劇場公開日 2025年3月20日

「私たちはどこまで包容的になれるのだろうか?」教皇選挙 Tofuさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0私たちはどこまで包容的になれるのだろうか?

2025年3月24日
iPhoneアプリから投稿

純粋に謎解きミステリー的な展開だけでも面白い。保守派と改革派の対立や、閉じられた世界で炙り出される人間の本質など、教皇庁だの、枢機卿だの、システィーナ礼拝堂などと言われてもピンとこないという人であっても、自国の政治家や自分の勤め先などの権力闘争などと重ね合わせてみることもできるので、普遍的な人間ドラマとして楽しむこともできる。そういえば、大文字にしない catholic という形容詞には「普遍的な、万人に共通な」という意味もあった。

そして、普遍的だからこそ、締切られた狭い空間の中だけの物語ではなく、テロや戦争、人種差別や性差別などの外の現実世界で起きていることとのリンクを意識せざるを得ず、教会ですら無関係ではいられないことを描いている。

本作の中身をヴァチカンが容認することはないであろうが、本作の伝えたいメッセージの方向に世の中の流れが向かっているのかどうか、実は逆流しているのではないか、と自分自身に問い続ける必要があるだろう。

Tofu
ノーキッキングさんのコメント
2025年3月25日

政教一致のバチカンでは教皇と市国の統治者という矛盾をかかえて生きるタフなメンタルが必要ですね。

ノーキッキング
PR U-NEXTなら
映画チケットがいつでも1,500円!

詳細は遷移先をご確認ください。