「難解かなと思っていたらそうでもなかった。」教皇選挙 蜻蛉さんの映画レビュー(感想・評価)
難解かなと思っていたらそうでもなかった。
面白いと噂程度に聞いていたので、そろそろ上映も終わりかなという頃合いで観てきました。
なんと、200人くらいは入りそうな客席は私たった一人(笑)
平日の午前中とは言え、たった一人は初めての経験でした。
「登場人物が多いので覚えるのは大変かもしれない」
という話もちらっと聞いていて、私はその登場人物名を覚えるのが大の苦手なので、登場人物の多かった『オッペンハイマー』では遂に誰が誰だかわからず話が全然頭に入ってこないという失敗を犯しました(クリストファー・ノーラン映画はそもそもがいつも難解だけど)が、この『教皇選挙』は、登場人物がほとんどキャラがはっきりしていて、そういうことはありませんでした。話も実にわかりやすい。
なんたって、世界14億人?くらいの信者を束ねるカトリック教会の頂点に立つ教皇を選ぶコンクラーベ。近年は、キリスト教会の偉い人が性的スキャンダルに塗れることも珍しくないご時世、しかも選挙中はバチカンの中の狭い敷地で、徹底的に外部と遮断されて、極めて秘密裡に実施されるというその選挙。そこにスキャンダルを含ませたら面白くならないわけがない――。
派手なシーンはそんなにありません。ですが、演じてる俳優陣は年季の入った年寄りばかり、っていうか実際、何本も映画やドラマに作品に出てきた名優ばっかりで、ですから、ちょっとした会話シーンでもみなさん演技が上手なんですよ。燻銀の演技というかなんというか、ああいう味みたいなのは、失礼ながら若い俳優さんには出せないでしょうね、きっと。
ともかく、話は単純明快、「最終的に教皇に選ばれるのは誰か?」ってだけです。これ以上は黙っておきましょう。極上のミステリー映画でした。
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