「選挙を通じて「教え」を観る映画」教皇選挙 まだらぼっちさんの映画レビュー(感想・評価)
選挙を通じて「教え」を観る映画
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この映画は、枢機卿の人間らしさを楽しみつつ、鑑賞者に宗教の教えを説いたものだと感じました。
カトリック教会という宗教の中でも最大級の組織における枢機卿というと、なんと高貴な人間であろうと小市民である私は思っていました。
しかしながら、枢機卿らはタバコを吸い、吸い殻が地面に捨てられたシーンすら描かれています。
物語の起伏を生み出す権威や性といった欲に塗れた者たちのギャップは、我々とそう遠くない人たちのように見えます。
特に好きなシーンは、最終投票の前、爆破された窓から光が射すシーンです。
息が詰まる部屋の中で様々な思惑が渦巻いて続いた選挙でしたが、淡い光に照らされて一斉にペンが走り出す枢機卿たち。
きっと新たな教皇と、それを選んだ枢機卿たちによってつくられる教会の明るい未来を描いているようでした。
人間らしさをもつ枢機卿たちと重ねて、きっと我々にも明るい未来が待っていることを感じさせます。
暗い映画館から外へ出て太陽の光を浴びたとき、自分のなかにある確信に固執せずに寛容をもたらしていけばいい。最後のどんでん返しで主人公がそうしたように。
そんなことをこの映画から教えてもらったと思います。
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