卿がバチカンに集結する中、前教皇が秘密裏に任命したというメキシコ系の枢機卿ベニテス(カルロス・ディエス)が現れる。本当なのか?目的は?
そうして、外部との接触を禁じられるバチカンで枢機卿たちの全体の3分の2以上の票を得たものが次の教皇となる選挙、いわゆるコンクラーベが始まる。
有力候補はリベラル派のベリーニ(スタンリー・トゥッチ)、伝統派のイタリア人テデスコ(セルジオ・カステリット)、初のアフリカ系教皇を目指すナイジェリア人アデイエミ(ルシアン・ムサマティ)ら。
ストーリーはローレンスが前教皇に近い思想のベリー二に票を集めようとするロビー活動や過去のスキャンダルの暴露や前教皇とのトラブル、陰謀が渦巻き、一向に票がまとまらない様を密室劇で描く。
こうした様はまさに今の時代の政治の状況とリンクする。
監督のエドワード・ベルガーは現代社会の縮図として教皇選挙を引用しているのだ。
実際のコンクラーベはこんなスキャンダラスな内情だとは思えないが、その内幕は密室であり外部には未だ秘密にされている。
誰も知らないということは、どのようなフィクションも可能ということで、そこをサスペンスとして利用した原作が秀逸だ。
現代社会同様、事態は消去法で決着すると思われたところである事件が起こる。
それは密室の外で起きていること。
枢機卿たちの私利私欲に夢中になっている間に起きていたすぐそばの重要な事態を思い知ることになる。それは今の政治と合わせ鏡だ。
そこから選挙の終結までは驚きの展開。
分断や多様性、LGBTQといった今の時代のテーマをこれでもかとぶちこんだ内容は正直やり過ぎ感も否めない。
ただ、エンターティメントとしては一級品の傑作だ。
緊張感があります
教皇選挙コンクラーベ
ずっと緊張感ある
これはもうサスペンス
前教皇が亡くなり新教皇を決めるために、世界中から100人をこえる候補者の枢機卿が集まり、選挙が行われる
その中でも新教皇として名が上がっている者数名の戦いになるが、票を獲得する為に秘密裏に何が行われているのか、
隠されていた陰謀を告白されるも何が本当で何が嘘なのか
前教皇にその「管理」を委ねられた首席枢機卿のローレンスは公平に取り仕切ろうと奮闘するが、次々と起こるアクシデントやどこまでが事実なのか分からない情報に惑わされ、何を信じればいいのか
とにかく最初から最後まで緊張感が半端ない
その新教皇誕生の結末が、まさに多様性の時代だからこそ正しく相応しいものだったと思えた
そりゃあ、そんなもんだろ
悩み、悔い改める人間の美しい姿
キリスト教にちょっと詳しくなった
コンクラーベってものがあるのは知っていたけど、ベールに包まれているものだったので、今回の映画で実際にどんな風に行われているかリアルに知ることが出来た。
刻一刻と新事実が分かっていき、選挙の情勢も日を追うごとに変わっていくので、退屈する暇がなく満足感が高かった。
でも、最後にベニテスがすーって教皇に選ばれたシーンはあっさり終わりすぎな気がしたから、もうちょっとだけ過程を描いても欲しかった。
BGMが”光る君へ”とおんなじ感じやったから、ちょっとだけ嬉しかった。たぶん楽器の系統がおんなじだけやと思うけど笑
2020年代に相応しいCatholic entertainment
いやあ、映画『教皇選挙』、実におもしろかった。カトリックが混じり気なしの100%pureな教会だ、などと思っている人は、この世のどこにもおらぬでしょう。同教会の歴史は、カノッサの屈辱や十字軍の遠征、アナーニ事件に教皇のバビロン捕囚と、数々の悲劇喜劇に彩られてきた。ましてやコンクラーベ(次代教皇選挙)となれば、お家芸たる権力闘争の頂点となるのは必定。ちょっと正確な言い回しは忘れてしまったが、枢機卿たる者、自分が教皇になることを思い描かぬ者はいないという感じのセリフがあって、そりゃそうだと思った。私が枢機卿なら、私だってそう思うよ。オレだって「男」だからな。
出演者は、予想できたことではあったが、そのほとんどがオジサン・おじいさんたちである。しかし、カトリックには、もともと多様性を受け入れる素地があった。そもそも、16世紀、今から500年前に、プロテスタント旋風に対抗して、カトリックの信仰を世界に拡大すべく比喩ではなく命を賭してヨーロッパからこの極東辺境の小国にたどり着いた者はいったい誰であったか?彼らは、驚くべきことに、羅針盤と風を頼みにここまで来たのだ。もちろん、さまざまな打算もあっただろう。だが打算のみでそこまでできるほど人間は強い者ではないのではなかろうか。
だから出演者も、2020年代の現実のカトリック教会を反映して、もちろんヨーロッパ系男性が圧倒的多数ではあるが、アフリカ系やアジア系もチラホラ見られる。entertainmentとしての権力闘争を織り込みながらストーリーは進む。選ばれた者が発した教皇名には、演者同様、われわれ高校世界史選択者も微妙な笑みを浮かべざるを得ない。そして最後の展開、たぶん意外と思う人はいないだろう。驚きはするが、2020年代のコンクラーベを扱った作品の結末としては、アレには納得せざるを得ない。
いやすばらしい。山川出版社『詳説世界史』『詳説日本史』愛読者は必見だと思う。細川ガラシャや、ジュリアおたあにもみてほしい、全きエンターテインメント作品。
非常に効果的なBGM!
このBGMのおかげでサスペンス感が確立したと言ってもいいよね。あと、セリフの音量も切迫感出してる印象。
政治的な駆け引きでどうなるのか?っていうのをうまく引っ張ってる。こういうシーソーゲーム的な展開は日本だと若手でやりそうだよね。そこで、ローマ法王ってことで、年配者たちの立ち回りとなって作品が仕上がってる。これは邦画だと出せない味かな?こう言う展開だと必ずふざけたキャラいれそうだもん。コンクラーベという舞台がシリアスさを担保してるとも言えるからね。いい感じ!
なのは、ラスト前までで、あのラストはなあ、、、正直やるわけないパターンをやったからこその驚きというか。うん、ラストがあかんよね。そう個人的には思った。途中までは★5だったよなあ。でもラストで落ちた。あのオチは、、、ノーコメント。あ、あと、最初と最後のタイトルが画面目一杯なのはちょっとなあ、と思った。合ってないよ、さくひんに
ベリーニ役の人、「ザ・コア」のムカつく学者の人じゃん!めっちゃ、久々に見た!それはよかった!
あ、BGMだけじゃなく、エンドロールの曲も重厚な感じで良かったよ!
2025年劇場鑑賞17作品目
うっとりする映画
飛行機の機内で観ました。
バチカン内部という、ミステリアスで非日常の世界を生々しく描いた作品は珍しくて、とても貴重!
レイフ・ファインズ(グランドブダペストホテル、ザ・メニューetc.)が主演なのが個人的に嬉しかった。
その他、名だたるオジサマ俳優達がバチカンの聖職者として登場するので、とても画力があり、映画の迫力が凄かった。
ストーリーが難しくて、鑑賞するには宗教的知識が必要なのかと思いきや、描いてるものは案外普遍的な問題で、話自体はシンプルだった。万人にお勧めしやすい映画だと思う。
(新教皇が決まったら白い煙を打ち上げ、まだ決まらなかったら黒い煙を上げるということは知っておくといいかも)
この映画はとにかく「かっこいい」。出演者、舞台セット、音楽、撮り方すべてが素敵で、
見惚れながら鑑賞していた。
また観たいし、アマプラとかで購入オプションがあったら購入して、家のテレビに流し見用に映しておきたいくらい。
謎のタバコ喫煙ポイ捨てシーンは何の表象なのか?
始まってすぐ、複数の枢機卿が広場で固まって喫煙している。その後、その場の大量のタバコのポイ捨て散乱シーンが出てくる。カトリック聖職者たちのマナーの悪さ、不道徳性を告発しているのか?それともカトリックの歪んだ寛容性を表現したかったのか?または、昨今の厳しい喫煙規制への当てつけなのか?その後も随所に高位聖職者たちの喫煙シーンが出てくる。概して彼らは携帯灰皿様のものは所持していない。おそらく喫煙後はポイ捨てするのだろう。バチカンの聖域はタバコの吸い殻だらけなのか。こんなこと実際にあるのだろうか。謹厳な特に英米のプロテスタント諸派から見たら、確かにカトリックはユルユルでダラシがない様に見える。事実プロテスタント末端信者の自分もそう言うイメージを持っている。製作者はアンチカトリックなのかと思うのは穿った見方なのか、、、
余分な台詞、余分な場面一切なし
すべてがこの映画を構成するのに必要なパーツ。
これはコンクラーベで表現した世界の現在地。
惜しむらくは自分はキリスト教徒ではないので
おそらく比喩で表されたすべてを読み取ることができなかったであろうこと。
良作でした。
後半の展開は予想を裏切る
枢機卿たちのドロドロとした権力闘争は、どの世界でも綺麗ごとでは済まされない。
前半はややもっさりとした展開が続くが、システィーナ礼拝堂での爆発をきっかけに物語が一気に動き出す。そして、観客が「この人が選ばれるのでは?」と思った人物が新教皇に選出される。物語はそこで終わるかと思いきや、まさかの秘密が明かされ、衝撃のラストを迎える。
先週『エミリオ・ペレス』を観たばかりだっただけに、対照的なこの二本の映画に、今の時代を映し出すものを感じた。
全739件中、401~420件目を表示
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