「タブーの本丸に切り込む」教皇選挙 REXさんの映画レビュー(感想・評価)
タブーの本丸に切り込む
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奇しくもリアルにコンクラーベが行われている今、ロングランの様相を見せている「教皇選挙」。やっと見ることができた。
昨今の多様性を声高に叫ぶ映画とは一線を画した重厚さで、人間の本質に切り込む内容。
また哲学的でもあり、教皇庁に仕えるのではなく神に仕えているというセリフや、疑い考え続けることこそ信仰というセリフなど、隅々までじっくり考えさせられた。
新教皇の告白には、胸を打たれましたね。
ローレンスの封蝋破りから始まり、衝撃のラストまで、数千年のカトリックの伝統を破る(ことになる)というタブーに切り込んでるし、最高に面白かった。
ローレンスが投票したときの爆破シーンは、彼の心象風景で心臓発作でも起こしたのかと一瞬ドキッとしましたよ。
チェスの駒のように亡き教皇が先を読んだとおり、彼が正しき導き手だったことにも、唸らされました。
それにしてもマリア信仰はカトリックでも大人気であるにも関わらず、ペテロが建てたバチカンは頑なに女性を排除している。
見えない存在であるシスターたちが笑いあいながら外に出てくる場面は、女性は決して見えない存在ではないという意味がこめられているのでしょう。
もしくはやっと、ローレンスも、今まで空気のような存在だった彼女たちが目に入るようになったということかもしれませんね。
政治的なスキャンダルにまみれた内部事情は知りたくもないが、教会の秘儀そのものは興味深く拝見しました。教皇の私物は、実際には死後どのように扱われるのでしょうね。
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