「雰囲気に対して内容中身の薄さがあるような」教皇選挙 にあさんの映画レビュー(感想・評価)
雰囲気に対して内容中身の薄さがあるような
えー?ここからが面白くなるところじゃないの…?
というところで終わってしまった。
療養先としてスイス ジュネーブを出すことで
安楽死志願だった、自ら命を絶つ系の禁忌かと
ミスリードさせられたところが
おお〜となるところで良かった。
首席枢機卿の選挙前の説教とても良かった。
首席枢機卿、ヴォルデモードだったんだ!の驚き。
外国人顔も名前も覚えられなくて相関図片手に観た。
重厚感のある音楽や映像など
全体的に雰囲気が綺麗なところも良かった。
最後に教皇に会って役職を解かれた、
票を買収し、黒人枢機卿を辱めた、とされた枢機卿は
ほかの票を落とした枢機卿たちと違い
明らかな自白や失言などもなく、
陥れられた可哀想な人に見えた。
あんなやり取りした上で今後も一緒に
組織運営していくのは地獄すぎるなとも思った。
黒人枢機卿は教皇になれないどころでなく
聖職者としての職を追われるべきだと思う。
禁欲云々以上に、子供に対しての言い草、
女性に対しての逆ギレ、
失態への反省がない上に開き直った態度、
全部が人として最低すぎる。
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私は無教養でカトリックについて全く知識がなかったため、見始めてからこれはちょっと難しいな?と思い、途中で止めてカトリックについての知識を詰めるなどしたので、知見が深まったという意味では観て良かった作品だけれど、最低限の一般教養のある人からしたら、これだけ重厚そうな作りの長尺に対し、ミステリー感も複雑さも、描かれていたテーマやメッセージ性にも物足りなさを感じるものなのではないかなと思った。
彼らは聖職者であり理想であるべき人々だが、所詮人は人であること、や、信仰による霊的判断を謳いながら社会政治など世俗的なものが大きな判断材料となる矛盾、教皇選挙という隔離された空間での本来公にならない特殊性や伝統、がテーマにあったからこそその強調ために、明確な証拠なしに噂や伝聞だけで票が動くという描写になったように思うけれど、物事の透明性や論理性、整合性、合理性の目線を向けてしまうと少し気持ち悪さが残る。
