アプレンティス ドナルド・トランプの創り方のレビュー・感想・評価
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後味はホラー並み
ちょっと凄いの観たという感じ。
過去の人物伝だと客観的に観ることが出来るが、
本作は現在進行形の人物であり、まさに現実と地続き。
この4年間、何度も話題に出る映画ではないか。
今のタイミングで映画館で観られたのは本当に良かった
ロイコーンの帝王学である「勝者の3つのルール」もシンプルであるがゆえに
スッと人の心に入ってきて、何が大事なのか本当に分からなくなる。
人生に迷っている人は観ない方が良いかも。個人的には物議をかもした「ジョーカー」より
インパクトが大きいと思う。
役者ってすごいと思った。セバスチャン・スタン、段々今のトランプに見えてくる。
映画の余韻はホラー並み。今後の米国、経済等目先は良くなるかもしれないが、中長期的に見ればやっぱり不安の方が大きいなぁ。。。
ウインターソルジャーがトランプ、、!!
妖怪から怪物への伝承
現実世界でのトランプ大統領再任と映画公開が同時と言うすごいタイミングだけど、時節ネタだけではない非常に見応えのある作品で、2時間があっという間でした。不動産会社を経営するアクの強い父親とパイロットで颯爽とした兄に挟まれ、自信のなさそうな御曹司のトランプ青年が、辣腕弁護士ロイ・コーンの指南のもと成功していくのが前半のストーリーです。このロイ・コーンと言う男のキャラが強烈で、アグレッシブで冷酷な性格は上流社会の伏魔殿に巣食う妖怪のようです。ところが、中盤からトランプが自信と欲望を肥大化させ、身振り手振り、口調や目つき、体型まで変化していくにつれ、ダークサイドの師弟関係が逆転してくるのでさらに面白くなってきます。妖怪のような風貌のロイ・コーンがどんどん萎びていくのに、その妖気を吸収したトランプ青年が、師匠や親兄弟、家族まで貪欲に呑み込んでいく異形の怪物へと変貌していくのは圧巻です。監督のアリ・アッバシはイラン出身だけに、外国人の視点で冷徹に70年代から80年代の時代の熱気の中でのトランプ像を描く腕前は秀逸です。役者では、モノマネではなくトランプと一体化したかのようなセバスチャン・スタンの熱演が素晴らしかったです。マーベルに出ていた時,こんなにうまかったっけ?また、ロイ・コーン役のジェレミー・ストロングも、まさに妖気漂う怪演だけど、しっかりと主役を盛り立てる見事なバイプレイヤー振りでした。
「ドナルド・トランプの創り方」
...という副題にあたるものは実際のところ、この映画には描かれていません。
映画が描いている物語は、初めから巨大な野心だけは持っているが、他には何も持たない若いロクデナシ(Bastard)が、悪名高い悪徳弁護士をロールモデルと仰ぎ不動産業界のビジネスマンとしてのし上がっていくストーリーです。
明らかな児童虐待や洗脳的環境の生い立ち、もしくは著しい貧困下でもない限り、いわゆる民主主義国家において、人は(それが無意識か、意識的選択かの違いはあるにせよ)自らロールモデルを選び、自分の人生を形成していくものです。勿論、その過程や環境が恵まれたものかどうかについては考え方次第で、個人差も大きいですが。人格形成や人生の出来事、結果の全てを第三者の影響によると見なすのは、無責任かつ短絡的すぎる捉え方だと思います。
一部の解説記事などでは、この映画について、善良な若者が怪物に作り変えられていく過程を...といった論調で語られている印象ですが、実際主人公が善良であるところは最初から最後まで一つも描かれてはいません。基本的にこの映画には、徹頭徹尾ロクデナシしか登場せず、少なくとも日本の一般市民が共感できるところが一つもない、というのが妥当な印象かと思われます。
"勝ち・負け"や"損・得"が基本的な価値基準であるアメリカ合衆国においては、世の中の"ある部分"をフラットに、リアルに描いた秀作、ということになるかもしれませんが。それでも、この映画を見て清々しいとか、勇気をもらった、とかポジティブな感想を持つ人はいないでしょうね。なぜなら主人公が、とにかく一般的に云われる道徳とか倫理観を微塵も持ち合わせていないロクデナシ(Bastard)として描かれているから。同時に、(その人物、人生自体を肯定するかどうかは別として)絶対に諦めないしぶとさ、執念深さを終始一貫示していることに理解を示すアメリカ人は一定数いるかも知れませんね。
シーンの多くは主人公のプライベートな場面(師と仰いだ悪徳弁護士や夫人、親兄弟との密室)での会話ややり取りから構成されており、多くは憶測や脚色の域を出ないものだと思われます。(インタビューや自叙伝などで本人達に語られた事柄が根拠であれば別ですが、そこは未確認。これまた筆者の"憶測"に過ぎませんが。)
いずれにせよ(製作者の意図がどこにあったかとは無関係に)、"結果的"に、これは彼の半生を描いた伝記映画というよりは、明らかに反トランプ氏プロパガンダ映画として出来上がった印象です。
では、そのプロパガンダは成功しているかというと、恐らくそうではありません。なぜなら、親トランプ派は「こんなのはデタラメだらけのフェイク映画だ」と言うでしょうし、反トランプ派は「やっぱり思った通りのロクデナシ野郎じゃないか」と言うでしょうし、どちらでもない人にとっては「胸くその悪いつまらないモノを見せられた」となるからです。結果、少なくとも反トランプ氏プロパガンダとしては機能せず、この映画がもたらすものは、単に「分断の助長」でしかない、ということになります。
ちなみに、映画の良し悪し、好き嫌いとは無関係に、この作品は、描かれた当時のアメリカ合衆国や主人公を取り巻く世界を、見事に再現しているように見えます。撮影が、セットや衣装や小道具など、ディテールに拘って手間とお金をかけて非常に丁寧に行なわれたことに疑いの余地はありません。また、主演のセバスチャン・スタンさんをはじめ、出演者の演技はどれも見事な出来映えです。あの"ウインター・ソルジャー"が徐々に(我々の知っている)トランプ氏に近づいていく様子が見事に演じられていました。その点では、最初から最後まで見る者を引きつける完成度の高い映画であるといえます。
トランプの「成長」をメンターたる弁護士ロイ・コーンとの関係を軸に描く。
映画は主人公の「成長」を描くものだ。弱いヤツから強いヤツへ、嫌なヤツから良いヤツへ、その「過程」が共感、感情移入できる作品が「良い映画」と呼ばれる。
本作もトランプの「成長」を描く。
時間軸としては15〜20年ぐらいなのかな。
野心あふれる若者が、その野心、自尊心、エゴ、ワガママを巨大化させていく姿を描く。
トランプの姪(精神科医)の著書ではあの性格は、独裁者気質の父親の影響で形成された旨の分析だったが、本作でその父親の存在感は希薄で「目の上のたんこぶ」程度の扱い。
それより弁護士ロイ・コーンに焦点を当てている。
今後、「トランプ作品」は数多く作られるだろうが、その時はまた別の視点になるだろうが、本作が「ベンチマーク」になるのは確実。トランプ役のセバスチャン・スタンも同様。
トランプは市民からどう思われていたのだろう?公聴会のヤジやインタビューアーの態度(チヤホヤする)がイコール「市民目線」となるだろうが、大統領選立候補以降の「熱狂的な人気」の片鱗も見えない。これは今後の作品に期待しよう。
願わくば、
アダム・マッケイ監督版とか、
サシャ・バロン・コーエン脚本&主演版とか見てみたい。
彼らがトランプをどう「料理」するか。
経済的に豊かになることは重要だBecoming Economically Prosperous is Important
原題は「The Apprentice」で見習いと言う意味。
世間を渡る術を知らなかった
若きトランプが、いかにして、
生き馬の目を抜く世間と渡り合っていくのか
を描いている。
反トランプの人からすれば、
【ほら見たことか、やっぱり酷い奴だ!】
になるんだろうな。
今のコンプライアンスからすれば、
出てくる有力者の数々は
とんでもないし、
あり得ない、だろう。
個人的な体験からすると、
1980年代から今世紀に至るまで、
SNSが発達するまでは、
世間はあんな感じだった。
今でもある意味変わっていないかもしれない。
(それは駆逐されつつあるが)
今から30年くらい前は、
大人たちはあれくらい荒々しかったし
ガチンコな感じだった。
その観点からこの映画を観た
と思ってくれれば幸いです。
若きトランプは、
野心家で、自分考えたアイデアで
生まれ育ったニューヨークを良くしよう!
良くしたい!と思っていた、と。
ただそのアイディアは、父親を始めとする
上の世代から、相手にもされていなかった。
そんな時、悪名高き弁護士ロイ・コーンと出会うのだ。
彼から学んだ世渡り術を
【真摯に学び?】、
夢を実現させて行く。
実際、彼のやったことで、
放置されていたマンハッタンに
投資を呼び込んだのは事実なのだ。
個人的にはこの映画を観て、
トランプさんは、
若い頃から一貫して変わっていないのかも
と思った。
自分のやれること、
その及ぶ範囲、
応援してくれる人を
経済回してみんなで豊かになろう
って言ってるだけな気がするのだ。
それらを実現するためなら、
交渉を厭わない。
つい先日、世界を驚かせ
物議を醸したアイディアも
そこに住む人たちを豊かにして
持続的に食べていけるように、
2度と争いの起こらない地にするために
本気で言っている気がしてならないのだ。
今の僕には彼を非難する人々の言動は
問題を解決に向けて1ミクロンも前進させない
【きれいごと】にしか聞こえない。
The original title is The Apprentice, meaning “trainee” or “learner.”
This film depicts how a young Trump, who was unfamiliar with the ways of the world, learned to navigate the ruthless and competitive society.
For those who are anti-Trump, this will likely be a confirmation of their views:
“See? I told you he was a terrible person!”
From today’s perspective on compliance, many of the powerful figures that appear in this story would be seen as outrageous and unacceptable.
Based on my personal experiences, I can say that from the 1980s to the early 2000s—before social media took off—the world operated in a similar way. In some ways, it may not have changed much even now, though such an approach is being gradually phased out.
About 30 years ago, adults were rougher, more direct, and engaged in serious, no-holds-barred interactions.
I hope you can watch this film from that perspective.
Young Trump was ambitious. He wanted to improve the New York he was born and raised in—he genuinely wanted to make it better.
However, his ideas were dismissed by the older generation, including his own father.
Then, he encountered the infamous lawyer Roy Cohn.
From Cohn, Trump learned the art of survival—earnestly?—and used those skills to turn his dreams into reality.
The fact remains that he succeeded in attracting investment to a neglected Manhattan.
Personally, after watching this film, I feel that Trump has remained consistent throughout his life.
He simply focuses on what he can do, the scope of his influence, and those who support him—trying to generate economic prosperity for everyone.
To achieve that, he is never afraid to negotiate.
Even the recent, controversial idea that shocked the world—I can’t help but feel that he is genuinely proposing it to ensure the prosperity and sustainability of the people living there, turning the area into a place where conflict will never arise again.
At this point, the criticisms against him sound like nothing more than hollow idealism—offering not even a micrometer of progress toward solving real problems.
トランプ氏のバックグラウンド拝見。
ドナルド・トランプ氏とロイ・コーン氏との出会いが
あって今の大統領トランプ氏へ多大なる影響を与えたのだなと
理解できた。彼の人間性、そして彼のスピーチ…
多様性を批判する政治的コメントもあるが、その奥底には
ロイ・コーンの死も無関係ではないのだろうと推察する。
現在進行形の大統領をモチーフに映画を製作するのは
とても大変で勇気のある試みだったと思うし政治的に
どこまで踏み込んで締めくくるのか興味深かったが
エンタメ作品として充分に楽しめた。
ドナルドトランプ役のセバスチャン・スタン氏
は背格好から歩き方まで完璧なほど特徴を捉えていたし
ロイ・コーン役のジェレミー・ストロング氏の演技力は圧巻であった
事も付け加えておきたい。
卑劣な手で成功を掴むことは珍しい話ではない
ロイ・コーンと出会う前のトランプ氏が、どんな人生だったのかは、ほぼ描写されてないので、気になりました。検索してみたら、姪っ子さん(兄の娘)が暴露本を出版していて、父親の教育方針が相当トランプ氏の人格に影響していることなど書いてあるらしいです。お兄さんは、普通の人だったんだろうな。
予告編で済んでね?
ニュースのみかたがわかる
英雄映画では無い
まんまだったのか…
第45、47代アメリカ合衆国大統領になったドナルド・トランプが、若き日に実業家として成り上がっていく様とそれを導いたキングメーカーのロイ・コーンを描いたドラマ。
まず印象的なのが、ロイ・コーン演じるジェレミー・ストロングの古代英雄譚にでも出てきそうな天才軍師っぷりだ。思想が強く勝利の為に如何なる心理戦も厭わぬ剛腕は見所だ。
ストーリは、気弱王子だったトランプ氏のサクセスストーリーを生々しく描いている。最初は構えて観ていたが、途中からこの映画はコメディとしてみれば、結構アリだというのが鑑賞後の印象。序盤のレストランで運命的に二人が出会うシーンなんて、BGMを変えると恋愛ドラマのワンシーンだ。
また各エピソードが関係者公認なら、「知られざるトランプ物語」ではなく、トランプ氏ってこんな感じの人なんだろうな、のイメージのまんまである。だが、遠くを見ている彼の瞳の中は、誰にも理解できない、させないのである。
80年代の雰囲気も相まり、稀代の怪物誕生とその人間関係を余すことなく描いたエンタメ作品として楽しめた。特にロイ・コーンから継承された勝利の法則は、人の強さと弱さを確り抑えていると思う。
今この時期にこの作品を鑑賞できる奇遇を噛みしめたい一作
現職の米国大統領であるドナルド・トランプを主人公に据えたというだけでも話題性が十分だけど、もし先の大統領選挙でトランプが当選しなかった場合、いったいどういう気持ちで本作を観ていたのか……、という想像を巡らせてしまうのは”いま現在”じゃないと味わえない感覚でしょう。
本作はセバスチャン・スタン演じる若き日のトランプと、彼の人生観に強い影響を与えた「師」である弁護士ロイ・コーン(ジェレミー・ストロング)との関係に焦点を絞っていて、その後破産を経て2度にわたって米国大統領となる経緯までは描いていません。あくまで「若き日のトランプ」を描いた物語であることは鑑賞前に知っておいたほうがいいかも。
トランプ陣営が本作の制作・公開に難色を示していたことから、彼に批判的な内容だと想像してしまうのですが、もちろん妻であるイヴァナ(マリア・バカローバ)に対する暴力を批判的に(そしてかなり間の抜けた調子で)描いてはいるものの、アリ・アッバシ監督の描写は意外なほど中立的、というか見方によっては悪魔的な魅力を持つロイ・コーンによって(とにかくあの三白眼が怖い)魂を汚されてしまう青年としてトランプを描いている、とも解釈できそう。あの父親とこの師匠じゃねえ……、とちょっとだけだけど彼に同情してしまいそうになりました。
今世界を動かしている人物がどのような人生哲学を持っているのか、その一端を知ることができるだけでも貴重な一作です。トランプを成功者とみなしてその人生訓を信奉したところでどういう先があるのか、本作のメッセージをよくよく噛みしめたいところ!
なるほど
先月就任したトランプ大統領の青年期からトランプタワーを建ててビジネスで成功を収めるまでの話。
尊大で自己中心的な言動が強いイメージだが、若い頃はそうでもなかったようだ。
ビジネス上の問題を解決するために、顧問として契約したある凄腕の弁護士に訴訟で勝つために必要な3つのルールを教わり、その教えに従って行動して自分の勝利の方程式として身につけたらしい。
トランプ大統領の選挙戦の戦い方を見ると、今もこの3つのルールが言動の根っこにあるように思え、「なるほど、こういう経験があったからか。」とこの人物への理解が深まった。"Make America Great Again"やジェンダーに関する考え方、政治上の取引なども、この映画にその思考の基が描かれている。
トランプ大統領という人に興味がある方は、今のこの時期に見ておく価値は十分にあると感じた。
にしても、今の夫人との関係や、身体の劣化を隠すための手術の話はかなりプライベートな内容だったけど出してOKなんだな。
酒やタバコをやらないというのは意外。
必見!!!!!
民主主義を破壊しそうな男、それが現在の米国大統領トランプ氏と、俺には見える。危険過ぎる。しかし、だからこそ、彼と彼を賞賛する人々を理解しなければ前には進めない。と考えているのでこの映画、絶対に観ない訳にはいかないのです。
観た直後の感想。俺にとっては、ホラー映画。それもかなり怖いホラー映画。
ロイ氏といいトランプ氏といい、「勝つことが正しく手段さえ問われない」と心の底から考え、というか信念として持ち、そのためにはルールすら無意味と考える人間が実在する、ということは俺にとってはホラー以上に怖い内容だった。
一方、映画としては、ちゃんと映画だと思う。すごい映画だと思う。ネガティブキャンペーンムービーには決してなっていないと、俺も思う。ただ、トランプ氏自身は、成功し取引に勝っている自分の姿を見たいだろうし見せたいだろうし、彼がどんなふうにいまの姿になっていったのかなどということは、ちっとも見せたくないと考えていることはよくわかる。トランプ氏は、「過去を語るなら俺の大胆な企画を語れ、俺を映すならニューヨーク市長にすら勝った俺のディールの強さを映せ」と言いたいだろう。俺は「でも、そんな映画じゃ、誰も観たくない」と言うだろうが、トランプファンは喜んで観るのだろう。観て「U.S.A.!」と連呼するのだろう。いやはや。
この映画を観てから、あらためてトランプ氏を見ると、その行動の原点というか原動力がよくわかる。ロイ氏の言葉では、
1. 攻撃、攻撃、攻撃
2. 非を認めず全否定しろ
3. どれだけ劣勢でも勝利を主張しろ
トランプ氏にとってはロイ氏に教えられた、ではなく自分が生まれた時から信念としている3つのルールという域まで達しているのだとわかる、終盤でトランプ氏がこの3つを語るシーンは俺の中では圧巻だった。
彼は、自分でこの道を選んだんだな。それは彼の自由だ。その彼を政治のリーダーとして選ぶ人が半分いることが、俺にとっては最も怖いことなのかも知れない。
「俺は天性の才能を信じている」本作の中でのトランプ氏のセリフだが、そう信じている彼の中では、世界は神である自分と同じ考えの者とそうでない者にニ別されており、後者は悪魔かもしくは限りなく愚か者なのだろう。信念で大成功した者は、信じるものは自分の信念で、それは絶対。したがって意見の異なる相手と話し合うことも相手を理解することも、彼にとっては露の先ほどの価値もないのだろう。意見の異なる相手をディールで叩きのめすことにこそ、価値があるのだから。
さらに、映画とは離れるが、言動が非常に似るイーロンマスク氏とトランプ氏。大成功する者に必要な強い意志と折れない心が、間違った方向に迸る(ほとばしる)二人。政治の世界でも、勝つためにだけを追求する二人。
今のこの状況を少しでも理解したかったら、必見の映画です! アリ・アッバシ監督、ありがとう! そしてロイ氏、トランプ氏を演じた二人、本当に見事でした。
あと配給したキノフィルムズも偉い! ありがとう!
映画に対して星4つ。トランプ氏に対しては個人的に星マイナス5つです。
おまけ1
とにかく目の前のひとつひとつを解決していった先に未来はある、ひとつひとつは折れなければ負けなければ必ず成功する、という生き方もいいと思うのですが、その人に政治を任せたいか、といったら俺は任せたくないかなあ。(その生き方だから、環境問題のように科学による未来シミュレーション的なことは性に合わないのかなあ、と腑に落ちたのはよかったけれど、それって結局は自分の経験の範囲の中でのみ暮らす、つまり "無知" のままで暮らし続けるリスクなんじゃないかなあ)
また、彼のいう「愛国」の中での "アメリカ" は、単に彼が生きてきた経験を愛しているだけなんだなあ、と思いました。いわゆる「昔はよかった」というヤツですね。この点も俺は、政治家には特にそう考えてほしくないなあと思っている点でした。
そんなわけで、なぜ俺はトランプ氏を嫌いなんだろうということを理解させてくれた映画でした。
全く共感出来ない人たちの話
1980年代、若き実業家ドナルド・トランプは政財界の実力者が集まる高級クラブで、弁護士のロイ・コーンと出会った。勝つためには手段を選ばない冷酷なコーンはトランプを気に入り、勝つための3つのルールを伝授した。コーンに指導されたトランプは多くの敵を作りながらも不動産事業を成功させた。そして、コーンの想像を超える怪物へと変貌していった。そんなトランプ大統領の若い時の話。
これをトランプ大統領が観たら怒るだろうな、という感想。
全く共感できないし、3つのルールが、攻めまくり、非を認めず、勝ったといい続ける、という、頭のおかしいルールのもとに行動してるからだと感じた。
弁護士のロイ・コーンがトランプを育てた、という事が知れたのは良かった。彼も相当なワルみたいだし、金の亡者みたいだった。
この作品を観て何を感じるかと言えば、不信感だけ。
むかつくような人たちばかり出てくる。共感できる人がいないし、内容はつまらない。
トランプの何が素晴らしいのか、さっぱりわからなかった。普通なら、主人公の素晴らしいところが1つや2つは有るものだが、そんなシーンは全くない。もしかしたら、彼には良いところは無いのかも知れないが。
でも、トランプ大統領の考え方を知るために、観る価値は有ると思った。
大統領令で公開中止に追い込まれるのではないかと心配になってしまう1作!!
よくもまあアメリカという国はタイミングよくこんな作品を製作・公開するなぁと感心する事しきり!!
アリ・アッパシ監督の経歴等は解らないが、マイケル・ムーア並みにトランプ大統領から抹殺されないかとこちらの方が心配になってしまう(笑)
実際の若き日のドナルド・トランプがここまでやっていたのか否かは解らないが、ストーリーも妙に信憑性があるし、何よりトランプ演じるセバスチャン・スタンの迫真の演技を見るだけでも必見!
またトランプを社交界の怪物に引き上げる悪徳弁護士ロイ・コーン演じるジェレミー・ストロングの怪演も見応えたっぷり!!
この二人、今年の主演男優賞、助演男優賞にノミネートされているが、受賞があってもおかしくない程の二人の迫真の演技があってこそ話題性を超越したところでこの作品の良さが際立っている!!
この作品、アメリカ映画の自由奔放さが楽しめますよ!!
ロイ・コーンの存在感が凄い
首都ワシントン近郊で起きた旅客機と軍用ヘリコプターの空中衝突事故に対し、トランプ大統領はその遠因は「多様性、公平性、包括性」のDEI政策にあったとし、連邦航空局が知的障害者や精神疾患者を採用し安全性を低下させたとバイデン民主党政権の失政と噛みついた。ロサンゼルスの大火事に対しても批判だけだったし、米国民が何故?このような人間を再び大統領に選んだのかがわからない。
そして映画を観て、ますますこの「ドナルド・トランプ」という怪物が嫌いになった。
しかし、映画自体は当時の時代背景を入れ込みこの怪物の生き様を面白く作り込んだいたので評価はしている。なかでも私が興味を持ったのはその怪物を創ったロイ・コーンという伝説の辣腕弁護士である。検察官時代のローゼン・バーク事件でスパイ行為を行った夫婦を死刑判決にまで追いつめた実績で政府の権力者との人脈を構築したとの事だが、冒頭のクラブでの出会いのシーンから半端ない存在感を示し、トランプに3つの掟などを教え込み、彼を窮地から助けスターダムに上り詰めさせた。最後はAIDSにかかり、トランプからも冷たくされ非業の死となってしまったがロイ・コーン物語も映画で作れそうな程のキャラクターであった。
トランプの今後の政策で世界がどう動くか?であるが、おそらく誰も言い当てることなどできない。今も毎日こんなに世界が混沌としているのだから、。
手術が適当でうらやましい。
内容については簡単に。
今後数年もしくは数十年日本に大きな影響を与えるであろう人物の成立過程を理解するために、見ておくべき映画です。一方でエピローグに描かれている通り、「半生」でしかないので映画としての絶頂はないのかも知れません。私を含めて日本人は大統領候補になる以前のことは、ホームアローンにでていた金持ちの迷惑おじさん程度にしか知らないと思います。ニューヨークの不動産開発をしたとか、カジノを建てたとか、何度も破産しているとか、テレビの司会で有名になったとかの基礎知識がないと理解できないところもあるかも知れません。
さて、頭皮の手術をするシーンがあります(既にいろんなヒトが言及しています)。日本人であの幅を縫い縮めるのは難しいと思います。皮膚の柔かさは、白人>東洋人>黒人であり、傷跡が残りやすいのもこの順番です。無理に縫ってしまうと、血流が悪くなるのでかえって細い髪しか生えてこなくなるし、徐々に毛の生えない線状のの傷跡が現れると思います。丁度つむじの位置なので、手術したのが見え見えになってしまいます。あれだけ、左右の皮膚を寄せるのであれば耳の上まで帽状腱膜の上で剥離してから縫わないといけないので、結構出血するのではないかしら。皮弁をお越したり、ティッシュエクスパンダーを使った方が良いかも知れません。もっとも、現代的には頭頂部の薄毛はフィナステリドやミノキシジルが効くかも知れません。本人が気にしていた生え際の手術はしなかったのでしょうか。まあ、ステイプラーの打ち方もテキトーだったし、映画としての演出かも知れません。でも、欧米の手術の教科書は本当に適当にデザインして適当に縫合しているような写真が載っているのですが、仕上がりは実にきれいなんですよ。彼らは不器用なので、日本では仕事ができないんじゃないかな?
伝記映画にありがちなエピソードの羅列。もっとエピソードを絞り込んで、特定の周辺人物との愛憎に特化してドラマを構築した方が、より身勝手なトランプの個性を強調できたものと思われます。
世界は今、大統領に返り咲くトランプの米国第一主義に恐々としている。そんな折に日本公開されるのは、彼の素地を映すような若かりし頃の逸話です。
1970年代から1980年代を舞台に、気弱で繊細だった20代の青年実業家ドナルド・トランプがマッカーシズムで悪名を馳せた弁護士ロイ・コーンと出会い、一流の実業家へと育て上げられた末に、コーンの想像を超える怪物へと変貌を遂げていく姿を描くものです。
原題「アプレンティス」とは「見習い」という意味で、トランプ自身が出演していたリアリティ番組と同じタイトルなのです。
監督はイラン出身「ボーダー 二つの世界」のアリ・アッバシ、主演は「キャプテン・アメリカ」シリーズのセバスチャン・スタン。
●ストーリー
1970年代のニューヨーク。気弱で繊細な若き実業家ドナルド・トランプ(セバスチャン・スタン)の不動産業を営む父フレディ(チャーリー・キャリック)の会社が黒人差別や税金問題で政府に訴えられ、破産寸前まで追い込まれていました。
そんななか、トランプは、ある高級クラブの人混みの中で冷酷な辣腕弁護士コーン(ジェレミー・ストロング)と出会います。大統領を含む大物顧客を抱え、勝つためには人の道に外れた手段を平気で選ぶ冷酷な男でした。コーンは意外にもトランプを気に入り、「勝つための3つのルール」を伝授。コーンによって服装から生き方まで洗練された人物に仕立てあげられたトランプは数々の大事業を成功させるが、やがてコーンの想像をはるかに超える怪物へと変貌していくのです。
●解説
勝利の法則は「攻撃、攻撃、攻撃」「非嗜絶対に認めるな」「勝利を主張し続けろ」の3点。服装、振る舞い、父親からの自立に始まったコーンの教育は、政府関係者のセックス・スキャンダルをネタにした脅迫に及び、優秀な弟子は凄まじい勢いでふてぶてしい男へと成長していく。政界を巻き込んで師を潰すほどに成り上がる様子は陰湿なジョークのよう。映画はその過程を安定した構成、一貫したリズム、間達な語り口、興味を煽る逸話で現実のトランプへとつなげていきます。
監督は「ボーダー 二つの世界」などで評価されたアリ・アッバシ。赤裸々で刺激的な脚本は政治ジャーナリストでもあるガブリエル・シャーマン。綿密なリサーチを重ねたというトランプのグロテスクな生態が沈殿していくのです。 時としてトランプが“救世主“に映ってしまうらしいアメリカ社会。就任を前に始まっている「やりたい放題」。今に始まったわけでなく、若い時からその片鱗があったことを実感する作品でした。
主演のセバスチャン・スタンは、若き日のトランプを彷彿させるのに充分な演技でした。実際のトランプの青春期の写真と比較するとよく似ています。特に凄いのは、時代と共に少しずつセバスチャンの体型の恰幅が増して、現在のトランプに近づいていることです。第97回アカデミー賞で主演男優賞にノミネートされたのもの納得の演技でした。
●感想
伝記映画にありがちなエピソードの羅列によって、全体の印象としてトランプの強烈な個性の描き方が薄く感じられる作品になってしまいました。
例えば人生の師であるコーンとの決別にいたるシーンも、途中の過程が省かれているため、いきなりという感じが否めません。兄のフレッド・トランプ(マーティン・ドノバン)がアルコール中毒により仕事を失い、母親からの連絡でいきなり病死が告げられるまで、コーン同様に途中でまったく登場しなくなっていたため、その後のトランプの悲しみの大きさには、突然過ぎて共感できなくなったのです。妻のイヴァナ(マリア・バカローバ)との離婚についても、臭わすことはいいますが、結局浮気相手で再婚することになるマーラ・メープルズのことも、そもそも離婚することもまったく触れられませんでした。
トランプが、今のトランプに化けていく過程の中で、もっとエピソードを絞り込んで、コーンとの関係性やイヴァナとの愛憎に特化してドラマを構築した方が、より身勝手なトランプの個性を強調できたものと思われます。
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