ブルーピリオドのレビュー・感想・評価
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5×200ー5=995のその後
映画として観るものの興奮を呼び覚まし満足させる。
という意味では、主人公はこれ以上ない達成を得ますし、実際感動しました(自分A)。
以下は、感動したのとは違う、もう一人の冷めたところのある自分Bの感想です。
私には、この主人公の藝大合格は、キングダムの主人公 信が天下の大将軍になることに匹敵するほど稀有なことのように見えてしまいました。
合格枠5人に対して200倍ということは、毎年995人前後の若者が涙を呑んでいる。そして浪人したり武蔵野美大や多摩美大や専門学校などに入ったりアニメスタジオの門を叩いたり、アルバイトしながら別の職業を模索したり…
ということになるのでしょうか。
『好きなことで食っていける』人はどんな仕事でも少数なのはみんな分かっているのに、いつしかそれが強迫観念のようになって、いつまでも自分探しをやめられない人ってどれくらいいるのだろうか。
『食っていける仕事が、いつの間にかそれなりに好きな仕事になっていた』という人のほうが多いと思うし、仕事を通して出会う人との縁が自分を成長させてくれることに気がつけば、それで十分豊かで幸せな人生だと思います。
合格できなかった多くの人たちのその後についての描写がまったくないのが、とても気になって仕方がないのです。
文哉くんと郷敦くんのヌードが美しい
原作はこの作品と同期するところまでは読んでいた。
その上で、キャストもストーリーも再現度が高いと思いました。
しかし、八虎くんの周りの魅力的な人物がいるのに、あまりに深掘りされてなくて、表面的になってしまっているのが惜しいと思いましたね。
ユカちゃん(高橋文哉)は、女装している美形のおとこの娘。好きなものは女性と変わらないのに家族からは認められない。友人たちはみんな自然に受け止めているのに⋯。
ヨタスケ(板垣李光人)くんは、天才肌の美術オタク。桑名マキ(中島セナ)は藝大に首席で合格した姉を持ちプレッシャーに潰されそう。恋ヶ窪晋(兵頭拓海)は八虎の不良仲間(でもとても良い奴)。
それぞれとても魅力的だけに、置いていかれるのは⋯。だから連ドラだと良かった。かも。
前に見た流星くんの「線は、僕を描く」のように静かな文系映画だ。
一言言うなら藝大に合格するのに2年の努力でできるのは天才レベルの話に見えてしまう。できる人だったんだと思えてしまうのが惜しかった。
そういえば郷敦くん自身も、藝大を受験して失敗したんだよね。映画とはいえ合格出来てよかったね。
どこかでそのサックスを聞かせて欲しいな。
画の凄みを映像化する離れ業をやってのけた傑作
まるで期待しておりませんでした、ただ予告編で主演の眞栄田郷敦の「目力」が何やら私の心を刺し、鑑賞を決めた次第、大正解でした。原作が漫画なんてまるで存じ上げず、本映画としての感想です。なにより予告もなしに突然開けるその瞬間を映像化し得たことが傑作の証なのです。東京芸術大学の入試の難しさなんてまるで知らず、現実はこんなもんじゃないかも知れませんが、こんなケースもあり得ると思わせてくれたのですから十分です。
今時の高校生の生態がこんなにチャラいの?と驚きではあるけれど、スポーツバーでビール? 朝帰り? 髪染めなんて当たり前? それらを飲み込んでしまえば、その先は私の高校生時代と意識はさして変わらない。ダチとつるんでの行動を無意識の安全牌だと言う事、そしてその輪から逸脱する微妙な個の飛躍を遠慮気味に、しかししっかりと描き、涙すら催す輝きをしっかりと私は受け止められました。言葉にすれば簡単でしょうが、水彩絵の具が水面で一瞬にして拡がるさまで表現する映画的悦楽に、萩原健太郎監督ってこんなに巧かった?って嬉しい驚きでした。吸ってもいないタバコを常に持ち歩く、この感覚だけで一瞬で我が青春の痛みが蘇るのです。
お話は芸大受験一直線のスポ根もどきですが、努力すれば報われる世界ではない。けれど感性を研ぎ澄ますに、方程式はまるでない、結局のところご当人が紆余曲折、足掻いて叫んで見つけ出せるか否かの狭間の物語。そこに至るにまずは高校二年の段階での好きな事の発見が第一、第二は目標定めたら一気呵成、美術の予備校での切磋琢磨、そして第三が受験の修羅場と大きく三つに分かれる。
先輩の女高生、武蔵野美大の推薦合格に至るまでの交流で、課題と出された風景画で確実に答えに至るプロセスが圧巻です。「あなたが青く見えるなら りんごもうさぎの体も青くていいんだよ」って凄いですよ。プッシュする美術の教師役の薬師丸ひろ子が付かず離れずの温か味で主人公を包む。「好きなことをする努力家はね 最強なんですよ」ここで主人公は自ら気付く。
美術予備校での天才との出会いは強烈で、確かにそれを観客に判らしめる形で提示される。ごもっともごもっともと。江口のりこ扮する講師の衣を着せない物言いも納得で、比較される絵画も違いが判るのが絶妙で。ユカちゃんこと鮎川龍二の造形も何の違和感も感じさせません。「悔しいと思うなら まだ戦えるね」は言い得て妙。本人も一挙に目覚め「才能がない人間でも天才と見分けがつかなくなるまでやればいい」とのめり込む。高校でつるむ一人が廊下から沢口の変容が気になるシーン、しっかり後から「俺パティシエになる」と伝える素晴らしい連鎖反応に、涙ボーだです。
いよいよの受験が振るっている。一次が「自画像」二次が「裸婦像」、いきなり筆を走らせるのではなく、意識を言葉にしそれを文字として書き留める、この作戦が実に分かり易い。一次は偶然のアクシデントによる鏡の破損によるアプローチ。二次はその直前でのユカちゃんの失踪に絡み、全裸で己の自画像を描くシーンが本選で活きる。ご都合主義といわれればその通りですが、プロセスを映像で積み上げる手段として巧く活きている。ちなみに、裸婦のモデルさんが登場しますが、モデルの全裸正面ショットくらいあって当然とも思うのですがね。
こうして、いよいよの発表シーンもお見事で、事業に失敗し今は夜勤の父と母に静かに伝える。この母には前段で母のスケッチのシーンがあり、奥行きを感じさせる画づくり。ついで予備校講師のサプライズ笑顔、そしてつるんだ仲間達の歓び爆発シーン、最後に高校の恩師がまさに二次試験の作品を観、観客にも初めて見せる仕掛け。
前述した刺さるセリフも原作由来でしょうし、夜明けの渋谷の街に浮遊するシーンも漫画由来でしょう。と言うことは映画に登場した絵画の数々はどう表現されてたのでしょうかね、漫画では。この辺りが、漫画原作の映画化において絵コンテがわりになってしまっている事が、いいのか悪いのか悩ましい。それにしても眞栄田郷敦の圧巻の美しさと憑依したような熱演が確実に本作を支え、彼無しには成し得なかった境地が確かに本作に息づいてました。
再構成の仕方は好き
人物・演出の魅力溢れる作品、できれば連続ドラマでも観てみたい
青春映画の王道と言っても良い佳作。
人に合わせて生きている所から、好きを軸とした生き方に脱皮することがテーマ。
こと今の時代は、好きと努力が掛け合わせられれば最強。
今年は原作を読まずに臨む映画が多かった中、こちらは原作マンガが好きで愉しみにしていた。
どの点が強調されどの点が削ぎ落とされているかが判ってしまい多少消化不良とならざるを得ないきらいはあるものの、
芸術を扱う本作をアーティストを含む多数の協力者を得ながら、ここまで見事に描き出したのは脱帽だった。
今をときめく眞栄田郷敦、高橋文哉、板垣李光人、桜田ひより、などの俳優たちが、その時その時の想いをセリフだけでなく表情でも魅せてくれた。
もっと観ていたかったので、連続ドラマとなることも希望したい。今回の4人以外にも魅力ある人物がてんこ盛りの作品なのだから。
老害
な私の感想。
なので、若い方が見たら噴飯物かもね。
かなり有名な、時に日本一ともランキングされる大学で働いている。
だが、その実態は企業を品定めして就職活動に明け暮れる学生たち。
この映画で言うところの「お母さん」好みの良い子たち。
正直言って辟易している。
一応エリートのこの子たちが未来を担っていくの???と。
だからこそ主人公やそれを取り巻く若者たちには快哉を叫んだ。
泣く映画ではないと思うが主人公の姿を見て涙がこぼれた。
特にパティシエを目指すという友人とのやりとりは胸アツだった。
努力は才能に勝らないことがほとんどということは身を以て体験しているが、
努力は報われて欲しいと思わずにはいられない。
題材が絵画であるのもいい。
スポ根は暑苦しくて頭も筋肉になってしまうが、
芸術はそこに繊細さや奥深さが加わっていてより強く訴えかけてくる。
眞栄田の主演にはかなり違和感があった。
高校生?芸術?
特に後者に関しては体育会系というイメージしかなかった。
高校生についての違和感は全く拭えなかったが、
後者についてはそれほど気にはならない好演だった。
それを上回るインパクトだったのが高橋文哉。
正直言って、きれいで魅力的だった。
声高にLGBTを主張されるよりよほど心に染みた。
とりあえずのハッピーエンド。
人生としてはプロローグにすぎない。
原作に続きがあるならぜひ観てみたい。
素顔のままで
東北の地方都市から上京して幾星霜、言葉はすっかり標準語なのだが、どうしても個人的に使えない(使いたくない)言葉が僅かながらある
タバコのセブンスター「セッター」マイルドセブン「マイセン」ラッキーストライク「ラキスト」
一言で「気取ってんじゃねーよ!」
東北弁には無い発想のネーミング
しかし、自分のなかで絶対ない言葉の筆頭は「〜しな」「〜しなよ」の提案言葉
上京当初、初めて「S君、休憩とりなよ!」と言われたときの背中に感じた気持ち悪さ…(あくまで個人的感想であり、生理的感情なのでご容赦ください(・∀・)
女性が使うぶんには許せるのだが、男性に使われると今だにモヤモヤ…
東京出身の女性と結婚してから、僕等家族の前で決して東北弁を使わなくなった実弟が、「兄貴、〜しなよ」と言ったものなら、お互い齢50過ぎて母親の前で兄弟喧嘩をする自信があるほど苦手な言葉である
なぜ、こんなどうでもいい文章をダラダラ書いているのかといえば、この映画で3回ほど「〜しなよ」が出てきたから(使うな、という意味ではなく、ただただ気になる)
極めて私的な昭和の東北オジサンの戯言を垂れ流してしまいましたが、映画自体は主演の眞栄田郷敦、実兄の真剣佑とは対照的で出演作品のチョイスがいいな、と オワリ!
観ていてつらかったです
決して悪い意味ではなく、今までの経験と重なってしまって、かなりつらかったですが、原作もそんな感じですから。
劇中のほとんど泣いてました。
何かを本気で目指せる人は強くてかっこよく見えます。
表現もキレイでしたし、配役も良かったと思います。個人的には森先輩の登場シーンと橋田のビジュ完璧でした。あと、劇中歌がハマりまくってました。
とてもいい映画だったのですが、強いて言えばもっと他の人物たちとの関わりも見たかったです。
特に世田助くんが大分やな奴になってたように感じました。原作はもう少し可愛げのある感じで、取っ付き難い奴くらいな印象だったと思うんですけど、映画の尺だとしょうがないのかなという感じです。
ドラマだったらそういう所もじっくり描けて良かったのかな、、なんて思ったりしました。
前情報無しで見ました
群青
原作は読んでる状態で鑑賞
自分の中では芸術って何だろうと薄ぼんやりしている。縁遠いものではあるが、確かに存在はしている。その霧がかった状態をに挑戦するひとたちは、アートを生業とするためのとっかかりとして藝大を受験してその道を生きていく、というのは生半可な気持ちではないし、不安しかないのだろう。
それを払拭するべく強く生きる様を眞栄田郷敦くんは成功していると感じました。挫折するキャラクターたちもよくて当て書きしたの?というくらいみなさんピッタリでした。
やや原作のキモとなる部分は尺の都合上、足らないかなとはなるけれど、美術って何だろうと考えるきっかけにもなると思うので、将来の選択肢のひとつとして中高生に観てほしいな
好きだけで続けるのは難しいが好きではないことを続けるのも難しい
評価が低い=自分の実践や能力を否定されたと何度思ったことか。私は今の仕事を長く続けることが出来たが、心が折れて職場を去る人や、お金を貰う手段と割り切って続ける人をたくさん見てきた。好きな仕事に就けても、評価されなかったり、周りとの実力差を見せつけられたりするのは辛い。芸術家や芸能人などの表現者は尚更のこと、好きだけで続けるのは難しいし、好きだからこそ辛い。
原作アニメは何度か見たが、もっと心の揺れ動きが丁寧に描かれていたように思う。龍二と裸で絵を描く場面は無理矢理詰め込んだ感がある。原作が10巻以上ある作品を一本の映画にまとめるのは難しい。八虎以外に魅力的な登場人物が多いので、原作ファンには物足りないかも知れない。
⭐︎3.8 / 5.0
「ピカソ15000点」
さんけつ
絵を描くことは自分の本質と向き合うこと
…内なるもの
本来変わらない自分
キャンパスに描かれている
画に…引き込まれていく
絵画に興味をもち目覚めていく
でもいざ絵を描こうと思うと
何を描けばいいのかわからない
絵は
…決して上手くはないが
絵を描きたい
悩み悩みながら
…画きたい一心で
周りの人たちの助けをもらいながら
影響を受けながら…
少しずつ前に進んで
自分自身と向き合っていく
自分の個性
…弾ける個性を出していく
新たな自分に巡り会える
描いて…描いて…描いて。
描き続ける
…努力が報われる
そこから
また新たな自分に会える
主人公の八虎役に眞栄田郷敦
ほぼ八虎の目線で作られた作品
…八虎の
悩む姿また内面の心の様を表現して
いて素晴らしいと思いました
生徒役で関わったキャストの皆さん
先生役の薬師丸ひろ子さん
とてもよかったです
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