「信頼や絆は一方的なものではないということ」わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー! ドキドキ・ゲームの世界で大冒険! 守屋ことさんの映画レビュー(感想・評価)
信頼や絆は一方的なものではないということ
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子供向けの映画ですからあまり期待せずに見ましたが、想像以上に良かったです。子供達につられてちょこちょこ見ていた『わんだふるシリーズ』ですが、思いのほか感動することも多く、よく胸がいっぱいになります。
一見、明るく元気な女の子たちがあらゆる困難を愛や正義で乗り越えていく〜のような王道(今作は暴力で解決しないというのは異色に思いますが)展開ですが、キャラクターの選択が安易に目先の幸せを求めたり悪を単純に倒すなどではなく、お互いの幸せに向き合ったり、なにが幸せなのかを純粋に見つめなおせるような作品であることが素晴らしいと感じます。個人的にはとても好きな作品です。
この映画でも、タヌキたちははじめ安易に動物を大事にしてくれる人間を探していましたが、それではだめで、動物もまた相手のことを大切に想わねば、信頼や絆は成り立たないのだと痛感しました。人間関係も同じく、信頼や絆は一方的なものではなく、お互いがお互いを思いやらねば築けないように思います。
最終的に、昔会っていたタヌちゃんらしきタヌキにも遭遇しますが、感動の再会よりも、彼に家族ができて野生のタヌキとして平穏に過ごしている、という演出に留めたのも相手の幸せを思いやる『わんだふる』ならではに思います。大人ながら涙腺が緩む作品でした。
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