「考えるのではなく感じる作品ですね」マグダレーナ・ヴィラガ ほりもぐさんの映画レビュー(感想・評価)
考えるのではなく感じる作品ですね
物語というより詩の断片を観ているような体験で、かなり前衛的でした。
娼婦であるアイダが、身体も心もすり減らしながら、次々と客を取っていきます。
感情を排した無表情で男たちの相手をする彼女ですが、そうすることで自分の心を守っているように見えました。
こちらにアイダの感情が流れ込んできて、自分まで感情を麻痺させようとしていることに気づきます。
娼婦という仕事を強烈に憎む一方で、男たちの欲求の中でしか生きられない辛さ。
怒り、あきらめ、虚しさ、閉塞感という精神的苦悩と、身体を売る肉体的苦痛の先にあるのは「わたしはここにいる、わたしはここにいない、私絶対に縛らないで…」という心の叫びです。
ニナ・メンケス監督が20代でこの作品を撮ったことに驚きます。
このヘビーな内容をイメージした理由が知りたいと、ふと思いました。
ちなみに、一般の方々がどのような感想を持たれているのか知りたいと、あちこち見て回ったのですが、みんな抽象的で余計にワケがわからなくなったので、読むのをやめました(笑)
それぞれが自由に感じればいいのかな、と思います。
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