「教会巨大組織のスキャンダル合戦」教皇選挙 HGPomeraさんの映画レビュー(感想・評価)
教会巨大組織のスキャンダル合戦
結果的には面白かったです。
が、盛り上がりに欠けるシーンも多くあり少々「ダレる時間」もありました。
……不覚にも、第3回投票の終わりから第5回投票の始まりまでの間、意識を失ったしまいました。
ちょっと盛り上げ要素の一つの「音楽」が、同じテンポが多く、演出も極度の誇張した表現を抑えていたのか、盛り上がれなかった自分がいました。なので、眠気に……。
さておき、教会内のしかも最上位の教皇を選出する場が、あまりにも「俗世的」過ぎて、スキャンダラスまみれの欲望まみれの利己的まみれ。
そこがある意味で、聖職者とはいえ人間だもの「ですよね~」と、映画として面白く見れました。
はっきり言って、選出された代表格には誰一人としてふさわしい人がいなかったことが、風刺的な見解も織り交ぜて制作されたのかなと思ったりします。
あくまでもフィクションなので、余りにも選出されるには不適合の人物たちが普通に候補に上がり、もしローレンス枢機卿が取り仕切らなかったら、そんな人物が教皇になっていたと思うと、「ただの会社組織じゃん」と、思う次第でした。
そのローレンス枢機卿でさえ、感情的で利己的な人物像として描かれていましたので、聖職者って何なんだろうと呆れていた矢先、唯一の「適合者」選出がギリギリの最終投票で出現。
ベニテス枢機卿。
まず協会自体において選挙初日直前まで存在が隠されていたり、活動していた地域が過酷な地ばかり。
物語の途中途中、淡々と存在し自分の信じるものを曲げない、冷徹に見える態度。
最後の身内会談の際に、今まで奇妙なほど他の聖職者たちが口にしなかった、余りにも慈悲深く聖職者らしい発言。
そして当確。からの、「実は……」とローレンス枢機卿に打ち明ける同僚聖職者。
このくだりの時点で、今までのスキャンダラス合戦から考察して、病院?え、薬物?二重人格的暴力者?
もしかしてベニテス枢機卿は反社会組織関係者?教会の計画的支配??などと、どうしようもない人間の集まりの中において、ある意味期待をしていたら……あの展開は、正直感心しました。
そして、エンドロールを見ていながら考察したのは、以下。
①ベニテス枢機卿の姿がまさにキリスト様を連想させており、そのスキャンダル内容も、キリスト様を連想させるものだったのでは。
※キリスト様は性別に関しては明確な表現がなかったはず。
②その存在に、故教皇はキリスト再来を想い、あえて周囲の目から遠ざけていたのでは。
③聖職者とはいえ、組織は所詮俗世的である事は必然だし避けれない。だが、上層部ではない聖職者達は、心から慈愛を信じているという事に意味があり、本作の教皇選出は、真の聖職者の出現を期待するメッセージも込められているのかなと思えました。
④また老婆心的に、歴史を振り返ると「真の聖職者」は欲望の権化である人間社会からは、いずれ必ず滅ぼされてしまうのも運命なのかも……とも思ってしまいました。
以上、結果的に結句の「観せ方」はとても感心しましたので、観てよかったと想いました。
最後に、本当に普通の会社組織の役職者達だったなーと思いながら、面白く感じながら帰路についた作品でした。
ノーキッキングさん。
コメントありがとうございます。
教皇は大統領の様なものなのですね。
確実な人格者しか選出されないなら、国そのものが夢物語のような聖なる国となってそうですよね。
それは確かにあり得ませんね。
おっしゃるように、出来レースですね。
ベニテスは、夢の様な人格者ゆえに、後日談を考えると、政治の場においてはかなり苦労しそうです(;^_^A
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