「骨太な骨格を持つ作品」教皇選挙 mark108helloさんの映画レビュー(感想・評価)
骨太な骨格を持つ作品
こ、こ、これは・・・これは現世ある神の国の腐敗と失望に屈することなく何ともシニカルでかつかくもセンセーショナルな、まさに今あるとしたらかくあるべきたる神の国を描いた作品であった。その仕立てはサスペンスであり、どこまでも人間的でドキュメンタリックでありながら、表現者の擁したこの結末はもうこれ以上ない宗教的で汎用的で、反宗教的でありながら何よりも真の信仰と実存に根差した、人間存在の究極を問うものであります。神の国を描きながらここには一切の神が存在しない・・・それにも拘らずその最後に神の光が照らす先が描かれた見事な宗教映画となっている。
言うに及ばずの傑作でした。
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