ブルーピリオドのレビュー・感想・評価
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とても上質な映画で驚いた
何となく気になっていた映画。眞栄田郷敦主演だし。
で、とても上質な映画で驚いた。この監督、なかなか上手い監督だと思った。
ある意味ソツがない。
でも外さない凄さがある。
例えば、出てくる絵はとてもしっかりしているし、その創作過程も丁寧でリアル(だと思った)。
脇役陣の配置もほどほどで邪魔にならずに生きている。
メインは眞栄田郷敦と高橋文哉と板垣李光人。彼らもいい。
それに薬師丸ひろ子や石田ひかりがそれなりに歳を取ってとても滋味深い。おっと忘れてた江口のりこもいい味。
まあ、ズシンとくるものはないけどいい映画を見た満足感はある。
物足りないが
原作既読。
個人的には、重要なシーンを2時間に上手くまとめられてたように思う。
実写だからこそ、彼らが描いた絵や見ている絵を映像で見られるのが良かった。
こちらも八虎が見ているものを一緒に見ることで、彼の感動や思いを直に感じ取れた気がした。
ただ、映画に詰め込むために登場人物同士の絡みが薄いし、それぞれを掘り下げないため各々が抱えてる葛藤が見えづらかったのが残念。
キャストはみなさん素晴らしかった。
特に大葉先生は原作そのまま。
眞栄田郷敦くんもピッタリで、彼が八虎役で良かったなと思う。
原作と比べると物足りない感は否めないが、作品としては好きです。
また観たい。
最強論 ~美術編~
原作が好きで、期待値が高過ぎました
原作を読み高く評価しています。アニメは観てません。予告編を見て本作は気になっていましたが、劇場で観る機会がなく、最近、アマプラの配信開始を機会に鑑賞することができました。
眞栄田郷敦の風貌は矢口八虎によく似せてはいるものの、矢口は原作で不良という設定だったっけ… ほかにも原作のイメージとは異なるほどに、話の展開が単純化されて淡白で、原作に対する愛おしさが感じられず、本作は原作の味わいと無縁のものになってしまっているのが残念です。作品によっては映画化されて、映画独自の魅力が創造された結果、原作とは別物だけど高く評価できるものもありますが、そうでもなさそうです。郷敦以外のキャラにはいずれも魅力が乏しく、演出は平板で、原作のドキドキ、ワクワク感がありません。郷敦の無駄遣いとも思いました。もったいないです。
好きな事に一番ウエイトを置く
眞栄田郷敦扮する不良優等生の矢口八虎は友人達とスポーツバーで盛り上がったりしていたが、日頃から手ごたえの無さを感じていた。
眞栄田郷敦主演作は初めて観るな。若いのに渋いなと思ったよ。大学進学について家庭の事情から国公立じゃないと無理と言われるのは辛いね。美術教師役で薬師丸ひろ子登場。自分が描いた絵が褒められるのは嬉しいだろうな。絵を描くのが好きだからといって美大を目指すのは如何かな。好きな事に一番ウエイトを置くなんて先生のアドバイスは罪だと思うよ。東京芸大受けるなんてさ。才能一本に賭ける、だけどそれも他人事の青春か。親ならたまったもんじゃないな。悩ましいね。でも息子に懇願されたら反対出来ないよな。なかなか説得力あったよ。
実写化するなら連ドラでしょ
自分の本当の姿を求めて
人気コミック原作で、眞栄田郷敦を主演に据えて実写映画化した本作。劇場公開の際、見逃して、Amazon primeで配信されたので早速鑑賞。東京芸術大学を目指す男子高校生と、トランジェンダーの悩みを抱えた友人の葛藤を描いた青春ドラマ。
自分の娘も今から12年前に、芸術大学を目指して、美術予備校に通っていた。東京芸大とは行かないまでも、公立の芸術大学に合格した事もあり、当時の娘の頑張りを思い出しながら、懐かしさと共に鑑賞した。
勉強しなくても成績優秀な矢口八虎。しかし、やりたい事も見つからず、悪友と毎日遊び歩き、空虚な日々を送っていた。そんなある日、美術の授業で描いた『青い渋谷の街』の絵をきっかけに、絵を描く事の素晴らしさに目覚めて、のめり込んで行く。
そして、芸術大学の頂点とも言える東京芸術大学への受験を決意する。しかし、絵画を始めたばかりの八虎の前には様々の壁が立ちはだかる。本当の自分、自分らしい絵を目指して試行錯誤を繰り返す。そして、いよいよ受験の時を迎えていく。
主人公の八虎役の眞栄田郷敦は、絵を描く事を通して、新たな自分と成長を見出していく高校生を熱演。そして、何よりトランスジェンダーの友人役の高橋文哉が、あまりに美しく見惚れてしまうほど。八虎と2人で裸になるシーンは、男とわかっていても、ドキドキする刺激的シーンだった。
主人公には一切共感できないけど他キャラは良い。
漫画もアニメも未履修で観たからか、これめっちゃ端折られてる?って感じでした。1本の映画として上手くまとまってるけど色々モノ足りない感じで、尺の都合上仕方ないんだろうな。きっと面白いに違いないから原作読みたくなった。
キャラ紹介やイラスト見た感じ、再現度は結構頑張ってるのかな。特にユカちゃんはしっかり可愛い女装男子なのが良かった。女性と間違うほど女性じゃないけど、ちゃんと可愛い。儚い。
主人公のおうちは貧乏設定なのにバイトもせずにあの高そうな服やら靴やら画材代や美大受験用のアトリエ代はどこから捻出してるんだ?とかお金のこと気になってしまったwキャンバス1枚でも高いのに貼り直しもせずにガンガン使ってるし。これだけ金出せるなら多分私大も行ける経済力あるよ⋯!
面白かったんだけど、アウトプットが目的では無い絵描きさんの気持ちが分からないので、主人公に共感できず、他のキャラが気になったので、原作読む気満々になってます、てことは、映画としては色んな人に届く素敵な仕上がりなんじゃないかと思う。
原作6巻、受験終了まで読んだ!やっぱり金銭の問題丁寧に解決してたやん!じゃなかったらあんなバカスカ画材やキャンバス消費しないよね。F100も自費で購入だろうし。1枚で3万以上するよね?アナログ画材は金が無限にかかるね…八虎も親もがんばれぇ。ってなった。映画と原作はだいぶ印象違うけど、原作読んだらなおさら映画は映画でよかったと思えた。
何歳になっても「やりたいことをやる」のが一番幸せだと思った
漫画が原作だという話でしたが、私は漫画もアニメも見てたことがないので、この映画で初めて『ブルーピリオド』を知りました。
映画の方は、200倍の超難関の東京芸大の絵画科合格を目指す高校生「矢口八虎」が芸大受験映画になっていました。漫画やアニメには、その先のストーリーもあって、矢口八虎以外の登場人物のストーリーも深堀りされていて、大変読み応えがある作品なんだそうですが、映画は時間の制約もあるし「受験編」のみで、それでも見ごたえがあって面白かったです。
矢口八虎のイメージと真栄田郷敦さんが合っていると感じました。同級生の中でも、どこか突き抜けている感じ、目立たないようにしてるけれども、実は凡人じゃない感がよく出ていました。
私も絵を描きたくなったし、ほんとうに好きなことをやっておけばよかったと後悔しました(私は五十代後半です)。今からでも遅くないから、好きなことをやろうと、日本人の平均寿命を考えても私の人生もう30年も残ってないと思うし、好きなことだけやって死にたいです。そうするべきだと本当に思いました。
芸大に受かっても受からなくても、画家として生きていきたいなら絵をかいていけばいいし、売れる売れないは二の次で、売れないならバイトしながら絵をかいていけばいいと思う。矢口がこの先どうなるのか、私は漫画の方を読んでないから知らないけど、覚悟を決めて生きていけば、人生どうにかなるし、後悔しないと思う。
少なくとも矢口は、後悔する生き方はしない、と決めたんだなと思いました。
この作品、青春映画に分類されるのだろうと思いますが、おじさんおばさんになっても「どうやって生きるか」という問いは死ぬまで続くし、中高年がみても、老年期の人がみても楽しめる作品だと思いました。
タイトルに隠された「転」
やはり漫画の実写化でしたか~
基本的には面白かった。
この作品にみる起承転結のなさ、転がないという不思議さを感じた。
確かにそもそも芸大を目指すことに決めたなら、そこが物語のゴールである場合、転など存在しにくいだろう。
この部分の是非はある。
さて、
最も難解なのがタイトルだろうか。
主人公矢口が見た渋谷の朝
彼の高校生活の基準の夜遊びと美術の宿題「私の好きな風景」
絵画と出会い、微妙に気持ちが揺れ始めた矢口
そもそも作品など提出する気もなかったのかもしれなかったのに、あの日渋谷で見た朝の青さが記憶に残っていた。
自分だけが知るあの光景 あの日 あの瞬間
提出した作品は四角い升目を書いて青で塗りつぶしただけのものだったが、何故か見る人に印象を残す作品になる。
勉強しなくても成績優秀 おそらく簡単に国公立に入れる。
でもいつも感じる「手ごたえのなさ」虚無感
「美大に将来性はない」
「誰の意見?」
「周りに合わせるの、よしなよ」
俺にとっての価値 俺にとっての感動 本当の気持ち 本気になれるもの
好きなことを人生の一番のウエイトに置くこと
作家は、誰かの価値観で生きている若者に対し、この作品でそうじゃないよと提言したのだろう。
そして、
矢口が自分のやりたいことを発見したきっかけとなった遊び惚けて見た渋谷の空、夜明けの空、青の世界を従来の自分の価値観として、そんな過去に決別したのだろう。
つまりタイトルが示しているのは、過去との決別なのかもしれない。
そこに「転」があった。
この作品の型は、起 転 承 結
さて、、
身も蓋もないが、お金の問題と国公立
普通の国公立に行って美術部に入れば? とも思ってしまった。
芸術に対する他人の評価はネガティブにしかならないように思う。
肩の力を抜けば、あるいはもっといい作品ができるかも。
ただ、
そこまでの決心があったからこそ物語を紡ぎだすというのはわかる。
あの諦めた仲間たちが芸大に入って夢見たいものとはいったい何だったのだろう?
そうでなくてはならない根拠を知りたいと思った。
コアな世界ではある。
でもそうじゃなきゃいけないことなど何もないのではないかとも思う。
物語の中に、そうじゃなきゃいけない理由と、一般大学の美術部を選択した誰かがいてもよかったように思った。
青春映画として面白い
嫉妬する
映画の作りとしては一本筋が通ってたと思うけど、
2時間でまとめると上手くいきすぎだろ!
とは思ってしまった。
主人公は天才ではない、上には上がいるもっと頑張らなくてはと言う努力型の人間ではあるのだろうけど、
天才にしか見えなかった。
ただ、僕はもう40歳を超えてるし、
上手く行かなかった事のほうが多かったので
嫉妬してるだけかもしれない。
こんなに努力した事ないだろ!と言われればそれまでだ。
なので、若い世代これから受験を迎える10代にとっては
励みになる映画なのかな?と思いました。
強く心に響く台詞も沢山あったし。
郷敦さんの目が真っ直ぐな目をしていて、
確かにこの主人公には僕には見えてない世界が見えてる
んだろうなと言う説得力があったし、
出来上がった絵もただのセットでなくて、
説得力のあるものだった。
確か漫画の触れ込みは
美大を目指すスポ根漫画だった気がするのだけど、
そう言う熱さみたいなのを感じたかったかなと思いました。
夜明けの「青」の渋谷
YOASOBIの「群青」はこの「ブルーピリオド」にインスパイアされ作られたとのこと。近年のあらゆる音楽の中でも一番好きな楽曲である。原作漫画は未読であるが、その世界観に触れたくて映画館に足を運んだ。
「ちょっと高いところからバランスをとって過ごしていた」だけの八虎は、目標もなく生きてる実感が持てなかったが、森先輩の「緑」の天使の絵に触発され夜明けの「青」の渋谷を描いたことで「好きなこと」を見つけることができる。
そして映画は「好きなこと」にひたすら没頭していく八虎の姿を中心に描く。そして無謀にも最難関の東京芸大に挑むなか「自分は天才になれない、だったら天才と見分けつかなくなるまでやる」と努力を積み重ねる。青春につきものの恋愛はほぼなし(これがむしろ良い)。絵を描くこともスポーツなのだと思えるほどの熱血ドラマである。だから途轍もなく「爽やか」だ。
眞栄田郷敦は半年間本格的に絵を学び、髙橋文哉は減量と脱毛でユカになりきった。脇を固める江口のりこ、薬師丸ひろ子、石田ひかりもいい味を出している。萩原監督のもといいチームが作れたんだと思います。若い人はもちろん、老若男女全ての今を生きる人に観てもらいたい映画です。
全224件中、21~40件目を表示