「ジャッキー映画過去作のレジェンド級アクションシーンが使われ、彼の半生とも重なる涙ものの名作の誕生」ライド・オン Jettさんの映画レビュー(感想・評価)
ジャッキー映画過去作のレジェンド級アクションシーンが使われ、彼の半生とも重なる涙ものの名作の誕生
小学生の頃、ブルース・リーさんの作品に夢中になっていた時に「ドランクモンキー酔拳」が公開され、それまでの功夫映画のテイストに加えてジャッキー・チェンさんのスラップスティックでコミカルテイストなニュースタイルの功夫映画が誕生、以来 旧作も発掘されながらものすごいピッチで大量のジャッキー映画が次々に公開され大ヒットし日本を席巻しました、とにかく当時の勢いはたいへんなもので、そんな時代に小中高生だった私もかなりの大のジャッキーファンとなり、それから今日までの40年間、ジャッキー新作映画を欠かさず観てきましたし、過去作をどれだけ見返してきたかわかりません
そしてジャッキーさん、先月に御年70歳となり、当たり前ですが本作観てかなり歳をとったなあとしみじみ思いました、世間では“おじいさん”って言われる年齢ですから当たり前ですよね、でもそんな状況でもまあまあいい歳のとり方をされているのではないでしょうか
そんなジャッキーさん、激しいファイティングシーンが撮れるはずもなく、本作もアクション映画というよりはハートウォーミングな人情色が強いメロドラマドラマ、ジャッキー映画として観るとちょっと物足りない感は否めません
が、その代わりに本作でジャッキーさんが演じるのは かつては一級のスタントマンとして一世を風靡した男、その彼がやってきた仕事が映し出されるくだりで、本当のジャッキー過去作の伝説級スタントの数々が使われています
・「プロジェクトA(1983)」の時計台からのフォールアウト
・「ポリス・ストーリー 香港国際警察(1985)」の傘で二階建てバスにぶら下がるチェイスシーンやモールの電飾ツリーのフォールアウト
・恐らくジャッキー史上最悪の死にかけたアクシデントとなった「サンダーアーム龍兄虎弟(1986)」の岩場落下シーン
などなど、名シーンの数々がフラッシュバックの様に流れるため、ジャッキー映画ファンにはたまらない最高の作品であることは間違いありません
私が観た会は自分も含めて年齢層が高く、明らかに往年のジャッキー映画ファンという方々の集団だったため、これらのシーンが流れる後半からエンドクレジットまで鼻すする音がそこら中から聞こえて大変なことになっていました(嬉泣)
そして最後に、
ジャッキー映画には欠かせない恒例のNGシーンもありますが、これがまた泣かせるほどいい内容
歳をとった作品のNGシーンはアクションよりもセリフの言い間違いやセリフが言えない、みたいなのが多かったのが印象的
そしてちょっとした手すりに飛び乗っただけでスタッフから拍手課題を受けたジャッキーさんが“こんなんで拍手されるなんて情けなくて恥ずかしい”と笑いながら言うところもすごく泣かせる一幕になっていて感動ひとしお
と、半世紀近くファンとして見守ってきた身としては勝手に戦友の様に思っていて、心から“長い間、お疲れ様でした”と声をかけたい、本当に良いメモリアルな作品ができたなあとノスタルジックな思いにふける大満足の126分でした
ジャッキーさんへ
もちろん引退作ではないと思うので、これからも新作楽しみにしてますので、体を大事に、無理せず頑張ってください!!