「秀逸なエピソードの数々に感銘」明日を綴る写真館 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
秀逸なエピソードの数々に感銘
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今時、写真館の利用者なんて少ないだろうし映画にするなんて、どんな目論見なのか興味半々で観始めましたが、説得力のあるエピソードの数々に感心、特に病床の祖母が昔の記念写真を観たがっているとの知らせで、写真館に残った写真を探し出して瀬戸の島に徹夜で向かう話や、写真館の高齢の妻が結婚式に憧れていることを知り内緒でフォトウェディングを企画する話は良かった。昔ながらの真摯で正統派の写真館の主に対し、弟子入りした太一が古びた写真をパソコンで修復したりインスタの活用でケーキ屋さんや母の仕事を盛り立てる ところなど、若手ならではの長所も十分表現できていましたね。
音楽を担当した大林武司さんはバークリー音楽院出身で数々の賞をとったジャズピアニストでもあるからだろう、写真館の夫婦のフォトウェディングで息子たちが演奏する曲がIt Don't Mean a Thing、躍動感とコミカルさもあり、素晴らしかったです。
写真館の主を演じる平泉成さん、芸歴60年にして初めての主演とのことですがベテランならではの抑えた演技が心に響きました、佐藤浩市さん、市毛良枝さん、黒木瞳さんなどのベテラン俳優陣も良かったですね、チョイ役でしたがボーダーコリーの吾郎(ランス)ちゃんも可愛かった。写真も芸術であることは間違いないですが上から目線で語ることもなく控えめなセリフ、演出も好感が持てました、素晴らしいヒューマンドラマの傑作でした。
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