「富田望生の演技力が爆発した作品」港に灯がともる 邦画野郎さんの映画レビュー(感想・評価)
富田望生の演技力が爆発した作品
富田望生さんのことはたまにドラマやバラエティで見かけるな程度の認識です。
今作は震災をテーマにした心の病を抱えた方の作品のようだったので普段、障害者支援の仕事をしているため気になって見てみました。
内容的には思っていたものと違いました。
震災をきっかけに発症して回復していく的なものなのかなと思ってましたが。
とりあえず私が感じたままの感想を書きますが
ストーリー的にはとても不親切な作りになってると思いました。いわゆる大衆向け作品のようなわかりやすいものではなく、たとえば父との関係性、それぞれの経過などが断片的にしか描かれてないためある程度、自分の中でのこれはこういうことなのだろうか?という補完が必要になってくる作品ではないかなと思います。
特に劇中だけで読み取ろうとすると父親は在日である差別を受けたことによってだいぶ歪んだ人間性を持ちそれを実の娘にまで毎度ブチ切れてるだけの人間にしか見えなく、そんな父親をなぜか娘である主人公は何度も繋がろうとしていてこのあたりも昔の父はそうではなかったみたいな描写もないので意図がよくわかりません。ただ何度も昔の母と祖母と父が並んだ写真が登場するのでここから何かを読み取ってほしいのかなとは思いましたが。
全体的に救いがないというか冒頭から自分勝手な家族の胸糞悪いシーンとかしんどい場面がわりと多く仕事終わりで見に行って気持ちの余裕がない時には見るものではないなと思いました。
震災、在日、心の病という要素がある中で正直何を伝えたいのか、どれを主軸としているのかがいまいち中途半端で見えにくい作品だなと感じました。
ずっと同じシーンを長回しするのもあえてそこから見せたい考えさせたい意図があるのでしょうがみていて苦痛でしかなかったです。
ストーリーだけでいうと金返せレベルでかなりの駄作だと思います。
ただ、演者の方々の演技はみなさん間違いない方々ばかりなのでそこはとても良かったです。
特にやはり富田望生さんの何度か出てくる発狂するシーンや心の病を患った時の演技はすごいなーと思いました。
ストーリーどうこうよりも富田望生さんの演技力のすごさを見る作品だなと感じました。