劇場用再編集版「ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP」のレビュー・感想・評価
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良作が映画館で次へと繋がる更なる良作へ
ネット配信で視聴済みでしたが劇場版になり映画館で観れたら良いと思っていた作品が期間限定上映へ
映画向けに再編集や追加シーンがあるみたいでしたので、特典も含めて楽しみですぐ観に行きました。
追加シーンに関しては殆どが違和感が無かったので、視聴済みでもあまり分からず楽しめたものの
後半の主人公であるナリタトップロードが気合入れるシーンがあるせいか映画館で盛り上がるであろう迫力があると想定していたシーン(伏兵であるテイエムオペラオーが勝った後の会場の大歓声と共に生じる衝撃音の様なSE)等が再編集によりカットされていたりもしていたので、そこが少し残念でしたね。
しかしそれを払拭するかの様にライブが開始する前の裏側のシーンやナリタトップロードとテイエムオペラオーとアドマイヤベガが来たる時代に負けずに3人で誓い合うシーンは感動もので、あのシーンのグッズや画像があれば是非とも入手したくなるぐらい素晴らしかったです。
内容は勿論従来のウマ娘の良さである可愛さもあれば各々の事情を抱えながらもライバルを讃え共に競い合い駆けていく熱い展開ありの物語です。
ウマ娘を知らない知ろうとしない知人と一緒に観に行きましたが、そんな知人でも分かりやすく観やすかった作品でもありました。
沢山ウマ娘は居ますが、メインはこの3人だけなので変に改変したり活躍しないウマ娘は作る必要はなく制作しやすかったのかもしれませんね。
ウマ娘を知ってる私としても観やすくて満足感ある映画でした。
弟子と師の絆
Youtubeで無料公開されていたものを映画として再編集した作品。主役格は1999年のクラシックを彩ったナリタトップロード、テイエムオペラオー、アドマイヤベガでナリタトップロードを中心に描かれる。史実のナリタトップロードはデビュー間もない若手の渡辺薫彦騎手が跨がり、不器用なレース振りや経験の浅さ、同期の絶対王者オペラオーの存在などからG1勝ちは菊花賞のみであったが引退レースとなった6歳の有馬記念ではファン投票1位になるなど競馬ファンに愛された馬だった。
本作の見所はレースシーン、そしてトプロと師の絆である。ときにトプロと渡辺騎手がシンクロして見えるシーンがあり、当時の競馬を知っている者としては目頭が熱くなるシーンがいくつもあった。
良かった点
・個人的に最高のダービーと思っている99年のダービーをよくここまで描ききってくれた点。←ここで泣いた
最後のアヤベさんが加速する威圧感、、ゴール前無我夢中でトプロ(渡辺騎手)が走るシーンなどは特に良かった。
・夏合宿中、ダービーの敗けを引きずり、調子が上がらないトプロ。「応援してくれた皆に申し訳ない、このまま期待を裏切り続ければ皆周りからいなくなってしまうのでは」、と泣くトプロに対し、トレーナーから一言。「みんなナリタトップロードだから応援する、応援したくなるんだ」。これは史実の古馬になってから不振に陥るも復活の阪神大賞典レコード時の盛り上がりや、落馬事故からの復活、有馬記念ファン投票1位のことを指しているのだと解釈した。←ここで泣いた
・菊花賞。アヤベさんに勝つにはロングスパートしかないと言われる中、トプロが選んだのは自分の走り、自分が信じた道。そして勝利。←ここで泣いた
ゴール後の史実の杉本実況をモチーフにしたも非常に良かった。
悪かった点
・ありません、最高。
早く円盤にしてください!
とにかくアツい名作
良かった点
・主人公であるトップロードの心理描写がとても良いです。敗北、挫折からの再起、そして勝利という王道の展開ですがこれがすごく丁寧で彼女に感情移入しやすい。
皐月賞で反省点を洗い出し、努力した上で望んだダービーで持てる力全て出し切ってなお勝てず悔しくて怖い。
そんな彼女を周囲の人達が、ライバルであるオペラオーが奮い立たせ勝つだけではなく「みんなが大好きだって言ってくれた私の走りで勝ちたい」という結論にたどり着く。周囲に支えられてここまできたトップロードにふさわしい終着点でグッときましたね。
そしてその決断に「そうだったなぁ」と1人呟くトレーナーも素敵でした。菊花賞勝った後に色々な感情が入り混じりながらただ感謝だけを口にして一礼するトプロには思わず拍手したくなるほど彼女に感情移入していました。
・また物語全体のバランスという面でもコミカル要素強めのオペラオー、シリアス要素強めのアドマイヤベガ、主人公気質強めなトップロードをメインに据えていることでそれぞれがうまく噛み合っているなと感じました。
・作画も偶に崩れるものの基本的に良好で特にレースシーンは音響も相まってど迫力。劇場で見る価値は充分高いです。
悪かった点
・ここまで褒めてきましたがメイン3人以外のキャラの扱いは雑と言わざるを得ないですかね。カレンチャンやライスシャワーが如実で特にライスは人気あるからとりあえず出しました感が…カレンチャンはアプリしっかりやってないと何故アヤベを強く引き止められずにいるのかが全く分からないんですよね。
・またオペラオーが「皐月賞で君たちは運命のライバルだと確信した」みたいなこと言ってるのがかなり違和感ありますかね。アヤベは皐月賞では体調不良で全く万全じゃなかったはず。トプロも頭が真っ白になっていつもの走りが全くできなかったはず。結果として全く万全じゃない2人の走りを見てライバルだと確信するオペラオーという謎の構図ができてしまってます。
これだったらライバル宣言は菊花賞の直前にやってオペラオーもアヤベのライバルとして彼女が未来へと進む一助になる展開とかの方がよかったかも。
総評
確かに粗もあるがそれを補って余りあるほど熱く王道な良さがあるスポ根作品です。細かいところではわかりにくいところはあるものの話の本筋はシンプルかつ分かりやすいので初めてウマ娘に触れる人でも充分楽しめると思います。
これが無料で公開されていたと言う奇跡
まずは、この作品がそもそも無料で見られた、ということが今でも信じられません。
その位、クオリティも高かったです。
そして、劇場再編集版になったことで一番変わったのは音響だと思います。
スタッフの方がSNSで一から作り直した、みたいなことを投稿していましたが、その通りだと思います。一番は、お客さんの歓声がYoutube版と比べて格段に大迫力になっていました。
元々、非常に躍動感のある映像だったので、それを大画面で見ることができて、本当にスクリーンから飛び出しそうな迫力でした。
アドマイヤベガのハイライトの無い瞳を大画面で見ると、かなり来るものがありました。
極め付けはウィニングライブのシーンで、大画面でぬるぬる動く3人に感動しました。
元がYoutube版だからという点で気になったのは、一本の続き物なのにアイキャッチが入る点と、引きの絵になったときに顔部分などを省略して書かれているのですが、劇場だとそれが大きく引き伸ばされてしまうので、そこそこの大きさののっぺらぼうになってしまう点が気になりました。
結構重要なナリタトップロードとアヤベさんのシーンでも、手前のトプロは顔有りなのに、奥のアヤベが顔無しになっていて、ちょっとした違和感でした。
あと、極端な作画なので、特にダービーの最後の直線がギャグみたいに見えてしまって、ちょっとキツかったです。(皐月と菊はあまり感じませんでした)
出来れば、最後のウマぴょいで絶叫したかった!
私自身はウマ娘ファンなので気になりませんでしたが、割と重要な役回りのカレンチャン、ライスシャワー、ハルウララが作中で一切名前を呼ばれないので、ウマ娘を知らない人が見たら「あれ誰?」となると思います。
実際、帰り際にそういう会話をしている人たちがいましたし。
ここから先はネタバレにも触れます。
<ネタバレ注意>
追加シーンに関して、私の記憶違いでなければ7カットあったと思います。
違ったらすいませんが、コメントを下さい。
1.幼少期のトプロをスカウトするシーンで、トレーナーがなぜトプロをスカウトしたいのか語るシーン(これが夏合宿の伏線に)
2.皐月賞前のテイエムオペラオーの過酷なローテのシーン(レースが増えてる?)
3.トプロに憧れる後輩たち(この辺、元々はまるっといなかった気がする)
4.日本ダービーでのライスシャワーのセリフ(Youtube版では菊花賞のみだったはず)
5.夕暮れの浜辺でトレーナーがトプロを説得するシーン(1.の伏線回収)
6.菊花賞でのアヤベさんに妹が会いに来るシーンで、トプロ、オペを追いかけてもがくアヤベさんのシーン
7.ウィニングライブでのアンコール前のシーン
特に、1.と5.はすごく良かったです。
勝つから応援されるんじゃない、あきらめずに戦い続けるから応援されるんだ、そういう熱いメッセージを感じました。
あと、お兄さまとしてはライスの出番が増えていてうれしいです。
そして、アンコール前のバックステージのシーン、2月に初めてウマ娘ライブに参加した身としては、あのアンコールが徐々に広がっていく感じとかがエモかったです。
そして、オペラオーの「来年は黄金世代の先輩たちとの戦いが始まる」からの、映画本編終了後の予告で覇王となったラスボスオペラオーとJAM世代の映像へと続く流れはゾクゾクしました。
あのオペラオーのセリフが、まさに新時代の扉への序曲となっていると思います。
丁寧な作品なので好感を持てる
再編集でも雑になることなく丁寧にまとまっています。
追加シーンが綺麗でしたし新時代の扉は期待大です。
不満点を挙げると、アヤベさんの運命克服にトプロとオペラオーを
もうチョイ絡めても良かったのでは?と思いました。
イチバン星が駆ける空
2023年鑑賞アニメ作品の中でNo.1の今作。これだけ凄い作画だし、スクリーン映えするよなぁ、劇場でやってくれないかなぁって思ってたら新作公開前にやってくれるという特報にライブ会場で大歓喜。待ってましたと!
特典はミニ色紙でオペラオーでしたカッコイイ!
基本はYouTube公開版と同じで要所要所カットしたところがありつつも追加シーンはこれ見たかったんだ!というシーンが差し込まれており、1本の映画として大満足のクオリティに仕上がっていました。
アニメで泣いたところ、笑ったところ、共にしっかり泣き笑いしていました。
OPを最初だけ、EDを最後だけにしてくれていたのも1本の映画になっていたなという印象を植え付けてくれていました。たまーにOPとEDを何回も流すダメな総集編があるので、そこを懸念していましたが、さすが製作陣、素晴らしさを持続させてくれていました。
OPが流れた瞬間にウルっときてしまいましたが笑
追加シーンは主にレースシーンで、アヤベさんのダービーでの直線に入る前の攻防だったり、菊花賞での駆け引きだったりと、アニメでは尺の都合もあり、最終直線がクローズアップされていましたが、今作は道中の様子もしっかり映してくれていたので、史実のレースを何回も見返した身としては、ジョッキーの考えもより強く感じられる様になっていて最高でした。
アンコール前の舞台裏の3人の決意を固めるシーンなんかも最高で、あかーん!泣くー!って言う前に泣いていました。
音響がレベルアップしていたのを感じられたのはゲートのシーンで、実際の競馬のレースを見に行った時のゲートの音と全く同じものを高音質で体験できるこだわりの作りに舌を巻いていました。
もちろん楽曲もよりクリアに聞けるようになっていて、歌も音楽もより沁みました。
ウマ娘に出会って早3年、ここまで大きいコンテンツになったんだなぁってしみじみしましたし、実際の競馬にハマるきっかけにもなってくれて、感謝しかないです。これは「新時代の扉」にも期待しちゃうわけですよ。
もうすぐ日本ダービー、夢舞台。頂点は誰の手に。
鑑賞日 5/10
鑑賞時間 9:00〜10:55
座席 K-3
新規シーンは正直残念
アニメは本作を含め1期〜3期まで視聴済み、ソシャゲは過去に少しだけプレイしていた者です。
個人的には本作がウマ娘のアニメシリーズの中では一番好きで、既に配信で2回視聴していたのですが、新たに追加されるというシーンが気になったのと大画面で楽しみたく鑑賞しました。
新規シーンは、おそらく最後のアンコールライブ直前の舞台裏でのトプロ・アヤベ・オペラオー3人のやり取りだけだったかと思いますが(違っていたらすみません)、あまり重要でもなさそうな短いシーンだったので、個人的にはこれだけ?と正直残念に感じてしまいました。
他にはOPが最初以外カット、EDがフルverに変更されていました。
アイキャッチはそのまま何度か出てきましたが、テレビ放送のイメージがあるので、劇場用再編集版なら個人的にはアイキャッチもカットしてほしかったです。
不満も書いてしまいましたが、作品としては改めて素晴らしいと感じ、あの凄い作画のアニメーションを映画館の大画面で観れて満足です。
キャラもそれぞれ魅力的で、特に何度挫けても諦めず努力し続けるトプロには今回も泣かされ、自分も色々頑張ろうと思えました。
再来週公開の新作映画「新時代の扉」も楽しみにしています。
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