「肯定的な人も、否定的な人も、どうでもいい人も、鑑賞すれば納得してしまう映画」アプレンティス ドナルド・トランプの創り方 チャキオさんの映画レビュー(感想・評価)
肯定的な人も、否定的な人も、どうでもいい人も、鑑賞すれば納得してしまう映画
この映画は、トランプ大統領が過去に彼のメインフィールドである、不動産業界でどのように頭角を表してきたのか、のしあがってきたのかを描いている。
この「のしあがる」という表現をした時点で、すでにそこには、力強い「リーダーシップ」や「意志の強さ」を包摂していると同時に、どこかダーティでマネーパワーを使って他人を蹴落とし、我が道を突き進んでいく、危険な「毒」をも含んでいる。
トランプ大統領に対する是非が分かれる分岐点は、多くの場合このような理由からではないだろうか。この映画は、その「分岐点」をうまく表現している。つまり、否定派の人(実際に鑑賞するかは別として)やどうでもいい人は「あー、やっぱり、こうゆう人なんだ。」となるであろうし、肯定派の人は「聖人君子じゃあるまいし、綺麗ごとだけでは済まないのが資本主義だ。」と思うだろう。
2度目の大統領となった彼は大きな変革を行うとしている。
「CIA」や「FBI」、「FRB」、「USAID」の改革・解体、「不法移民の強制送還」、「連邦所得税の廃止」などなど・・・。
おおよそ、今の日本では到底考えられない、羨ましい程の規模であり、スピード感である。
長期に渡って社会に根差したシステムを根底から変えるには、まず最初に破壊しなければならないが、それには、「薬」は役に立たず、「毒を以て毒を制す」、「毒で解毒する」という荒療治する方法しかないのかもしれない。
そして、トランプ2.0が終わる頃、この映画を見た人たちが、「毒」はやっぱり「毒」だったと思うのか、「毒」は「薬」にもなる、と思うのか・・・・・。