「本当にさ、太平洋沿岸は映画のように茫洋としていて、波が絶え間なく打ち寄せて…いるんだよなぁ」シサム night runnerさんの映画レビュー(感想・評価)
本当にさ、太平洋沿岸は映画のように茫洋としていて、波が絶え間なく打ち寄せて…いるんだよなぁ
『憎しみの連鎖が続く今の時代に見てほしい』という宣伝Copyが,この映画のTheme・存在意義を端的に表わしていると思う。
考えてみれば…、こんなことばっかり繰り返してきたよな.ジンルイ.
ほっっんとに、変わらない.今も昔も変わらないワタシタチ.
富や利権を必要以上に欲しがって...
必ず,ローカルな幸せが壊されて,女子供達が先頭に沢山の犠牲者がでる.悲しみと憎しみが生まれる.
憎しみから悲しみが生まれると,その逆反応経路としてまるで酸化還元反応のように,怒りのあとの迷いや虚無感が生まれ,寛容になるべきなのか.‥と葛藤する気持ちが生まれる.エネルギー保存の法則のように,感情の帳尻を合わせるかのように.
ダークサイドとライトサイドは紙一重.
もうひとつのThemeは、再現されたチセや衣装や料理や習俗.美しく荘厳でどこか神(カムイの存在)を感じさせるカットの挿入.アイヌの人達の描写.
この2つのThemeが、ゆったりとしたペースで始まり進行してゆく(このアイヌの時間,北海道の時間に慣れるかどうかが,この物語を受けいられることが出来るかどうかの一つだと思った.序盤は馴染めなかったけど…).
ラストがすごく良かった.
全世界・全時代,現代にも未来にも通じるような姿勢だと思った.
「嵐が来るぞ」.「望むところです」.
そして,エンドロール.中島みゆきさんの「一期一会」♪
この曲の迫力!
デビューから聴いていたけど,今日気がついた.
「そうか、みゆきさんの歌声はアイヌの歌謡みたいで,とても親和性があるんだな」と…初めて気がついた。
みゆきさんの歌の魅力は、北海道に染み込んだアイヌの人達の音も含んでいるんだと。
あと,(大好きなので)タイムスクープハンターは全部観ました.
要潤さん出てきて嬉しかった(笑)