「愛とは何か、その答えのひとつ。」動物界 アルさんの映画レビュー(感想・評価)
愛とは何か、その答えのひとつ。
妻への愛、息子への愛、友達への愛、異性への愛。スリラーでもホラーでもサスペンスでもない、完全なラブストーリー。
その色々な愛の中で、物語を通して一貫しているのが相手への"理解"。
少しずつ身体に変化が現れてくるエミール。明らかな異変が増えてきて、その獣化を隠しながらの生活。
そして先に向こうの世界へ行ってしまった母ラナに対する"理解"が、友人となるフィクスとの出会いから始まる。
とても難しい役柄を、淡々と且つ大胆に演技。少ない言葉で素晴らしい表現。無名の俳優とは思えない程に惹き込まれた。
父フランソワの夫婦愛、親子愛。
常に暖かい目で見つめるフランソワに、同じ父親として痛くなる程に胸を締め付けられた。そして、終盤に初めて気持ちを吐露。受け入れたい、理解したい、でもどうする事も出来ない現実。
最後まで求め続けた夫婦愛。
最後まで注ぎ続けた親子愛。
本作の終始漂う不穏な雰囲気は、フランソワの愛する家族が人としての尊厳を失う事への恐怖。
フランソワが異形の獣を"理解"した時、
エミールが獣を受け入れ"理解"した時、
何を決断するのか。共存への道はどうなるのか。
人により、評価が大きく変わりそうな作品。個人的には大好きな作風と題材。この数年後の世界も全然アリ、寧ろ楽しみに続編を待ちたい。
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