劇場公開日 2024年9月13日

「細かいところまで行き届いたままならない現実の話」シサム 破雲泥さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5細かいところまで行き届いたままならない現実の話

2024年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

難しい

主人公の真面目で気が優しい「弱い」ところが一貫していて好感が持てる

仇討ち時代劇化と思ったらシャクシャインの戦いの話か
米価高騰という事情があるにしろ、あからさまに小さい米俵に
不足分を櫛(賄賂)でごまかそうというせこい取引を目の当たりにし
ぶぜんとしてるところを最初にちゃんと描いてるので

アイヌ、松前、双方の事情が分かってしまう主人公のどちらの味方もできない
(死んでほしくない)気持ちがすごくよく伝わってくる

物語の結末もこの主人公らしい真面目さが良く出ていて
ちょっと苦くも気持ちよく見れる作品だった

それだけに前半ちょっと「長い」と感じてしまうところがもったいない
風景とかじっくり流しすぎかなあと

破雲泥