室井慎次 敗れざる者のレビュー・感想・評価
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踊るシリーズとは一味違った新たな物語
*少しネタバレ含むので観た人向けだが、今回の感想を思う限り語ったので観てない人にも読んで行ってみたいと思えたら幸い
タイトルの通り、これは踊る大捜査線シリーズではあるが
室井慎次という名・前作から12年も経過している為
私が予想した様にこれまで観てきた「踊る大捜査線」の色は大きく変わっていた。
これまで日本やハリウッド問わず大人気でみんなに愛されてきたシリーズを数年ぶりに作る流れがあるだろう。
その中でもみんなが愛してきたモノが大きく変えられ、「何で今になって掘り返してきたんだ?」など批判される作品もあっただろう。
そのように私も12年前の「踊る大捜査線 FINAL」で完結しもう見れないと思ったのが今作の公開発表と同時に「ここにきてまたやるんだ」と嬉しさ半分怪しさ半分でこの日まで期待し過ぎなかった。それでも私は小学生の時にこのシリーズに出会い、私が観てきたドラマの中で1.2を争う程大好きである為公開初日に足を運んだ。
期待と不安を織り交ぜながらこの作品を楽しみに迎えた。
結論:良い意味で裏切られた
冒頭にも話したようにこれまでの踊るシリーズとは大きく異なっていた。それでも本広克行・君塚良一・亀山千広
という変わらずの布陣は良い方向にこのシリーズを進めることができたのではないだろうか。
*2段落でネタバレ少感想とネタバレ有感想で分けます
ネタバレ少感想
予告にも分かるように室井さんが秋田に戻り、余生を子供たちと過ごしながら新たな事件が起きてしまう。
・「私たちはまだ室井慎次の全てを知らない」
こうした謳い文句を伝えるようにこれまでの踊るシリーズとは大きく異なった雰囲気で醸し出し、これまで見たことのない室井さんの生活及び一面があった。それでも良い裏切りであるように監督と脚本は新鮮で面白いストーリーを作り出していた。「ほぉ、これが12年ぶりの新作か」と
思うように新たな踊るは新たな雰囲気でも違った面白さがいくつもあったと思う。
・「これまでを彷彿とさせるいくつもの小出し」
多くは語れないがこれまで出てきたキャラクター・演出を良い方向に引き継いでいた。
「踊る大捜査線」はふざけつつ引き締めるところはちゃんと訴えるグラデーションさが私は大好きである。
そんな中以前から出てきたキャラクター・新たなキャラクターの適度なふざけがありつつ、
いつものカッコいいBGMが始まると共に「このシーンは真面目に見よう」と思うように緊張と感動を与えてくれる
こんなグラデーションのようなものは今作でも遺憾無く発揮され、ネタバレを抑えつつも
良い作品であったとおもいっきり伝えたい。
*ここからはネタバレを含めた感想で上記と混ぜながら語っていきます。
・「映画版踊る特有のいくつもの事件」
私が今作で最も良いと思ったのはこの映画版特有のいくつかの事件であろう。
1と2は最近テレビ放送されたようにこの作品たちは3つくらいの事件を同時並行で進めていた。これらは小さい事件も大きい事件もやっていただろう。
そこで今作12年ぶりのストーリーであったため小さな事件はないが、新たな登場人物のバックグラウンドを語る事件・ストーリーがいくつか存在している
・生き埋め死体事件
・貴仁と凛久のそれぞれの過去
・日向杏のこと
まず生き埋め死体事件
この事件は死体が発見され、捜査一家や警視庁の合流で事件は「生き続ける者」に展開していく。ただ、秋田が舞台だったからか2の犯行グループが関わっていくが、日向真奈美が1から3へと再登場したみたいに犯人の再登場も踊る節だったなと感じた。
(また松下洸平演じる桜が捜査一家の刑事として新登場してきたが、室井さんへの興奮とその後刑事らしい事件への考察している時のギャップがカッコ良すぎた)
貴仁と凛久のそれぞれの過去
室井さんの子どもとして一緒に暮らしていく訳だが、子どもたちにもそれぞれの過去があった
。今回は斉藤潤演じる貴仁の物語、次回は弟の凛久の物語が語られていく。
また今回新登場の貴仁役として出てきた斉藤潤くんは今年辺りから「カラオケ行こ」で初主演だけでなくその後もドラマ、映画と勢いがある若手ではあるが、今回ある1シーンでは「こんなにも成長してるのか!?」と「訴えかけるシーン」を踊るさながらに演じきったのは賞賛であった。
日向杏のこと
予告にも出ているが福本莉子演じる日向杏は
1と3にも出てきた日向真奈美の実の娘であろう。今作でも彼女のパワーは遺憾無く発揮されたが、何よりも感じたのは「あっ、この子日向真奈美の娘だ」という点である。
今回どう感じたのかというと事件に関わっているのかどうか不明であり、何故室井慎次の元に来たのかも不明はある。しかし、出てくるシーンには日向真奈美の不気味さや笑顔が杏にも遺伝されていた。真奈美の犯行はあまりシーンとして出てこなかったが懐の良さから人に寄り添って行き、徐々に内側を破壊して、そして殺したんだという流れがあったんじゃないかと感じてしまうくらい杏・福本莉子のパワーを感じた。(彼女は次回にもフォーカスされるがとても楽しみである)
そして最後に室井さんの新たな一面を語っていきたい。
「室井さんの警察官退職後」
皆が分かるように室井さんは警察を辞め、故郷秋田に戻っている。そして謳い文句にもあるように「室井慎次の全てをまだ知らない」のように室井さんの知られざる一面が多く出ていた。
基本的にこれまで室井さんは口数が少なく大事なシーンには強く訴えかける魅力があるだろう。そんな室井さんが家庭内で子供と過ごす時に新たな一面を知るように・ドジな室井さん・料理ができる室井さん・いろんな話をする室井さんなど「父としての室井慎次」は多く魅力が詰まっていた。あの室井さんがお父さん!?と最初は思ったが、ちゃんとお父さんを演じ、これだけでも新しいストーリーを作った成果はあったのではないかと思った。ただある1シーンで室井さんが警察を辞めた苦悩が見られた時にやはり青島との約束を果たしたかったのだと改めて感じた。
こう長々と感想や考察を語っていたが、改めて今回の「室井慎次」はこれまでと大きく変わっていった。しかし本当に良い意味で裏切ってくれた。もちろん変わったことによって賛否両論はあるだろうが私も100点満点ではない。ただ、様々なシーンでの評価は高いので70.80点くらいと「踊るシリーズ」の再スタートとして良い走り出しだったと考える。
ここまで読んでくれた人いたら幸いです
もう一つ
組織、それは家族
TVシリーズ、劇場版をリアルタイムで楽しんでいた。社会人として、組織の現実と理想や、一般職とキャリアの関係に共感したりもした。
あれからほぼ実時間が経過して、室井さんは改革の志半ばで警察を去っており、後輩の新城(筧利夫)に「何一つ変えられなかった」と自嘲する。 実に切なくもの悲しい。だが現場で起きていることに目を向けた経験は、彼に「家族」を与えた。それは大きな変化だろう。その(広い意味での)家族には、新城や沖田(真矢ミキ)など、かつて志を同じくした者も含まれる、のかも…というところで後編「生き続ける者」へ続く。
前編は種撒きで、色々なエピソードが一見とっ散らかったように現れる。これらがいかにクライマックスへ収束するかに期待したい。(それ込みで評価は甘め)
ファンムービーなので過去作からの引用が多いのは別にいいが、もう少しメリハリをつけて出してもよかったかとは思う。あんなに映像を見せられると、次は青島に会えるのかと期待してしまう。
クローズアップ
踊る世界観を残しながら進化したスピンオフ
室井さんも歳をとったし私も歳をとった
思ったより悪くなかった!
踊る
全ては来月の続編で…秋田のゴリ推しはちょっとウザい
時を経て深みを増して良いシリーズとなっている
とても深みが増して良かった
過去作は少しコミカルな所と勢いで
押し進める感じの作品でしたが
今回のシリーズは深みのあるゆったりと見せる作品で
とても飽きさせない良い映画でした
来月がとても楽しみでしょうがないです
あくまでも今作は過去シリーズを観ていた人には
振り返りや年月を感じさせて、観てない人には
説明的な序章となっています
予告ではコミカル推しな物になっていますが
室井慎次をより室井慎次にしている気がします
青嶋編もその当時は好きでしたが
今作品の室井慎次は年月で深みをました演技という
醸し出す雰囲気がとても親近感があり最高のシリーズと
なっている様な気がします
過去作が好きだったのなら観るべき作品だと思います
ラストマイルの作品またぎとは比べ物にならないくらいの
時間経過をうまく使っていて各キャラクターが
輝いてる様な気もしました
とりあえず、11/15の続きを楽しみに
仕事に励める様な気がします!!
ロングコート再び…‼︎
室井家族良かったです
わざわざ2部作にする必要はあったのだろうか?
室井が過去に関わった事件の犯人の1人が遺体で発見されたり、別の事件の犯人の娘が転がり込んできたりと、新たな事件の発端は描かれるものの、その後は、一向に話の進展がない。
結局、室井が里親として引き取った高校生の少年が、刑務所で、彼の母親を殺したヤクザと対面する場面が、本作での一番の見どころになっているのだが、どうしても本筋から外れたエピソードにしか思えないし、物語としてのテンポの悪さも感じざるを得ない。
ほとんどの出来事が第2作へと引き継がれ、本作ではほとんど何も決着しないところを見ると、どうして2部作にしたのかが理解できないし、2本分の映画の興行収入を稼ぐために、わざわざ2部作にしたのではないかとさえ勘ぐりたくもなる。
いずれにしても、本シリーズの最大の魅力は、「キャリアの警察官僚と現場の刑事達との軋轢と確執」にあると言っても過言ではなく、過去の回想ではそうしたシーンが度々出てくるものの、本編でそうしたことが描かれないのは、やはり物足りないとしか言いようがない。
これについては、警察の組織改革を成し遂げられず、自分を「敗者」だと思っている室井が、今後、どのようにして、そんな自分に折り合いをつけるのかに期待するしかないだろう。
その一方で、30年近い月日の流れを見届けるに当たっては、「キャリアの警察官僚」である室井だけでなく、「現場の刑事」の代表である青島にも登場してもらいたかったと、どうしても思えるのである。
これが現実か?
室井さんの前にこれから何が起きるのか?
前後編の前編。物語の序章としては十分だったのではないでしょうか。随所に過去の映像を用い、本編でも当時の人物を現在のポジションで登場させ、踊る大捜査線の香りをそのままに、しかし今作の主役室井慎次に焦点を当てた上手な作り方だと思います。
前半に登場する駐在の若い警官の軽過ぎる演出は必要ないと思いましたが。
地区長や牧場の夫婦、商店の女性などまだまだ室井さんとの関係性の全部は分かりません。
そして事件そのものの全貌も明らかになっていません。
里親となったタカとリクの二人の少年の今後も気になりますし、杏と言う少女の目的は何なのか。火をつけたのは誰?
全てが分からないミステリアスな展開ですが、それらに真正面から向かって行くであろう室井さんに期待せずにはいられません。
自分の弱さを知っていて負けを認める事の出来る人こそ強い。
里子のタカが母親殺しの容疑者に対して言った言葉は、室井さんのその背中を見て成長している証です。
生き続ける者で見せてくれる室井慎次に期待せずにはいられません。
いい映画を見ました
新参者には厳しい内容
誠実・・踊る大捜査線チームが26年目に出した答えは《人間を描く事》
驚くほど静かに滑り出し。
「踊る大捜査線」のコミカルなイメージを覆す
シリアスドラマ・・・でした。
定年の何年か前に警察を退職した室井慎次が住む木造家屋。
郷里の秋田の山奥で畑を耕し魚を釣る。
そんな悠々自適にも見える生活には、小学低学年と高校生の2人の
里子が居る。
そこに今も終身刑の受刑者の娘(福本莉子)が飛び入りしてくる。
そして沼を跨いだ筋向かいの土地で、埋められた死体が発見される。
それは2005年の劇場版第一2弾「レイボーブリッジを封鎖せよ!」の
実行犯5人のうちの1人の死体。
実行犯の5人は刑期を終えて2年前に自由の身となっていたのだ。
3人の犯罪被害者(and加害者)の子供たちを縦糸に、
刑期を終えた後は「特殊詐欺と強盗」に生きる道を選んでいた
「レインボーブリッジ事件の加害者たち」の1人の他殺体。
この事件が横糸と言えるでしょう。
はじめは室井慎次(柳葉敏郎)のリタイア後の人情ドラマか?
《田舎暮らし》の話しなのかとと思いました。
食事も凄く美味しそうだし、
しかし観進めて行くうちにジワジワと心に響く、
心に迫るものが押し寄せてくるのです。
警察官僚“室井慎次“のやり残した事。
そしてやるべき仕事と生き様・・・・
何故、前・後編の2回にしはければならないのかも、
分かってくるのです。
この映画はヒット狙いでは無かった。
“踊る大捜査線チーム“
監督の本広克行、脚本の君塚良一、プロデューサーの亀山千広、
スタッフ全ての「踊る大捜査線」の総括であり、やり残しの全ての
集大成で「答え」なのです。
3人の子供たちを準主役に置いた事は、正解でした。
「人生を若くして捻じ曲げられた子供たち」への熱い思いであり、
犯罪の持つ後遺症や風評被害、親を奪われる悲劇であり、
室井慎次のように里親になるのも一つの答えだし、社会全体が
サポートすることの必要性が当然あります。
高校生のタカ(齋藤潤)
小学生のリク(前山くうが、こうが・・・双子で一役?)
そして猟奇殺人犯の小泉今日子の獄中で産んだとされる娘役の、
福本莉子。
福本莉子は今までの好感度女優から、捻くれた悪を匂わせる
複雑な役柄。新境地が見られそうな予感。
齋藤潤は「カラオケ行こ!」同様に人間的深みを垣間見せる。
光るものがある大器ですね。
まあなんと言っても柳葉敏郎ですよ‼️
多くを語らず、多くを背中と年輪を感じさせる皺の深さ。
もう室井慎次の人間的魅力全開です。
間違いなく後編ではやってくれます。
松下洸平もちょっとしか出てない、
後編の11月15日が楽しみになる、
《絶対に後編を見届けたい》気持ちになりましたから、
成功なのではないでしょうか‼️
新規者にはかなり厳しい…。10月2週は意外にも選択肢が少ないが…。
今年366本目(合計1,458本目/今月(2024年10月度)17本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
今週(10月2週)は意外にも作品の数が少なく、ある中でも3時間級の映画などがあるので、(2つの季節しかない村。インド映画でもないのに3時間は結構厳しい)新作をみながら先週の拾い忘れを見る手もあるかなという気がします(10月3週は無茶苦茶多い)。
さて、こちらの作品です。
多くの方が書かれている通り、新規参入者には結構厳しい作品だなぁ…といった印象です。その前編なり過去シリーズが前提となるセリフもあれば、この作品は前々から予告されていた通り、本編(敗れざる~)と別に後編があり(後編のことはエンディングロールでちらっと流れる)、後編前提のセリフが出てきたりと、日本映画なので当然字幕もありませんが、方言(秋田方便)とは別にこうした事情で話している内容「それ自体」が「**が**で**だ」みたいなことを話してくるので、どうにも理解にも限界があるような気がします。
ただそれまで踏まえても最低限の説明はあるし、過去作品を知らないとまるでついていけない(トリックが過去作品を見ている事前提等)というところまではないのでまぁまぁですが、VODでも何でもよいので過去作品を見ておかないと、字幕ではなくセリフが「**で*の~」みたいな「謎日本語」を聞くことになって結構厳しいかなといったところです。
上述通り後編があることが前提になっているので前編にあたる本作もどこまでネタバレができるのか…という推定も難しいところです。しいてあげれば、「里親制度」という語を把握しておくと有利かなといったところです。
採点にあたっては以下まで考慮しています。
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(減点0.3/勝手に監視カメラ(ビデオ)をつけることはできるか)
このことについての最高裁判例はなく、地裁判例レベルではいずれも住民側敗訴ですが、その前提として「監視カメラ(ビデオ)を設置することによるプライバシー侵害の度合い」と「犯罪解決のために受忍する程度の度合い」を図って判決が出されているのであり、何でもかんでも設置できるわけではないので、ここは適切な描写が欲しかったです。
(減点0.3/弁護士によるいわゆる刑の減軽に関する嘆願関係)
主に弁護士が行うことですが、司法過疎地では司法書士や行政書士(後者は、外国人関係の万引き等、最初に受け持ったのが行政書士のケースが大半)が一部(文書作成については)行うこともままあるようです(「刑を軽くしてほしい」程度のことであり、誰が作ったかは本質論ではないため。もちろん法廷に出ることができるのは弁護士だけ)。
ただいずれの場合でも、弁護士は基本的に受任者のために(被告人がつけたのであれば、被告人のために)動くものですが、それが度を越えて「相手側をだましたり精神未発達の状況で嘆願書を書くように依頼したり、あるいは法廷(裁判所)でそう言うように誘導などすると逆に減刑どころか(刑法が定める範囲内において)「増刑」になりますので(この「真に自身の真意で書いたか」という点は裁判では必ず聞かれます)、この部分は映画上の誇張表現だとは思いますが、こちらも適切な描写が欲しかったです。
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後編楽しみ
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