「ラスト10秒で評価を覆せたのに」コードギアス 奪還のロゼ 最終幕 pruneさんの映画レビュー(感想・評価)
ラスト10秒で評価を覆せたのに
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主役の片割れたるアッシュの去り方が酷い。セリフこそ感動的でしたが、あのタイミングでなぜ退場?と首を傾げざるを得ません。最後に再会を匂わせるのであればベタなハッピーエンドとして受け入れましたが、そうでないならシンプルに興醒めな展開です。最後の最後で観客の期待を裏切る展開を選んだんだなと思うと、今まで『いちいち気にしてたら楽しめないしね…』と無視してきた設定の粗やご都合的な部分がどんどん思い起こされてきます。
観客に媚びずメインキャラを殺す!これがコードギアスだ!と視聴者を突き放して高笑いしているのかと思いきや、スタッフや声優陣は「応援次第で蘇るかも」と。女オタク用語で「キャラを人質に取られる」という言葉がありますが、まさか本気でキャラの命とお金を引き換えにしようとは…。
そして往年のシリーズファンなら誰もが気になるところ、L.L.の目的が最後まで分からなかったのは痛いです。L.L.もC.C.も他人にギアスを与える動機がなく、今は事故的にバラ撒かれたギアス能力を悪人から回収すべく行動しているキャラクターです。サクヤの能力が「事故で発現した」のではなく「L.L.に与えられた」と明言されている以上、その理由をちゃんと描いてほしかったです。当のサクヤは「ギアスなんて必要なかった」と深い後悔の念を抱いているので尚更です。これでは過去作主人公に泥を塗る事にもなりかねません。
ただ、アッシュ役の古川慎さんのラストの演技を筆頭に声優さんたちの熱演はすばらしいです。また木村貴宏氏の急逝という困難を乗り越えて世に出してくださったことに感謝を。
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