「悪くない。十分楽しめた。ただ…、ちょっと惜しい感じの映画。」動物界 yurimaripapaさんの映画レビュー(感想・評価)
悪くない。十分楽しめた。ただ…、ちょっと惜しい感じの映画。
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基本観ると決めた映画については、なるべく予備情報を入れないようにするので、今回はボディスナッチャー的に人間がどんどん動物に変わっていくようなドロドロ近未来SFを想像していた。そこは予想が外れたけれど、それはそれでよし。
夫婦、親子の愛情を軸にしつつも「愛は地球を救う」的なベタなアメリカ映画みたいな押しつけがましいくどさは無く、自然に感情移入できるちゃんとしたシナリオです。
動物化した人間たちのCGも中々だし、上記家族愛の他にも、太古より耐えることなく続いてきた人間様の動物虐殺、また同じ人間である障碍者や宗教的異端者に対する迫害の黒歴史に対するクリティカルなメッセージがしっかりとあって、被迫害者に対する理解を示そうとする人間もバランスよく登場させるなど、娯楽作品とはいえやっぱりヨーロッパの映画はちゃんと人間が描けている。
色んな意味で、何と言うか、「いい映画」だと思った。
ただ、母国セザール賞で多くのノミネーションを得ながらも、主要部門では受賞できなかったのが、この映画の出来を正しく評価していると言っていいのかな。
「惜しい!」と言ったところか。
ただ、十分元は取れました。
映画とは関係ないけれど、少ない観客の中で、上映開始から終わりまでずっと袋の音やらガサガサ音を立てて飲み食いしている輩がすぐ後方に居て参った…。
あいつは何の動物に変化しつつあるんだろう。
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