がんばっていきまっしょいのレビュー・感想・評価
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極端にマニアックな知識+独特のアニメ部分が合うかどうか…
今年387本目(合計1,479本目/今月(2024年10月度)38本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
※ 愛媛県松山市には6年間の滞在歴があります。
ボート競技を扱ったアニメですが、専門用語がバリバリ出てくるのでこの好みが出てきます。また、多くの方が触れられている通り、アニメ作品としてはいわゆる「ぬるぬる感」が独特で(他のアニメ作品にもあったような…)、公式サイトなどの予告編で合う合わないがある程度分かれるのかなといったところです。
結局のところ、この映画は愛媛県内では先行放映されていたようにローカル色があるのですが、映画内の描写は妙に詳しいのか詳しくないのか、ある程度滞在したことがあることを前提にした知識が求められるのが厳しいかなといったところです。具体的には松山市の地理関係で、この部分の理解が前提になる…と思いきや、実は松山市内だけでは「ない」のがこの映画の特徴で(後述)、この点ある程度の配慮は欲しかったです。
作品としてはボート競技を扱ったスポーツものであり、高校スポーツものという、ある程度誰であってもある程度共感が得やすいものが背景にあるので(もともと原作小説を持つ映画です)、作品の理解は「ある程度は」しやすいほうにあたるのでは…と思います。
ただ、スポーツ競技としてのボート競技に関してはルールがほぼ説明されず、専門用語が多い点で、この理解ができないと全体の理解につながるので(主人公のストーリー上の挫折の理由ほか)、この部分は事前に公式サイトやルール等を説明したサイト、動画等で把握するしかないのかなと思います(そうでないとある程度しかわからなくなる)。
一方でこの作品はアニメ作品で、愛媛県松山市をテーマにしている映画で、エンディングロールにおいても後援扱いで松山市や愛媛県、ほかテレビ局等色々出てくるようにローカル色が強めではありますが、コロナ事情もおちついた2024年時点において観光案内になりそうな部分が少なく、かつ映画のストーリー上の理解にも関わってくるので、ここは好き嫌いあるのかなといったところです。
採点に関しては以下まで考慮しています。
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(減点0.2/ボート競技に関するルールを知らないと理解が困難になってしまう)
この点は私とは別に、詳しく書かれている方がいらっしゃいますので省略します。いずれにせよ、そこそこのルールを理解していないと何が何かわからないまま進んでしまうのが厳しいです。もう少し説明があっても良かったのでは…と思う一方、それほど省略できそうなシーンもなく(花火大会のシーンを飛ばすとストーリーに支障をきたす。ネタバレ防止)、時間が足りていないのでは…とも思えます。
(減点0.2/松山市の地理ほか、多種多様な知識が求められてしまう)
まず、松山市はJRの「松山駅」と、私鉄の「伊予鉄道(伊予電)」の2つがあり、映画内で描かれるのは後者です。後者では「松山市駅」であり、実距離でもある程度離れていますす(前者が描かれることは基本的にありません)。
ある程度の知識があれば、伊予鉄道の市内線(いわゆる、環状路線を構成する路面電車 ←「坊っちゃん列車」が走っているのは通常、市内線)とは「別に」3つの市外線を持つところ、その3つのうちの2つに舞台があるのだろうということは「海を接する」ということからわかり、また、「フェリーが見える」などの描写から一意にすることはできます。ただ、この部分は駅名など説明を入れても良かったのでは…とは思えます(松山市だけは実在なのに、私鉄が架空というのはヘンテコ)。
ストーリーの中で、バスだったか大型のトラックかに乗って県大会に行くシーンがありますが、そこは、(テレビドラマ版を前提にする限り)実はお隣の「今治市」にある「玉川ダム(玉川湖)」です(愛媛県のボート競技ではここが使われるのが一般的)。ここの理解ができないと、「この辺から架空の松山市?」ということになり理解がヘンテコになるので厳しいです(というより、この点は説明が欲しかった部分)。
かと思えば、松山城の前の公園のシーンや、ロープウェイ街のシーン等も登場しますが、これらの説明は完全に省略。おそらく、観光促進は最初から想定されていないようです(字幕入れるくらいすればいいのにね…)。あと、なぜか「ちょこっとだけ」出てくる、地下街への階段…(何をもって「地下街」とするかは諸定義ありますが、一般的理解で、四国では唯一松山市には「地下街」が小規模ながらあります。なお、映画内ではその中のお話はでてこず)。
松山市にしても伊予鉄にしても、もう少し宣伝しても良かったんじゃないのかなぁ…という気がします。
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青は藍より出でて藍より青し
現実世界を反映したアニメ映画を評価する際、現実にはない、もしくは現実を超える美しさが表現されているかどうかが一つの基準となる。その点で本作は、海と空の青、波と雲の白、夕焼けのオレンジ、薄暮の紫といった色彩が鮮やかに描かれ、素晴らしい出来栄えとなっている。「青は藍より出でて藍より青し」という故事成語のごとく、現実を再現しつつもさらに鮮やかで、現実を凌駕する美を実現している。
また、95分という上映時間が示すように、物語もテンポよく進む。少し早すぎるくらいに感じる場面もあるが、これは最近のショート動画人気の流れに合わせた意図かもしれない。
その一方で、心理描写はもとよりボートの漕ぎ方1つでさえ詳細な説明セリフは省かれている。賛否が分かれるとこかもしれないが、個人的には物語の雰囲気を壊さず自然に描写されており、👍️と評価したい。
また、3DCGアニメではよく批判される「キャラクターが静止せずにゆらゆらと揺れる」描写も本作で見られる。ただ、3DCGの黎明期を体験した世代としては、この揺れも懐かしく、気にならない。むしろ、これがかえっていい味を出してるまである。
とりあえず、近いうちにもう一度劇場に足を運び、さらに深く解像度を高めたいと思える、そんな作品だった。
部活モノに欲しい要素が良い塩梅に入った作品
続編が超観たい‼️❓超絶高品質アニメ‼️❓
「がんばれなかった」大人のあなたに
未成年の頃何かに打ち込んでいて、大人になった今でもそれを誇れる人ってどのくらいいるんだろう、って考えたことはありませんか? 野球を例に考えると最大限にがんばっても大谷翔平みたいなスターになれる人ってそんなにいないですよね。自分は大した努力をしないで勉強でも運動でも「そこそこ」人並な少年時代を歩んできたので、いつの間にか周りの人に抜かれて置いていかれたことで、主人公の悦ネエの気持ちが痛いほどわかりました。
自分は原作の小説も1998年に公開された田中麗奈主演の映画も経験しているので、令和のアニメ版になった本作を楽しみにしていました。内容は原作の良さを崩すことなく弱虫に思われがちな女子高校生の青春群像劇を、現代の風景や社会情勢を織り込みつつ綺麗な映像と音楽で表現していてとても好感が持てました。90分という上映時間も数字だけ見ると短く感じますが、見どころが沢山詰め込まれていて心の満腹感が得られました。ラストシーンの、新入生が入部したことと、県の大会で2位になったので四国の大会に出られるというところで、原作とは違うスピンオフの続編があっても良いのではと期待させる部分もありました。
ただ一点残念に思ったところは、キャラがモーションキャプチャーで「ぬるぬる」動いていたところです。ボート競技が主題なのでCGを使った水の表現はとても綺麗なのですが、キャラは多少デフォルメしても普通に動かして欲しかったです。最近特に興行収益の良かったアニメを例にすると、「すずめの戸締り」とか「シン・エヴァンゲリオン」のキャラがぬるぬる動いていたら違和感を感じるよね、ということです。
この先もがんばっていきまっしょい!
原作は読んでないです。
でも実写版は見ました。
原作が実写化されて30年近く経って今回のアニメーション。
時代は流れ、物の見方も考え方も変わり、新しい形で生まれ変わるのは当然です。実写版と話しの流れも五人のキャラも登場人物も違うけど、これはこれでとても良いと思います。
何より絵が綺麗です。そして動きのリアルさも見事でした。
一生懸命になることをあきらめた悦ネエだけど、仲間と共に懸命に取り組み挑むことに無駄なことなど何もない。切磋琢磨するライバルから学ぶ事もたくさんある。身の回りに起きる出来事に意味のないことなど何もないときっと思えるようになるのではないでしょうか。
人それぞれ、がんばっていきまっしょいには様々な形があっていいと思います。その掛け声は人生の応援歌のようでもあります。
負けて終わったと思っていたけど、懸命にがんばった甲斐あってどうやらこのあとも五人のがんばっていきまっしょいは続くようです。
諦めなかった先に気持ち良い風が吹きました。
いい映画を見ました
青春コンプレックス
大人も楽しめる秀作
実写版を見たり、原作の小説を読んだり、作中に登場する選手ともボート競技を通じて知り合いであるものとしてのコメントであり、純粋に作品としての映画の評価ができていないかも知れませんがそういうものとしてお読みになってください。
当然ですが原作が一番実話に近いわけですが、実写版では今は廃部となってしまったボート部を回想する場面から始まる訳ですがアニメ版では回想するという設定ではありません。実写版では主人公たちの通う高校が県下でも有数の進学校であるあたりや恋愛沙汰をからませないあたりは原作にも忠実で好感が持てました。
また、主人公の悦ネエの揺れ動く気持ちや1人1人のボート部員やライバル校の部員までキャラクター設定が丁寧で上手く描き分けられていて実写版では怪我で休むことになる悦ネエはアニメ版では気持ちがしんどくなって休むことになるあたりの話の持って行き方も違和感がありませんでした。
愛媛の海はお好み焼きや喫茶店なども美しく描かれており2時間近くがあっという間でもっと見ていたいなと感じました。合宿の場面や、みんなでする花火、3年生の春最後の大会に向かう気持ちなども共感できました。学生時代の部活動は優勝する1校以外はみんなどこかで負けていくわけですがどういう負け方をして終わって行くかが大事でそういう意味ではよく戦ったわけだし、実写版では負けてばかりだったのが、少なくともビリでなかったり、県代表まであと一歩だったりといい場面がたくさんあったのも良かったです。アニメということで若い人のために作られたものかと思っていましたが、大人が見てもいい作品だと感じました。
ここからはボート経験者としてのコメントになりますが、1つめは学校内でのクラス対抗ボートレース大会では舵つき4人漕ぎスカルではなくてナックルといってより重くて安定性の高いボートを使うことが主流で救命胴衣などつけてレースをする形になります。未経験者だけで4人漕ぎスカルは漕げないと思います。
2つめは悦ネエたち4人が初めてボートを漕いだときの感想が「進まネエ。」ということでしたが競走用ボートは公園の池のボートとは全然スピードが違うので「凄い、速いねえ。」という感想が自然でしょう。
3つめはボートの練習としては実際に漕いでみる乗艇練習よりも筋トレや走り込みが大切で、黙々と体力作りをすることが次の春のレース結果に反映されます。そのあたりやせっかくレース場面もたくさんあるのだから最後の大会の場面では優勝校と僅差で優勝を争う場面などボート選手に相談すれば詳しく教えてもらえますのでスクリーン上で表現して頂くと良かったなと感じました。
この映画を通じて一人でも多くの人がボート競技(ローイング)に興味を持つことを願っています。ちなみに僕は「いちご白書」を見てボート部に入ろうと思いました。
100分に『3年間』を上手く詰め込んだ作品
原作は未読、「昔ドラマやってたな」くらいの思いで鑑賞。
自分が学生時代の頃に見ていた
『THE・青春』が満載の良い映画でした。
なによりテンポがいい。
2時間にも満たない上映時間に
ありとあらゆる青春が詰め込まれている。
まるで1クールのアニメやドラマを見終わったかのような満足感。
CGの動きもとてもなめらか。
もう「CGアニメは動きが悪い」という時代は終わっていた。キャストもプロの声優を置いているので
安心して見ていられる。
ネタバレは避けるが、
ラストの〆がなかなか珍しいと感じた。
スポ根作品としてはあまり見ない類いだが、
けっこう好きな表現でした。
星を0.5減らした理由としてはとても細かい所です。
しかし、その点を除いても
映画館まで足を運ぶ価値のある作品かと思います。
忘れてしまった青春を
このシリーズ初めて観ました
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