「グッとくるものが無い」動物界 うまぶちさんの映画レビュー(感想・評価)
グッとくるものが無い
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人と異形の者の不和を描いた作品って古くからあると思うので、切り口にそれほど斬新さは感じず。
これ見て「考えさせられる」ってなるか?と思うし、それならNHKのドキュメンタリーでも観た方がよっぽど為になる。
クリーチャーとして一番出番が多かったフィクスの造形や飛翔シーンには(変異途中の身とはいえ)違和感があって残念。
コントでハリボテの羽付けてる人みたい。
ロマンス要素を入れるのはわかるけど、入れるなら入れるで最後までちゃんと消化して欲しい。
彼女に拒絶されるなり、今生の別れのシーンがあればより同情的に感情移入出来ると思うのだが、ただ発症バレイベント起こす為にヤッてハイ終了とばかりにフェードアウトしてしまった。
結局、主軸になる父と子の物語がどれだけ心に染みるかだと思うのだが、どうしても母の存在が心残りで。
極力見せない演出なのは分かるし、既に長い葛藤の期間があったであろう事も分かるが、息子にとって余りにも存在が軽くて悲しい。
夫が完全に獣化した妻に声を掛けられないシーンも「乗り越えた」と言うより「諦めた」感がつよく、エンディングで息子を送り出すシーンとのギャップを感じてしまいました。
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