教皇選挙のレビュー・感想・評価
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選挙でこんなに面白くなるの!?
選挙の揉め事、戦略、陰謀…そんな映画かと思って見に行ったらミステリー的な要素も強いし戦争についてふれたり、様々な社会的なテーマが盛り込まれていて驚いたと同時に映画としてめちゃくちゃ面白い。エンタメ要素もしっかりとある。そしてまさかそういう話に行き着くとは。脱帽です。アカデミー賞決まる前に見ていたら、アノーラは好きな作品だが、アカデミー賞は教皇選挙が獲るだろうときっと予想していたに違いない。みんな、アノーラ好きなんだな(笑)とにかく、教皇選挙めちゃくちゃおもしろかったです。
衝撃、そして沈黙
LGBTQのカトリック信徒の視点から
私自身、LGBTQのカトリック信徒なのですが、その視点から見てとても面白かったです。こういう舞台設定なので当たり前なのですが、作品中盤まで、主な登場人物がほぼ高齢男性(枢機卿)のみで描かれます。その対比として、枢機卿の食事を作る人、そのための食器を確認する人は、女性のみ。聖職者は男性しかなれないという厳格なカトリックの教えは頭では理解しているものの、やはり「なぜ教皇や司祭は男性しかなれないんだろう」とスクリーンを見ながらぼんやり考えていました。でもまさか、その疑問が最後に回収されるとは予想していなかったです。
現実的には、史上最もリベラルなフランシスコ教皇でさえ、(おそらく保守派への配慮ゆえ)同性愛を公式には認めることはありませんでした。そのバチカンのトップにセクシュアルマイノリティの人物が就く──はるか未来の話かもしれませんが、映画というエンターテイメント作品ならではのストーリーとして、当事者である自分はとても勇気づけられました。
バチカン、こんな風に変わってほしい!
幾つになっても権力は魅力で魔力なのか。
めちゃ面白かった!!
それぞれの思惑と良心と信仰に揺れ動く、偉い人達(もうこの言葉が一番しっくりくる)の心理描写に、音楽がまたうまいこと乗るので、すごーくドキドキしながら観たわ。
考え方の違いで、それぞれを応援する派閥も生まれるのはどんな世界でも同じだけど、宗教家だから何一つ悪な所はないというわけじゃない。
なんかそうだよな、この人たちだって人間だよな、しかもお爺ちゃんだし今までの人生全ての考えの集大成期だもんな、そりゃもう癖強だし頑固だし思い込み激しいし人の話聞かないし、うん、そりゃそうだよな、と納得しながら観たわ。
そのお爺ちゃん達の表向き上品に進む権力争いの中、絶妙に挟み込まれる伏線がまた良い。
少しずつ感じる違和感と疑問がざーっと解かれるラストは圧巻。
(ちょっと途中から読めたけど。でもそれでも面白かったからいいの。)
後音楽が本当良かった。
重厚でドラマチックで没入感に一役買ったと思う。
予測不能のラストに感動
アカデミー脚色賞と言う事はオリジナルがあるのかなと思ったら原作小説があるんですね。
コンクラーベはダヴィンチコードシリーズの「天使と悪魔」で知りましたが僕のような無神論者とは違ってキリスト教徒にとっては大変なことなんだろうし、この映画の見方もだいぶ変わってくるのでしょう。とはいえしっかりとミステリー仕立てのエンターテイメントに仕上がっているので、挫折することなく見ることができます。
ローマ教皇ともなれば政治家どころではない清廉潔白さが求められるしどんな小さなスキャンダルもあってはならない。もしトラなんてもってのほか。でもこの選挙って立候補制ではないんですね。で、全枢機卿が集まってるはずなんだけど日本人の姿は見えなかったですね(日本にも枢機卿はいます)来てなかっただけ?
退屈な映画なのかなと思っていたらとんでもない。画面から来る圧に圧倒されて片時も目を離せない素晴らしい映画。予測不能のラストに感動させられました。
もし
もしあそこでテデスコが弁舌を振るわなかったら教皇はテデスコになっていたのだろうか、そう考えるとこの映画の最大の教訓は「口は災いの元」ということかもしれない。
あと、思想的にリベラルな人間が最後は勝つという筋書きにややモヤッとした。
最後の秘密の暴露はそんなアホなと思ったが面白かったしエッと驚いたのでアリってことで。リベラルな前教皇やローレンスにも無自覚な固定観念があったことを暴いたのかも。
満足度高し!
タイトルから勝手に(これは少々退屈な映画かも?)と想像し、覚悟を持って鑑賞したものの、いやぁ面白かった!好きですね、こういうの。
序盤は人(役)の名前と顔が一致せず(誰のことかな?)と混乱したり、(ローマ法王とローマ教皇は一緒?違うの??)などと考えてたりしましたが、すぐに物語に引き込まれていました。(現在はローマ教皇の呼称で統一されているようですね)
重厚な雰囲気の中に枢機卿ら聖職者の俗っぽさもはさんでいてそのバランスがとても良いです。
ストーリーはコンクラーベという教皇選挙の裏側をミステリー仕立てで描いたもので、聖なるものと俗っぽいもののコントラストが時にユーモラスで興味深かったです。
衣裳や建築・美術、色づかいや構図など緻密に計算された映像がとても美しく、それを見てるだけでも大満足。
渋味の増したレイフ・ファインズ、スタンリー・トゥッチ、ジョン・リスゴーらの演技も素晴らしかったです。
第97回アカデミー賞には8部門にノミネートされ、脚色賞を受賞。十分それに値する作品。
いや作品賞も私はこちらが良かったですね(あくまで個人の意見ですw)。
【考察】ベニテス=現代版キリスト?
非常に質の高い映画と感じた。
絵も奇麗だし、首席枢機卿の法衣やシスティーナ礼拝堂のセットも重厚感があり威厳と権威を感じさせるに十分だった。
教皇選挙に集められた次期教皇候補の枢機卿たちは、不正を働き私腹を肥やすもの、欲におぼれて女性と不倫関係に陥るもの、あからさまな人種差別的発言をするもの・・・最有力候補になったかと思えばそれらの致命的な失策が露わになり、威厳も権威もあったものではない。
しかし、最終的に教皇に選出されたアフガニスタンのカブール教区のベニテス枢機卿は清廉潔白を絵に描いたような人物。前教皇は彼の人格を見込んで亡くなる前に様々な仕掛けをして最終的に彼が教皇に選ばれるように手を打った。そしてその通りに事が運ぶようにローレンスが表に裏に疾駆するのである。
私はベニテス枢機卿とは、まさに現代に生きるキリストではないかと感じた。
彼の属するカブール教区のあるアフガニスタンは国民の99%がイスラム教という、キリスト教布教には困難極まる地域であり、そこで布教活動に心血を注ぐ彼はまさに困難な中でも最後まで神の御意思に従い伝道を続けたキリストと言えると思う。
また彼の告げた教皇名はインノケンティウスであり、イノセンス=無垢・純真につながる名を選んだのも深い意味を感じる。
そして、これはどなたかの感想にありその慧眼に感服したのだが、ローレンスがひそかに選んだ教皇名はヨハネであり、これはローレンスの役割をキリストに洗礼を施した洗礼者ヨハネになぞらえたのではないかという意見である。私はこれに全面的に賛成だ。
洗礼者ヨハネはキリストが洗礼を受ける前に神託により布教活動を行い、キリストが布教活動を行うための布石を敷いた人物である。ローレンス(ヨハネ)が前教皇(神)の意思に従いベニテス(キリスト)の教皇就任をするという構図が見事に成立しているのではないだろうか。
爆発事件の後、いきり立って好戦的になるテデスコに対し、戦うべきは自分自身であると諭す姿は、ゲッセマネの園でキリストを捕縛するために来た大祭司の奴隷の耳を切り落としたペテロに「戦いでは人々は救えない」と諭すキリストに重なるものを感じた。
となると教皇になったベニテスを待つ未来はどんなものになるのか・・・。その先について考えるのも面白い。
考察しがいがある
「困り顔のローレンス枢機卿…」
きちんと集中して観られる環境で是非観てください
好みの作品だったという0.5点を加えた上で。
レビューの得点が高いのに納得。
非常に面白かったし、よく出来てるすごい映画だなというのが感想。
カトリックの知識がさほどなくても充分楽しめるし、登場人物が多くても誰が誰だかわからないとさせない。
一人一人の秘密やら思惑やらが順に暴かれていくからストーリーわかりやすい。
引き込まれた。すごい。
ガチガチの歴史と伝統のカトリックの総本山で
謎とやたら人間臭いドラマが繰り広げられるわけで。
実際のところはわからないが、でも実際にも色んな人の思惑が入り乱れてコンクラーベは行われてるんだろうなと思ってしまった。
教皇は最も神に近い人の一人かもしれないが、人間だもの、の一言で済ませてしまうのはよくないかもしれないが、そこが面白いんでしょうね。
オチは好き嫌いがあるとは思うが、そう来たかと驚かされてやられたのでよし。
文句なしに人に勧めたくなる映画なので久々に満点。
あの赤色のお帽子は、どうしてあんなにジャストフィットしているのか?...
◇ 閉鎖世界と相対主義と
ローマ教皇という称号を聞いて思い浮かべるのは「カラマーゾフの兄弟」の大審問官、もしくはカノッサの屈辱のグレゴリウス7世。ローマ帝国の時代から脈々と続く権威、保守の中の保守、組織としてのキリスト教の中心。バチカン市国の元首という政治性。
次のローマ教皇選出の過程をミステリアスに描いているこの作品は、カトリック教会の中心であるローマ教皇庁の閉鎖性、隔離性をシスティーナ礼拝堂という強固な枠組みの中に再現しています。舞台の壮大さ、厳しさ、白をベースに赤を配した画面構成に圧倒されます。
一方で、その物々しい雰囲気とは裏腹に、繰り返される投票の判断基準は、陰謀、差別、スキャンダルなど下世話な相対主義に右往左往しています。昨今のポピュリズムに支配された選挙結果と社会情勢を皮肉っているようでもあります。
もう一つは多様性。人種、性別などに基づく偏見や対立をいかに包含しながら運営していくのか。個々の信仰の形と教団化した組織としての形、その相克から生じる問題でもあります。
伝統と歴史を積み重ねてきた教会、傍目には大人気ない議論を重ねる枢機卿という権威を持つ老人たち。それぞれの思い悩む姿の中に少年のような稚拙さが浮かび上がってくるドラマそのものがリアルなミステリーです。政界や企業の経営層でもリアルに繰り広げられている人間喜劇(悲劇)を再現しているようで、恐ろしくもある物語でした。
確信と寛容の狭間で
不覚にもコンクラーベ直前の謀議(話し合い?)の辺りで少し眠ってしまったが、その後は物語に引き込まれ集中して楽しめた。
おそらく公の場はラテン語で式次第が進んでいたのだろうが、これを理解できる素養が求められる場なのだなというところ、我彼の差異にまず面食らってしまった。
男だらけ、妻帯も許されない、閉じられた世界線。女性が日陰に追いやられているのは、12人の使徒が男だったことに由来しているらしいが、この世界観が許容されるならば、イスラム教によって立つ、歪な世界観も実のところ批判することが難しくなるのではないか、という思いが頭をよぎる。日本にも未だ女性が排されている領域は少なからず存在する(祭り、修験道など)のだが、どこまで許容されて、どこまでが許されないのか。他者の意見を聞いてみたいところだ。
さて、コンクラーベ。枢機卿といえども人間で、自身をコントロールすることは難しい。組織にいれば上に行きたくなるし、異性がいれば欲に負けることもある。権謀術数、権力をめぐる闘争。日本の寺社もこんな感じなのだろうか?そもそも世界各国に散らばっている枢機卿の個々の人間性なんて、理解することも難しいようにも思うのだが。
ラスト、まともそうに映ったカブールから来た枢機卿の抱える真実。こんなことが本当に現実となったら、世界がひっくり返ると思うし、実際どうなるのか見てみたい。何か抱えているだろうとは思ったが、こんな方向から攻めてくるとは。なかなかどうして、不意を突かれ良かった。
鼻息
見どころは狼狽するレイフ・ファインズ
狼狽するレイフ・ファインズと、コンクラーベの混乱を楽しむ作品。
世界最古の家父長制と言われるように、甲斐甲斐しく働くシスターアグネスなどシスターたちはカトリック教会のヒエラルキーから除外されているようにみえる。宗教×慣習という二つの重しを取り払うことは難しいのだろうがそれにしても外野からみれば歪な構図にしかみえない。
コンクラーベは遅々として決着がつかず困惑するローレンス枢機卿を嘲笑うかのように次々とトラブルが彼を襲う。結末というかローレンスが最後に知ることになる事実はなかなかの衝撃だったけど、全て教皇の狙い通りとするには、あの胸を打つスピーチは自然な流れだからこそ心を掴んだような気もする。それも含めて、材料は与えたからどうなるかと一番楽しんでいたのは前教皇なのかもしれない。
最後のエンディングが納得できない
コンクラーベは「天使と悪魔」の原作と映画 (トムハンクス主演)で基礎知識はあったものの、最後の結末、エンディングが納得いかないかな。最近の映画はいつもこれ。エンディングを除けばとても面白かったのに、残念。
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