劇場公開日 2025年1月17日

アプレンティス ドナルド・トランプの創り方のレビュー・感想・評価

全150件中、21~40件目を表示

4.0めちゃくちゃ似てた!

2025年2月27日
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鑑賞方法:その他

面白かった。
主演のトランプ役が立ち姿や歩き方、後ろ姿などよく研究していて、本人の若い頃に、説得力あり。
予告の方が面白かったが、内容もわかりやすく、トランプがどうして今のトランプになって行ったか、納得できる。
弁護士役、上手だし良かった。
機内で見るのに、丁度良い映画だった。配信でもまた見たい。

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ラブリーエミリー

これはロイ・コーンの没落譚

2025年2月24日
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鑑賞方法:映画館

 トランプという怪物が如何にして出来て行ったかの物語というより、悪徳弁護士ロイ・コーンが、嘗てはぬるい若造と見下していた男に、自分が教えた遣り方で如何に乗り越えられ見下されて行くかの哀れな没落譚に見えた。それにしても、大統領選中にこんな映画を公開出来るアメリカは凄いな。でもそれでも、トランプを大統領に選ぶアメリカ国民はもっと凄いな。

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La Strada

4.0映画としての魅力はあった

2025年2月20日
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鑑賞方法:映画館

人の魅力って何で構成されるのだろう。何でその人の周りに人が集まるのか。コミュニケーション能力、未来へのビジョン、プレゼン能力、思いやり、そして金と権力…。人に聞けばその人ごとに違った答えが返ってくるはずだ。ドナルド・トランプという人間にどんな魅力があるのか。直接話したことはないし、彼のことを大して知らないのにこんなことを言う資格はないと思うが、金と権力以外に思いつかない。なのにまたもやアメリカ大統領になってしまった。多くのアメリカ人には魅力的な人物に見えるのかもしれない。信じられない。
そんな中、この映画だ。どんな立場でトランプという人物を描くのだろうと興味が湧いて劇場に足を運んだ。でも本編が始まってすぐに監督の立場が明らかにされる。なるほど、そういう立場ねと。あまりにもあからさまだったけど。
1970年代から始まる本作。ロイ・コーンという弁護士と出会い、勝つためには手段を選ばない処世術を学んでいくという話。普通にトランプがトランプ・タワーを建てて成功していく話なんだけど、いわゆるサクセスストーリーにはとどまらない魅力があった。なんだこれ。孫正義のように一から築き上げたものではなく、ある程度父親の基盤があっての話だけど、そこはあまり気にならない。若き日のトランプと同じようにアメリカの金持ちの奔放な暮らしぶりにただ圧倒されてしまった。
父親との関係性や、周りの妨害といったあたりで、ほんの少しだけドナルドに感情移入したり魅力を感じさせる流れに思えたが、結局そうはならない。いろんなことがあってつらかったかもしれないけど、つまるところドナルドが嫌なやつなんだもの。あんなやつに人はついてこないだろと思う作りだった(そう感じたのも元々トランプを好きになれないからかもしれないけど)。
大統領になってからの彼のことを示唆するようなシーンもあって笑える。そして何よりの驚きが、ドナルド・トランプを演じたのが、アベンジャーズでバッキーを演じたセバスチャン・スタンだったってこと(終わった後に気づいた)。バッキーと同一人物とは思えなかったよ。すげー演じ分けだな。
アメリカ大統領としてのトランプを批判することが目的なのかもしれないが、そんなことを抜きにしても映画として面白かった。でも、ドナルド・トランプが嫌なやつだということは再確認できた。それでいい。自分の考えとそんなにズレていなくてちょっと安心する。

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kenshuchu

4.0The Apprentice...

2025年2月19日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

興奮

ロイ・コーンの事は今まで知りませんでしたがトランプにもあんな時代があったんだと驚きました。あの父親の下で育ったらそうなるよねと思いながら観ていましたがロイ・コーンは若きトランプを愛してたのかなと思いました。一目惚れだったのかトランプの中に『野心・若い頃の自分』をみたのかは謎ですが。トランプもロイ・コーンを父親の様に愛していたんだと思います。忠実に教えを守っていたし最後まで切り捨てなかったので…お兄さんには立ち直って欲しかったです。

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映画LOVE

4.0ロイ・コーンの演技がすごい!

2025年2月17日
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鑑賞方法:映画館

周りで観た人は口を揃えて『まぁ、1回観てみるといいよ』と。
観る前から『たぶん観ても観る前と大して感想は変わらないんだろうなー』と。
実際そうだった。でも観てよかった。
かな〜り歪な帝王学ではあるものの、ロイ・コーンは友達として自分の全てを注ぎ込みドナルド・トランプをapprenticeとして育てたけど、皮肉にもその後継者育成の精神は引き継がれず、トランプ自身はかの有名なTV Showアプレンティスでも自分の凄さのShow offに終始してたと記憶してる。(ま、それでも“You're fired.”が面白くて一時期ハマって観てはいたけど😅)

それにしても誰かを演じる人がだんだんとその人にしか見えなくなってくのって本当に不思議。

(余談)
頭のハゲを切って縫い合わせるってホント!?

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らまんば

4.0NOW or NEVER 今見るべき映画

2025年2月16日
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めちゃくちゃ面白く観た。ロイ・コーン直伝の3つの鉄則はなるほどと納得。トランプの大統領就任の日に鑑賞出来てよかった。

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sugar bread

3.5栄枯盛衰物語

2025年2月15日
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ドナルド・トランプの上昇、ロイ・コーンの下降する人生を描いた映画だと感じました。
まさにトランプとロイの栄枯盛衰物語だと。

トランプを演じたセバスチャン・スタンは、ウィンター・ソルジャーの演技とは大違い。
髪型をめっちゃ気にする仕草や顔など、寄せ方がすごい。すごすぎる。
すごく下品で小者感が出ていて素晴らしい演技だと思いました。

ロイ・コーンを演じたジェレミー・ストロングはもっとすごい。
最初のキレッキレの演技から、病気になってからの弱々しい演技まで
その振り幅は見事でしたね。

これがトランプだ!との刷り込みは観客へ入りそうです。
人間的にはどうなんでしょうね?
この映画だけでは判断できないですが、イメージはついちゃいますよね〜。

攻撃攻撃攻撃
自分が正義
否定する

これは今でもトランプの信条あるいはハッタリの元なんでしょうね。
この作品を観て、アメリカ大統領のトランプに注目するのも面白そうです。

映画としては実に面白く仕上がっていました。
上述したふたりの俳優の演技を観るだけでも価値がある作品です。

アリ・アッバシ監督、すごいです。今後も追いかけたい監督です。

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ひでちゃぴん

3.0スタンがトランプに見えてくる

2025年2月13日
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ロイコーンとの出会から最初の出来事位までは緊張感あるが、仕事の緊迫感あまりなく尻すぼみ。両キャストは上手い良いね。

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ムロン

3.5ロイは友を呼ぶ

2025年2月13日
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鑑賞方法:映画館

ロイはトランプに「裏切り者!」と罵っていたがあなたが引き寄せそうなるように育てんじゃないか。
強いアメリカが復活すると世界の戦争は減って安定するんじゃないかな。

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チャーリー

4.0そこまで描くか、若き日のトランプを

2025年2月12日
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アプレンティス:見習い。
若き日のトランプが、悪名弁護士コーンの助言と助力を受けて、怪物的不動産王に成り上がるまでの話。
セバスチャン・スタンの成りきり度がすごく、いまテレビで毎日のように見るトランプ大統領の姿とダブって、興味津々で見た。尺が足りなくて、経緯などもっと知りたい部分が省略されていたのは残念。
それにしても、現役の大統領の私生活やスキャンダラスな部分を、ここまであからさまにするアメリカという国は、すごい。

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ファランドル

4.0どのようにしてあの一方的な強さが作られていったのかを感じることが出来る作品

2025年2月11日
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どのようにしてあの一方的な強さが作られていったのかを感じることが出来る作品。
そして、弱さを決して見せない彼に惹きつけられるものは確かにあるとも感じた。
持って生まれた素質ではなく、ある種の努力の賜物であるのだと言うことを作品を通じて感じた。
人は人によって変わるとよく言われるがまさにその通りだと感じる。トランプのみが変わったのではなく、弁護士のロイコーンもトランプに影響を受けて大きく変わったのだと思った。
両登場人物の浮き沈みを、演者がとても美しく表現されていた。

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モトコ

4.0知られたくない怪物の自伝か?

2025年2月10日
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怖い

興奮

知的

伝説の弁護士に導かれて変身を遂げ米国大統領となったドナルド・トランプ大統領の道のりを描いた映画でした。
トランプを演じたセバスチャン・スタンはトランプが成長するたびに似て来るから凄い!仕草や髪型、頭髪をかき上げるたびに若彼氏ころはあんな風だったんだろうと納得してしまいそう。
信念を貫く強靭なトランプに対し彼を師事した悪徳弁護士との出会いが勝つためにルール無用の秘策を伝授され数々の大事業を治めるから凄い話でした。
世界中で注目の的のドナルド・トランプ氏は気弱で繊細な青年は歴史の怪物になって行くのかを見届けてはどうでしょうか?
とても面白かったです!

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倭

4.0今が旬の映画

2025年2月10日
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鑑賞方法:映画館

笑える

怖い

単純

ついこの間、日米首脳会談があったばかり。トランプは、「ありがたいこと」に日本に無理難題を突き付けてこなかった。
その彼の若き日の姿を再現しているのだが、のし上がるまでに彼もそれなりに泥水をすする生活をしていたのがわかって面白かった。
邦題サブタイトルに、「創り方」とあるとおり、彼がどうやって人格形成されていったのか、その一端もわかるだろう。

日本はアメリカに大敗しながら、戦後はかなり接近、一瞬でも経済的にその上に立つこともあった、と思う。
しかし、今も今後もそんなことはあり得ないだろう。
ますます、米国の属国化する。
その意味では、少なくとも今後4年近くは彼が生きている限り、付き合わねばならない。ドナルド・トランプの精神性を知るためにも、見ておいて損はない映画だ。

ただ、純粋に映画として評価するなら★2つの駄作に近いと思う。
主演の俳優は適役でよいが、妻役の女優はゴージャス感が薄く、セクシーさにも欠けて不適だったと思う。
表題に書いた通り、「旬」であることから★2つ分おまけしておく。
封切りから3週間以上たっているが、上映回数、館数が少ないこともあってか東京都心のシネコンはそこそこ7割近い入りであった。

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町谷東光

3.5肯定的な人も、否定的な人も、どうでもいい人も、鑑賞すれば納得してしまう映画

2025年2月9日
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 この映画は、トランプ大統領が過去に彼のメインフィールドである、不動産業界でどのように頭角を表してきたのか、のしあがってきたのかを描いている。
 この「のしあがる」という表現をした時点で、すでにそこには、力強い「リーダーシップ」や「意志の強さ」を包摂していると同時に、どこかダーティでマネーパワーを使って他人を蹴落とし、我が道を突き進んでいく、危険な「毒」をも含んでいる。
 トランプ大統領に対する是非が分かれる分岐点は、多くの場合このような理由からではないだろうか。この映画は、その「分岐点」をうまく表現している。つまり、否定派の人(実際に鑑賞するかは別として)やどうでもいい人は「あー、やっぱり、こうゆう人なんだ。」となるであろうし、肯定派の人は「聖人君子じゃあるまいし、綺麗ごとだけでは済まないのが資本主義だ。」と思うだろう。
 2度目の大統領となった彼は大きな変革を行うとしている。
 「CIA」や「FBI」、「FRB」、「USAID」の改革・解体、「不法移民の強制送還」、「連邦所得税の廃止」などなど・・・。
 おおよそ、今の日本では到底考えられない、羨ましい程の規模であり、スピード感である。
 長期に渡って社会に根差したシステムを根底から変えるには、まず最初に破壊しなければならないが、それには、「薬」は役に立たず、「毒を以て毒を制す」、「毒で解毒する」という荒療治する方法しかないのかもしれない。
 そして、トランプ2.0が終わる頃、この映画を見た人たちが、「毒」はやっぱり「毒」だったと思うのか、「毒」は「薬」にもなる、と思うのか・・・・・。

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チャキオ

4.5アプレンティス ドナルド.トランプの作り方

2025年2月9日
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鑑賞方法:映画館

笑える

単純

興奮

良かった。
今、学校や職場でイジメを受けてる人は是非見ることをおすすめします。 3つのルール。
「攻撃、攻撃、攻撃」
「絶対自己の非を認めない」
「どんなに状況が悪くとも絶対勝つと信じる」
最後は「才能だ」と結論した。
イジメに遭う人が持っているもの。
自己を強くするために見よう。

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フウ担

4.5フィクションとノンフィクションの狭間

2025年2月9日
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ただのトランプに対するネガティブキャンペーンになっていないのが映画としての凄味がある。スピルバーグが完全に反トランプへのカウンターとしてペンタゴンペーパーズを制作。あれで一度は追い落とす一助になったかも知れないが、2025年あの時とアメリカは、そして世界は変わったのだ。再び返り咲いたのだ。
アメリカの政治機構が生み出す強者がどんな歪んだカタチ、キャピタリズムの権化かつキリスト教福音派を兼ね備えたモノが世界に君臨することができる。
その病理を映画的に抽出できたのは、故国イランの実情を問い、結果国を追われ、アメリカでフォーリナーとして俯瞰できる監督アリ・アッバシの手腕に脱帽。80年代数々の政治的な案件を含め、世の中を変えてきた弁護士ロイコーン。その中で見出し、その弟子apprenticeとして、大成させ、後に切り捨てられる、現大統領トランプの孤独の悲哀をフィクションとしては感じられるが、現実の世界はトランプが王になることによって、make America great again 名のもとに世界は混沌に導かれていくことはノンフィクションなのだ。
北米では大統領選前、日本では大統領選後なので観る時系によって評価が大きく変わるのはなかなかない楽しみ方なのでぜひ。
あ、セバスチャンスタンとジェレミーストロングは最高の演技でした

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うっか

4.5後味はホラー並み

2025年2月9日
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怖い

興奮

知的

ちょっと凄いの観たという感じ。
過去の人物伝だと客観的に観ることが出来るが、
本作は現在進行形の人物であり、まさに現実と地続き。
この4年間、何度も話題に出る映画ではないか。
今のタイミングで映画館で観られたのは本当に良かった

ロイコーンの帝王学である「勝者の3つのルール」もシンプルであるがゆえに
スッと人の心に入ってきて、何が大事なのか本当に分からなくなる。
人生に迷っている人は観ない方が良いかも。個人的には物議をかもした「ジョーカー」より
インパクトが大きいと思う。

役者ってすごいと思った。セバスチャン・スタン、段々今のトランプに見えてくる。

映画の余韻はホラー並み。今後の米国、経済等目先は良くなるかもしれないが、中長期的に見ればやっぱり不安の方が大きいなぁ。。。

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まあさ

4.0ウインターソルジャーがトランプ、、!!

2025年2月8日
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いやー似てる、実に似てる。

大変タイムリーな映画だし、このアリアッバシ監督の作品はディテールきちんとしてるから信用している。ボーダー、聖地には蜘蛛が、、、、にしても守備範囲広い監督だなぁ、イラン系デンマーク人、、凄いよ。

内容はトランプの修行時代と先生の話、そして終焉と怪物の誕生。この映画みたあと毎日のトランプの発言が全て膝ポンで理解できて気持ち良くニュースが見れます。

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masayasama

4.0妖怪から怪物への伝承

2025年2月8日
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現実世界でのトランプ大統領再任と映画公開が同時と言うすごいタイミングだけど、時節ネタだけではない非常に見応えのある作品で、2時間があっという間でした。不動産会社を経営するアクの強い父親とパイロットで颯爽とした兄に挟まれ、自信のなさそうな御曹司のトランプ青年が、辣腕弁護士ロイ・コーンの指南のもと成功していくのが前半のストーリーです。このロイ・コーンと言う男のキャラが強烈で、アグレッシブで冷酷な性格は上流社会の伏魔殿に巣食う妖怪のようです。ところが、中盤からトランプが自信と欲望を肥大化させ、身振り手振り、口調や目つき、体型まで変化していくにつれ、ダークサイドの師弟関係が逆転してくるのでさらに面白くなってきます。妖怪のような風貌のロイ・コーンがどんどん萎びていくのに、その妖気を吸収したトランプ青年が、師匠や親兄弟、家族まで貪欲に呑み込んでいく異形の怪物へと変貌していくのは圧巻です。監督のアリ・アッバシはイラン出身だけに、外国人の視点で冷徹に70年代から80年代の時代の熱気の中でのトランプ像を描く腕前は秀逸です。役者では、モノマネではなくトランプと一体化したかのようなセバスチャン・スタンの熱演が素晴らしかったです。マーベルに出ていた時,こんなにうまかったっけ?また、ロイ・コーン役のジェレミー・ストロングも、まさに妖気漂う怪演だけど、しっかりと主役を盛り立てる見事なバイプレイヤー振りでした。

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シネマディクト

3.5「ドナルド・トランプの創り方」

2025年2月7日
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怖い

単純

難しい

...という副題にあたるものは実際のところ、この映画には描かれていません。

 映画が描いている物語は、初めから巨大な野心だけは持っているが、他には何も持たない若いロクデナシ(Bastard)が、悪名高い悪徳弁護士をロールモデルと仰ぎ不動産業界のビジネスマンとしてのし上がっていくストーリーです。
 明らかな児童虐待や洗脳的環境の生い立ち、もしくは著しい貧困下でもない限り、いわゆる民主主義国家において、人は(それが無意識か、意識的選択かの違いはあるにせよ)自らロールモデルを選び、自分の人生を形成していくものです。勿論、その過程や環境が恵まれたものかどうかについては考え方次第で、個人差も大きいですが。人格形成や人生の出来事、結果の全てを第三者の影響によると見なすのは、無責任かつ短絡的すぎる捉え方だと思います。

 一部の解説記事などでは、この映画について、善良な若者が怪物に作り変えられていく過程を...といった論調で語られている印象ですが、実際主人公が善良であるところは最初から最後まで一つも描かれてはいません。基本的にこの映画には、徹頭徹尾ロクデナシしか登場せず、少なくとも日本の一般市民が共感できるところが一つもない、というのが妥当な印象かと思われます。
 "勝ち・負け"や"損・得"が基本的な価値基準であるアメリカ合衆国においては、世の中の"ある部分"をフラットに、リアルに描いた秀作、ということになるかもしれませんが。それでも、この映画を見て清々しいとか、勇気をもらった、とかポジティブな感想を持つ人はいないでしょうね。なぜなら主人公が、とにかく一般的に云われる道徳とか倫理観を微塵も持ち合わせていないロクデナシ(Bastard)として描かれているから。同時に、(その人物、人生自体を肯定するかどうかは別として)絶対に諦めないしぶとさ、執念深さを終始一貫示していることに理解を示すアメリカ人は一定数いるかも知れませんね。

 シーンの多くは主人公のプライベートな場面(師と仰いだ悪徳弁護士や夫人、親兄弟との密室)での会話ややり取りから構成されており、多くは憶測や脚色の域を出ないものだと思われます。(インタビューや自叙伝などで本人達に語られた事柄が根拠であれば別ですが、そこは未確認。これまた筆者の"憶測"に過ぎませんが。)

 いずれにせよ(製作者の意図がどこにあったかとは無関係に)、"結果的"に、これは彼の半生を描いた伝記映画というよりは、明らかに反トランプ氏プロパガンダ映画として出来上がった印象です。
 では、そのプロパガンダは成功しているかというと、恐らくそうではありません。なぜなら、親トランプ派は「こんなのはデタラメだらけのフェイク映画だ」と言うでしょうし、反トランプ派は「やっぱり思った通りのロクデナシ野郎じゃないか」と言うでしょうし、どちらでもない人にとっては「胸くその悪いつまらないモノを見せられた」となるからです。結果、少なくとも反トランプ氏プロパガンダとしては機能せず、この映画がもたらすものは、単に「分断の助長」でしかない、ということになります。

 ちなみに、映画の良し悪し、好き嫌いとは無関係に、この作品は、描かれた当時のアメリカ合衆国や主人公を取り巻く世界を、見事に再現しているように見えます。撮影が、セットや衣装や小道具など、ディテールに拘って手間とお金をかけて非常に丁寧に行なわれたことに疑いの余地はありません。また、主演のセバスチャン・スタンさんをはじめ、出演者の演技はどれも見事な出来映えです。あの"ウインター・ソルジャー"が徐々に(我々の知っている)トランプ氏に近づいていく様子が見事に演じられていました。その点では、最初から最後まで見る者を引きつける完成度の高い映画であるといえます。

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K2