「起承転結の起承は100点。転結は-50点」コードギアス 奪還のロゼ 最終幕 Ramosさんの映画レビュー(感想・評価)
起承転結の起承は100点。転結は-50点
ディズニー+で全話配信開始したので全話見ました。
起承に関しては重箱の隅でも突こうと意識しない限り100点満点でした。
・ルルーシュ、スザクの二人がいないのにちゃんとコードギアスをしている。
・ロボットアクションが最高にカッコイイ
・新主人公の二人のキャラはデザイン,演技,関係性のすべてにおいて最高
…なのに採点が1.5なのは転結部分です。
転結に当たる3章中盤(ディズニー+だと8話)からダメダメでした。
結ありきで転を作ったがゆえに良く分からなくなる典型的な失敗です。
以下は個人的な不満4点。
・ギアスの痕跡がブリタニアに残りすぎ
主人公サクヤがギアスを使いまくって敵陣営にバレるのは理解できます。ルルーシュと違って監視カメラを考慮しなかったり、ルルーシュが敵兵にギアスをかける場合は開幕自殺命令か目的を達したら自殺or死ぬまで抵抗しろという徹底ぶりで、非情な命令ができなかったサクヤがこうなるのは仕方ないなと。
問題はルルーシュがギアス饗団を研究員一人残らず虐殺させる命令を下すほどに徹底的な排除を行ったのに、本編でギアス研究していた奴の資料が残っていたからギアス解除の手段を再現したんだ~という雑な理由付け。
ルルーシュがギアスを徹底排除しようとした点は再編映画ですらカットされなかった重要な場面なのですが…。
・ネオブリタニア帝国との交渉がなろう小説未満
旧ブリタニア帝国は悪逆皇帝ルルーシュによって、敗戦していないのに戦犯国家のように扱われ、不当な迫害を受けていた。それに対して負い目や確執がある設定は理解できます。
しかしそれをテロリスト風情が虐殺の正当化に使っているという時点で論外なのに「卓越した交渉術で超合衆国はぐぅの根も出ない。助けてカグヤ様!」は、
お前ら二度と国政に関わるなとしか言いようがない。
結論ありきで政治家がアホになるのはギアスあるあるですけど限度というものが…。
敵女幹部をネオブリタニアから遠ざけたい脚本の都合で無理やり挟んだのかレベルで雑。
・ロキとかいうギアス作品を根幹からぶっ壊す粗大ゴミ
個人的にはコレが一番許せない。
人間を掃除するように始末する虐殺ルンバなのは別にいい。
問題は数と質。どこから資源を調達して、どこで製造して、どうやって隠していたのか。
ノーランドに言葉巧みに利用されたブリタニア企業が協力していたと好意的に解釈(調べたらパンフにそう書いていたらしい)できたとしても世界を滅ぼせる物量をテロリストが用意可能な現実味のある説明ができない限りなろう以下のチンパン展開装置でしかないです。
某バンダイ作品のようにロキがロキを作り出す。あの要塞みたいな潜水艦に自動生成の機構があるなど説明・描写・台詞のいずれかがないと意味が分からない。
防壁に対して一方がクッションになってもう一方を敵基地のど真ん中に落とすは、超高性能すぎて見てて不快なタイプのギャグ描写。あとロキによる掃除機虐殺は絶望感の演出だとしてもしつこい。
人型自在戦闘装甲騎を根本から否定する存在なのにただの舞台装置でしかなく、結局ノーランドの乗っていた親機が停止したので一斉に停止しました。……????
IPをぶっ壊すレベルのチート存在なのに扱いが雑なので本当に必要だったのか。
・兄アッシュがノーランドの自爆に巻き込まれる理由が意味不明
事前にネタバレを食らっていたのでアッシュが爆発に巻き込まれるんだーとは知っていましたが、ノーランドが自爆で何かするのを止めるとかなんだろうな…と予想していたら、「ドッキングしたままだと地表に戻る前にガス欠になるから…」は脚本家が納期ギリギリで倒れたのかと思うレベル。
アッシュが死んで(推定)悲しい気持ちをサクヤと共有したかったんですけど、理由がアホすぎて笑っちゃったのですが…。
ナイトメアって基本的に後ろから脱出できるので、ノーランドの機体の後ろから組み付いている状態なら脱出できるはずなのですけど…?