「予想以上にジャンルが変化 「ホラー 後 コメディ」」サユリ 映画倫理機構さんの映画レビュー(感想・評価)
予想以上にジャンルが変化 「ホラー 後 コメディ」
10月03日の木曜日までやってるのかと思ったら29日日曜日で上映終了でしかも金曜土曜と休映とのことで、急遽日曜日に時間を作ってなんとかギリギリ最終上映で鑑賞。日曜で終わりで金土が休みとは同じく思わなかった人が多かったのか、公開して間もない映画かと思うくらいの人の多さで、最終上映のシアターらしい静かな雰囲気はあまり無かったです。
後半は婆ちゃんが覚醒してアクションに変化するというのは予告編などによって予め承知の上でしたが、ここまでとは聞いてませんでした。数年前の「事故物件 〜恐い間取り」みたいな感じで、ホラーもそこそこ残しつつお化けとバトル 的な展開を予想してたら、想像以上に後半はホラー要素が解消して、もうほとんどアクションコメディ。演出がもう完全にホラーじゃなくなっちゃいました。ワンシーンくらいはホラーが戻ってきますが、それも一時的で、ホラー映画としては変化球過ぎました。変化球の変化の仕方、ぶっ飛ばし方が悪い方に寄ってしまいましたね。ふざけてましたね。
ホラーからバトル系に変わるこのパターンというとやはり「事故物件 〜恐い間取り」を思い出すと思いますが、アレより酷いですよ。
前半はホラーって聞いてたので、キャッチコピーとかの画を観て、後半はさておきホラーシーンは先日の「あのコはだぁれ?」以上の恐怖が期待できそうだなあと思ってたんですが、前半を中心にホラーシーンだけくり抜いても、「あのコはだぁれ?」の方が恐いです
チラシにあった「新しい」ホラーとか「新型」「進化系最新」ホラー「変化球」「ぶっ飛んでる」などという見出しがホラー映画で用いられている際は要注意だと学びました。
エンディングくらいは不気味な音楽やホラー映画によくあるおまけ映像も入って、ホラーだったことを思い出させてくれるのかと思ったら... 終盤とエンドロールだけ観たらあれ感動物語かなんかだと勘違いしますよ。
もっと「極上の地獄」とやらを中途半端に終えずにしっかり最後まで魅せて欲しかったです。
ホラーとしてはほとんど評価できず、怖そうな感じを醸し出されていただけに散々言ってしまいましたが、婆ちゃん役の根岸季衣さんの演技力はさすがでした。認知症を患っている通常モードのときの普通のお婆ちゃんと覚醒ver. の時の婆ちゃんの切り替え方が流石の演技力でした。覚醒時の演技はほんとすごいです。別人格感がしっかりと表現できています。体当たり演技って感じでした。通常モードの時からフラグかのようにちょいちょい覚醒時の人格が見え隠れするのでそこにも注目です。
ということで、評価としては、★3与えても良いかなあと思ったのですが、チラシなどを見た感じよりも期待してたほど前半さえもホラー感や怖さが感じられなかったので、ちょっと厳しめに採点しました。前半だけでももっと恐怖や「地獄」を感じられていたら★3くらいは出てたと思います。