劇場公開日 2024年6月28日

  • 予告編を見る

「恐怖映画の革命!!!」スリープ mark108helloさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 恐怖映画の革命!!!

2025年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

知的

斬新

物語というものはなるべく早い段階で今後の進む方向性を開示して、追体験する側の期待、希望、予測をどこまで凌駕して裏切れるかで、その作品の完成度が評価されると言うのがドラマツルギーの定石である。がしかしこの作品は、何種類のも対立軸を交互に行き来させることで、反発するN 極とS極を螺旋上に配置しその斥力の回転だけで物語を進めると言う極めて高度な構成となっている。俳優と一般人、上階と下階、医学と超常現象、主観と客観、事実と妄想、身内と他人、医者と巫女・・・いずれも二つの相対立する力を推進力に物語が進むが、その二つの反発する力を鎮める唯一の力が共に引き合う夫婦愛。このエレメントから物語を考察すると見るものらは終始反発する二極を相互に行き来させられて、最後の最後まで恐怖というコンセプトに内在するサスペンスとホラーという要素の狭間で、どちらに転んでも恐怖に変わりないと言う「恐怖」の概念の本質を弄り倒す、一歩間違えば緊張のあまりギャグにもなりかねないギリギリの緊張感で終始観客を引きずり回す。これがたまらない新しい感覚で快感なのだ。サスペンスとして見てみる事が可能であり、ホラーとして見てみる事も可能なこの作品、終始最後の最後まで超常的なものが現れる事なく進むだけに、両方の可能性の恐怖に引きずられその緊張感、見えぬものを最後の最後まで見せない演出によって一歩間違えばギャグやコメディにまで持って行けそうなポテンシャルを内包しつつ、一旦の幕切れとなるが、それが真のハッピーエンドなのか実はその後に最悪な続きが展開するのか、そこですらどっちにでも解釈が分かれてしまうと言う複雑さ。デ・パーマは🎦キャリーでこの緊張感のママ一旦は物語を終わらせながらその緊張感に耐えられずエンドロール・アフターでもうひとサービスを展開し称賛を浴びたが、この監督それすら封印したために、子の複雑さに付いて来れなった観客からは思わぬ低評価を喰らう事になってはいるものの、この作品そこを封印した初めての斬新映画と言えよう。メチャクチャ次回作が待ち遠しい。

mark108hello
PR U-NEXTで本編を観る