ブルーピリオドのレビュー・感想・評価
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真っ赤なブルーだ
「俺の絵で全員殺す」 自分も昔、そういう事を考えていたかもしれない。 作中の美術の先生の言葉で 「絵は言葉ではない言語」という下り かつて自分の師匠が「真っ白いキャンバス。このキャンバスに制限はない。自分の表現を自由に叩きつけろ」と初めに言われた言葉を思い出した。 誰にも似てない自分の考えが思春期の頃とても窮屈で。 八虎とリンクした気がした。 言語ではない表現をした瞬間、自由を得た気がした。むき出しの自分。 もっと魅せてくれ!!少し物足りない キャラの雰囲気も其々すごく合ってて良かったのに、特に龍二は再現不能では?実写だと、普通に女子を男装させるのかな、とか思ったけど、やってくれた!と私的には拍手喝采。 尺の関係か人間関係や、葛藤等の大事な部分をはしょってあって、仕方ないかもしれないけど、すごく残念! 勿体ない。そこが骨格じゃない? 映像も、制作された数々の作品達も綺麗だし、我が琴線に触れまくるのに。 とはいえ、作中の1つ1つの事柄が記憶を呼び起こされる。 没頭という恍惚の中にいる。 そんな予熱。 自分のイメージを、カタチにしてキャンバスに叩きつける。 開放して削ぎ落とす ワタシのカケラ達… お母さんに美大受験を言うシーン やだ、ちょっとこれ涙なしに見れないから 自分には、これしか無い そういうの、すごく分かった。 伝わった 海のシーンで 正論の位置から見てる人には分からない的な(正確なセリフじゃなくてごめんなさい) グッときたし、その後の裸のシーン、実写だとどうなるんやろ…とか心配しましたが、いいシーンでしたね。 ぎこちなく、頼りなく、美しかった。 純粋すぎて、真っしぐら。 怖いけど、試されたい 痛みが青くて…覚えがある ラストの筆圧の音も悪くなかった テールベルト、好きですよ。 …だが!手加減無しでいい、 もっと魅せてくれ!!
渋谷が本当に青い
渋谷の明け方が本当に青いのが良い。物語が始まるきっかけは、明け方渋谷の「青」なので、これを本物の渋谷で表現できるのは実写の特権だ。マンガやアニメでは絵で「再現」するしかないから、八虎がどんな「青」に感動したのかは想像することになるが、実写は本物の渋谷の明け方を映せる。実際、本当に青くて、これは何か特別な時間を過ごしているのかもしれない、と思わせるに充分は感動が映像に定着していた。 それなりにボリュームのある原作を一本の映画にまとめているので、削られたエピソードも当然多いが、吉田玲子の見事な脚本で削られた感じがあまりしない。八虎の物語として構成し直して群像劇的な要素を抑えて、一人の高校生が絵の魅力に目覚めてから成長していく姿を鮮やかに描き出している。眞栄田郷敦を主人公にキャストしたのは、最初はどうかなと思ったけど、思い返してみると良かったなと思う。彼は豪放で線の太い雰囲気があるが、それは絵を描く人のイメージから離れている。離れている方がこの作品の伝えたいことにはあっていたかもしれない。しかし、ヌードを描く時の彼の裸は引き締まっていて、「薄いゴムみたいで情けない」という印象はあまり受けなかったけど。
「好きなことをする努力家は最強なんです」
「好きなことをする努力家は最強なんです」という、薬師丸ひろ子さん演じる高校の美術教師が、眞栄田郷敦さん演じる主人公・八虎に放つこの言葉が作品を貫いています。芸術とは才能なのか、天才とは誰なのか。生きている実感が持てなかった青年が、自分にとって本当に価値のあるものとは何なのかを追求していく姿が見るものの心に刺さります。 仲間たちと夜明かしした早朝の渋谷の街の風景が、八虎には青く見え、自分にしか見えない世界を、授業の課題で絵に描いてみたことで、それまでの自分から解き放たれ、早朝の渋谷の街に浮遊している感覚になるシーンは秀逸です。 ありのままでいい、好きなことにチャレンジしていく本気、天才ではないのなら、努力を武器に、一歩踏み出してみる。それまでの自分の生き方に苦悩し、自信が持てなかったり、傷つくことを恐れ、目標が見つからず、もがき苦しんでいる人、またはそんな経験がある人に、勇気を与えてくれる作品です。
出会い、葛藤、発見、自分の新たな可能性、その総てが青く眩しい
ブルーピリオド、凄く面白かったです。 私はずっと美術部員だったくせに美術の本質を掴むことのないまま。というか美術部員だったくせに絵自体に関心がないまま学生生活を終えてしまった人間です。 この作品を鑑賞しながら、過去の自分が恥ずかしくなりました。 元から才能がある人は確かに存在しています。その一方で努力でのし上がる人も存在する。 努力をした人間全員の夢が叶う世界でないのが現実ですが、突然何かにのめり込むように夢中になって、向き合って、葛藤して、発見して。 自分も知らなかった新たな可能性を見出していく。 人が何かを始める時、中途半端な気持ちで足を突っ込むべきではないなと考えさせられましたし、 自分が心からそれが好きだという感情に突き動かされている八虎の姿は眩しかったです。 美術に興味がある方はもちろん、興味が無い方にも是非鑑賞していただきたい作品です。 追伸 高橋文哉さんが減量し女性の仕草や好きなものを勉強して取り組まれたというユカちゃん、凄く可愛くて素敵でした!
外連味のある演出は控えめに、愚直に筆を動かす姿を描いているんだけど、あくまで泥臭さくない一作
漫画原作の実写映画は、時に原作の雰囲気を伝えるために派手なVFXを用いる場合があるけど、本作はその点はかなり抑制的です。とはいえ主人公矢口(眞栄田郷敦)が絵画的な美しさを見出す場面など、ここぞという重要な場面での演出は特筆に値します。 天賦の才を備えた主人公が難関を突破していく……、のではなく、矢口はあくまでも美術の初学者で、ひたすら筆を動かし、作品を描き続けることで才能を開花させていく、という物語の展開はある意味地味ではあります。 しかしそれ故に矢口が描いた絵が積み重なっていく場面に努力の重さを感じない人はいないでしょう。初心者にしては矢口は最初から絵が上手すぎるのでは……、というのはアーティストを描く作品にありがちな齟齬ではありますが、それでも並べてみるとちゃんと矢口の成長が素人目にも実感できるあたり、すごい……、と感じずにはいられませんでした。 本作みたいに素人がいきなり日本最難関の藝大に入れるわけないじゃん……、と思いがちですが、実際には矢口のような来歴の学生は決して珍しくないとのこと。芸術の奥深さを思い知らされます……。 眞栄田郷敦も音楽の分野で藝大を受験したことがあるとのこと。今回の役柄に強い思い入れが感じられたのはそういった理由だったのかー、と改めて納得!
原作を読みたくなった
原作未読。 勉強も遊びもバランスよくこなし、『上手に生きている』感じのちょっとチャラっとした高校生が、ある日突然に絵を描く楽しさ喜びを知り、没頭していく中で挫折や嫉妬や焦りや苦しみなど様々な感情に揉まれながらも、日本で唯一の国立美術大学である藝大合格を目指して脇目も振らずにひた走る物語。 「好きこそものの上手なれ」とは昔からよく言いますが、劇中の『好きなことをする努力家は最強です』とか、『俺は天才じゃないから、天才と見分けがつかなくなるまで努力するしかない』といったセリフ(※細かいところはうろ覚え)に、凡人である自分は胸が震えた。 10代の少年少女ならではの、ある日突然好きなものに目覚め、それしか見えないくらいに夢中になって没頭する熱量、若かりし頃の自分を思い出して懐かしくもなった。
ムヒより画材派
天才君が突如難関美大を目指す話。 突如なのがポイント。序盤の流れからの突如美大。 良い点 ・絵 悪い点 ・天才君なのであまり共感できない ・「ゲーム買ったからやろう」がやっつけ台詞 ・周りがややキャラキャラしい ・真面目な親がDQNネームを付けたのは何故か ・謎の体調不良 その他点 ・課題持ち帰り可? ・ピンクの例の袋は色々と嫌がらせである
“絵に賭ける・青春もまた・宜しきかな” “お父さん・頑張ってるよ・息子さん” 期待度△鑑賞後の満足度○ もう一度観たい度:続編を観たい 本作について語りたいこと:ソニー千葉
①マンガ原作の実写映画は原則観ません。(今まで観たものは大概ガッカリなものが多かったのもありますが)別に馬鹿にしているわけではなく、残された人生の時間と経済的な面を考え合わせると、いきおい作品を選ばざるを、優先順位をつけなければならないので悪しからず。 ②で、本作も最初は食指は動かなかったけれども、予告編で観た眞栄田郷敦君のアップがあまりにもお父さんの面影を残していたので観ようと思った次第。 見た目もなかなかよろしいし、なかなかの好演で主役としての存在感もある。 性格俳優としてはお父さんを超えるかも。 ③ただ、映画自体としては物足りないところは多い。演出は旨味がないしこの監督ならでは、という個性が感じられない。 助演陣も役に膨らみが感じられない。主人公の造形に集中して手が回らなかったのかな。 絵画の専門知識ももう少し入れて欲しかった。 ④
美術は文字じゃない言語なのか?
2024年映画館鑑賞84作品目 9月12日(木)イオンシネマ石巻 ハッピーナイト1300円 監督は『東京喰種 トーキョーグール』『サヨナラまでの30分』『傲慢と善良』の萩原健太郎 脚本は『猫の恩返し』『映画 けいおん!』『ガールズ&パンツァー 劇場版』『若おかみは小学生!』『きみと、波にのれたら』『のぼる小寺さん』『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』の吉田玲子 幼い頃から絵が上手だと褒められ神童扱いにされてきたわけでもない勉強がそこそこできる普通の優等生が突然絵画に目覚め一に努力二に努力三四がなくて五に努力で絵を描きまくりメキメキ成長し東京芸術大学合格を果たすこれもまた一つのスポ根青春映画 粗筋 勉強も友人関係もそつなくこなしてきた金髪の優等生矢口八虎は一般の国立大学を目指していたがなにか夢中になれるものを求めていた 美術部の部室で先輩の森まるが描いた祈りをテーマとした絵画に感動した八虎は苦手な美術の課題に本気で取り組んだ 下手糞ながら青い夜明け前の渋谷を描き高評価を得るとこれが自分の道だと絵描きになる決意をする 親の収入では私立の美大はとても無理なので難関中の難関である東京藝術大学を目指すことに 自分はゲイではないが二次試験のヌードモデルより高橋文哉のヌードの方がドキドキした 彼が演じた鮎川龍二は男好きで女装家なのだがその独特の服装そして容姿が抜群で1番キャラが立っていた 機動戦士ガンダムでいえばシャアのような シャアはそっちの方ではないけど しかも眞栄田郷敦とのダブルヌード これはたまらない 素晴らしい出血大サービス 文化系の青春モノの傑作といえば広瀬すず主演『ちはやふる』シリーズを思い出すがあれは団体戦 それに比べて今作の主人公は孤独に近い戦いが続く 若者が夢に向かって悩み苦しむ落ち込み這い上がり頭をフル回転して諦めずに挑戦し続けるその必死の姿を自分のことのように堪能してもらえたらわりとかなり楽しめるんじゃないかな ただ写真のようにそっくりな絵を書いてもダメ それでもYouTubeとかなら賞賛されるだろうけど 東京藝術大学に合格するには個性のある自分ならではの絵を描かないといけない そこがまあ面白い そういえばプレバトの各部門の先生だってそういう人たちばかりだ いかに才能がない人でも努力を積みかねていけば夢は叶うんだって話だろう 高橋みなみは大好きそう 指原莉乃は鼻で笑いそう ほぼ2時間の尺の映画ですから一つ一つ掘り下げるのは無理なんですよ それは連ドラの仕事なんですよ そこは観る側がある程度は想像するほかない 原作は読んでいない この映画のおかげで原作漫画の存在を知る 原作だけでなく脚本がいいからかなあ 『のぼる小寺さん』を除くとアニメ専門といっても過言ではない吉田玲子の脚本作品 少なくとも彼女は原作本をしっかり読んだうえで脚本を書いている いくらでも脚本のネタやヒントが転がり込んでいる宝の山なんだからスルーする方がどうかしてる 僕は基本的に彼女の脚本が肌に合っている 脚本さえ良ければ演出家も俳優も楽でいいと日本映画の父も言っている この作品は実写だが良質なジャパニメーションのような印象を受けた 興奮度高める疾走感 決して飽きることは無かった もう一度見たい 何度も観たい 劇中の台詞を耳の中に入れて噛み締めたい 配役 高2で絵に目覚め東京藝術大学を目指す矢口八虎に眞栄田郷敦 日本画で東京芸術大学を目指す高2で女装家のユカちゃんこと鮎川龍二に高橋文哉 八虎の一学年先輩で美術部に所属し祈りをテーマに絵画を描き美大に推薦入学した森まるに桜田ひより 美術部の生徒の城田優奈に菊池日菜子 美術部の生徒の海野美玖にきばほのか 美術部の生徒に白石育美に瀧七海 美術部の先輩の山本葵に白石優愛 高校の美術部顧問で美術教師の佐伯昌子に薬師丸ひろ子 八虎のライバルで美術専門学校を辞めるも東京藝術大学には合格する天才の高橋世田介に板垣李光人 美術予備校の生徒で姉が美大を主席で卒業している桑名マキに中島セナ 美術専門学校の生徒でおさげ頭の橋田悠に秋谷郁甫 美術専門学校の生徒で赤毛ロン毛の桜庭華子に芋生悠 美術専門学校の生徒で坊主頭の石井啄郎に草野大成 美術専門学校の生徒でおかっぱの岡田さえに片田陽依 美術専門学校講師の大葉真由に江口のりこ 東京藝術大学を目指す八虎に刺激を受けパティシエを目指す八虎の友人の恋々窪晋に兵頭功海 八虎の友人でオッパイが大好きな純田勝矢に若林時英 八虎の友人の歌島立花に阿佐辰美 高校の物理教師の後藤に三浦誠己 経営していた会社は倒産し今は夜勤で清掃業をしている八虎の父の矢口行信にずんのやす 東京芸術大学進学に反対していた八虎の母の矢口真理恵に石田ひかり ラーメン店の店主に菊池宇晃 ユカちゃんの友人の坂本に志村魁 ユカちゃんが拒んだ男の佐々木に濱尾ノリタカ 八虎の鏡を割ってしまうもそのことによって八虎に自画像のヒントを与えることになる受験生の三木きねみに箭内夢菜 劇中絵画のモデルの遠野に吉田凜音 油絵の一時試験官に小倉史也 日本画の一次試験試験官に堀田胡桃 二次試験官に川田龍 予備校の教師に海老澤功 東京藝術大学教授に会田誠 二次試験のヌードモデルにカナキティ
好き,努力,本当の自分に脱皮するために描いて描いて描きまくる
原作は読んでいないけれど,原作をなぞって時間が進んでいく感、ダイジェスト感が漂いながらも退屈はせずに魅せられました。 後半がいい。 もう二次試験組は全員合格でいいんでね。 「好き」、「努力=描いて描いて描きまくる」、「自分の好きなことを、周囲に繕わなず,周りの眼も,経済的なことも、形而下なことも なりふり構わず」描いてゆく あれ、本質は ルックバック でしょ。
眞栄田郷敦さんが迷える高校生を熱演
鑑賞日8月11日。 絵を描く楽しさに目覚めた八虎が芸大受験に挑むまで。眞栄田さんはちゃんと高校生になり切っていて凄いと思いました。ボディがたくましすぎでしたが。高橋文哉さんも良かったです。 今の普通科高校の科目がどうなっているのか知りませんが、数十年前の私の時は選択科目だったので、わざわざ美術を取った位だからクラスに絵が嫌いとか下手な人は居ませんでしたけれども。 強いイメージの眞栄田さんの青臭い演技が新鮮でとても良かったので見ごたえはありましたが、ちょっと展開が「ビリギャル」の男の子版という感じもしました。 芸術の世界で生きていくのは大変なことで、いざ飛び込んでみたら、最初は全然上手く行かず、悩んだりイライラしたり何度も壁にぶち当たって、かなり苦しむと思います。ひたすら数をこなす、だけでは描き方が足りないです。油絵を選んだ経緯が全く無いのも端折りすぎと思うし、せめてブルーピリオドの意味を教えて欲しいです。
人をきちんと見ている人
原作未読。 眞栄田郷敦、高橋文哉、板垣李人、桜田ひより、メインの若手俳優さんが全員好きなのと、知り合いで東京藝大の油絵科に3回落ちて、科を変えて更に2回受けようやく合格した人がおり、東京藝大って??と興味が湧き鑑賞。 結果、とても感動しました。 自分て何がしたいの?という自分探しから始まる定番ではあるものの、全く素人の八虎が努力と情熱で突き進む姿はやはり良い! そして、ちょっと怖目な見た目と違って、人のことをよく見ている(絵を描くようになってよく見るようになった)八虎のお母さんやあゆちゃんへの眼差しが優しくて、泣けてしまう。 大好きな俳優さんたちは、みんな期待を裏切らない好演で、続編が見たいです。八虎役の郷敦は、ヘタレな役が多い気がしてたけど、めちゃくちゃかっこよかったし、あゆちゃんの文哉君は最初わからないくらいの変貌ぶり、ひよりちゃんは今までにない、ぽわんとした役柄が新境地、世田介の李人君は凄いバイプレーヤーになっていきそうなくらいうまいけど、ツボはツンなのに、最後ちらって手を振るのとか超可愛い。 とりあえず、この先の話や各キャラの背景を知りたいので漫画買っちゃおう。
ブルーピリオドの上澄みだけを掬ったような映画。
原作を読んでいる者の感想です。 本作は主人公が藝大を受験するまでの物語が描かれています。これは原作でいうと1巻から6巻までに当たりますが、2時間にまとめるに無理があったかと思います。原作を読んでいて結末を知っている者からすると、単なるダイジェストのように思えてしまい、ブルーピリオドの面白さ、魅力が十分に表現されていないと感じました。作中のセリフを借りるなら「上澄みだけを掬ったような」映画でした。 ブルーピリオドの魅力は、美術を通じて自分と向き合う主人公の葛藤と成長、登場人物たちの人間味にあると思っています。 この映画ではそれが感じられなくて残念でした。 まずは主人公のキャラクターをもう少し掘り下げて欲しかったと思います。 器用で要領がよく、人付き合いも上手いけれど、何かに本気に取り組んだことがない主人公が、芸術と出会い芸術の世界にのめり込んで行く様子が原作のとても面白いところです。この映画では主人公がどんな人柄なのか、なぜ藝大を目指すようになったのかという点が描ききれていないと感じました。 また、主人公の努力についての描写も物足りなく感じました。 絵に関して全くの素人の主人公が藝大受験に挑むためには人一倍の努力が必要であり、原作ではとにかくがむしゃらに努力する主人公の姿と、主人公の努力と熱量に一目置く周りの人物たちが描かれています。この映画では「努力」「努力家」という言葉は出てくるものの、具体的な描写が乏しく、物語全体の説得力が欠けていると感じました。 主人公が何度も悩みながら自分自信と向き合い、試行錯誤しながら課題を乗り越え、成長していく様子こそが、ブルーピリオドの面白いところだと思っているので、そこが描ききれていなかったのが残念でした。 俳優さんたちの演技に関しては気になる点は全くなかったです。 また、原作では白黒でしか見られない絵をカラーで見ることができた点は、原作ファンとしては嬉しかったです。 総合的にはあまり満足できない映画でした。原作を読んだことがない方は読んでみることをおすすめします。
ヨタロウ!!なんなんお前!?
原作、アニメ等の事前知識なし、何とか賞を取っていた事は知ってます。 芸大受験に興味があり鑑賞に至りました。 芸大受験がワクワクしたので星5にしました(⌒-⌒; ) おそらく映画館でなかったら、最後まで見る自信がないかも・・・ 何だろう?あまり主人公を応援する気になれなかったこの気持ちは・・・? 喜怒哀楽が乏しいからかなー・・・ 渋谷ブルーのところはよかったと思います。 最後の方もあんな感じなら、ちょっと興奮できたかも。。。 まあとにかく芸大を受けて見たいと思いました!!
昨年のブルージャイアントに続いてブルーがつく作品は面白い!
予告で面白そうだなって思いつつ配信待ちか迷ってましたが・・・ 業種違えどやりたい事を仕事にしてる者として劇場へ 昨年のブルージャイアントもそうでしたが、10代でやりたい事に挑む!って簡単なようで難しい 身内の応援と支援、いい仲間と出会うかで変わってくる でも真剣にやればやるほど天武の才持ってる人に衝撃を受け劣等感を感じる そこからが勝負なんですが、この作品はその辺の描写が良かったです^^! 芸術・美術系を職業にするのは、難しいだけに作品の今後は気になるね 俳優さんのキャスティング含めて・・・ 若い世代にも専門職系昭和世代にも刺さる作品だと思います!
絵を描くことは楽しい、そして苦しい。だからやはり楽しい。
どこまで描けば完成なのか、何が正解なのかずっと考えながら、そしてその答えが分からないまま私は美大を目指していました。 私も高校2年の後半から美大を目指し、予備校に通ったので残り1年はとにかく絵を描きまくりました。 夏休みは予備校の梯子をし、朝から晩まで油絵とデッサンをひたすら描いていた。スタートダッシュが遅かったからそれでも足りない。 なので八虎の油絵を描き始めていた頃の楽しさもわかるし、予備校で周りの人達の上手さに驚き自分の絵のレベルの違いにショックと絶望を感じたのも共感できる。 見覚えのあるアトリエが映ったり、裸婦を何人もの人達が囲み、無言でひたすら描くあの異様な光景など懐かしさと苦しさに胸がギュッとなった。 それだけでも私にとっては観る価値のある映画でした。 眞栄田郷敦、高橋文哉この2人の演技がとにかく良かった。眞栄田さんは最初あまり演技が上手と思わなかったけど、沢山の作品に出てどんどん上手くなっていく。高橋さんの演技も特に上手と思ったことはなかったけど、今回の映画で考えを改めました。 でも映画という限りある時間の中で八虎が絵を描くことに目覚め、美大の中でも特別枠の芸大に受かるまでをえがくのは少し物足りない気がしたので星はマイナス1。 懐かしさと、苦しさと、でもなにより一生懸命だったあの頃を思い出させてくれました。有難うございます。
情熱の薔薇
おもいのほか真摯でまっすぐな、情熱の物語でした。 眞栄田郷敦さんの、しずかな熱さがとてもよい。 芸大入試にすべてを注ぎこむ話だけど、入試はゴールではなくむしろスタートなのだという過酷さもちゃんと感じられた。 未成年の子どもたちにとって、親はもちろんどんな大人と出会うかってかなり重要だなあとあらためて思った。その後の生き方や価値観への影響力の重さよ。 自分が親でいること、大人でいることの責任みたいなものを考えながらみました。
人との対話シーンが刺さります。
マンガ大賞受賞した原作はまったく見ずに鑑賞。 結論、映画としてとても良かったです。 人に合わせることで自分というものを出さずに生きてきた、本当の自分がどういう人間かさえわからずに流されて生きている主人公の高校2年生が、美術部の絵を観たきっかけで自分が授業で書かされた課題が褒められてやりたい事に気づき始める。 進学を難関芸大と決めるまでも、決めてからも周りの人と話すことで進路を揺らぎないものに。 美術部の顧問との対話、クラスメイトとの対話、美術部の先輩、ジェンダー問題を抱えながらも自分を確立してる幼馴染、そして母親。 それぞれに影響を受けた対話だが、聞く耳を持ってるからこそ真摯に自分を見つめて行きていこうとする。良い人達に恵まれたというよりも、それぞれの人達を素直に聞く耳を持つことで結果良い人達に巡り会えたとなる。 私も40年前の高校生の自分にこの映画を観せて、もっとチャレンジの人生を歩んでいたらと思う。 この歳になったから感じるものなのかもしれないけれど、高校生当時の自分なら狭い世界観で凝り固まった思考では何も感じなかったかもしれない。 映画では才能は無い努力と人よりも多く没頭することで才能が開花するのだが、やはり人との関係、人と話すことで受ける考え方など、独りよがりでは成長しないってことかな。 逆に友達に影響与えたりして、良い映画を観せてもらえました。
各シーンの音が耳に入り易いので映画館で見るべし
原作、アニメからの実写鑑賞。 鑑賞後、笑顔で「まーだか」を、つい口ずさんで映画館を出ていた。良かったんだよこの映画は、自分にとって。 ベテラン女優お三方のリアルな味のある演技もさることながら、若手俳優が味があったしリアルだった。 若手凄いなーと感心した。 こんなシチュエーションだったら、きっとそんな顔するし、そんな声出すしと言うのが随所にあった。 ひとつ、ゆかちゃんの着地。あれがないと繋ぎが悪いのかな。 ストーリーと関係ないけど、一次試験で、きねみちゃんに不意にぶつかられて椅子から落ちるシーンで八虎の手が映っていて、ヤバい転ぶーって言う雰囲気が、手から伝わってきて、ストーリーを知ってるのに八虎大丈夫かと心配になった笑 オープニングも好きだし、八虎が世田介の後ろを通り過ぎながら「こいつは天才だ」のシーンで鼓舞していくの好き。 好きなシーン上げ始めたらキリがない。
郷敦の作品に対する情熱が十分伝わる
主人公の矢口八虎(眞栄田郷敦)はまだ自分を見出せていない。だからちょいワル同級生とつるむが成績優秀、天才肌。思いつきで始めた絵画も直ぐに本領発揮。 「青の渋谷」のシーンで空に浮かぶ八虎など効果的にVFXが使われる。八虎の超アップも多用されて、八虎の真剣さがしっかり伝わる。郷敦も実際にかなりの部分で本人が筆を入れているシーンがあり、作品にリアル感が伝わる。 ただ、美術は各人の感性の違いで評価も大きく変わり、絶対的な正解も無い。(「青の渋谷」や「自画像」などはとても良いと思ったが、)入試の二次試験の作品は私には理解できなかった。作品を見た仲間が(映画内で)感想を述べる必要性もないかもしれないが、ラストの重要な場面なのだが、そこで感情移入が十分にできなかった。これはマイナス点にせざるをえない。
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