ルート29のレビュー・感想・評価
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なぜか横一線
本作公開の報を目にしてから期待していた作品です。まず、怪作とも言うべき『こちらあみ子』で鮮烈な監督デビューを飾った森井勇佑の第2作であること。次に、同作で「何じゃこの子?」とやはり驚かされた子役・大沢一菜さんが再び出演する事。そして、奇妙な映像空間になるに違いない森井作に綾瀬はるかさんが起用された事です。特に大沢さんは『あみ子』があまりにはまり役だったので、「この子はこれ以外の役は出来ないのでは」と思っていただけに、期待半分・不安半分と言った思いでした。
人との交わりが苦手で鳥取で清掃員として一人ぼっちで働く女性が、「姫路にいる娘を連れて来てほしい」と頼まれて彼女を連れて国道29号線沿いに北上するロード・ムービーです。
まず、大沢さんがすっかり大人っぽくなった事に驚かされました。でも、独特の目力はやはり本作でも健在で、映画の中で輝いていました。また、本作ではかなり言葉少ない綾瀬さんも、静かでどこか奇妙な作品の空気を纏って新たな一面を見せて下さいました。
そして、この作品自体は「監督は何を言いたかったのか」と言う事を言葉にしたら忽ち崩れてしまう世界に映りました。僕も何だかよく分からないのですが、それが監督の独りよがりとは感じられず、唐突に飛び込む「なんじゃこりゃ」の映像が強く印象に残るのです。
横一線にならんだラバー・ダック、横一線に並んだ池のボート、横一線で夜空を見上げる街の人々、横一線に延々と並べられた小石。映像の中から伸びた手に脳みその裏側をくすぐられた様な思いがしました。これも映画でしか味わえない経験です。
わけわからん映画?
感想 意味不明わけわからん 主題はなに?何を言いたい!何に閉じこもり何から解放されたのか?まったく不明!
動機 綾瀬はるかファン 27日で終了のため
良かった点
1.鳥取砂丘の海の青さ
2.綾瀬はるかのランニングシーン
3.29号をはしる巨大な黄金色の魚 鯉?
残念な点
1.主題テーマ描きたいことか全く分からない
ハルが居なくなって寂しかった 最後の鳥取砂丘でのトンボの台詞である。何かに縛られそれから解放される その答えが29号ハルとの旅 わからない?
2.綾瀬はるかの衣装はつなぎの作業服のみ約5000円。
3.各シーンの繋ぎがない。
振り替えっても意味不明の映像ばかり 未編集か?
4.エキストラが突っ立っている。意図的であり主人公以外の時間が止まっている演出か?
5.無声音映画のよう
長かった…
未読だけども、原作の詩集は良いのかも知れませんね…。
詩集を物語にするのは、結構、難しかったのかな?
詩集を読んで浮かんだ、監督さんや脚本さんの頭の中の映像を優先させて、
そのまま作品にした感じ??
受け手がどう思うかは、置いてけぼりな感じ???
とにかく、引きの映像ばかりで飽きるし、それがそんなに良いとも思わないし…。
ドヤ顔浮かぶんですよね…。
お姉さんの話も長いしねぇ。
途中までは良かったのに。
長い間や、無音の映像から何も伝わらなくて、
結局、少ない説明セリフで伝えようとするから、「ふーん…」って感じ。
また、ハルの感じが、あみ子と変わらないのは敢えて?
12歳って、あんな感じだっけ??
画面も暗めだし、ラストのハッピー感も薄いし、観ていて疲れちゃったよぉ…。
現実と幻想の狭間で揺れる旅路
リボルバー・リリー(未見)の次がこれ
2回観てしまった。常に違和感と驚きを仕掛けてくる作り込んだシーンの連続に初見でくらくらした。シンメトリーや横移動などウェス・アンダーソン味のある画面を基調に、冒頭の修学旅行で日傘を差している中学生から始まって、あらゆる場面に「なんで?」という引っかかりが仕込んであって気が抜けない。ただし、ウェス監督作と違って字幕がないおかげで映像に集中しやすい(笑)。
しかし意味不明なこの作品世界、いったいなんの話なのか。自分の解釈としては、スイス・アーミー・マンと同じ手触りの話であり、森井勇佑監督の前作こちらあみ子からつながる続編だと思った。明確に言及はされないが、スイス〜はASD?の主人公ハンクから捉えた世界の話だし、こちらあみ子も何らかの発達障害をもつ女児あみ子と周囲との関係を描いた作品だ。
のり子は人とコミュニケーションが取れず孤独に生きる女性という設定だが、つまりハンクやあみ子と同様の気質(脳のレントゲンの丸い空洞で表される?)があり、本作はそんな彼女が見て聞いて感じている世界を表現しているのだと思う。世間から見ればタバコに着火する風除けとしか思われない存在感の薄い孤独なのり子の精神世界では、ぷくぷくと鳴る(砂漠の上を黄色い魚が泳いでいるような)音が聞こえたり、人々が亡霊のように動き抑揚なく話したりしているのだろう。
大沢一菜がハルを演じているのはそのものズバリ、成長したあみ子の姿なのだと思った。あみ子の母は娘の振る舞いで心を病み、母娘は別々に暮らすこととなった。ハルの母も精神科病院で別居しているが、「母親は自分を好きじゃなかったかも」というハルのセリフから、その原因はハルである可能性も示される。のり子とハルはともに一般社会には適応できず、他人の気持ちを理解するのが難しい種類の人間だが、そんな2人が国道29号線を端から端まで一緒に旅することで、お互いが心を通わせていく話である。
本作にはあちこちに死の気配がただよっている。ハルの母親はもうじき死ぬと言い、車の爺さんは死んでいるとハルは言う。R29の山間は異界のように描かれ、高良健吾親子が生活する森の沢はあの世とこの世を隔てる三途の川に思える。また、犬連れの女の赤い服や爺さんを迎える10艇の赤いカヌー、商店街の事故時に見える巨大な赤い月など、死は赤色で示されている。考えてみれば、スイス〜は死体と森をさまよう話だし、こちらあみ子にもボートに乗った亡霊が現れるなど、本作に通じるものがある。のり子やハルのような人々は日頃から死をかなり身近に捉えているのだろうか?
場面ごとの細部についてもいろいろ考察したくなるが、キリがないので最後に。本作のような一定の気質をもつ人たちの感覚やイメージを描き出すのは、その当人でなければなかなか難しいのではないか。ちなみにスイス・アーミー・マンの監督(の片方)ダニエル・クワンはADHDなのだそうだが、森井監督もそういった才能の持ち主なのかもしれない。
レビューの低評価が示す通り、綾瀬はるか主演ながら興行的には苦戦しているようだが、綾瀬の顔面力に頼っただけではない傑作だと思う。3回目を観るか迷い中…。
とってもスリリング!
綾瀬はるか唯一無二
綾瀬はるかが他のキャスティングでは成立しえなかった唯一無二の存在感でこのアンチ・ロマンを映画たらしめた。「こちらあみ子」の森井勇佑監督がそのままあみ子役の大沢一菜を起用して続編を作った感じなのだが、今回は「生と死」がテーマで虫や蛇カエルなど独特の自然と「生きている死者」の描写がより色濃くなった。国道の名を冠したロードムービーでありながら自動車は勝手に拝借したり盗られたりするもので早々に退場し死のイメージがつきまとう。他人と交われないのり子(綾瀬はるか)は将来のハル(大沢一菜)なのだろうけれど「私は回想構造が嫌(自分の人生が消化できておらず回想ができないらしい)なのでリアルタイムで並列して描く」と語っていた森井監督のインタビューが印象深い。夜ピアノ前で自分の人生を打ち消し続ける姉の長い長い語りと離れたダイニングテーブルで聞いているふりの綾瀬の小津的な切り返しの冗長なシーンがこの日常世界のむなしさを表していてだるいのだけれど心に残る。「あみ子」では子どもたちのランドセルだったが今作はハルとのり子が相合傘して歩くでかいこうもり傘と小学生のカラフルな小さい傘の群れがすれ違うシーンの美しさったらなくていつまでも二人の道行を観ていたい。
姫路から鳥取までの国道29号。 人を連れてきて欲しいと頼まれ、いざ...
残念すぎます💧
綾瀬はるかの無駄づかい
ダメなアート映画の典型。この監督さんの前作「こちらあみ子」は大傑作でその年の私のベスト1映画だったんだが。この映画はなんだ。正直がっかりした。
監督はこういう奇人変人ばかり出てくる、ファンタジー(?)みたいなのを作って通の評論家とかシネフィルに褒められたかったのかな。ため息しかでない。
あなたがまずやるべきことはエンタメ寄りのアート映画を作り、観客を楽しませることじゃないのか。意味ありげなシーンばかり見せられるこちらの身にもなってくれ。お爺さんになって趣味でこういうのを作ればいいじゃないか。黒澤明が晩年に「夢」とか作ったようにね。
しかも「アート」としてもダメ。何も心に残らない。例えば2年後この映画のことを覚えてる人が何人いるだろう。皆無だとあえて断言する。
唯一の美点は綾瀬はるかの美しさ。画面を持たせる力はすごい。彼女が主演でなかったら途中で席をたっていた。
綾瀬はるかをなめんなよ。
綾瀬はるかもっと出さんかい、って泳げませんの時は思ったけど、今作はずっと出てるのに堪能できなかった。
「俳優を魅力的に見せるってみんなやってるから、ありきたりだな。そうだ、それならデビューからほとんど主役を張っていて、CMにも引っ張りだこ、美人でスタイルも良くてアクションもできてぐだぐだの番宣や舞台挨拶でも可愛らしい、国民的スター女優・綾瀬はるかを全く魅力なく撮ってやろう。これなら誰もできないだろう。よし、スタイルがいいからツナギを着せて隠そう。眼鏡かけさせよう。イメージ悪くなるようにタバコ吸わせよう。声もいいからできるだけ喋らせないようにしよう。笑顔も封印して表情もなくそう。泣くシーンは顔が映らないように引いて撮ろう。いや、まだまだ魅力的だな。そうだ。つまらない話にして観客を眠らせよう。眠らせれば流石に彼女の魅力は伝わらないぞ。」なんて思ってこの監督はこの映画作ったのかな。
残念、どんだけワケわかんないのいっぱい出してきても、
ラストのアップで彼女が全部持っていったわ。綾瀬はるかをなめんなよ。
カヌーとか月のシーンとか、いかにも狙ってるというか、最初から最後まで、どうだ普通じゃないでしょ、いい絵でしょ、って思いながら作ってたんだろうな。
普通がいいよ、普通が。
無残すぎる失敗アートシネマ
いつものおなじみ低予算アートシネマ部隊を大手のプロダクションに乗せようと思い立った果敢な日本人がいたのは、あっぱれ。だけど予算をつけただけなので、カネと手間ばかりかかって全体が有機的に統合されていない。綾瀬はるかの下手くそな演技もそのまま。変なところで音楽が鳴るし…。興行的にもかなり無残な失敗。
へえと思わせるショットは、いくつもあります。冒頭のカプセルホテル、前作『こちらあみ子』のような町のどぶ川移動ショット、終盤の夜の商店街、等々。というかカメラはおおむね巧いのです。でもそれがつながっていかない。日本版ウェス・アンダーソンみたいなファンタジー風味グダグダ悲喜劇の気配はあるけども、俳優を適切に使えないならこんな脚本で映画撮るんじゃねえ。
ところでパンフレットは日本映画にしては丁寧だし資料性も高いんだけど、おおむねまっとうな書き手にこのレベルの作品を論じさせてるのは、正直苦痛。児玉美月みたいな無教養な自分語り大好きバカライターは、こういうしょうもない太鼓持ち駄文を書いてるのがお似合いなんだけど。この人、いっつもこんな感じなんだよね。
鳥取人は、こんな感じ
がんばれオシャレ映画
トレンド最先端の服を着てると「オシャレですね」って言ってもらえるんだって。でもそれは「奇抜な服を着てますね」って意味らしい。本当にオシャレな人は普通の服を着てるのに「お!」と二度見される着方をするらしいの。
この作品も「オシャレ」と言われるかも知れないけど「奇抜ですね」の意味で言われちゃうね。シーンが浮いてる。
この作品に綾瀬はるかや市川実日子が集まるのが不思議だったな。
河井青葉がだらだらと話すシーン良かったな。話し方がいい。
綾瀬はるかの走るフォームもきれいでいいね。
じゃあ、お前が言うオシャレ映画はなにさというと、この頃観たのではヴィム・ヴェンダース監督の《PERFECT DAYS》とアキ・カウリスマキ監督の《枯れ葉》だね。
私に必要な映画だったのだろうな
観てから10日経つ。
同日に観たもう一つの映画も勿論、佳い物語であったがこの10日間、ふと思い出すのはルート29の様々なワンシーンやセリフそして楽曲「Miller」ばかりだった。まさに詩集を読んで感銘を受けたときのよう。
中間管理職の世代なので人の話ばかり聞いていて自分の心は少し後回しにしてしまっていた。そう気がつかせてもらえた。
お姉さまの言葉に嫌悪感を感じつつも自分ごとにも感じる。昔読んだ本、「ゾウの時間ネズミの時間」を思い出したりして。
「こちらあみこ」を観て以来、大沢一菜さんが“気になってしょうがない存在”出演ドラマやCMを見て楽しませてもらっていましたがパンフレットによるとBTSの方のMVに起用されてることを知る。凄い。チェックしなくては。
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