「続編見ないと何も分からん」室井慎次 敗れざる者 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)
続編見ないと何も分からん
四半世紀ほど前に大ヒットした「踊る大捜査線」のスピンオフ。四半世紀前も生きていたはずだけど、実際テレビも劇場版も観た記憶がなく、本作がシリーズ初見となりました。当然元々のファンの方も大勢ご覧になったと思いますが、私のような初見の者にもかつての話の流れが分かるような親切設計で、その点ありがたかったです。
そんな「踊る大捜査線」初心者の感想ですが、本作の主人公である室井慎次をはじめとするシリーズ常連のキャラクターの安定ぶりと対照的に、本作オリジナルのキャラクターの不安定ぶりに目が行ってしまいました。特に福本莉子演ずる”謎の少女”日向杏のしっくりと来ないことと言ったらありませんでした。家の中で意識不明で倒れていたのに、救急車や警察を呼ばない室井一家。もし死んじゃったらどないすんねんと思わざるを得ないところ。案の定怪しい動きをする杏に対し、泰然自若の室井。この不安定な関係は、ドラマとは言えリアリティがなくて釈然としませんでした。
まあ11月公開の続編「室井慎次 生き続ける者」を観れば、一定程度回収されるんでしょうけど。というか、続編ありきで制作された本作であり、本作では残念ながら何一つ解決されない作りだったのも、ちょっと満足の行かないところ。プチ事件で構わないので、室井慎次が解決して彼の実力の片鱗が見られたら良かったのになあと思わずにいられない初心者の感想でした。
そんな訳で、スッキリとしないまま続編に続くことになった本作の評価は、暫定★3とします。
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