「Condensed, profound, majestic mystery.」教皇選挙 Sueさんの映画レビュー(感想・評価)
Condensed, profound, majestic mystery.
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“Certainty” 確信、この言葉が脳裏に焼きつき、その意味を問い続ける私がいた。Cardinal LawrenceがConclaveの開始を告げるspeechで語り、映画ラストパートでも言致されるword. 人は物事に対し確信ありきと決断を下し行動に移る。しかし、確信と疑念のはざまで揺れ動き真の正当性に悩めるのが、人間の本質である。Ralph Finnes演じるLawrence、今自らがすべき正しい事とは何なのかと苦悩する姿は凄みすらある。“Manage!” と覚悟を決める彼の決断と責務は余りにも重い。
Sistina礼拝堂で彼が最後の票を投じたその時、爆音と共に天窓が破れ光と空気がCapelに流れ込み煙った静止場面は、まさに神が“最後の審判”を下した瞬間を捉えた中世の絵画のようであった。
聖職者達が、キリスト教頂点の権力の座を狙う様々な陰謀と策略の末に、ベニテス枢機卿が選出され、納得の結末かと思いきや、予想打にしない彼の真実。これも神の所業か、再度苦悩するLawrence。
Conclaveの終わりと共に平和な日常が戻り、無垢なsister達が明るい声を発し扉の外に出る姿を、窓から見降ろす彼の穏やかな表情が、安堵を与えてくれる。
素晴らしい、映画の醍醐味でした。
PS 世界24億人のキリスト教徒の最高権威である教皇の私室が、遥か予想外に質素で慎ましやかであることには、とても驚きました。
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