劇場公開日 2025年3月20日

「神聖性の頂点を目指す世俗的な集団の物語」教皇選挙 Taichanさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0神聖性の頂点を目指す世俗的な集団の物語

2025年4月9日
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鑑賞方法:映画館

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映画を見終わって改めて調べると、カトリックの聖職者は、司祭以上で40万人を超え、助祭、修道士、修道女、宣教師を含めると150万人以上になるらしい。

コンクラーベに参加する100人余りの枢機卿は、このヒエラルキーを昇りつめた一握りの集団であり、信仰心に加えて世俗的な政治センス無くしてここまで辿り着けなかっただろう。

この映画は、世俗的な政治家の集団が、選挙で神聖性の象徴を選ぶ根本的な矛盾を、陰謀やサスペンスの要素を取り入れながら、過度に貶めることなく見事に描き出している。

光と影、赤と白を象徴的に使う美しい映像とストリングを多彩に使った音楽、出演者の重厚な演技で彩り、宗教を取り巻く時事トピックスを取り入れながら驚きと希望を感じるクライマックスまで一気にテンポよく進めるストーリーで完成度の高い上質なエンターテイメントに仕上がっている。

多少ご都合主義なところはあっても、見終わった後、素直に良いものを見たなと感じられる映画だった。

Taichan
ノーキッキングさんのコメント
2025年4月9日

政教一致のバチカン市国は、教皇=統治者の二役。劇中にある、我々は理想に仕えるる人間にすぎない、との台詞。
少し前に、教皇になりたくなくて逃げ出す枢機卿の映画もありました。

ノーキッキング
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