対外秘のレビュー・感想・評価
全18件を表示
金と権力と闘い
政治家版アウトレイジ
ひたすら権力をめぐり権謀術数の限りを尽くす男たちの闘い
政治の基準がひたすら金と権力なのが観ていて清々しいほど
現実の世界でも、都知事選の石丸現象(この言葉聞くたBUCK-TICK現象を想起する世代…)アメリカ大統領選のトランプ返り咲き、先日の兵庫県知事選…
こちらのほうが頭が痛い⤵️
韓国映画は役者の顔がいいよね、オワリ
まだまだ選挙で不正が残っていそうな絶妙な時代設定
チョ・ジヌンは不思議な俳優だ。カッコいいわけではないし、愛嬌もあまりない。それほど笑えるわけでもない。でも主演を務める韓国映画が続いている。そのほとんどが暴力と金と謀略が絡む話なのも面白い。
本作で彼が演じるのは国会議員を目指す政治家のヘウン。1992年から始まるこの話は、民主化したと言われていても選挙に不正が残っていそうな絶妙な時代設定。大統領選も絡んでいて、当時のリアルな映像が使われたりするのもリアル感が増した要因。ヘウンと組むことになるヤクザを演じたキム・ムヨルも相変らずの迫力でよい。ただし本作でのアクションは控えめ。
話の方は、与党からの公認を外されたヘウンが地元ヤクザと組んでのし上がろうとする政治ドラマ。政治家、ヤクザ、フィクサーが絡んだ韓国映画でそう簡単にハズレはないと信じている。野心ではなく復讐なんだと話すヘウンがとても印象的だ。裏で仕掛けたり、切り札を握ったりと、最後まで楽しめた。あの人はどうなったのだろうと心配したりして。フィクションなのに映画内での出来事がいろいろとリアルに思えてしまう。
この前、今の釜山の写真を観たときに、こんなに発展してるのか!と驚いたことを思い出す。地域格差の問題もあり、韓国の中で発展が遅れているイメージがあったから。こんな事件や不正によって釜山が開発されて大きな建物があれだけ造られたってことか。いや、フィクションとはわかっている。でも、その思いを拭えないでいる。
やっぱり韓国映画は面白い
先日、「破墓 パミョ」について「久々の韓国映画のはずれ」とレビューで書いた。
こちらの映画は、そこそこの当たりであった。面白かった。
今から30年前、1990年代の韓国第二の都市・釜山を舞台にした、政治家をめぐる
暗部を描いているのだが、悪辣な政治家、その周辺の人物をある種類型的、そして話の運び方もちょっとご都合主義的に感じないでもないが、全体にスリリングな政治サスペンスになっていて、最後まで飽きさせないのだ。
こんなに悪い政治家がいるのか―、昔の韓国ならいっぱいいたのか…などと思ってしまうけれど、政治家の本質なんて、古今東西「こんなもの」でしかないんじゃないか。
政治と政治家への期待や信頼を打ち砕くような実相を、世界の一等国になるまえの韓国の地方を舞台にして描いたのも、なかなかの野心作という気もする。
今の日本では、ちょっと作れない映画なんじゃないだろうか。
韓国映画を頻繁に上映する新宿シネマートで鑑賞。日曜の昼間、席数が50ちょっとだったがほぼ満席。年齢は比較的高かったが、日本ですっかり韓国映画が根付いていることを改めて感じられた。
ちょっと思ってたのと違っていたせいか 期待値が高かったからか 今ひ...
ちょっと思ってたのと違っていたせいか
期待値が高かったからか
今ひとつ入りきれないまま終わった
政治家は、悪魔の取引を終えると、サングラスを外せるらしい
2024.11.19 字幕 アップリンク京都
2023年の韓国映画(116分、G)
国会議員になりたい候補がなりふり構わず目的に向かう様子を描いたサクペンス映画
監督はイ・ウォンテ
脚本はイ・スジン
原題は『대외비』で「対外秘」、英題は『The Devil’s Deal』で「悪魔の取引」という意味
「対外秘」とはいわゆる秘密文書などの外に出してはいけない極秘書類などのこと
物語の舞台は、1992年3月の韓国・釜山
国会議員を目指すチョン・ヘウン(チョ・ジヌン)は、地元の海雲台にて支援者に目セージを送っていた
だが、釜山のフィクサーとも呼ばれるスンテ(イ・ソンミン)の判断で公認は取り消され、議員素人のヨンミク(キム・ソンフン)が公認されることになった
ハシゴを外されたヘウンは怒り、無所属としての出馬を決意する
そして、同窓生で市役所の本部長でもあるムン・チャンホ(キム・ミンジェ)にあることを依頼する
それは、今後行われる土地の再開発事業に関する決定情報で、ヘウンはそれを武器に地元のヤクザ・ピルド(キム・ムヨル)を通じて、実業家のハンモ(ウォン・ヒョンジュン)から多額の金を引き出すことに成功した
これで選挙に勝てると思っていたヘウンだったが、スンテは選挙管理委員会のパク課長(キム・ユンソン)に秘密裏に近づき、彼から「偽造された大量の投票用紙」を獲得する
これによって、ヨンミク票が圧倒的となり、ヘウンはあっさりと負けてしまった
彼には多額の借金だけが残り、自分を貶めた者の正体を探ることに躍起になる
そして行き着いた先に、議員のノウハウを指南してきた恩師スンテに辿り着いてしまうのである
映画は、選挙に負けたヘウンがスンテと対決する姿勢を見せ、そこにピルドが絡んでくる様子が描かれていく
さらにヘウンを取材する社会部の記者ソン・ダナ(パク・セジン)も絡んでくるのだが、政治的な圧力が報道を歪めていく
そして、ヘウンは更なる一線を越えることで、悪魔との取引を成立させてしまうのである
映画は「フィクション」と強調されて始まる物語だが、今の海雲台の発展とその周辺との乖離を見ると本当にあったことなのかなあと思ってしまう
政治闘争がメインではあるものの、ほぼ大韓民国党内部のパワーゲームになっていて、フィクサーに楯突く議員候補という構図になっていた
そこに地元のヤクザの暗躍があって、彼らはどちらに付くのかという心理戦があって、その包囲網を強引に引き寄せたヘウンが完全勝利する流れになるかと思えた
だが、スンテの方も一筋縄ではいかず、「引き分け」に持ち込むことになり、政治的パワーゲームは幕を下ろすことになったのである
映画は、緊張感を保ちつつ、どのような決着になるのかが読めない作品になっていた
ヘウンとピルドの間にできた絆をスンテが上手くほぐしていく流れは絶妙で、ピルドの欲が自らの首を絞めることにつながっていた
役名のない子分に裏切られるところが肝で、これから名を馳せていく無名の反乱というものは恐ろしくもあるのだろう
ヘウン自身も無名で終わりたくない一心から暗躍するのだが、自分自身が何者かを示す顕示欲とか自己承認は欲深いものなのだな、と痛感させられる
ヘウンのように一緒に戦ってきたバディすらも風向きによっては仕留めることができてこそ、真の勝者になれるということなのかもしれない
いずれにせよ、政治の世界で生き抜くことの難しさを描いているのだが、ここまで無慈悲になれないと生き残れない世界なのかなとも思う
政治の裏側は弱みにたかる強者の怨念のようなものでできていて、非情であることの必要性が痛感できるとも言える
そうした中で、温厚なヘウンがどのような覚悟を決めるのかと見る映画であり、その変貌の瞬間を捉えた作品でもある
どこまで非情になれるのかはわからないが、それを悟られないためにサングラスが必要な時期があって、それを外せる時にようやく本物になれるのかな、と感じた
時計見ながら待ってた…
とにかく面白いのは間違いないんですよ。
虚実清濁ごっちゃ混ぜの騙し合い化かし合い殺し合い。
建て前ではなんだかんだ言いながら最初から欲と面子の突っ張らかし合い。韓国映画の大得意。
今回のイ・ソンミンは始めから終わりまで黒ソンミンだったし、役者もみんな良かったよね…
しかしねしかし、あの終わり方はないんじゃないかな。善悪の、欲と建て前の、その間で揺れた主人公がダークサイドに倒れるときに無辜の人々を犠牲にしてはいけないと思うし、それだったらちょっとコメディ味を入れてたのは間違いで、始めからノワールにしておくべきだったと思う。
最後10分での逆転、てのを時計見ながら待ってたんですよ、僕は…
手のひらで転がる。
党の公認候補を約束され国会議員への出馬を決意したヘウンの話。
国政を裏で仕切るスンテが自分の言いなりになる男に公認候補を変え…、スンテの作成した富と権力を意のままにする“対外秘”を手に入れ復讐しようとするヘウンだったが…。
いつも行く劇場で流れた本作の予告とレビュアー仲間の高評価を見て期待して行くものの、鑑賞環境よろしくなくて…。
鑑賞マナー悪い方どうにかならないですかね?!持込みでお菓子食ったり、落ち着きのない方、無駄金はいいけど時間の無駄は1番イヤ!(笑)
作品感想をサクッと書けば権力、金持ってる奴が人を動かし、結局その人には敵わないってのが本作の印象ですかね。
楽しみにしてた作品なだけにちゃんと観れなくて残念。
恐怖の短髪
鑑賞したのは奇しくも、前知事のパワハラが報じられた某県の県知事選当日(タイムリー)。現実はエンターテインメント要素はないが、映画は不正選挙、政治と反社の癒着、報道をめぐる駆け引きなどをじつに巧みに(わかりやすく)まとめていて息つかせぬ面白さだ。
オープニングこそコメディタッチだが、主人公が選挙の暗部にはまるにつれ急速にそこから離れ、スコセッシ映画みたいに。チョ・ジヌンの善い人顔のおかげで、観客も悪の沼にはまりこんでいく怖さを味わえる。
腹に一物ある人物をやらせたら右に出る者のないイ・ソンミンが怖い(足を引き摺らせるのはちょっとやりすぎと感じたが…『マルサの女』の山崎努じゃないんだから)。気がつきましたか? この映画は「髪の短さ」と「悪さ」が比例している。五分刈りのイ・ソンミンがいちばん悪く、その次にヤバいのがスポーツ刈りのキム・ムヨル(←めちゃくちゃ良い)。チャン社長、メガネのオタクっぽい男など長髪は悲惨な終わりを迎える。もちろん女性記者も。普通の長さのチョ・ジヌンは善悪の真ん中で引き裂かれる役。
汚職や政治の裏側の権謀術数を娯楽作にしてしまう、韓国映画の底力を感じる。
相変わらず徹底して泥沼。
悪人だらけで賄賂に裏切り満載な韓国選挙合戦。最後に勝つのはだれか。自分にメリットがあって強いやつにいかにつくか。鼻が効くやつがいきのびる、と。久しぶりに正義ゼロな韓国ノワールに驚愕。
マキャベリズムに透徹して韓国地方政治を描く。 新しいタイプの韓国ノワール
韓国映画で地方政治の暗黒部分を描いた映画といえば「アシュラ」を思い出す。あれは何時終わるともしれない暴力表現が続く韓国映画の傾向値の到達点にあたる作品だった。
「対外秘」は韓国ノワールとしては圧倒的にアクションシーンは少ない。そうこれは、チョ・ジヌン演ずる地方政治家ヘウンが口一つでのし上がろうとする姿を描いた映画である。最初の方、無所属で立候補した国政選挙で落選するまでは、コメディ的なニュアンスもありどこか頼りないイメージもあるが、後半、イ・ソンミン演じるところのフィクサー、スンテと五分に渡り合いだんだん貫禄が出てくる。弟分でヤクザのビルドに何度も「お前は体を使え、頭は俺が使う」といっている割にはあまり頭は良くは見えないが度胸だけはある。まさに死線を越えた政治家なのである。
そういう意味では、スンテが最初に彼の公認を外させたのが判断ミスであって、最後には地方政治のあるべき姿、バランスに戻っていく過程を描いた映画であるともいえる。そこでは市政、企業家、ヤクザ、警察、検察などの上に君臨するいわばヒエラルキーの最上位者が政治家であること、またスンテのようなフィクサーを通して中央が地方をコントロールしていることも描かれ、韓国政治の姿をリアルに表現しているということになるのかもしれない。マキャベリズムというべきなのだろう、気持ちの良いほど正論にとらわれていない映画である。
虎狩り
大統領選出馬を視野に入れるフィクサーと対峙する、釜山の政治家とヤクザの話。
92年の釜山海雲台で、党の公認を約束されて国会議員選挙に出馬した男が、フィクサーによってはしごをはずざれて、無所属で出馬し巻き起こっていくストーリー。
対外秘の開発計画資料をネタにヤクザやそれと繋がる出資者の後ろ盾を手に入れて、選挙戦を戦う主人公と、選挙そのものをぶち壊す様な策略を企てるフィクサーに始まって、ドロドロのマウント合戦をみせていく。
冷静になって振り返ると、取りこぼし合戦でもあるけれど、どっちもどっちの汚〜い感じが面白かった。
ただ、そんなことしなくても充分面白いのに、途中すっ飛ばして後から実は…とみせて
さも逆転劇かの様にみせる韓国映画お得意のヤツが炸裂してがっかり。
しかもそんなオチ?という、ある意味なあなあな終わり方で少し物足りなかった。
骨太な力作
1990年代の韓国総選挙を描いた作品。
巨体な携帯電話やタイプライターなど、
レトロな小道具に心ときめいた。
悪役に達したイ・ソンミンはさすが。
ラストで青瓦台が見えるホテルのシーンは象徴的だった。
韓国ならさもありなんというリアリティを感じさせる力作だった。
政治家版カイジ
負け犬政治家の奮闘
特に何かに秀でてるわけじゃないけど
その場その場の機転でどうにかこうにか
危機を乗り越えていく展開はどっちに転ぶが予想出来なかった
ただ善良な人が明確に殺される描写があってそこだけはマイナス点
クズ同士や裏社会の住人達が死ぬ分には
別にいいんだけどね
オチももう少しスッキリさして欲しかったな
政治の争い。どっちが勝つか⁉️
面白かったですねー。頭の勝負。立場の争いや力勝負、化ける奴もいるし、観る分には男の権力争いって面白い。最後まで結果が見えなかった。でも最後はちょっと呆気ないなー。4.8かな。
全18件を表示