「地理的な面からオイオイ、となってしまって入りきれなかった。」好きでも嫌いなあまのじゃく はぬるさんの映画レビュー(感想・評価)
地理的な面からオイオイ、となってしまって入りきれなかった。
山形県内では庄内地方以外すべてに居住したことがある立場からすると、移動の工程が気になりすぎてちょっと…となってしまった。
主人公が住んでるのは多分山形市みはらしの丘。
ここから米沢の高校(制服的に米沢商業高校かな?)に通う人ってあんまりいないと思う。
で、窓から逃亡後の「日枝神社」までの移動が
上山(リナワールドの観覧車~スカイタワー~西郷地区)→米沢→小野川温泉→飯豊?(たぶん米坂線っぽい線路などが出てる)→山寺(山形市)
みたいな感じで一端50キロほど南下してまた60キロほど北上する…みたいなことやってる。
内容が面白ければそんなのも気にならないんだろうけど、そのおかしさをはねのけるまでには至らなかった。
それに風景はやたらリアルだから、そこがまた移動の工程のおかしさを強調しちゃったんじゃないかな。リアルさが仇になってしまった。最初の米沢駅なんてスゲーと思ったもん。
まぁ他の映画とか、地理的にどうなのかわからないけど、例えば評価の高い「秩父三部作」でそんなの気にしてる人がいないって点で考えると、やっぱり地理的に気になってしまうということは、改善の余地の多い映画だということなんだろうね。
ジャッキーチェンの「レッドブロンクス」撮影の際の話。
アメリカが舞台の映画ではあるけど、カナダで撮影していてカナダだとわかる山が映ってしまうことがあるということがあったらしいけど、その時彼は「そっちに気を取られてしまうっていうのは、僕のアクションが弱いって証拠。それじゃダメ」みたいな趣旨の事を言っていたらしい。事実私は全く気付かないほど没頭してた。
そんな内容であって欲しかった。
主人公たちをもっとちゃんと掘り下げられてたら、違ったんじゃないかなぁ…
そもそも男の子の主人公の方の移動の始まりが能動的じゃないしね。
魅力的な部分もあるからなおさら…