ブルーピリオドのレビュー・感想・評価
全282件中、21~40件目を表示
主人公には一切共感できないけど他キャラは良い。
漫画もアニメも未履修で観たからか、これめっちゃ端折られてる?って感じでした。1本の映画として上手くまとまってるけど色々モノ足りない感じで、尺の都合上仕方ないんだろうな。きっと面白いに違いないから原作読みたくなった。
キャラ紹介やイラスト見た感じ、再現度は結構頑張ってるのかな。特にユカちゃんはしっかり可愛い女装男子なのが良かった。女性と間違うほど女性じゃないけど、ちゃんと可愛い。儚い。
主人公のおうちは貧乏設定なのにバイトもせずにあの高そうな服やら靴やら画材代や美大受験用のアトリエ代はどこから捻出してるんだ?とかお金のこと気になってしまったwキャンバス1枚でも高いのに貼り直しもせずにガンガン使ってるし。これだけ金出せるなら多分私大も行ける経済力あるよ⋯!
面白かったんだけど、アウトプットが目的では無い絵描きさんの気持ちが分からないので、主人公に共感できず、他のキャラが気になったので、原作読む気満々になってます、てことは、映画としては色んな人に届く素敵な仕上がりなんじゃないかと思う。
原作6巻、受験終了まで読んだ!やっぱり金銭の問題丁寧に解決してたやん!じゃなかったらあんなバカスカ画材やキャンバス消費しないよね。F100も自費で購入だろうし。1枚で3万以上するよね?アナログ画材は金が無限にかかるね…八虎も親もがんばれぇ。ってなった。映画と原作はだいぶ印象違うけど、原作読んだらなおさら映画は映画でよかったと思えた。
何歳になっても「やりたいことをやる」のが一番幸せだと思った
漫画が原作だという話でしたが、私は漫画もアニメも見てたことがないので、この映画で初めて『ブルーピリオド』を知りました。
映画の方は、200倍の超難関の東京芸大の絵画科合格を目指す高校生「矢口八虎」が芸大受験映画になっていました。漫画やアニメには、その先のストーリーもあって、矢口八虎以外の登場人物のストーリーも深堀りされていて、大変読み応えがある作品なんだそうですが、映画は時間の制約もあるし「受験編」のみで、それでも見ごたえがあって面白かったです。
矢口八虎のイメージと真栄田郷敦さんが合っていると感じました。同級生の中でも、どこか突き抜けている感じ、目立たないようにしてるけれども、実は凡人じゃない感がよく出ていました。
私も絵を描きたくなったし、ほんとうに好きなことをやっておけばよかったと後悔しました(私は五十代後半です)。今からでも遅くないから、好きなことをやろうと、日本人の平均寿命を考えても私の人生もう30年も残ってないと思うし、好きなことだけやって死にたいです。そうするべきだと本当に思いました。
芸大に受かっても受からなくても、画家として生きていきたいなら絵をかいていけばいいし、売れる売れないは二の次で、売れないならバイトしながら絵をかいていけばいいと思う。矢口がこの先どうなるのか、私は漫画の方を読んでないから知らないけど、覚悟を決めて生きていけば、人生どうにかなるし、後悔しないと思う。
少なくとも矢口は、後悔する生き方はしない、と決めたんだなと思いました。
この作品、青春映画に分類されるのだろうと思いますが、おじさんおばさんになっても「どうやって生きるか」という問いは死ぬまで続くし、中高年がみても、老年期の人がみても楽しめる作品だと思いました。
タイトルに隠された「転」
やはり漫画の実写化でしたか~
基本的には面白かった。
この作品にみる起承転結のなさ、転がないという不思議さを感じた。
確かにそもそも芸大を目指すことに決めたなら、そこが物語のゴールである場合、転など存在しにくいだろう。
この部分の是非はある。
さて、
最も難解なのがタイトルだろうか。
主人公矢口が見た渋谷の朝
彼の高校生活の基準の夜遊びと美術の宿題「私の好きな風景」
絵画と出会い、微妙に気持ちが揺れ始めた矢口
そもそも作品など提出する気もなかったのかもしれなかったのに、あの日渋谷で見た朝の青さが記憶に残っていた。
自分だけが知るあの光景 あの日 あの瞬間
提出した作品は四角い升目を書いて青で塗りつぶしただけのものだったが、何故か見る人に印象を残す作品になる。
勉強しなくても成績優秀 おそらく簡単に国公立に入れる。
でもいつも感じる「手ごたえのなさ」虚無感
「美大に将来性はない」
「誰の意見?」
「周りに合わせるの、よしなよ」
俺にとっての価値 俺にとっての感動 本当の気持ち 本気になれるもの
好きなことを人生の一番のウエイトに置くこと
作家は、誰かの価値観で生きている若者に対し、この作品でそうじゃないよと提言したのだろう。
そして、
矢口が自分のやりたいことを発見したきっかけとなった遊び惚けて見た渋谷の空、夜明けの空、青の世界を従来の自分の価値観として、そんな過去に決別したのだろう。
つまりタイトルが示しているのは、過去との決別なのかもしれない。
そこに「転」があった。
この作品の型は、起 転 承 結
さて、、
身も蓋もないが、お金の問題と国公立
普通の国公立に行って美術部に入れば? とも思ってしまった。
芸術に対する他人の評価はネガティブにしかならないように思う。
肩の力を抜けば、あるいはもっといい作品ができるかも。
ただ、
そこまでの決心があったからこそ物語を紡ぎだすというのはわかる。
あの諦めた仲間たちが芸大に入って夢見たいものとはいったい何だったのだろう?
そうでなくてはならない根拠を知りたいと思った。
コアな世界ではある。
でもそうじゃなきゃいけないことなど何もないのではないかとも思う。
物語の中に、そうじゃなきゃいけない理由と、一般大学の美術部を選択した誰かがいてもよかったように思った。
青春映画として面白い
タイトルなし(ネタバレ)
よかった。
原作とアニメを見ているので端折られてるところもあるけど理解できた。
ほぼそのままの映画化だった。
原作がいいので悪くはならない。
原作の良さが悪くなることはなかったけど、映像化の良さは感じなかった。
原作はすごくいい。映画化は普通にいい感じ。
時間の都合で脇役は超脇役で感情の厚みが映画には足りないと思った。
どれくらいの課題をこなしてどうやって課題に向き合って来たかが少ないと思った。努力家の描写はあるけど…。
時間的に八虎だけにフォーカスするしかないから仕方ないけど、他のキャラクターの葛藤も大事でもっと楽しめる作品だったなと思った。
なので、この映画は受験編のダイジェストは言い過ぎだけどざっと把握して、より詳しく楽しむには原作を読むといい。
つまり映画化してよかった。映画を見て、原作はもっと面白いからそっちへ行く流れになれば。
音楽はいくつかあったけど作中は歌詞がない方がいいような。気になった。
原作に雰囲気が似てれば見た目は忠実じゃなくても気にしない派だけど、俳優のビジュアルはとても寄せられててよかった。
嫉妬する
映画の作りとしては一本筋が通ってたと思うけど、
2時間でまとめると上手くいきすぎだろ!
とは思ってしまった。
主人公は天才ではない、上には上がいるもっと頑張らなくてはと言う努力型の人間ではあるのだろうけど、
天才にしか見えなかった。
ただ、僕はもう40歳を超えてるし、
上手く行かなかった事のほうが多かったので
嫉妬してるだけかもしれない。
こんなに努力した事ないだろ!と言われればそれまでだ。
なので、若い世代これから受験を迎える10代にとっては
励みになる映画なのかな?と思いました。
強く心に響く台詞も沢山あったし。
郷敦さんの目が真っ直ぐな目をしていて、
確かにこの主人公には僕には見えてない世界が見えてる
んだろうなと言う説得力があったし、
出来上がった絵もただのセットでなくて、
説得力のあるものだった。
確か漫画の触れ込みは
美大を目指すスポ根漫画だった気がするのだけど、
そう言う熱さみたいなのを感じたかったかなと思いました。
芸大受験物語
数学も物理も学校一番の優等生だが頭は金髪、煙草も持ち歩く不良の面もあり、多彩な友人たちに好かれているユニークな高校生、矢口八虎(眞栄田郷敦)が親の望む無難な生活重視の人生レールを進むことに悩んだ挙句、絵画に魅かれ芸大を目指す軌道変更。劇中にテーマとして課せられる「好きな風景」で八虎が惹かれたのが明け方の青い渋谷でした、タイトルのブルーはその辺から来ているのか、それとも青春なのか、悲観的な象徴でもあるブルー、ピリオドは終止符だからブルーな悩みの青春期の区切りと捉えた方が良いのかもしれませんね。
原作者の山口つばささんは芸大出身の漫画家、芸大迄出て漫画家かよと勿体ない気もしますが本物ならではの芸大受験の展開のリアリティあるエピソードは流石でした。劇中、課せられるテーマと八虎の描いた絵の繋がり、仕上げがお見事、監督はもとより監修、協力の絵描きの方が凄腕だったのでしょう。
ストーリーより多彩、多様な登場人物が起こす化学反応、キャラクター重視の創作手法は宮藤官九郎さんの手法に似ていますが人物描写の緻密さでは凌いでいるように思えました、ただ、凡人のおじさんからみると才能に恵まれた八虎の贅沢な悩みと出来過ぎたハッピーエンドはちょっと縁遠い気がして共感には至りませんでした、ごめんなさい・・。
言葉のできない
原作の漫画が好きで実写化という事もあり、どんな作品になるかと気になっていた作品です。
何でもない日常の中で自分の存在というものがどこか軽薄のようなに世界で生きてきた主人公。
そんなある時に美術が自分の中で好きな事になった。
好きでありたいと思って何となく周りに合わせてばかりの主人公が自分の思っている世界を描いた時に周りから評価されることに喜びを覚えた事で美術の世界へ飛び込んでいくことになる。
漫画でもそうなのだが実際の美大生が描いた作品が使われているので美術のそれぞれの作品だけでも充分に見応えのある作品です。
人間的な弱い部分を表現しようとすればするほどに自分という存在に向き合う事が大切になってくる。
言葉には、できない事を絵として作品として表現する事の大切さが描かれている。
なんだか自分と向き合う事を恥ずかしいと感じていた自分が恥ずかしいと感じるくらいにいい作品でした。
夜明けの「青」の渋谷
YOASOBIの「群青」はこの「ブルーピリオド」にインスパイアされ作られたとのこと。近年のあらゆる音楽の中でも一番好きな楽曲である。原作漫画は未読であるが、その世界観に触れたくて映画館に足を運んだ。
「ちょっと高いところからバランスをとって過ごしていた」だけの八虎は、目標もなく生きてる実感が持てなかったが、森先輩の「緑」の天使の絵に触発され夜明けの「青」の渋谷を描いたことで「好きなこと」を見つけることができる。
そして映画は「好きなこと」にひたすら没頭していく八虎の姿を中心に描く。そして無謀にも最難関の東京芸大に挑むなか「自分は天才になれない、だったら天才と見分けつかなくなるまでやる」と努力を積み重ねる。青春につきものの恋愛はほぼなし(これがむしろ良い)。絵を描くこともスポーツなのだと思えるほどの熱血ドラマである。だから途轍もなく「爽やか」だ。
眞栄田郷敦は半年間本格的に絵を学び、髙橋文哉は減量と脱毛でユカになりきった。脇を固める江口のりこ、薬師丸ひろ子、石田ひかりもいい味を出している。萩原監督のもといいチームが作れたんだと思います。若い人はもちろん、老若男女全ての今を生きる人に観てもらいたい映画です。
青い情熱をたぎらせ、真っ白いキャンパスに描いていく
毎年何かしら描かれる部活模様だが、定番の野球部やサッカー部やバスケ部よりちょっと風変わりな部活こそ映画映えして面白い。男子シンクロ、ロボットコンテスト、競技かるた、水墨画…。
本作は美術部で部としては定番だが、ここまでがっつりメインに据えたのは珍しく、作風も先述のようなものを感じる。
高校生の八虎は友人らと飲酒や夜遅くまで遊び歩く不良でありながら、成績は優秀。
稀にいる勉強しなくても学業が出来るタイプ。数々の不良行動や授業中上の空でも、いざ解いてみろと言われても難なく解く。教師にとっては厄介な存在。
仲間受けも良く、勿論女子にもモテるだろう。う~む、こんな生徒になりたかった…。
しかし、当の本人は無気力。学業にも友人関係にも日々の生活や人生にも真剣になれるものや手応えも感じていなかった。
そんな時、美術部の一枚の画に魅了され…。
きっかけは水墨画題材の『線は、僕を描く』と似ている気もするが、動機や挑み方は似て非なり。
学業やおそらくスポーツも万能。何でもこなせる八虎にとって“画”という世界は初めて。未知数。
これまで興味もほとんど触れてもこなかったが、たった一枚の画の美しさにその世界に興味を持ち、足を踏み入れる。
自分はこの“初めての世界”に何処まで通用するのか…?
美術の課題で“私の好きな風景”を描く事に。八虎は普段見ている新宿の街並みを描く。
ただのスケッチではなく、いつも見ているその風景が八虎にはどう見えているか。
青一色。空は勿論、ビル街も青。青い世界。
その不思議な美しさ。いつもつるんでいる友人らも感嘆。
いきなり非凡な才を発揮。その才を信じ、美術部に入る。
一年先輩で部長の森。八虎が魅せられた画を描いた張本人。幼く見えて画に対する姿勢は真摯。
顧問の佐伯。掴み所が分からぬように見えて、受験科目に無い美術をやる意味やこんな自分でも今から美術の世界に入れるかなどの八虎の疑問に鋭く核心を付く。
二人との対話を通じて、興味本位ではなく本気で美術に挑む事を決めた。
目標も決まった。美術を学ぶ学生たちの最高地、東京藝術大学…!
予備校へ。
周りは突然美術の世界に飛び込んだ自分と違って、早々と藝大を目指す意気盛んな“真っ白なキャンパス”たち。
スタートラインは皆と同じではなく、レベル違い。
課題で像をスケッチする事になったが、自分が一番下手なのは言わずと分かる。
“青い新宿”で感じた手応えは勘違いだったのか…?
ここで嫌気が差し、諦めなかったのが八虎がただの凡人ではない所。
何でもソツなくこなせた八虎にとって、それは初めての屈辱だったかもしれない。
むしろそれでさらに火が点いた。八虎の中の青い炎が。
受験や自分の人生に全く関係ナシと当初は思った美術の世界だが、いざ描いてみると奥深い。
もっともっと、知りたい。
もっともっと、描きたい。
ハングリー精神。貪欲に。ひたむきに。
自分でも不思議なくらいのめり込んでいく…。
なかなか予備校講師から合格点得られなかった八虎だが、少しずつ技術力も表現力も向上していく。
しかし、まだまだ。
周りは秘めた才能だらけ。ライバルだが、親交も深めていく。
不良で突然飛び込んできた八虎を邪険にはしない。助言、相談、理解…。切磋琢磨しながら。
家族の理解を得るのは難だった。父親は好意的だが、母親は受験に関係ない美術をやる事に疑問。かつての自分のように。
一枚の画を描く。母親の画。描いて改めて気付いた。
母さんは本当に苦労して俺を育ててくれている。母さんの気持ちは分かるけど…、でも今は画を描きたいんだ。
その画を見て息子の本気を知り、母親も考えを変える…。
藝大を目指す体勢は整えた。が、ここからなのだ。
藝大の入り口。倍率は何と東大以上…! 狭き門。
そんな所に俺は入れるのか…?
やるしかない。やると決めたんだ。
周りと比べて取り柄も才も無い自分。
ならば、描くしかない。
描いて、描いて、描きまくれ。
様々な色(感情)が交じり、分からなくもなってくる。
が、そのごちゃごちゃになった色の中に、次第に見え始めてくる。自分の目指す色が…。
眞栄田郷敦、高橋文哉、板垣李光人、桜田ひよりら旬の若手を揃え、恋模様絡めた青春絵画が描かれるのかと思いきや、恋愛模様が一切ナシなのは意外だった。
彼らの目標は藝大。恋愛にうつつを抜かしている暇はない。恋愛やりたきゃ他でやれ。恋愛してる暇あるならとにかく描け!
青い情熱を燃やす眞栄田郷敦。
彼のライバル的存在で、周りでも非凡な才を持つ世田介。それ故周りから孤立し、理解されない事も。苦悩する姿は八虎と同じ。板垣李光人が巧演。
てっきり恋のお相手と思った桜田ひよりだが、八虎に影響与えた先輩。出番は多くないが、好演。
ひょっとしたら“ヒロイン”は“彼”かもしれない。八虎の同級生、鮎川。通称“ユカちゃん”。男子だが、普段も学校でも女装姿。性格も画の表現も個性的で自分に正直に。八虎にとって一番の助言者であり理解者。高橋文哉が驚くほど綺麗!
美術部顧問の薬師丸ひろ子や予備校講師の江口のりこは勿論好演だが、八虎の予備校仲間の面々もいい。青春劇はこうでなくちゃ。
アニメ版も手掛けた吉田玲子が脚本。
萩原健太郎監督の演出も堅実。
欲を言えば、もうちょっとメリハリや熱いものが欲しかったかな…。
他の部活奮闘青春作と比べて、ちょいアート寄り。美術部なので作風的には合っているかもしれないが、好みも分かれそう。
が、他の部活同様、好編なのは確かだ。
コミック原作、青春×部活、旬のキャスト…ありふれた作品ながら、胸のすく心地よさ。
いよいよ受験開始。
第一試験は、自画像。
第二試験は、ヌードモデル。
ただ上手く描けてもダメ。そこにどう自分の個性を描くか。自分の描きたいものを描くか。自分を表現するか。
限られた時間の中で考え考え抜き、キャンパスの中に見出だす。
自画像は斬新。
ヌードモデルは芸術的。
自分の描きたいものを。自分を信じて。ありのままに。
合格発表。
各々の明暗。別の道を行く者も…。
八虎は…。
出過ぎかもしれないが、そうでなければ話は進まない。
原作は藝大編へ続く。本作は興行的に不発だった為続編は無いだろうが、始まったばかり。
青い情熱をたぎらせ、真っ白いキャンパスに何を描いていくのかーーー。
キャストがハマっているし、続編も見たい
ただ、藝大受験という非常に映画化しやすい流れだっただけに、大学編はストーリー作るの難しそうなので、続編は無いのかな。
でも、話の都合上大学編の新キャラ一人は顔出ししたし、いけるんか!?
キャストはなかなかイメージ通り。
東大より難しい藝大現役合格を、2年生?から初めて美術習っての合格はさすがに無理やろとかは思っちゃう。
世太介くんの異常さはあまり表現されなかったけど、尺を考えると仕方ない。
橋田とかもそうだよね。
自分が親で子どもが藝大目指すとかいったら、しかもろくに美術やってなかったら、やっぱり最初は否定しちゃうよ。
あそこの流れはグッとくる。
ちなみにあの母親も、八虎が合格したあとはすっかり美術ミーハーになるのは、次回のお楽しみ。
そういえば会田誠が特別出演している。
美術界の著名人であるが、当然私は顔を知らなかった。
それでも、そういう人が出ていると知っていたから、すぐに分かった。笑
つまり、めちゃくちゃ意味深に登場する。笑
芸大合格への道
漫画とアニメは見ていません。
この実写映画だけを見ました。
劇的に盛った話を想像していましたが、過剰さのない公平な話だと思いました。現実的でもあり、原作やアニメを見て芸大を目指す人がふえたというのも頷けました。
東京美術学院で石膏デッサンを描いてならべる場面がありましたが、八虎の屈辱感がわかる残酷なシーンでした。しかし彼を奮起させるシーンでもありました。「情熱は、武器だ」とのキャッチコピーでしたが情熱より劣等意識が八虎の武器となり、かれが芸大という魔物に立ち向かっていく過程が、情緒豊かに描かれていて感心しました。
悪友もことさら不良に描かれておらず、出来事にも大仰なものがなく、高橋世田介もほどほどな嫌味度で、ぜんたいに過剰さがないのが作者の賢さのあらわれだと思いました。
ただこの話の根本的な成立要件は八虎には才能があった、ということだと思います。
ところで芸大受験についてはわかりませんが芸大を出たあとのことについて、思うところを書いてみようと思います。
絵で食べていく──とはそのままの解釈でいくと描いた絵を売って生きることかと思います。
しかし肩書きだけでは絵は売れません。またじっさいに売り絵画家になりますと、同じ絵を何枚も描いたり、絵を同時に何枚も描くようなことをするのだと思います。それはおそらく楽しいことではなく、また芸大へ行こうと決意した初心とも別のことであろうかと思います。
そのように作品を売って生きるのでなければ、学校・予備校の先生や大学の教授になるのが一般的だと思います。デザイン科や建築科などとちがい、職業と親和性のない油絵・彫刻・工芸出身の芸大生の多くは、じっさいに先生になるのが常道でしょう。ここにでてくる薬師丸ひろ子や江口のりこは芸大卒かもしれません。
しかし、芸大を目指した多くの人は、先生になりたかったのではないと思います。
結局、卒業後の在学時の何倍もある長い人生についての考察が欠落しているのが芸大油絵科の課題だと思います。
音楽──声楽や楽器などはそれで生きることができるでしょう。デザインや建築なら食いぶちもあるでしょう。でも絵は、主観に委ねられるところもあり、多数決をとらなければわからないものです。この多数決というところに着目したとき、芸大卒の絵描きが絵をつづけていく方法は、公募展や団体で受賞することだと思います。受賞できなかったり同人より上にすすめないと、芸大出は絵を描かなくなります。なぜなら芸大出だからです。芸大出でありながら絵を描いても高卒やノンキャリよりも下のポジションになってしまうのが困るからです。芸大出とはそういうことです。
油彩画日本画彫刻工芸など個人作品をベースとした芸術を、芸大卒業後も続けていきたいのであれば、公募展や団体の審査に適うものをつくる必要があります。そこでダメなら作品をつくらずにずっと先生をやっていくことになります。芸大出なのに、同人のままあるいは落選しつづけてもいいというなら話は別ですが、そんな芸大出はいませんし、作品がなくても芸大出なら一定の職が得られる可能性もあります。
素人が公募展で受賞しながら階梯を登っていくとやがて芸大出の絵を審査する側に立つこともあります。矢口八虎は天才の高橋世田介を超えますが、下界へ降りた芸大出は歯牙にもかけていなかった田舎者に追い抜かれてしまうことがある、ということです。プライドや落選の恐怖から、芸大出は県展のようなところへ出そうとしませんが、芸大出こそやるべきなのは県展のような公募展で多数の受賞をすることです。地方で絵を描いている人なら解りますが、芸大出で受賞実績なしなのに自治体に重用され大職に就いている人がいます。かならずいます。
絵描きで生きるには現実世界との親和性をもつことが大事だと思います。肖像画を描くけっこう美男な男がコメンテーターをやっていますが、テレビに出てしゃべっているからこそ退屈な肖像画に価値が生じているのであり、彼自身が画家というものの生き方がないことの証左にもなっています。だいたいこの映画の原作も芸大出の漫画家が描いた漫画です。
しかし、画家としてテレビへ出て面白いコメントを言うのも漫画原作がアニメになり実写映画になるのも輝かしい成功者であることは言うまでもありません。
一般的に将来はどうなるかわからないので、芸大を出たからといって芸術に関わらなければいけないわけではありません。にもかかわらず芸大を出ると将来の像が狭窄するのです。
たとえばわたしは簿記学校を出ましたが、簿記を生かす職に就いたことがありません。それでも簿記をやったことを、芸術ほどには惜しがられません。それは簿記が芸術に比べて花形な技能ではないからです。
庶民はこと「芸術」となると構えて硬化してしまうものですが、ブルーピリオドは庶民的なレベルで芸大合格を解りやすいスポ根ドラマにしていると思いました。
薄い
原作で受験編は1~6巻まで。それを二時間の映画に。
全体的に満遍なく、エピソードを使って、少しオリジナル入れているので全体的に薄い仕上がりになってしまった。と言う感じかなぁ。
キャラが漫画やアニメだと大丈夫なんだけど、見た目を近づけようとした結果、微妙なコスプレ感。龍二はいっそのこと女優さんにやって貰った方が良かったんじゃね?
出会い、葛藤、発見、自分の新たな可能性、その総てが青く眩しい
ブルーピリオド、凄く面白かったです。
私はずっと美術部員だったくせに美術の本質を掴むことのないまま。というか美術部員だったくせに絵自体に関心がないまま学生生活を終えてしまった人間です。
この作品を鑑賞しながら、過去の自分が恥ずかしくなりました。
元から才能がある人は確かに存在しています。その一方で努力でのし上がる人も存在する。
努力をした人間全員の夢が叶う世界でないのが現実ですが、突然何かにのめり込むように夢中になって、向き合って、葛藤して、発見して。
自分も知らなかった新たな可能性を見出していく。
人が何かを始める時、中途半端な気持ちで足を突っ込むべきではないなと考えさせられましたし、
自分が心からそれが好きだという感情に突き動かされている八虎の姿は眩しかったです。
美術に興味がある方はもちろん、興味が無い方にも是非鑑賞していただきたい作品です。
追伸
高橋文哉さんが減量し女性の仕草や好きなものを勉強して取り組まれたというユカちゃん、凄く可愛くて素敵でした!
不良君が夢を見つけて頑張る話
一言で言えばタイトル通り。
藝大を目指す話なので、変人、奇人が出るのかと思ったけどそんな事はありませんでした。
話全体は面白かったです。
好きなものを見つけて、熱中するが周りとの壁を感じ、ひたすら努力する。王道の青春ストーリー。
ただ時間の関係上仕方ないのかもしれませんが、天才と呼ばれていたライバルの子にもう少し焦点を当てて欲しかったです。
原作とはまた違う展開なんでしょうか?気になればまた後日読んでみようと思います。
絵画鑑賞が好きなので、あえて皆様には共感いたします
なぜ美術をやる為にT藝大にいかにゃならんのだ。確かに我がオジキはT藝大でなく、もっと頭の悪い奴が行く別の美大で、高校は定時制の工業科。しかも貧乏絵描きで終わった。でも、家族を養って生活出来るくらいの絵は売れていたようだ。
学閥としてT藝大を利用する事は本当の芸術(美術)なのだろうか?
芸術とくに美術に学歴を持ち込もうとする事に矛盾があるのだ。
ほぼ毎年、T藝大の文化祭に行ってるが、芸術的なセンスがない僕には彼等の絵を見て感動に浸った事は一度もない。
T藝大に入る事が芸術(美術)の目標にするって実に短絡的。
と言ってwikiで原作者見たら、T藝大出身なんだね。所謂、自画自賛なんだな。
『ドラゴン桜』のT藝大版か。
ゲルハルト・リヒターをモデルにした『ある画家の数奇な運命』を見てもらいたい。先ずは審美眼を養う事だね。気持ちは分かるが、審美眼があやふやなのに、技術を競い合ってもそれは芸術家になったと言えるのか?審美眼が0だと技術を重ねても結果は0。ましてや、彼の技術力は望めない。そもそも、試験なんかで審美眼を含めた才能を測ろうとする日本の入試方法に問題がある。音楽はそんな事をとっくの昔に淘汰して才能ある者は、日本から離れた海外で学歴を積んでいる。まぁ、日本がそれで成功している訳では無いが。
T藝大に入ったからと言って売れる芸術家にはなれないよ。本当に自分の芸術を極めたいなら、やっぱり、海外へ行こう。こんなちっちゃな島国で『応仁の乱』や『本能寺の変』に拘る時間の止まった大日本帝國にしがみつくな!と言いたいね。
もっとも、この演出家はアメリカ帰りを凱旋と考えているようだが。それなら、もっといい作品作れるだろ。
まぁ、どうでも良いけどね。
T藝大出て漫画なんか描いてんななんて言われない。侮辱しているんじゃないよ。手塚治虫先生は大阪大学医学部だからね。でも、偉大だ漫画家で漫画の地位向上に努められた方だ。でも、彼が大阪大学を出ていたから、そう言った名作が描けたわけじゃない。漫画の地位向上を望める様な漫画家の登場を望むね。そうじゃないと、高校の図書館にいつまでも漫画を置いて貰えない。
少女終末旅行をある高校の図書館に選書したら、ウマシカ教師に『漫画は高校生の知育を下げるから駄目だ』って言われた。日本国の教育なんてそんなもんだよ。
外連味のある演出は控えめに、愚直に筆を動かす姿を描いているんだけど、あくまで泥臭さくない一作
漫画原作の実写映画は、時に原作の雰囲気を伝えるために派手なVFXを用いる場合があるけど、本作はその点はかなり抑制的です。とはいえ主人公矢口(眞栄田郷敦)が絵画的な美しさを見出す場面など、ここぞという重要な場面での演出は特筆に値します。
天賦の才を備えた主人公が難関を突破していく……、のではなく、矢口はあくまでも美術の初学者で、ひたすら筆を動かし、作品を描き続けることで才能を開花させていく、という物語の展開はある意味地味ではあります。
しかしそれ故に矢口が描いた絵が積み重なっていく場面に努力の重さを感じない人はいないでしょう。初心者にしては矢口は最初から絵が上手すぎるのでは……、というのはアーティストを描く作品にありがちな齟齬ではありますが、それでも並べてみるとちゃんと矢口の成長が素人目にも実感できるあたり、すごい……、と感じずにはいられませんでした。
本作みたいに素人がいきなり日本最難関の藝大に入れるわけないじゃん……、と思いがちですが、実際には矢口のような来歴の学生は決して珍しくないとのこと。芸術の奥深さを思い知らされます……。
眞栄田郷敦も音楽の分野で藝大を受験したことがあるとのこと。今回の役柄に強い思い入れが感じられたのはそういった理由だったのかー、と改めて納得!
全282件中、21~40件目を表示