「こんなJホラーのラスボスも良い(でも増えなくていい…)」サユリ tabotyokoさんの映画レビュー(感想・評価)
こんなJホラーのラスボスも良い(でも増えなくていい…)
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白石晃士監督らしい、救いのない恐怖と人間の悲しみが描かれた作品でした。
サユリのセリフはとても刺さり、彼女は悪くないのに、何も知らない妹に殴られて倒されてしまう理不尽さが胸に残ります。
監督作品にたびたび登場する「性被害のモチーフ」や「霊体ミミズのような存在(黒いウネウネ)」も健在で、“白石節”を強く感じました。毎回「また来たか」と思いつつ、やはり心を揺さぶられます。
重苦しい中にも、主人公とおばあさんの下品な合言葉には思わず笑ってしまいました。幽霊に下ネタが効くという逸話に寄せた悪ノリ感がコミカルで、ちょっと息をつける場面でした。
そして最後はジーンとする余韻。恐怖、悲しみ、笑いが交錯する、不思議な体験でした。
ただし、監督作を初めて観る人にはかなり癖が強く、グロ描写も目立つので要注意です。慣れるまで時間がかかるかもしれません。白石監督に触れてみたい人は、その点を覚悟したうえで観るとよいと思います。
個人的には監督作品ということで本来なら満点の星5を付けたいところですが、本作は子ども相手に…(書くのも嫌なので割愛します、すみません)を扱っており、内容を考えると満点を付ける気持ちにはなれませんでした。完成度は高く印象も強烈ですが、配慮を込めて星3.5とします。
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