「全てはポープの掌の上」教皇選挙 きーろさんの映画レビュー(感想・評価)
全てはポープの掌の上
見事なまでに渋いキャストしか出てこないのに
セットと衣装と小道具の豪華さに加えて
色彩設計と構図が美し過ぎてため息しか出ない。
オレって枯れ専だっけ?って思うくらい出てくるジジイが全部オシャレでカッコ良くて釘付けだし、単調になりがちな室内劇のストーリーもBGMやイベントで飽きさせないような工夫はされているんだけど…寝ちゃう人は寝ちゃうかも。でも寝息かと思ったら劇中の息遣いだったりするし。
トランプ大統領のポリコレ全廃宣言前の映画界の政治的文化的トレンドをこれでもかってくらい詰め込んであるストーリーは、この地位まで上り詰める聖職者が清廉潔白であるわけがないという観客の期待通り、有力候補が失脚していく様子をイヒヒと楽しむ映画なのかと思ったり。
ストーリーを回していくローレンス枢機卿は「教皇は私にこの選挙を仕切らせたかった」と薄々気づいてはいたけど、このコンクラーベを陰で操っていたのは間違いなく亡くなったローマ教皇。全ての伏線を貼り巡らせて、じゃあローレンス頼んだよって。お前のことだ、規則を破って寝室だって漁るだろ?あとお前は教皇になろうなんて野心は無いだろ?ってポープの千里眼が過ぎるけど、一瞬ジョン(まあイギリス人だしね)って教皇名考えてたりして危ういバランスは最後まで続くわね。
................こっからネタバレ?.................
教皇名といえばイノケンティウスだけど11世以外はそこらの王様より権力持ってて好戦的でゴミみたいな教皇が多いもんなあ。なんでこの名前を選んだか?まあ調べてみてよ面白いから。
あとやっぱ神様はいるんだよ的な描写は、唯一神よりも明らかに自然神っぽかったわね。
それではハバナイスムービー!
かなり冒頭のシーンで、前教皇のノートをローレンスが、チラ見してました。きっと、部屋に侵入させることも計算されてた。と私は感じてました。爆発ですら、あの議論を生むためのエサだってのか?と疑ってます(笑)