劇場公開日 2025年3月20日

「一級のエンターテイメント」教皇選挙 自分BOXさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5一級のエンターテイメント

2025年3月26日
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鑑賞方法:映画館

興奮

知的

選挙権と被選挙権両方を持つ人間が一ヶ所に集められ「3分の2以上の票を得た人物が選出されるまで何回でも選挙はやり直しまーす。その間、お前らはこの場所から出られませーん。外部との連絡も一切禁止でーす」

デスゲーム系の作品にも応用出来そうなこのルール。こんなの参加する人間各々の思惑や策謀術数入り乱れて否応なくドラマが生まれるに決まってる。

これが世界最大規模の宗教のトップを決める方法と知って、正直「バチカンって、こんな面白そうなイベントを何百年も続けてたのか!」というのが第一印象でした。
(wikiで調べたところ、最初期の教皇選挙は枢機卿たちを宮殿に閉じ込め、鍵を閉めて、外部との関係をいっさい絶たせ、食料もパンと水だけを供給し、武装した人たちで城を囲ませ、他の食事を運び込ませなかったそうです)

ここにカトリック教会が今までに児童への性的虐待とそれを隠蔽していた背景。改革派と保守派の派閥争い。枢機卿同士でも起こる人種差別や女性軽視の問題等が加われば話のネタには困らないですし、不謹慎な言い方をすればエンタメの題材として一級品なんでしょうね教皇選挙って。

事実、娯楽作品としてちゃんと面白かったです。

ただ「あー、面白かったー」だけで消費する作品ではなく(もちろん、そんな映画も大事だし大好きなんですが)、観賞後に1つか2つ持ち帰れる物がありました。

『確信は罪』という説教と「常に疑念を持ち続けなければならない」という演説の下り。あれは自身の信条や昨今の世の状況にも当てはめて行こうと考えて映画館をあとにしましたよ。

あと、教皇選挙の開始直前につるんで煙草を吸ってる枢機卿達がまるで、トイレに隠れて煙草を吸う中坊みたいで微笑ましくも情けなく「偉い坊さんってだけで尊敬しちゃ駄目だな」と確信しました。(←おい、それも駄目だろ)

自分BOX
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