「人生最後は、「自分の好き」が自分を助けることになる」ブルーピリオド ななやおさんの映画レビュー(感想・評価)
人生最後は、「自分の好き」が自分を助けることになる
この世の中に、自分のやりたいことを仕事にしている人は、果たしてどれくらいいるのだろうか?
自分は、「やりたいことしかやりたくない」という人もいるだろうし、「趣味は仕事にしないほうがいい」という人もいる。
特に好きなこともないから、やっている仕事を好きになろうとする人もいるだろうし、長い年月をかけ、自分の心に正直に生きようと願う人もいることでしょう。
多感で悩み多き高校生という時期に、まずこの映画の主人公のように、自分のやりたいことを素直に「やりたい」と声に出せた人は、シンプルにカッコいいし、
幸せで羨ましいなぁと思います。
また努力する人の周囲には、
それを応援してくれる様々な応援団が現れます。両親はもちろん、美術の先生や先輩や友だち。様々な人との関わりの中で、成長していく主人公矢口八虎を憂ある演技で眞栄田郷敦くんが好演。
最近のドラマや映画はマンガが原作になっていることが本当に多いように感じます。本作も、「マンガ大賞2020」を受賞した山口つばさによる人気漫画を実写映画化した青春ドラマです。
私はあまりマンガを読まないので、どんなドラマや映画も新鮮な気持ちで観ることが出来るのですが、こと熱烈マンガファンとなると、また鑑賞の仕方や思い入れも違うことでしょう。
映画鑑賞後、無料範囲内で原作マンガを読んでみたのですが、主人公は見た目から眞栄田郷敦くんでばっちりだったのではないでしょうか。
平面美術系マンガを立体化するというハードな難題に挑んだ本作品、
「絵を描く姿」をどう表現しているかが、一番の見どころのひとつです。
2022年に横浜流星さんを主人公に「僕は、線を描く」という水墨画を題材にした小説が映画化されましたが、それを少し彷彿とさせました。私はそちらの方がやや好きでした。
実写化する上で、制作チームの大きな支えとなったのは、原作者山口先生からの『無理に原作に寄せようとするよりも、実在する人物としてのリアリティを大切にしてください』という言葉だったとか。
主人公はいう
「自分は天才ではない。それならば天才と見分けがつかなくなるまで努力するしかない」
何度も自信を失いながらも立ちあがろうとする主人公の一番の応援団に、観ているあなたがなっていたのなら、制作した皆さまも原作者もお喜びになることでしょう。
「自分にも何かできるかもしれない」
「一歩踏み出してみよう」
そう思わせてくれる良作映画です。
好きこそものの上手なれ!!!
人生、
自分の好きを見つけられた人が、結局最強なんじゃないでしょうか🙄