劇場公開日 2025年8月29日

「中毒、封印した記憶、巨悪、そして限界突破・リミッター解除……愛は血を流して(=自分を痛めつけて)こそ証明できる究極の献身」愛はステロイド とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 中毒、封印した記憶、巨悪、そして限界突破・リミッター解除……愛は血を流して(=自分を痛めつけて)こそ証明できる究極の献身

2025年9月1日
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『テルマ&ルイーズ』というより、(エド・ハリスだし)『ヒストリー・オブ・バイオレンス』担当イケメンすぎるクリステン・スチュワート ✕『サブスタンス』ボディホラー担当ケイティ・オブライアン最強タッグだった!!
『セイント・モード/狂信』ローズ・グラス脚本監督 ✕ A24製作だけあって魅惑的な雰囲気ありありの中、危険分子の早々の退場など、予期せぬストーリー"ライン"(=筋肉線)展開で魅せる。コーエン兄弟もまっしぐらの殺人雪だるまで、殺人カップルの逃避行と思ったら、田舎のヤバい家族モノだった!そして、最後にはリスキーな選択を取ることで観客に驚きと「え、どういうこと?あれなんだったの?!!」という考えさせる余韻を残す。それに続くインパクト大の印象的なカットが素敵だった。時は、ベルリンの壁が崩壊した1989年。筋肉と対を成すように、男根社会に屈する拳銃、そして髪の長い男。
欲望と暴力渦巻く世界で、愛と変革は血を流して(=自分を傷つけて)こそ?ニコチンとステロイド、中毒になると不安や孤独に押しつぶされそうにもなるけど、やめる・断つという「ハナからそれできたら誰も苦労しないわ!!」というわかりきった選択ではなく、むしろ愛する人がいるからこそ、自分をボロボロにして無理を強いるような愚かな行為も肯定できるのだろうか?ルールーが己のトレーニングのみで勝負したいジャッキーにステロイドを勧めるのと、危険分子が禁煙中のルールーにタバコをプレゼントすることが、同じ図式になっている。
『サブスタンス』と共振する痛快豪快な恋愛スリラーで、女性監督がジャンル映画でここまでブチかましてくれるその意味を考えたくなる劇薬!!

P.S.『イントゥ・ザ・ワイルド』を観たときにどことなく似ているなと思ったジェナ・マローンとクリステン・スチュワートが姉妹役で共演は、時を超えて「ほれ、見てみぃ!!」とドヤりたい。

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とぽとぽ
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