ブルーピリオドのレビュー・感想・評価
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物語のテーマであるはずの「情熱」と「努力」が今一つ伝わってこない
たとえ天才でなくても、情熱と努力で成功できるという話は美しいし、主人公が「好きなこと」に巡り合い、それにのめり込んでいく姿には胸が熱くなるのだが、ひねくれた性格のせいか、世の中、それほど甘くはないだろうとも思ってしまう。 実際、主人公には、「天才と見分けがつかなくなるほど努力できる」という「才能」があった訳で、やはり、そうしたところは、そこらの凡人とは違うと思えるのである。 ただ、その割には、主人公が絵画に打ち込む情熱や、人一倍努力する様子が、映像表現として、今一つ伝わってこなかったのは、物足りないとしか言いようがない。途中、乗っていたバスが赤熱化したり、絵筆から火花が飛び散ったりする場面も出てくるのだが、こうした、VFXを活用した「情熱がほとばしる」ような描写がもっとあっても良かったのではないかと思う。 それから、予備校の油絵科の生徒として、せっかく個性的な面々を揃えたのに、そうしたキャラクターがほとんど活かされなかったのも勿体ない。彼らがもっと活躍していれば、後半になるにつれて物語が失速し、退屈に感じられることもなかったのではないかと思えてならない。 ラストの、東京藝大の受験のシーンでは、絵画の技量もさることながら、いかに個性を出すのかという「アイデア」の勝負であるということが分かって面白かったし、1次試験で主人公が描いた自画像も、その着想の妙を実感することができた。 その一方で、2次試験で主人公が描いた裸婦の絵については、確かに「素敵」とは思えるものの、こちらに芸術を解する鑑賞眼がないせいか、どういったところに「裸の薄っぺらさ」が表現されているのかが理解できず、やや釈然としないものを感じてしまった。 それから、受験の時に、主人公の腕に浮き出ていた湿疹のようなものの正体や、体調不良の原因についてもよく分からなかったし、それが、ストーリーに影響することもなかったのだが、あれは一体何だったのだろうか?
「好き」を人生の大半に置くことの大変さと大切さ
描くことで会話する話 原作未読ですが少なからず芸大に興味が有ったので鑑賞してみました。 原作マンガがかなり評判いいと聞いていたので、実写化で失敗したらかわいそうだなと心配していたが全の杞憂でしたね。 めちゃくちゃ面白かったですねぇ~ ストーリーも配役もめちゃよかった! 好きな事にのめり込む楽しさと挫折、目標に向かって挑戦し続け諦めない素晴らしい青春映画でございました。 2時間にギュッと詰め込まれているわりに見せ場とか小さめのエピソードとかバランス良くきっちり収まっていて退屈しなかったし美大受験生ってこんな大変な世界で生きてるんだなぁと感心してしまった。 主人公役のゴードン君よかったです、無気力な感じも情熱的な感じも、楽しさも焦りも、どれもいい演技するじゃないの! 彼は素でなんもできちゃいそうな天才肌な雰囲気あるけど(個人的意見です)それゆえの悩みとかありそうだし(個人の妄想です)ナイスキャスティングだと思った。 他の方々も癖強いキャラが多かったけれど皆さん頑張ってましたね。 原作漫画を読んでないのでキャラ比較とかできないのが悔やまれる。 鮎川くんとか再現度高かったのでわないだろうか? あ~原作読んどきゃよかった、この作品をもっと深く知れたしもっと楽しめただろうに・・・ 映画と漫画で表現方法違うし見方が変わっちゃうけれど劇中でもあった「それが青くみえたら青く描いていい」になぞらえて、原作のパワーを監督が感じたままに表現し出力した結果が本作品なのかと思うと感慨深い。 私は美術に興味はあっても見るだけでなにもしてこなかった、これからも何かを描いたり表現のための制作はしないと思う。 だけれど本作を見てなにか熱いモノ作りへの意欲を奮い立たされた気がする。 とりあえずこの高ぶった気持ちを少しでも燃焼するため、つたないレビューではあるが形を残そうと思いました。 真っ赤に熱せられた鉄を叩いて伸ばして削って、私だけのなにかが表現できるようになりたい。 邦画のロードショー作品で心動かされるのは稀なんだけれどもう一回見ちゃうかもなぁ。 ------------------------------------------------------------------------ 劇中セリフより 「1位になる作品じゃなくて最高の作品を作りなさい」 技法勉強して試して書き続けるしかないんだろうけれど、自分が納得いくものを作り上げるのだけでもめちゃくちゃ難しい。 他人から評価されるまでになるのはまだ果てしない道だけど、私に今できる事は続ける努力だけ。
俺にしか描けない絵がある!感性に響いたよ
原作未読なので、てっきり東京芸大の生活を描いた映画と思いこんでいたら、高校生活や大学受験を描いた映画でした。 前半は掴み所のない内容に感じましたが、後半は感性に響いてきて、どんどん引き込まれていく感じでした。 眞栄田郷敦さんの金髪姿がかっこいいですね。桜田ひよりさんの出番が少なかったです。 ヌードモデルの方も素晴らしいプロポーションで彫刻のようでした。プロのモデルさんですかね。 芸大の試験は、自分には無理です。主人公の絵に対する情熱と発想が素晴らしかったです。
情熱というものに圧巻
僕は絵を描いてる身で、学生でもあり原作ファンでもあります。
だからこそ共感の部分もあったし、所々カットされている原作シーンも補足はできました。
でも登場人物(世田介・橋田・桑名)の背景があまり感じられなかったり、美術部入部の瞬間や予備校生との関わりが欲しかったところです、、
どちらかと言うと原作読書へのプレゼントと感じられました、、
ここは仕方ない箇所かもしれませんが、
ブルーピリオド特有の話の中に美術の知識を蓄えてくれる場面はほぼなかった感じで、たまにある笑えるシーンも少なかった印象です。
でもそれがまた物語に集中させてくれる1つの良さだとも思えました。
でも!絵を描く場面では迫力が感じられ、原作の中で登場絵がそのまま現実に現れたのはもちろん、原作とはまた違うような絵も登場。
冒頭の部分で音楽からの導入、絵を描く場面と音楽の交差性が映画館の音響でかなり引き立っていたと思います。
そして何より驚いたシーンは自分も好きな「縁=溶鉱炉」のアイデアを思いつくシーン、
VFXの力で生み出された八虎が鉄の塊となっていく場面でも映画館の音響でしか味わえない
高揚感にそそられました!
構成としては所々カットしているのはもちろんですが、それを上手いこと話に織り交ぜていること、原作では既に世田介くんが予備校からいなくなっている頃に溶鉱炉の絵がでてきます。映画では世田介がまだ予備校にいる頃に溶鉱炉の絵がでてくることになっていたり、八虎が八虎ママに東京藝術大学を受験すると決心し対話するタイミングが原作と比べ遅かった気がします。そういう改変点があっても話として違和感は感じられなくて、見事に織り交ぜることができていて満足度も高いです!
映画の話の山場(個人的)な場面「早朝の渋谷」「海」「割れた鏡」「ヌードデッサン」
「合格発表」
では文句なし!の出来でした。
そして、登場人物の見た目も原作そのままで驚きました。自分の好きなキャラクターが橋田のせいもあるのか橋田だけずば抜けて見てしまいました、橋田役の「秋谷 郁甫」さんの作る表情がまさに橋田でおさげも完璧すぎて、、🤦♂️
この実写版ブルーピリオドに触れるまでは
「眞栄田郷敦さん」「秋谷郁甫さん」
「中島セナさん」の事はあまり知らなくてこの機会にとても注目、好きになった役者さんにもなりました!
ただ!もう一度言いますが橋田、桑名さん、世田介くん達の背景描写が欲しかったです!
終わり方としてはちょうど良かった場であったので続編の可能性は今のとこまだ感じられませんが、続編がやるとなったら必ず観に行くしかない!と思っています!
とてもよかったです。
原作未読、アニメ未視聴です。 以前、ブルーピリオド展は見に行きまして絵の綺麗さに感動した記憶があります。 ストーリーはとても良かったです。 出てくる人もみんないい人たち(素行は別にして)で安心しました。 何かに熱中して頑張る若者をみると、自然と涙が溢れてきます。 日々生きてるとどうしても人と自分を比べてしまいますよね。 みんな本当の自分と理想の自分の差に苦しんだり、周りの才能に嫉妬したり… 映画だと個々に焦点を当てる時間があまりないので、漫画を読んでもっとみんなの立場を深掘りしたいと思いました。 いろんな立場の人が出てくるので、きっと自分と似た心情の登場人物が1人はいると思います。 あと、あの湿疹だけは何だったのかわかんなかった 笑
無性に絵を描きたくなりました(才能はないけれど)
YOASOBIの楽曲「群青」が好きだったので、興味を持って観に行きました。幾田りらさんの、どこで息を吸ってるの?と思う歌い方が凄いのもあるけれど、歌詞もカッコいい。きっと、映画もカッコいいはずと思って観に行きました。 絵を描くことに目覚めた高校生が、学費が安いからという理由で、「わかりました、最難関の東京芸大を目指します」と、宣言するところから始まる無謀な展開ですが、意外と淡々とした、お受験ものでした。 腕を痛めて、絵を描けなくなったり、挫折して旅に出たりすることもありません。頭のいい子らしく、コツを掴んでからは、スイスイと受験に臨みます。 なんで、淡々としてるかというと、絵の描き方で、感情の変化を伝えるのが難しいのかもしれないですね。でも、ところどころにカッコいいセリフも出てくるし、ちゃんと泣ける場面もあります。私は、才能ゼロですが、学生の頃は絵を描くのも好きでした。好きなことにトコトン打ち込むのも大変ですが、ちょっと羨ましいと思いました。 それと、薬師丸ひろ子さんが演じる高校の先生。飄々としていますが、言うことが鋭い。彼女は絶対、只者ではないと思います。
【”努力と戦略と情熱と夢。”今作は、友人も多く、成績優秀だが夢がなかった高校生が、絵画の魅力に取り付かれ東京藝術大学を目指す姿を、彼の友人達の生き様を絡めて描いたムネアツな青春受験映画である。】
ー イキナリ私事で恐縮であるが、今でも年に1.2回悪夢を見る。
周囲は私と同じ受験生で、皆、必死にペンを走らせている。私は自分の目の前の答案用紙が白紙である事に気付き、”残り、10分です。”と試験官の声が響く中、猛烈に焦りながらペンを走らせる・・、と言う夢である。
ハッキリ言って、トラウマである。
だが、あの年齢の時に必死に勉強した結果、メンタルも鍛えられ、今、休日にノンビリ映画を観ていられるのだと思っている。
そして、今作で矢口八虎(眞栄田郷敦)が、東京藝術大学の一次試験、二次試験に臨む姿を見て、且つての自分を思い出してしまったのである。
故に、ラストの合格発表のシーンで涙腺が緩んだのは言うまでもない。-
◆感想
■良かった所
1.矢口八虎が、好青年で頭も良く友達も多いが、夢を見いだせずに過ごす日々の描き方。
友人達とスポーツバーで呑んで、早朝の渋谷の空を眺めるシーン。そして、彼が家では両親に心配を掛けないように、振舞う姿。
食事が終われば食器をキチンと流しで洗い物をしている母(石田ひかり)の元に運び、家に入る際には靴をキチンと揃えて脱ぐ姿。彼が、両親からキチンと育てられた青年だという事が、丁寧な描写で分かるのである。
2.矢口八虎と鮎川龍二:ユカちゃん(高橋文哉)の関係の描き方。
ユカちゃんは女性のような服や髪をしているが、八虎は変な眼では見ない。逆にユカちゃんの存在が、彼に美術部の森先輩(桜田ひより)が描いた絵との出会いを齎している。
ユカちゃんも、東京藝術大学の日本画コースを目指しているが、彼の嗜好を認めない父親の行いにより、一次試験でキャンパスに×を付けて部屋を出て行ってしまう。
ユカちゃんの事を心配した八虎が電話を掛けた時の会話。
”海に居るんだけど、来れない?””いや、もうすぐ2次試験なんだけど。””アンタはいつも、安全圏にいるのよ。”という会話の後、八虎が嫌な予感がして入水しようとしていたユカちゃんを助け、海沿いの旅館でユカちゃんから”お互い、自分の裸を描かない?アンタは、色々と身に纏っているから服を脱ぐのは大変そうだけど。”と言って二人で自分の裸を描くシーン。
このシーンが、八虎の二次試験のシーンに効いてくるのである。巧い。
更に言えば、八虎の両親が心配しつつも、息子が選択した道を応援する姿と、描かれないが、ユカちゃんの生き方を否定する父親との対比も、さりげなく示されている点である。親の度量の違いが、子供に与える影響を暗喩している様に、私には思えたのである。
3.矢口八虎と遊び仲間の高校生との関係性の描き方。
特に、藝術大学受験に悩む八虎をフルーツパーラーに呼び出し、”俺、パティシエになるわ。”と言った遊び仲間の高校生の姿と、八虎が頑張る姿を陰で見守る皆の姿も、ボディブローのように効いてくるのである。
■もう少し、掘り下げて欲しかった所
1.ヨタスケ(板垣李光人)の聡明で、自信たっぷりだが、何処か屈折していて卑屈な理由をもう少し掘り下げて欲しかったかな。それにしても、板垣李光人さんは良い役者であるなあ。
2.八虎が通う美術予備校の同級生と八虎との関係性の描き方。けれども、予備校の先生を演じた江口のりこさんは、相変わらず抜群に巧いなあ。
<東京藝術大学の合格発表のシーン。合格番号が掲示されている所などは、私自身の合格発表を見に行った時のことを想い出す。ドキドキである。
家で電話の前で待っている八虎の両親に八虎が掛けた電話。
ホント、このシーンは涙腺が緩んだなあ。
両親が仕事や家事を頑張ってくれたから、八虎は夜間の美術予備校に通えたんだものなあ。あの八虎の電話は、最高の親孝行であり恩返しだと思ったなあ。
今作は、友人も多く、成績優秀だが夢がなかった高校生が、絵画の魅力に取り付かれ、東京藝術大学入学を目指す姿を、彼の友人達の生き様を絡めて描いたムネアツな青春映画なのである。>
技術や戦略に先立つパッションの熱さ
「ブルーピリオド」は通常、絵画史ではピカソの青の時代を指す。そして、主人公に強くエモーションを与える渋谷の夜明けの蒼さはいわゆるブルーアワー。どちらも日本人の大好きなセンチメンタルなモチーフである。 このあたりをじっとりネチネチ描くのかと思いきや、映画では割とアッサリと通り過ぎる。まずはそこに好感を持った。 主題は東京藝術大学合格を目指す八虎の熱い日々。ストレートに描かれる。 感心するのは映画内に登場する絵画作品のリアルさ。八虎を導く森まるの作品がまずもって色彩の美しさからしてストーリーに説得力を与える。昨年の某映画の「黒い絵」が噴飯ものの出来で映画をぶち壊したのとは大違い。ただしすべての絵画作品が良いわけではなく、駄目な作品は駄目で、きちんと描き分けられている。 八虎の人物像がユニークなのは彼が優等生であるところ。努力と戦略立案能力で何をやらせてもそれなりに成果をあげることができる。でもそれだけでは東京藝術大学には合格できない。パッションが必要なのである。そのことをキチンと説明するためにはライバルの世田介との対比、そしてユカの視点が必要なのだろうが、映画ではややその部分が弱かった。特に天才である設定の世田介の作品があまり出てこないことがちょっと気になった。 最後に一つ、八虎が最初の美術の課題で描いた渋谷のブルーアワーの水彩画。キチンと可視化されてきれいな色合いの絵ではあるが、あれを一発で渋谷の夜明けと見切ったDQNの彼のセンスは凄いね。後でパティシェの道に進むようだけどさぞかし腕利きになるのでしょうね。
名言がたくさん
映画の前に流れる告知で ブルーピリオドを知り 興味を持ち観に行きました。 原作未読、アニメもあるんですね? 美大を目指す事に対して 子供の将来を心配して「食べていけない」 先人として経験した事を伝える母 父ちゃんは、経済的に苦しいだろうに 予備校へ行くお金を捻出してくれた LGBTに理解がなく 子供を全否定する親 などの親の子供に対する 姿勢を織り交ぜてましたね。 嫌なやつは出てない 天才の李光人さんがその役割か? 自身の劣等感や不安が一番の敵? 負けない諦めない、がテーマなのか… 主役の郷敦さんよかった。 金カムで見た時は、無敵の軍人 今回は、高校生 やはり演技が素晴らしいので 引き込まれました。 元気をもらって また何かにチャレンジしたくなりました。 是非映画館で観てください
情熱は武器!
原作はアニメを少し見ていた程度です。 原作者の山口つばささんが藝大に現役合格した張本人という事で、よりリアリティのある作品になっているのではと思います。 自分を突き動かす何かとの出会い、誰かの言葉。 芸術で食べていくことが難しくても、気持ちのままに絵を描き自分の道を進む姿は十分に大人になった自分にもグッとくるものがありました。 八虎を演じた前田郷敦さんの内から湧き出る情熱をキャンバスに傾ける表情と勢いがとても良かった。 高橋文哉さんはスラっとしたスタイルと美しさが見事にハマり過ぎていた…笑 朝の渋谷は自分には何色に見えるんだろう?
《努力する》《打ち込む》それが出来れば、立派に才能‼️
この映画を観たかった一番の理由は眞栄田郷敦が好きだから。
ドラマ「エルピス」で決定的に好きになり、虜になった。
まずこの映画では美しい郷敦が見られる。
白に脱色したヘアは実年齢より若く見える。
郷敦の持ち味は捻りの無い素直さ。
真っ直ぐなところが好き。
高校生になり進路を考えた矢口八虎(ヤトラ)は、
自分が何にも持たない空っぽな人間だと気づく。
しかし上級生の森まる(桜田ひより)の絵を見て、森先輩は、
「祈り」を込めと書いている、と呟く。
同級生のユカちゃん(高橋文哉)の日本画にも惹かれるものを感じる。
そんな八虎が東京藝術大学の美術家の難関を、
絵画の経験値まったくなしで挑むストーリーです。
何気にゴードン君のハダカのシーンがあり、まるで知らなくて 心の準備が
なかったからビックリ。
小田原の海に呼び出された八虎(因みに試験中)
自殺未遂気味のユカちゃんを止めるのに、ずぶ濡れになる。
そして旅館で休んでいると、ユカちゃんはなぜかハダカになる。
美しいシーンだった。
お互いに恋愛感情がないのだから、あのシーンはなんなのだろね。
ユカちゃんは父親にジェンダーを否定されて傷ついても、
やはり絵は捨てられない。
ゴードン君は、色気ないので、このシーン嫌らしさ皆無です。
裏のない素直さが魅力です。
レモンのように爽やかさです。
原作漫画の作者・山口つばささんも東京藝術大学を出られてるのですね。
それはやはり説得力ありますね。
一年に5人しか受からずに、倍率200倍‼️
一次試験そして二次試験と実技のデッサン、自画像、
裸婦像があるんですねー。
勉強になりました。
自画像に取り組むシーンは圧巻でした。
もうグラフィクデザインの領域でしたね。
わたしは大学が芸術系で美術科もあったので、渡り廊下にズラーっと
200号の油絵が並んでて、定期的に交換されます。
見ながら歩くのが楽しみでしたね。
上手い下手は一目瞭然で、そこに見る側の主観が加わるのだと思います。
音楽の場合は、例えばベートーベンのソナタやショパンのエチュードなどを
少しづつ仕上げて暗譜して完成する(自分レベルの完成ですが、)
その過程には、自分を磨き何かしら魂の高みを感じて満たされる部分が
あるのです。
それが芸術の歓び昂揚でしょうか?
努力する。
打ち込む。
愛する。
それができるのが才能なのではないだろうか。
天才とは違うかもしれないけれど、
コピー通り、見分けがつかなくなる位に努力すればね。
受験に打ち込む青春ストーリー、
ラストには込み上げるものがありました。
見に行く価値なし
原作を知ってるからというのが大きいのかもしれないですが、私としては見に行く価値なしと判断。 映画を見て原作と違う部分や、ストーリーの流れ、そこをカットするのであればここのシーンはいらないのでは?と思う所が多々。 蕁麻疹のシーンも、2次試験の体調不良の中諦めないといった姿勢などは全く表現されておらず。 アニメも途中までしかやっていないからしょうがないのかとは思うけど、それでも一人一人のキャラの不完全燃焼感が残る。 わたし的には言い出したら止まらないぐらい不満な作品でした。
漫画実写化の成功作 オススメします
原作の漫画もアニメも見ていたので楽しみに鑑賞。 アニメも手掛けた吉田玲子脚本なので2時間弱に凝縮したストーリーはお見事でした。 脇役たちの想いや挫折ももう少し見たかったですが矢口八虎に主眼を置いた描き方としてはこれでベストだと感じました。 俳優たちも適材適所で原作に近いイメージ。漫画原作の実写化は期待外れのイメージを最近は次々と裏切って良作が多いです。 今作もおススメ度は満点。特にやりたいことが見つからない若者に見てほしい。心が熱くなりました。
漫画原作ですがしっとりめ。
漫画未読で金髪のゴードンくん目当てで行きました。 新宿初日金曜で8割の入り。 シンプルで淡々としてますが良かったです。 全キャストが上手いです。 ありふれてるキラキラ青春映画ではないです。 スマホやらAIやらで効率重視の世の中で アナログはええなと再認識するかな。
自分だけの世界。
人との付き合いも上手く、勉強もそつなくこなし優秀だが手応えを感じてない、金髪不良な高校2年生矢口八虎の話。
美術の授業の課題「私の好きな風景」で描いた、「朝方の日の光が当たるビル街の青い渋谷」、その絵を描いた時に初めての手応えを感じ好きな事を見つけた八虎が、国内最難関の東京藝術大学を目指し動き始める。
周りに合わせ上手で器用な八虎だったけど、描いた一枚の絵と、先輩森まるとの出会いを機に、大学入学の為に没頭し絵の勉強にのめり込む姿が観てて熱くなるし良かった。
講習で出会った高橋、最初はバカにされてたけど最後には見返したし芽生えた友情の感じもね。
作品雰囲気、世界観も良くて終始楽しめました。ユカ(鮎川龍二)役を演じた高橋文哉君の女装姿は綺麗だった。(原作未読)
若さと情熱
原作は途中まで既読。
面白かったので、是非映画でみたいと思いました。
なんといっても郷敦くんの目が素晴らしかったです。
他人に合わせて笑う目から本当の好きを見つけて変わる目は、見ていて震えるものがありました。
そして原作でも泣いた、反対していたお母さんに自分の気持ちを吐露する場面はやっぱりまた泣いてしまいました。
好きを見つけられること、好きを口にできること、そして好きにまっすぐ行動できること。すべてが輝いていました。
そして意外にも驚いたのが、観客がほぼ中年以上の方だったことです。いくつになっても皆、熱くなりたいのかな。
青春物語の新しいジャンル
だね。漫画未読。 青春全般の言いたいことはほぼ同じなワケでどうでもイイんだけど、 新しいジャンルで青春やってるから甘めの採点にしましたw steam教育
原作リスペクトを感じる良作
原作ファンです!大好きな作品が映画化とのことで公開初日朝に映画館で見てきました!
映画化対象は激アツの芸大受験編。
原作で6巻分もの内容を2時間近くにまとめるのはかなり難しい判断があったのだと思う。
結果、比較的地味なシーンとも言える、矢虎決意後のひたむきな努力、上手くなっていく過程、絵画技法の説明などはバッサリカット。また、個性的な予備校メンバとの絡みもほぼゼロ。
ただ、原作ファンとしては上記部分はある程度脳内補完可能だし、時間的にやむなしと納得。
それよりも、原作の大きな魅力でもある、①「転機となるシーンでの独創的な表現描写」を映像技術で実写化してくれたこと
②「随所に出てくる名言」を丁寧に扱ってくれたこと(アニメでは軽く流されてた印象)
に対しては製作陣に心から感謝をしたい。
また、主人公らの作品に実物の絵画を使ってくれることも原作の大きな魅力だが、実写化により作品の美しさ•迫力・生々しさを原作以上に感じることができ、これまた幸せであった。
配役も違和感なし。大葉先生のガサツだけど愛情のある雰囲気、世田介くんの神経質感、ユカちゃんの美しさ(笑)がよく表現されていた。ゴードンの危機迫る描きっぷりもとても良かった!
映画を見て、原作の素晴らしさを再認識するとともに、またイチから読んだみたくなりました!
(群青とeverblueの良さも再認識!)
ゴールから逆算したようなシナリオで、それが物語の熱を奪っているように思えた
2024.8.9 イオンシネマ久御山
2024年の日本映画(115分、G)
原作は山口つばさの同名漫画(講談社)
ある絵をきっかけに美大を目指そうとする高校生を描いた青春映画
監督は萩原健太郎
脚本は吉田玲子
物語の舞台は、東京の新宿
友人たちとスポーツバーに行っては朝帰りを繰り返していた高校2年生の八虎(眞栄田郷敦)は、成績が良いにも関わらず、日々を空虚に感じていた
彼は、夜明け前の新宿の静寂が好きで、ブルーに染まった空を見ながら、その時だけは心の中が満たされるような気がしていた
ある日、美術の時間にて課題を出された八虎は、放課後の美術室にて、誰かが描いた絵に魅了されてしまう
その場に現れた中学からの同級生で美術部のユカちゃん(高橋文哉)は、森先輩(桜田ひより)が描いたものだと言う
八虎は、将来性がないのに美術に傾倒していることを疑問視して悪態を吐くが、美術部の顧問・佐伯先生(薬師丸ひろ子)から、「あなたにとって価値のあるものは何かを知りたい」と問いかけられてしまう
その後、美術の課題を書くために教室に来た八虎は、そこで森先輩と出会い、彼女の絵に対する想いを聞かされた
その後、一緒に絵を描きながら、八虎は新宿の青い空をどうしたら表現できるかと考え始める
そして描いた絵は、親友やクラスメイトから評価され、八虎の中で絵を描きたいと言う強い思いが生まれるのである
映画は、約1年半の東京藝大へのチャレンジの過程を描き、美術専門学校に通って、知識と実力を磨いていく様子が描かれていく
専門学校の講師・大葉(江口のりこ)は的確なアドバイスを与え、ユカちゃんやその他のライバルたちとともに難関と言われる東京藝大の試験へと向かう
だが、確たる芯がないまま突き進む八虎は、母親(石田ひかり)の反対で挫けそうになってしまう
そんな折、親友の晋(兵頭巧海)から「八虎の夢に感化された」と聞かされ、好きなことで生きていくことの尊さを思い出していくのである
120分で1年半と言う無茶なスケジュールで、しかも絵を始めるまでに25%ぐらいかかっているので、後半のダイジェスト感は否めない
八虎の合格がどのように実現したかを見る内容だが、あの絵で東京藝大を一発で受かるのかは何とも言えない
才能がないから努力と戦略で突き進むのだが、東京藝大攻略系の講師が出てくると言うこともなく、ほぼ独学で戦略を練って戦っていく様子が描かれていく
こういう人を天才と呼ぶのだが、八虎自身は自分が凡人だと思っていて、本質を見極めるだけであっさりと絵が描けてしまうチートな人をライバル視したりもする
かなりファンタジックな感じになっていて、漫画とかアニメだと良い塩梅だと思うが、こと実写になるとリアリティを全く感じなくなるのは不思議だなあと思った
おそらくは、原作にあるシーンをピックアップして、それに繋がるエピソード&キャラを出すと言うことに特化してシナリオを作っているのだろう
それゆえにワンシーンだけ登場するキャラがいたりとか、前後のつながりを意識していない流れになっていたように思えた
例えば、ユカちゃんが階上の男子生徒に手を振るシーンと、街角で男性にフラれるシーンがあるが、これは別人(階上の生徒が坂本(志村魁)で、路上の男は佐々木(濱尾ノリタカ))だったりする
全体の流れを考えると、ユカちゃんが坂本に告ってフラれたみたいな流れに見えるが、実は「女と間違えられて声をかけられて、男だとわかって拒絶された」と言うシーンだった
これを原作未読で理解しろと言う方が無理な話で、そもそもユカちゃんが八虎を振り回すキャラとして描かれているのも、東京藝大の試験に裸体が出てくるからだった
そのハードルを突破するために、海に行くと言うシークエンスが必要で、そのためにユカちゃんがフラれる(実際には親に女装道具を捨てられる)ところに八虎が居合わせないとダメ、みたいな逆展開をしているのではないだろうか
取捨選択を考えるなら、親に反対されると言うシークエンスが八虎にもユカちゃんにもあるので、あえて「ユカちゃんがフラれるシークエンス」を挿入する意味はなく、父親がブチ切れて殴られるシーンを挿入するだけで事足りるように思えた
いずれにせよ、このようなゴールから逆算して必要な要素だけをピッキングすると言うのが目立っていて、八虎の前にハードルが現れると、次の場面でそれを打ち砕くためのヒントが現れる
この繰り返しの末に合格に至っているので、戦略と努力というよりは、持って生まれた人の縁が彼を合格させたように見える
最終的には、その出来事で彼が本質に気づく才能があるからとも言えるのだが、それは彼の感性に依るもので、そういったものを戦略とか努力とは言わないと思う
そのあたりの造り込みに違和感を感じるので、あまりのめり込めなかったというのが率直な感想である
芸術への愛が詰まった良い映画。
今年288本目(合計1,380本目/今月(2024年8月度)13本目)。 ※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。 (前の作品 「プー2」→この作品「ブルーピリオド」→次の作品「ノリャン 死の海」) テレビアニメ版などが原作なようですね。 そのため、確かに普通に考えるとかなり設定に無理があろう点(一般常識論など。いくつかは後述)はありましょうが、美大でも音大でもいわゆる広義の意味での「芸術系大学」については当事者の後援などあったようでかなり詳しく描かれています。 こうした点について描く映画といえば、去年だったか「私は線を描く」だったかのタイトルで取り上げられた書道の例くらいで数が少なく、また日本においてはやはりごく少数といえる芸術系大学(体育系大学等も超広義に含めてもやはり全体からすると少ない)等を扱っていたという点はよかったのかなというところです。 こうした大学への進学には親の理解が必要なところ、最初はいろいろ反対もしますが最終的には賛成して受験当日見送っていく親の対応なども評価が良かったところです。大学受験会場で彼を待ち受けていたもの、またその結果は…というところになるとネタバレになりましょうね。 採点に関しては特段気になる点まで見当たらないのでフルスコアにしています(ただ、結局「推薦を受ける」という話になってましたっけ?国立大学はどこであろうと共通テスト(旧センター試験)の受験が必須です) -------------------------------------------------------------------- (減点なし/日本におけるこうした大学への進学と、中学高校の接続事情) 日本ではいわゆる「実技系科目」と呼ばれ高校の入学試験ではおよそ出てこない(特に公立高校だとまともに採点できない)実技試験はその関係で、中学→公立高校入試では、内申点を倍にするなどして対応している都道府県が多いです(私が大学進学したときの広島は確か2倍扱いだったかな)。一方で名目上はこれら実技科目は中学では全てやります。名目上は義務教育だからです。 しかし、高校にはいると、芸術、音楽…(あとは、工芸と書道)と分かれてしまい、単位数も「各1」の「どれか」だけが必須単位の扱いで、「~2」「~3」を設けている高校は少ない(他の必須科目や、一般的な国公立合格を目指すカリキュラムにすると時間が絶対に足りなくなる)のが実情です。これは実際にそこまで扱える教員が少ない、また、美大音大等を目指す場合は公立であろうと私立であろうと実際に専門の学校(ここではそれ専用の予備校といったほうがよい)に通うのが普通という実際上の問題によるものです。映画内でも専門予備校などに通っているのはそうした事情でしょう。 かつ、高校を公立高校で選ぶにせよ私立高校で選ぶにせよ、基本的に芸大音大ほかを想定した教育を行っている高校は少なく(それらの私立の付属私立高校はまた別だが、高校入試並みとはいえ実技が科されることになる)、「行きたくてもいけない」という事情以上に、「日本ではおよそ想定されておらず、行きたいなら願書の提出等はするが勉強は各自でやってね」に実質的になってしまっている点はあります。各「~1」だけは必須なので全員学習しますが、それはあくまで指導要領の関係であって、それだけで芸術系大学に入れるわけでも何でもないからですね。 一方で「中学まででは最終的に全て学習する」とは書きましたが、逆に言えば高校でその初歩の「~1」を学習もしない他の科目(音楽にせよ美術にせよ)に関してはそこどまりであり、それもそれで何だかな(日本の日常生活でそれらの中学レベルの知識レベル「さえ」必要となるシーンはほぼないといって差し支えないが、かといってそうであるなら、逆に何で必要なのかもよくわからなかったりする)といったところはありますね。 また、「国公立が無理ならせめて私立でも」というような趣旨の発言があったと思いますが、日本ではこれらのいわゆる「芸術系大学」は私立まで広げても数が少なくむしろ地方クラスでも単科であるかないかくらいです(例えば広島にはエリザベト音楽大学という私立大学がありますが、名前の通り「音楽」のみの単科です)。
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